Fate/stay night Persona Memory 作:鏡蓮
30日(日)、昼間にセイバーに誘われ、デートしに行く事になった。
「セイバー、遊園地に行ってみるか?」
「遊園地ですか?なら、行きましょう!」
冬木市の中にある遊園地は、今とは変わらない遊具が多く建っていた。
セイバーはそれに驚きと喜びを持ったのか、俺の手を強く握る。
「やはり、来て良かったです!」
「そうか、どこに乗るんだ、セイバー。」
「はい!まずはですね…。」
日帰りの為、セイバーはよく考えて選んで遊びに行く。士郎たちを誘えば良かったが、士郎は遠坂さんとの訓練がある為、誘いには行かなかった。
「これはなんですか!」
「ああ、ポップコーンって言ってな。」
お店に来たセイバーはポップコーンを買ってパクパクと食べていく。それを見ながら、俺はジュースを飲む。今のセイバーはいつものセイバーだ。そう安心して、遊園地を満喫する。
「セイバー、最後はあれを乗ってみるか?」
「あれは…、観覧車ですか?」
「ああ、ベタだけど初めてだろ?」
夜になりつつある遊園地の最後、ベタだけど、観覧車に乗る事にした。街を全て見える景色に、セイバーは輝いた目を見せていた。
「…私、貴方と一緒にいるのが楽しいんです。聖杯戦争でも、日常でも。」
「そうだな、俺も楽しいよ。」
「…ですが、この景色を見る事すら無くなるんですよね。」
セイバーは哀しい目をする。そうか、聖杯戦争が終われば、全てはゼロになる。それがセイバーは嫌なのだろう。
「私が生きてた時代に、貴方がいたら…貴方に全てを預けれたのに。」
「そうか?セイバーは今も前へ進んでるし、英霊なんだろ?」
「…そうかもしれません。でも、貴方の様に上手くいかなかった。貴方の様に、人を信用すらできなかった。貴方みたいな人に会えたら、私は…捨てれたのに。」
セイバーは俺の頬を触る。それは、愛おしいという感情と欲望に満ちた目を見せていた。
…それは自己満足だ。だが、それを否定すらできない。俺の周りは辛いと思ってでも前へ行けた。
「セイバー。」
「はい…。」
花火が舞い上がる。季節に合わないが、もう終わりの時間だろう。
俺はセイバーの目を見て、話す。
「俺は君の側にはいられない。でも、この先なら君の隣に立とう。それが嫌だったら…。」
「十分ですよ。過去を振り返っても変えれません。でも、未来で貴方と共にいるなら…私は。」
セイバーは席を移動し、隣に座ってもたれ掛かる。…もう着く。少し、時間のかけすぎだろうか。
「私は、貴方と共に…。」
…俺の選択肢は間違えたんだろうか。セイバーの想いが強くなり過ぎてる様に感じる。
もう夜になったので、帰ろうとするが、セイバーは立ち止まった。
「セイバー?」
「悠理、絶対に勝ちましょう。」
「ああ、そうだな。」
聖杯戦争に向けて、意気込んだ後、セイバーの手はさっきより強く握られる。
今日は、コミュを進めれない。
31日、放課後は路地裏に向かった。いつもの通り、冬の城の前に着くが、誰もいない。
「鍵が開いてある。」
無断だが、今がチャンスかもしれない。俺は大きな扉を開く。そこは豪華なホテルの様な場所であり、人がいない城だった。
「貴方は…。」
「イリヤ…?」
イリヤが大人になった様な女性が立っていた。その女性は俺の前に駆け寄る。
「…やっぱり、切嗣の言った通り、
「あの、貴方は?」
「あ、ごめんなさい!私はアイリスフィール・アインツベルン。イリヤがいつも世話になってるわね。」
そう明るく言う彼女、アイリス…。イリヤスとも言ってたから、スフィールは除外してるのか?
