Fate/stay night Persona Memory   作:鏡蓮

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6月6日〜18日(金)までの話。
ペルソナシリーズ恒例のコミュの会話です。

細かい所まで書いたせいか、密度が濃いですが、よろしくお願いします。


#25 最後の日常

6月6日〜9日。

「アサシン…。」

 

俺は柳洞寺に刺さった刀を見る。引き抜けないのか、そのまま放置されたままだ。

ただ、一つ書いてあるのは「佐々木小次郎」と書かれた刀だけ。

今日のニュース「佐々木小次郎は存在していた!」という話題を呼んでいた。

 

「果たされたのかな、この闘い。」

 

最後の一刺しで、アサシンは英霊の座に還った。もし、この場にセイバーがいたらどうなってたのだろうか。

……変わる可能性はあるかもな。

 

柳洞寺は今は殺人で、警察が囲んでいる。殺されたのは葛木宗一郎のみ。傷害はあり、死亡と判断されたらしい。

何故知ってるかは、一目でわかる。あのバーサーカーにより、殺されたのだ。

 

「…イリヤ。」

 

何が目的かは明白だ。俺を城に置いておきたいのだろう。だが、あの断りを入れた事で生きれた。

もし、断りが無ければ…。そのままイリヤに飼い慣らされたんだろうか。

 

「…考えたくないな。」

 

春までには終わると推測してる聖杯戦争。ただ、謎は残るままだ。どうして、葛木は令呪を持ってないのか、キャスターは何が目的だったのか、把握できていない。

 

「…次があれば聞いてみるか。」

 

いつかは分からない願いを言って、俺は家に帰る。

 

「…おーい?話聞いてるー?」

「綾子さん…。」

「久しぶりだな。最近、学校で会わないし、部活に来ないから心配してたぞ。」

 

6月7日、美綴綾子さんと俺は学校で会話をしていた。…部活、最近行ってないな。

そういえば、慎二はあの後どうなったんだ…?

 

「やはり、ここにいたか。」

「一成。」

「あ、生徒会長。今はアタシと話してるんだ。割り込みは禁止だぜ。」

「…だが、俺も彼に用がある。」

 

一成とも行動しないといけなくなった。…今日は帰れるのだろうか。

 

「一成、そういえば用事って?」

「ああ、今度の行事の変更があってな。それを手伝って欲しいんだ。」

「手伝えたら手伝うよ。時間があったらだけどさ。」

「そうか、準備は10月だ。覚えておいてくれ。」

 

そう言って一成は去っていく。柳洞寺の事があるのに、何時もより淡々としている。

…何かいい事でもあったのか?

 

「はぁ…、なぁ、今日って用事あるか?」

「ないですけど…。」

「なら、ヴェルデに行って、デートな。」

「え?」

 

俺が綾子さんの方を見た時には、もう離れていた。

…約束は守った方がいいだろう。

 

「それで、ヴェルデに来たのって?」

「ん?気まぐれな。ただ、一つ聞きたいんだ。」

「は、はい。」

 

…何か重苦しい空気が流れる。…まさか、彼氏ができたとか?

…いや、それだったら彼女の目は暗くならない。

 

「あの黄色髪とは彼女なのか?」

「え、は、はぁ。」

「…そうか、クソっ…。」

 

嫉妬だ…。あまり女性がやらないいらつき方をしている。慰めるべきか?

…しないでおこう。逆撫でしてしまう。

 

「なぁ、私と会ってない時に、彼女できたって?」

「そうなります…ね。」

「何で付き合ったんだ?」

「…え、それ聞きます?」

「真面目に聞いてるんだ。…本当の事じゃなかったら何か買わせる。」

「例えば…?」

「指輪のペアルックだ。」

 

…終わった。今のセイバーが見たら、殺される。俺が。…本当のことを話しておこう。

 

「はぁ?無理矢理の付き合い?」

「はい。まぁ、事情が事情なので、仕方ないんですけど。」

「…なら、入れ替えれるだろ?」

 

綾子さんが俺の顎を撫でる。…その目は肉食獣だ。断るべきだな。

 

