Fate/stay night Persona Memory   作:鏡蓮

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7月3日の話。


#29 終わりなき戦争、知らない記憶。

7月3日(土)、放課後、弓道部に参加した。士郎の言っている通り、慎二は居ないようだ。

 

「弓を弾く…。…木の葉を弾く様に、射て。」

 

そう言葉にだし、弦を弾く。蝉の音が、その音を抑える様にするが、矢の的の音は抑えれず、負けてしまった。

 

「桜さん?どうした?」

「あ、いえ。…ただ、晴宮さんの様に上手くなれるか考えてて。」

「ああ…、そうか。8月くらいに大会だもんな。」

 

桜さんは大会に向けて思い悩んでる様だ。…アドバイスするとしても、俺は…。

 

「そうだな…。誰かを射抜くと考えてみたらどうだ?」

「射抜く…。」

「ああ、ほら何かを倒したい物を射殺す…のは言い過ぎだけど、俺はそうしてるよ。」

「でも、それを決めるのは桜さん次第だけどな。」

 

そう言い放ち、俺は弓を片付けに行く。そういえば、慎二の事を聞いてなかったな。戻ったら聞いてみるか?

そう思い、俺は弓を片付けるが、桜さんは練習を続けてる様だ。

…ジュースでも置いて、帰るとするか。

 

「またな、桜さん。」

「……。」

 

俺は弓道場のドアを開き、別れる。桜さんと帰るのが先決だろう。だが、あまり関係は親密ではない。やめておくことにしよう。


「晴宮さん…。」

 

私はバックの横にあるジュースを手に取る。彼の言う通りに、私のトラウマになった物を想像すると、段々と的の真ん中を狙えて射抜いた。

だが、それでも私の力にはならなかった。…兄さんが何処かに行ってしまって早数ヶ月、最近の私はどうしたらいいのか、分からなくなってきた。

 

「晴宮さん…、助けて。」

 

私は先輩ではなく、彼に助けを求める。それは、深い意味はない。けれど、想いは募るばかりか、彼の事を想うと、ズキズキと、心を蝕む。

そんな私は、バックを持ち帰っていく。今日も、調教でしょうか。


「満月…。」

 

俺はその月を掴もうとする。だが、やはり届かない。そんな事を思ってると、景色が番組の入れ替えの様に変わる。

その光景は、大きく、全ての街を黄色に染める満月が怪しく光り、周りが棺桶となった景色。

 

「悠理?」

「……。あ、ごめん。ちょっと疲れてるみたいだ。」

 

俺は隣で歩いている士郎に呼び止められる。そうだ、今はあの時間なんてない。なのに、心の中で俺は何かを悩んでいる。別れる事を恐れてるのだろうか。いや、違う。

 

「また泊まるか?」

「そうするよ。」

 

この日常に戻りたい。そう感じてるんだろう。

 

「どうしたんだよ、最近。悠理、何か悩んでるのか?」

「いや、大丈夫だよ。少し、疲れてるだけさ。」

 

士郎にそう嘘をつく。あの光景を話しても、信じてはくれない。多分、精神異常者だと思われても仕方ない。

 

「俺は少し庭掃除してくるよ。」

「分かった。」

 

俺は庭にある椅子に腰を掛ける。昨日、何かを見た。懐かしい友の姿を。ただ名前は覚えていない。

 

「…いつか、別れる。士郎とも、この日常も。」

 

英霊として現れ、士郎と共に非日常を送っていた。大切な人も、その知り合いとも儚い別れを繰り返した。

 

「俺だけが覚えてるか…。」

 

あの時と同じだ。あの一月、俺は蓮と共にあの理想郷を壊した。それは、己の正義と違う正義との闘い。それは正しいとも言えるし、正しくないとも言える。

 

だけど、俺たちは前に進むしかない。この冬木という名の街の別れも、受け入れるしかないんだろう。


「やっと見つけたぜ‥。。」

 

青髪の男が赤い槍をグルリッと回す。その目に映るのは、衛宮士郎と晴宮悠理がいる衛宮邸。

目的は、聖杯戦争を知った為の排除。

 

「ワリぃが、死んでもらうぜ!」

 

その襖が開かれ、青髪の男は士郎を殺そうと槍を向ける。その時、男の前に短剣が飛ばされる。

その短剣は男に当たらず、壁に突き刺さる。

 

「コイツは‥。」

「‥お、お前は!?」

 

士郎はその音で目を覚まし、男を見る。その男はあの時出会った悠理を殺した‥元凶。

士郎は、憎悪で壁に刺さった剣を手に取り、男を一刺しで殺そうとした。

 

