Fate/stay night Persona Memory 作:鏡蓮
全ての終わりは等しい。だが、始まりは変わる。
6月18日(金)、俺は愚者のアルカナを見つめていた。
一向に進まない0。それを俺は掴んでいた。
「悠理、もう覚悟はしてるよな。」
「ああ、聖杯戦争を此処で終わらす。…そして、聖杯を獲ってみせる。」
俺は自分の欲に従った。だが、何故だろうか。あの聖杯に何か違和感が残る。
「そうか、遠坂やセイバーもいる。…郊外に向かうぞ。」
冬木市の郊外、そこにイリヤ達がいる。もう時間が無い。ここで決着を着けなければ、不利になる。
「行くわよ、準備はいい?」
「ああ。」
俺は怪盗服に変え、士郎の左隣を歩く。…バーサーカーとアイツを倒すしか方法はない。
時間は経ち、城に赴く。厳重な警戒状態になってるようだ。
「いい?此処は一点突破よ。バーサーカーだけを倒さなければ行けない。いいわね。」
そうして、俺たちは扉を開く。…そこに居たのは予想外の人間だった。
「言峰綺礼…。」
「やはり来たか、だが、もう遅い。アーチャー、迎え撃て。ランサーも協力しろ。」
「へいへい…。」
「ふっ…、喜べ、我と共に戦えることをなッ!」
その時、ランサーの槍がアーチャーの首を狙った。
「ほうっ…。やはり、綺礼の言った通りか。」
「すまねぇが、お前らのやり方と俺のやり方はちげぇ…。それに、アイツとの絆を手放せれるわけねぇだろ!」
アーチャーに向けて蹴りを向ける。だが、アーチャーはその攻撃を予測したのか、武器を投下しだ
「ちっ…、悠理!此処は共闘だ。アイツを殺すまで、やってくれよ!」
「…ああっ。」
まだ状況は読めない。だが、一つだけわかる。アルカナが消滅しても、ランサーとの絆は残ってるようだ。
「ほうっ…。」
私の予想通りだが、ランサーは我々を裏切った。…だが、確信は出来てきた。絆を持つ者たちに
「綺礼!早く、ランサーを殺さぬか!」
「…いや、
「チッ、マスター風情で、我に命令するとはな!」
もし、この戦いで、コレが本当なら、私は更なる上へ行ける。…人の誕生の更なる上へ…。
「ふんっ…、お前との絆など存在しない!」
「そうかよっ!だが、お前も分かってんじゃねぇか?捨てれないモノがよ!」
アーチャーは武器を投擲していく。…その数は、数十個の槍・剣の様々な武器。
「スキルを発動しないのか!?」
「発動しても、アレを止める策はない!今は防ぐ事…それだけだッ!」
ランサーの質問に答え、投擲される武器を防いでいく。だが、的確に当てようと投擲されていく。
「ッ──!セイバー────ッ!!」
「悠理ッ!来ないでください!!」
セイバーが刺される。その想いを応える様に、アルセーヌが現れた。
「悠理っ……。」
「早く逃げろッ!士郎ッ!ここから先へ進めっ!セイバーと共に!」
俺はセイバーを風圧で、士郎の方に飛ばす。…もし、ここで誰かが犠牲になる。なら、切り札は残すしかない!
「死ねッ──!悠理ィィィ──!!」
「アルセーヌッ!防いでくれ!俺の…全てを捧げてでもいい!士郎たちを…、守ってくれるか?」
『全てか…。断ろう。』
「何故だ!」
アルセーヌは俺に向けて、何かを投げた。それは…、あのアルカナ…世界だ。
『全てを捧げると言った!なら、その世界を奪え!この…非情に泥を汚した者たちに、反逆し、聖杯を壊し…彼らの心に残せ!』
「チッ──!言峰綺礼!ランサーを殺せぇ──!!」
「…令呪を持って命ずる。ランサー、自害しろ。」
「ランサー!」
アルセーヌの言葉を聞きながらも、ランサーの方を見る。…そこには腕を振るわせた青の槍兵が。いや、クー・フーリンがいた。
「重ねて命ずる、ランサー、死ね。」
「…くっそたれ。ここで死ぬのかよ。コイツに何も返してねぇのによぉ…。」
ランサーは腹に向けてゲイボルグを向ける。俺は止めようと走ろうとする。
…だが、その隙を逃さないアーチャー。
「…伏せろッ!!」
「アーチャー…。」
遠坂さんのアーチャーが俺の身体を抱え、攻撃から守る。…だが、アーチャーは俺の代わりに攻撃を受けていく。その姿は、惨めになっている俺との対比のようだった。
「アーチャー!何してるの!」
「いいっ──!これで良いんだ!遠坂!」
アーチャーは遠坂さんの方を見て叫ぶ。…アルセーヌはもう解除され、一つのアルカナが落ちていた。
「…いいか、悠理。お前は全部を忘れている。だが、お前の中にいるお前はそれを願ったのか?自分を犠牲にするお前が欲しいか?」
「…アーチャー…。」
「いいか、悠理。生きろ、生きて前へ走れ。…それが、俺の願いだ。」
「──……!?」
アーチャーは光の塵になる。だが、その面影は彼に似ていた。
「友情か…。我も持っていたが、我の友情とは程遠いな。」
「何が、程遠いだ。」
俺はアルカナを拾う。…セイバーと士郎はもう居なくなっている。…先に行ってくれたか。
「…終わりだ、悠理。あの戦争の我と勘違いするなよ??」
「何が…終わりだ。ただ、俺を恐れてるだけの英霊だろ?」
「なにっ?」
「俺はもう…恐れない。お前を…人を侮るお前を!」