「アイリス…。」
「アイリ、その方が呼びやすいでしょ?」
「あ、ああ。アイリは、どうしてここに?」
「ううん…、秘密。それに、切嗣が居ないときに来るなんて、もしかして泥棒?」
泥棒…。怪盗もそうだが、俺は別に泥棒をしたくて入ってきてない。
「それに、切嗣って…。」
「ああ、別人よ。貴方の思ってる切嗣とは。」
「…そうなのか。」
俺はアイリの言葉に少々疑問を浮かべるが、そうかもしれない。それに、似ているって言ったって。死んだのだ。会えるわけない。
「アイリはここで何してるんだ?」
「そうねー。ここでは普通に住んでるってだけで何もない。ほんと、車で暴れたい気分。」
「あ、暴れる?」
車で暴れるって何だ?俺はアイリの言ってる事に頭を痛めるが、車好きなんだろうか?
「切嗣はしばらく帰ってこないわ。ねぇ、ここに住むこともできるのよ?」
「断るよ。まだ、俺は英霊として闘う義務がある。」
「英霊…ね。」
アイリは含みのある言葉を投げるが、無視をする。聖杯戦争が終わり、聖杯を持てば…。
…士郎との対立は避けられないのかもしれない。
「ねぇ、名前を教えて?」
「晴宮悠理…だけど。」
「うんうん、やっぱりだよねー。」
「?」
「あ、ごめん。こっちの話。」
そう含みのある言葉に困惑を持つが、もう夜になる時間だろう。帰らなければ。
「ねぇ。」
「はい?」
「絶対に後悔しない道を選べる?」
「…選べれたら、苦労しないでしょ。」
「ふふっ、そうよね。でも、貴方の可能性で、未来を変えれるって覚えておいて。」
そう笑う彼女、俺はその言葉を覚えて、城の扉を開ける。眩い光が灯されたとき、目を開けた先は、いつもの路地裏の先。
…未来を変えれる。俺にそんな可能性など無いはずなのに。
我は汝…汝は我…
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りは即ち、
生きし英霊の力とならん。
我、悪魔のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
勝利へと至る、更なる力とならん…
「夜は、教会に行くか。」
そう予定を立て、家に帰っていく。
夜は教会に入り、サーヴァントに会う。
「暫くぶりだな。悠理。」
「…クラスは何だ。」
「ほう、我に命令か?まぁ良い。その方が楽だ。我は
「…アーチャー2。お前の目的は何だ。」
「あ、アーチャー2だと…。貴様、我を愚弄してるのか!」
「…いや、知らないし。」
俺はアーチャー2の言葉を否定する。王って言われたら、苦い思い出しかない為、その呼び方にした。
良くはない言い方だが、アーチャー2の方が覚えやすいからだ。
「…ふんっ、まぁ良い。我の目的はそう!この聖杯戦争を愉しませる者が現れる事、それだけだ!」
「え、それだけ?」
「そうだ!」
どう反応すれば良いのか、俺は難しく感じていた。だが、今の所は俺たちに影響は無いのか?
「だが、我の予想外は、お前がいる事だろう。」
「知ってるのか?」
「ふんっ。知ってなければ、王としても面白くない。」
俺を知ってる彼。俺は彼を知らない。それに、面白くない。って事は、この戦争をゲームとして思ってるのか?
