Fate/stay night Persona Memory 作:鏡蓮
「ウァァァァァッッ!!」
月まで響く数多の記憶が、彼に流れる。2年間の記憶が、彼の脳を壊す。
「悠理…?」
心配そうに彼に手を伸ばす士郎。だが、彼の中にある死神は彼の手を塞いだ。
『忘れるな、お前の現在すら未来に進めば過去になる。』
『それが、キミがどんな姿で居ようとも。』
その言葉と共に、鉄仮面を着けた死の神はバーサーカーに突っ込んでいく。
彼を守る様に、彼らを殺さぬ様に。
「◾️◾️◾️◾️ッッ━━!!」
死神は密かに笑みを浮かべた。それは、月を見たからだろうか?それとも、母を見たからだろうか?
そう感じるのは、士郎ではなく、セイバー。彼女の足は震えていた。
「バーサーカー!迎え撃って!!」
その言葉を投げるイリヤ。その表情は、恐れと高揚した赤い頬。
その表情をタナトスは長剣で、斬り伏せる。その一瞬に、彼の思考は止まらずにいた。
…だが、半身は別れた。
「バーサーカー…!!」
「士郎!逃げましょう!」
「な、何言ってるんだよ!悠理を置いてくのか!?」
「置いていきます!彼は、英霊ではありません!…彼は、英霊ではなく、人の枠を超えたナニカです!」
そう吐き捨て、セイバーは士郎を担いで、走り去る。
悠理はその姿を見てしまったのか、悲しみを帯びた青が彼の心を潤していく。
「バーサーカーの命を一つ殺すなんて…やっぱりすごいね。でも、ここは一旦逃げるのが先決ね。バーサーカー!」
「■■■━━!」
イリヤたちも逃げ、彼は一人取り残された。誰も隣にいない彼の心は崩壊していく。
その姿は、子供の様で、独りとなった自分を恐れる弱さを持った大人だった。
「…貴方が悠理?」
「…お前は、キャスター……!!」
タナトスが彼女と彼の間に挟まる。その姿は友人を守る人だった。だが、その力が無くなってきたのか、タナトスの身体は塵の様に消えかかる。
「大丈夫よ。貴方を一人にはさせない。だから、こっちにいらっしゃい。」
「━━駄目だ、俺は…。」
「大丈夫よ。何も考えないでいいの。ここから…離れましょう?」
その言葉を聞いた彼は、半信半疑の目をむける。だが、精神は削られていき…その目は閉じられた。
12日(月)、俺は悠理の事で思考が埋まっていた。
何故、セイバーがあそこまで逃げたのか。そう疑問が数々浮かんできた。
「セイバー…。」
空気にむけて、俺はそう言葉をあげる。
教室の隣には居たはずの悠理はもう消えていた。嘘をついて、休みだ。と伝えた。
「悠理はいるか?」
「いや…いないけど、どうしたんだ?」
「…ああ、生徒会の掃除でな。」
そう伝えると、一成は残念そうにして、帰っていく。彼奴が居なければ、静かになっていた。
そういえば、今日は珍しく、葛木先生がいなかった。
…俺もそうだった。隣にいる彼奴は、俺のかけがえない人物となっていた。
「目を覚ましたか?」
「ん……?」
悠理は目を覚ました。その声に聞き覚えがあっても、彼は何もかも朧げになっていた。
「…記憶の損傷か。…キャスター、治せるか?」
「やめておきましょう。彼は、利用できる価値があるのだから。」
そう答えたフードを深く被った女性。彼女は彼を愛おしく見ていた。洗脳する様に、馴染ませる様に。
「ここは?」
「柳洞寺。君が倒れていたから助けてきた。」
「…助けて?」
「ああ。私は君を誘拐していない。だが、約束しよう。…君は死なせない。」
そう眼鏡をかけた渋い男性に、彼は目を開く。葛木先生…。そんな言葉はすぐかき消され、悠理は…また眠りに落ちた。
「キャスター。彼の所在をどうする。」
「そうね…。しばらくはここで世話をしましょう。後で、誰かが来たら、ごまかしてくれませんか?」
「分かった。一成にそう伝えよう。」
そう寝てる彼を横目に私はキャスターを見る。いつの日だったのだろうか。
彼女が死にそうになった時に、私は助けてしまった。暗殺部隊という名のガッコウで私は生きてきた。
それから10年…。ある災害で私以外の人が死に、生き延びてきた。
「聖杯戦争か…。」
この柳洞寺に湧き立つ魔力は、聖杯が関係してるのだろうか?
そう思いながらも、初めて会った日を思い出した。キャスターを助けたその日に、私たちは契約を交わした。
本来の契約とは違うらしいが、彼女が生き長らえるこの場所を選んだのが正解だった。
「…キャスター、お前は何を望んでいる。」
「…言わないのがお約束じゃないかしら。宗一郎さん。」
「そうだったな。」
これからどうするべきか、私はそんな事を忘れて、キャスターと会話していた。
…考えるのは、明日の私に譲っておこう。
月4
展開を変える為の覚悟…。主人公を記憶を消す。という…。理由は後々に出します。
違う小説を描きたくなってる作者ですが、我慢してます。