「…そうか、だが、もし心が入れ替われば、私の所へ来い。いいな。」

 

そう言われ、俺と綾子さんは別れる事になった。…精神的にキツい物がきた感じがする。

疲れたので、寝る事にしよう。

 

6月8日、今日は部活に来たが、やはり慎二がいない。

…誘われたので、弓道の練習をした。8月くらいには大会を控えてるので、誘われた。

答えは空いてたら行くと応えた。

 

夜は教会に入る事にした。…今日は珍しく人がいない。

 

「これって…。」

 

俺は血の跡が付いた床の方に歩く。…そこに居たのは、刺し殺された慎二。

…脈がない…すでに死んでいる。

 

「…嘘だろ?」

 

無惨な刺し傷。…アーチャーがやったのか?

 

「…助けれなくてごめん。慎二。」

 

すぐ行けば良かったのに、俺は助けずにいた。…自責の念が心の中を掬っていく。

精神的に疲れたのか、すぐ寝てしまった。

 

9日、何も考えれず、熱を出してしまった。…しばらく安静にしておこう。


6月13日〜16日(水)

 

6月13日(日)、熱は冷めた。…今日はクーフーリンが居そうな場所にいこう。

 

「…よく分かったな。」

「そりゃあ、初めて会った場所はここだろ?」

 

出まかせである。…だが、空気を読んでおく。…ここは、穂群原学園の玄関前。

初めてクーフーリンと戦ったあの場所。

 

「…俺たちはもしかしたら、仲間だった可能性があった。」

「そうか?まぁ、お前が言うならそうなんだろうがよ。」

「…クーフーリンは、動かないのか?この現状に。」

「動く事はできる。けどな、俺たちは従者だ。…主人の命令を聞けない従者は必要ない。だろ?」

 

クーフーリンは後ろ向きだ。…クーフーリンの事をよく知らないのか、俺は返す言葉がなかった。

 

「一つ忠告しておくぜ、晴宮。俺とお前は仲間じゃねぇ。けど、いつの日か分かち合える時は来るってもんだ。」

 

剛毅のアルカナは0になった。

…共に戦える日は来るだろうか。

 

そう思いを馳せながら、俺とクーフーリンは違う道を歩いた。

 

夜は桜さんと出逢った場所に向かった。…それらしき人はいない。

帰るとしよう。

 

『悠理さんの事は忘れません。』

 

──ッ。桜さんの声だ。…けれど、周りを見てもいない。

…空耳だったんだろうか。

 

14日、士郎と共に学校の高跳びをしに行った。…鍛錬をしているのか引き締まった身体になっている。

 

「悠理、ここで俺たちは高跳びをして…仲良くなっていった。」

「ああ、それで、お前の事を知った。正義の味方になりたい士郎を。」

 

切嗣の夢を引き継いだ衛宮士郎。だが、今の彼は変わっていた。

今は、身近な人の助けになる為、ボランティアを続けてるらしい。

 

「悠理、聖杯戦争が終わったら、俺たちは本当に別れるのか?」

「ああ、俺がここにいれば何かの抑止力が生まれるに違いない。それに、お前とは敵同士だ。いつか戦うっていつも言ってるだろ?」

「…そうだな。なぁ、悠理。お前は何を願ってるんだ?」

「願いか?そうだな。俺はこれからの人生を生きたいと思ってる。」

 

その言葉は嘘偽りのない言葉。これからの人生、何が起こるか分からない。けど、英霊となった俺は、何か、忘れてはならない物を忘れてる様に感じていた。

 

「…そうなんだな。なぁ、悠理、俺はお前を友達だと思ってる。お前はどうなんだ?」

「親友だ。お前と出会わなければ、俺も死んでたし、色々な人とも出会わなかったさ。」

 

そう感謝の言葉を述べ、俺たちは帰る事にした。結局、高跳びはせずに終わってしまったが。

 

15日、セイバーと共に冬木中央公園に散歩することにした。

 