「我の愉しみは、お前がどう未来を切り開くか。それが気になるのだ。」
「…未来を切り開く?」
「ふん、まぁ良い。悠理よ、お前は生きる為に闘ってると言ったな。だが、お前には二つの気持ちがある。」
「それは、友の約束か人間である願いの二つ。それを、貴様は選べれないのだ。」
「そうだが…。」
アーチャー2の言葉に反論などできない。そう、士郎の願いを叶えるか、俺の願う物を選ぶかを。
「ふんっ、我から言うのは違うが、お前はもう決まってるはずだ。それに気づいてない。そうだろう?」
「何言って…。」
「貴様なら、もう気づく。何故なら、我の愉しみを増やした者なのだからな。」
そう言って、アーチャー2は暗闇に消える。…俺の決まってる願いは分からない。だが、聖杯の為に闘ってるのは決まっている。…その道中で気付くんだろう。
そう思いながら、俺は家に帰っていく。
6月1日(火)、昼休み、定期テストの結果が発表された。…学年1位だ!今日は良いことがありそう。
放課後はマウント深山を歩いていた。
「久しぶりだな。」
「…言峰さん…。」
俺の目の前に言峰さんがいた。その姿は相変わらず神父だが、目は変わらない。
「君の事は良く知ってる。だが、これから後悔する事を伝えておこう。」
人混みに紛れ、言峰さんは俺の目を見て、嘲笑う。
「君は、人を救えない。」
その言葉と共に、言峰さんは人に紛れ去っていく。人を救えない、その言葉の重みを知ってる。
心の怪盗団だった頃の自分を。
『ジョーカー!無理をするな!』
『なら、何で俺を守るっ!お前も無理をしてるだろ!』
『そんなに言うなら、闘えるんだよな!』
『ふっ…。そうに決まってる!』
刈り取りし者の前で倒れそうになる俺とジョーカーは、奇跡的に倒せた。その時に、現れたペルソナは…。
…なんなんだ?
「…路地裏に向かうか。」
俺は砂になった記憶を思い出せずに、いつもの路地裏に向かい、歩く。
そして、冬の城に着くが、イリヤの方に向かって歩こうとする。その時、突如の大吹雪が俺の前に太刀憚る。
「なんで、今…。」
大吹雪に立ち向かう俺は、脳内に幾つもの記憶が流れていく。心の怪盗団の思い出、2018年にあった記憶。誰かを守り、ナニカを壊したあの日。
「お兄ちゃん?」
「…イリヤ。」
「大丈夫?疲れてる様に見えたけど。」
イリヤは俺の顔を覗く。…何を思い出したんだ?何を…してたんだ?
「お兄ちゃん、話でもする?」
「そう…だな。」
俺は力を入れて立ち、イリヤの横に座る。
「お兄ちゃんって、不思議だよね。」
「そうか?」
「うん!お兄ちゃん、いつも人に寄り添ってくれるんだもん!そんな事しても徳なんてないのにさ。」
「毒舌だね。」
俺はイリヤの言葉が大人の言葉に聞こえた。だが、徳なんてないか。そうかもしれない、実質そうだ。ただ、自分の力になってくれるコミュなんて無ければ、ただ徳がない存在。
「でもね、お兄ちゃんは人の事を良く見てるんだと思うの。お兄ちゃんが…遊んだりしてくれたから、笑顔がいっぱいになるんだと思うの。」
「…そうだといいな。」
俺はイリヤの方を向く。その笑顔は眩くて、俺のしてる事を肯定してる様に思えた。
「だからね、お兄ちゃん。絶対に幸せでいて。」
「…約束しづらいな。」
「ううん、約束じゃないの、本当になってほしい願いなの。」
イリヤはそう願いを言う。…そうだな、幸せになれたら、俺は何もいらないかもしれない。
…それでいいのか?
「また会うよ。」
「うん!またね、お兄ちゃん!」
イリヤの言葉に元気が出たのか、俺は彼女と離れ、元の場所に戻る。
「幸せ…か。」
俺はその言葉を噛み締めながら、家に帰って行った。
夜は、何も考えずに眠りに落ちた。最近は、本当に行動ばっかして何もしてないのは久しぶりだ。
「お休み。」
そう1人で言って、眠りに落ちた。
節制4
悪魔3
太陽7
6月に突入しました。漸く、終盤になってきてますが、考えるの疲れたぞ…。(題名を考えるのが疲れました。)
Fate/Zeroの登場人物は少し出しておく事にしています。(アイリとイリヤ+1人)。
謎のサーヴァントは真名が明かされてないのでアーチャー2呼びにします。