「無駄なんだよ!お前たちはもう、詰んでんだ!」

 

剣を引っ剥がされ、男は士郎に向けて剣を振るう。その時、悠理は士郎を担いだ。そのスピードは常人ではない。‥英霊に等しかった。

 

「お前さん、まさか‥。」

「蔵まで行くぞ、士郎。」

「く、蔵!?あそこ、何もないぞ!?」

 

彼は士郎の手を掴み、走っていく。だが、男は逃さない。殺す為の目的を持つランサー(1回目)は、捕まえようと槍を向ける。

その0.1秒の時、悠理は黄金の鞘を手に取り、士郎に手渡す。

 

「死ぬなよ、俺…。」

 

悠理はその言葉を投げ、士郎を庇う。その時、一つの青い線が彼の目に映った。。


俺は、一つ覚えてる記憶がある。それは、悠理と誰かが隣で、俺たちを庇っていた事。

俺の為に戦う悠理に憧れていた。だが、逆に、俺は彼を欲した。

…それは、依存心に過ぎた心。俺はその想い一つで、この鞘を地面に置いた。

 

「思い出せ…。俺が、正義の味方になるその理由を…。」

 

その言葉と共に、地面に描かれた魔法陣が青の線を引いていく。

 

「…悠理、また会えましたね。」

「セイ…バー…?」

 

その言葉を投げたのは、見知らぬ女性。だが、俺は覚えてる。この人は、俺の心に巣食う依存心を持ち合わせた…従者だと。

 

「マスター…いや、士郎。行きましょう。」

「あ、ああ…。頼んだぞ、セイバー。」

 

言葉に出す無意識の声。だが、そこに違和感は無い。いつ何時でも、俺は彼女をそう呼んだ。

そう思える程、親しみ深かった。

 

「悠理、戦えますか?」

「…すまない。俺は戦えれない。」

「そうですか…。今回は私1人で闘いましょう。」

 

その言葉と共に、青髪の男とセイバーは立ち会った。


「ハァッ──!!」

「7人目のマスターか…。ちっ、予想外だったな…。」

 

ランサーはセイバーの剣を槍で応戦する。その武器の鉄音は周りに響くほど、重い。

 

「ランサー、今度は殺す。」

「…へっ、女が言う言葉かよ。それはよっ!!」

 

ランサーは赤い槍をセイバーの身体に突き刺そうとする。だが、その一瞬を予知してたのか、セイバーは横に避け、切り裂こうとする。

 

「終わりだッ!!」

 

セイバーの言葉と共に、ランサーは身体を半分にされそうになった。だが、赤の閃光が光り、ランサーは忽然と消えてしまった。

 

その空気を切り裂き、セイバーは歯をキリキリと小さい音を鳴らす。

 

「セイバー、大丈夫か?」

「…悠理、良かった。…生きてたんですね。」

 

心配そうに悠理はセイバーに近づく。その時、セイバーは彼にハグをする。

それは懐かしくも、悲しみを紛らわしてる少女の様だった。


「士郎、彼女を泊めてくれないか。」

「え、泊めるって…。」

「ああ、説明は後な。」

 

悠理が離れていく。だが、私は少し覚えてる。彼以外にも仲間がいると、そして…私の中にある心は彼に奪われてるのだと認識している。

 

「…士郎、説明は明日行います。なので…。」

「わ、わかった。…なんで、俺、セイバーを覚えてるんだ?」

 

その疑問を持つマスターの答えは今は出さない。もし、出すとしたら…この聖杯戦争が終わってからだろう。


「アーチャー?それ、銃みたいだけど、何処で拾ったの?」

「いや、これは…忘れ物さ。ただ、見当はついてるが、渡せなくてね。」

「そう?なら、預けるのもありだけど?」

「良いことだが、断っておくよ。」

 

S.E.E.Sと書かれたピストル。それを持つのは、あの時助けてもらった者たち。会うとしたら、少し日は経つだろう。

だが、私は理解してる。彼は、あの男とは違い、自分の正義を持ってる男だと。

決して、仲間を売らない男だという事を。そして、敵ですらも交流を持つ不思議な男である事を。




5000pv突破してました。お気に入りもいつの間にか少し増えててビビってました。以上。

慎二の行方は後々で明かします。一応言いますが、1章とは違う理由なので、ご了承を。

この話を書く時は、セイバーは覚えてない。ペルソナを出す。という展開でしたが、ちょっと変更してます。
士郎の依存が強いのは少しだけ、引き継がれてると思ってください。
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