「悠理、私はやはり、聖杯を勝ち取り…貴方と共に生きたいのです。」

「…無理って言ったら?」

「無理とは言わせません。私は、貴方の隣で闘っていて徐々に分かったんです。私は貴方と居る。それだけでいいんだって。」

 

…依存しきっている。だが、一つだけ聞きたい。英霊になった時の願いを。」

 

「英霊になる時、セイバーは何を願ってたんだ?」

「…私はブリテンを永遠の国にしたい。そう願ってたのです。私が死ぬ時、ブリテンは滅んでしまうと、そう感じてたんです。なのに…私は、貴方と生きたいと感じている。」

 

セイバーは俺の腕に掴む。…ブリテンって確か、アーサー王の…。

 

「聖杯戦争が終われば、私たちは別れてしまう。だから、お願いしたいんです。私と共に、アヴァロンに…。」

 

アヴァロン…。理想郷だったよな。…つまり、セイバーはアーサー王。

…男から女に変わるのって、有り得るのか?

 

「…悠理?」

「あ、すまない。その、セイバー。俺は生きたいんだ。」

「生きたい?」

「ああ、俺は英霊になった。だけど、生きたいんだ。どうしてか、そう願ってるんだ。」

 

そう伝えると、セイバーの目は少し暗くなっていた。

 

「生きていても後悔する事は多いです。なのに、貴方はこれからを生きたいんですか!大切な物すらも失う世界より、永遠に生きる彼処なら──。」

「…俺は彼処に絆を置いてしまった。…セイバーたちとの絆も大事ではある。でも、それは偽りだ。」

「そんな事…。」

「だから、セイバー、諦めてくれ。聖杯戦争が終われば、俺たちは会えない。」

 

そう伝え、俺はセイバーの方を見る、泣いてしまった。

…冷たいのだろう。だが、英霊は偽物だ。この愛すらも消える。

 

「私は、絶対に覚えます。貴方との記憶を──。だから、貴方も。」

「覚えるよ。…必ずとは言えない。でも、セイバーが覚えてるなら、俺も覚えてるしな。」

 

俺は彼女の手を繋げる。後悔する事は多いかもしれない。

けれど、それを背負ってでも前へ歩かなきゃいけない。

 

…それが、俺の思ってる人生の筈。


17日(木)、大河さんと食事をする事になった。

 

「久しぶりに二人っきりか〜。」

「そうですね。」

 

ラーメン屋だが、大河さんは俺に話をしてくる。

 

「悠理さ、進路って決まってる?」

「いや、まだです。」

「…そうかー。ねぇ、悠理は私や士郎と関わっでどうだった?」

「いい人たちですよ。…個性が強いのもあるけど、俺の支えです。」

 

ラーメンが届き、俺は食べていく。…対して、大河さんは手が止まっている様だ。

 

「悠理が来た4月にね、悠理の事心配だったんだ。貴方みたいに転入生が来たら馴染めないんじゃないかって。」

「でも、貴方がいる事で、士郎や私も変われた。ずっと過去に縛られた鎖が取れた様にね。」

「ねぇ、悠理は、本当に私たちの事を頼りにしてる?」

「……。」

 

頼り…か。してない様に感じる。でも、それを言ったとしても、頼ろうとする自分はいるんだろうか?

 

「悠理。本当に居なくならないでね。前、私、何処かに行っても安心って言ってたでしょ?…本当はここに居て欲しいくらいなの。」

「預かりっていう名目だけど、段々と思ってくるの。貴方はここに居て私たちの心の拠り所になって欲しいって。」

「…我儘だけどね。」

 

大河さんは先生らしくない言葉を言う。…俺は黙って聴くことにしたが、一つだけ言える。

 

「大丈夫ですよ。俺は何処にも行かないですから。」

 

聖杯戦争が終われば居なくなる。と俺は伝えない。…居なくなったら大河さんは苦しくなるだろう。

…でも会える様な気がする。そう思ってしまう。

セイバーにあんな事を言ってしまった。けれど、絆は消えない。…絶対に。

 

明日は、そろそろ作戦の実行だ。バーサーカー退治と行こう。

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