俺はアルカナを強く握り、仮面を外す。…その時、一つの記憶が呼び起こされる。
銃を神に向けたあの最後を。
「サタナエル!…今宵、お前たちの世界を潰そう。」
「潰す?世界をか?ふふっ──。ははははははっ──!世界を舐めるな。雑種は寄り添いながらでしか生きてられず、誰かを責めずにいる唯の動物だ!なのに、お前は、我に向けてやるのか?この独りに!」
「…最初はそう思っていたさ。1人の方が楽ってな。だけど、寄り添ってくれる仲間が居たから、間違えずに済んだ。他人の間違いを正してくれる仲間が。…だから、これは間違いを正す為の、一つの救いだ。」
その言葉と共に、俺はトリガーを弾く。確かに俺の価値観は破綻している。だが、他人の正義が間違えていれば、俺たちは動く。…助けを求める人がいれば。
「やっと分かった。お前の力の根本をな!」
「言峰綺礼…!!」
遠坂さんは俺の隣に立つ。その後ろからは士郎とセイバーが焦って帰ってきた。
…何で無傷なんだ?バーサーカーなら居るはず…。
「悠理!バーサーカーにイリヤが殺されていた!」
「なっ…。」
マスターも殺したのか!?…何故、関係はあれど、一つの命だったはず…。
「イリヤスフィールの心臓、そして、一つのタロット。さぁ、君は何を得た?」
「イリヤの…心臓?」
「ああ、そしてこのタロット。それは、私から生まれたようでね?皇帝と書かれてるが…私はその逆だ。」
皇帝と書かれたタロットが引き裂かれる。…その時、一つの線が取れた反動か、膝がついてしまう。
「欲望…。私はそのアルカナを持っている。この悲しみを生ませる世界にする為の欲望をね!」
「欲望…?」
「聖杯は、私の中にある。それは、私の心臓に引っ付いていてね?生憎取れない。」
「聖杯…は、柳洞寺にあったはず。」
遠坂さんと肩を組み…俺は柳洞寺の聖杯を聞く。あれが、本当の聖杯…。そう確信している。
「アレも聖杯だ。その小さい聖杯を私が持ってるのだ。そう、この力さえあれば、望み通りの世界を叶える…。」
「言峰綺礼ッ──!!」
士郎は綺礼に向かって殴りかかる。だが、綺礼の俊敏さは常人じゃなかった。そう、英霊と同等の力を持って、士郎の頭を踏みつけた。
「…さて、君に選択肢を上げよう。悠理。」
「…俺が?」
「ああ、ここから先は悲惨な出来事を見る。君が闇に飲み込まれる事がね。私の聖杯の力を使って、過去に戻ることが出来る。まぁ…リスクは持つがね。」
「…脅しか?」
「いいや、違う。私は善意で言ってるのだ。君を特別に見逃すとな。」
俺はどうするべきか悩んだ。見捨てるか、戦うか….
「逃げて、晴宮くん。」
「ええ、貴方は…私たちの希望です。」
「だ、だが…。」
「行ってくれッ!…絶対に会える事を願ってるからさ…。お前を失う事なんて出来るわけがない!」
「…分かった。」
俺は士郎たちの答えに頷き、綺礼の前に立つ。
「…さぁ、通れ。君が死ねば、私の心が破綻するのでな。」
「…何言って…!?」
その時、俺は綺礼に押される。…その目は、善意を持った目だった。
「…令呪を持って命ずる!セイバー!宝具を使え!」
「はいっ─!!遠坂、士郎、離れてくださいね!」
「聖剣!
その言葉と共に、光は綺礼を包んだ。…その時に世界は切り替わった。夏の冬木市の物語へと。
「ここは、ベルベットルーム…。」
「やぁ、悠理。」
蓮…?その時、俺の首元にナイフが来た。
「…今から言う事は、この世界の最後だ。」
「…最後?」
「ああ、ここベルベットルームは、本来、俺とお前がいる。だが、今回は俺がいなかった。さぁ、なぜでしょう?」
…俺が英霊だから?いや、だったら、この鎖が謎だ。何も動けない拘束具が、腕と足に絡みついてる。
「…答えは次の世界だ。だが、一つだけ教えておく。ここからの世界とこの世界は繋がる。」
「繋がる?」
「…答えは、この戦争を終えたお前に教えるよ。」
蓮はそう言って暗闇に消える。光が刺してきた。そういえば、ラヴェンツァは何処に?
「…ここは?」
「お、起きた!もう、転入早々、寝てるのはどうかと思うけど?」
「悪い…、大河さん。」
「はぁ──。士郎も待ってるんだから支度しておいてね。」
「あ、ああ。……暑っ!?」
「夏なんだからそうでしょ?」
…7月1日と書かれたカレンダー。俺は未来に来てしまった。
夏と秋の聖杯戦争が始まる。
春の聖杯戦争が終わりました。
ざっくりしてますが…、大丈夫なのか?今回の話、何度も考えたりしてましたが、結果、こういう話になりました。
…だいぶ遅くなってすみません。最近、忙しくもあり、話を考えるのが疲れたのかだいぶかかりました。
許してください!
この流れだと分かるのでは?と思ってますが、セイバールートを完結しました。宝具出す場面なくて、ここで使いました。…大丈夫、この話からは宝具の場面多くなると思う。
余談ですが、P3REの4週目(風花ルート)をクリアし、ゆかりルート攻略中(三回目)。…エピソードアイギスでルート毎でセリフ変わったら、面白そうと考えてます。…二股とかはしないから。1人ルートは歩むけど。