Fate/stay night Persona Memory   作:鏡蓮

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7月11日→12日(月)の話。




#33 記憶の喪失、セイバーの撤退。

ウァァァァァッッ!!

 

月まで響く数多の記憶が、彼に流れる。2年間の記憶が、彼の脳を壊す。

 

「悠理…?」

 

心配そうに彼に手を伸ばす士郎。だが、彼の中にある死神は彼の手を塞いだ。

 

『忘れるな、お前の現在すら未来に進めば過去になる。』

『それが、キミがどんな姿で居ようとも。』

 

その言葉と共に、鉄仮面を着けた死の神はバーサーカーに突っ込んでいく。

彼を守る様に、彼らを殺さぬ様に。

 

◾️◾️◾️◾️ッッ━━!!

 

死神は密かに笑みを浮かべた。それは、月を見たからだろうか?それとも、母を見たからだろうか?

そう感じるのは、士郎ではなく、セイバー。彼女の足は震えていた。

 

「バーサーカー!迎え撃って!!」

 

その言葉を投げるイリヤ。その表情は、恐れと高揚した赤い頬。

その表情をタナトスは長剣で、斬り伏せる。その一瞬に、彼の思考は止まらずにいた。

…だが、半身は別れた。

 

「バーサーカー…!!」

「士郎!逃げましょう!」

「な、何言ってるんだよ!悠理を置いてくのか!?」

「置いていきます!彼は、英霊ではありません!…彼は、英霊ではなく、人の枠を超えたナニカです!」

 

そう吐き捨て、セイバーは士郎を担いで、走り去る。

悠理はその姿を見てしまったのか、悲しみを帯びた青が彼の心を潤していく。

 

「バーサーカーの命を一つ殺すなんて…やっぱりすごいね。でも、ここは一旦逃げるのが先決ね。バーサーカー!」

「■■■━━!」

 

イリヤたちも逃げ、彼は一人取り残された。誰も隣にいない彼の心は崩壊していく。

その姿は、子供の様で、独りとなった自分を恐れる弱さを持った大人だった。

 

「…貴方が悠理?」

「…お前は、キャスター……!!」

 

タナトスが彼女と彼の間に挟まる。その姿は友人を守る人だった。だが、その力が無くなってきたのか、タナトスの身体は塵の様に消えかかる。

 

「大丈夫よ。貴方を一人にはさせない。だから、こっちにいらっしゃい。」

「━━駄目だ、俺は…。」

「大丈夫よ。何も考えないでいいの。ここから…離れましょう?」

 

その言葉を聞いた彼は、半信半疑の目をむける。だが、精神は削られていき…その目は閉じられた。


12日(月)、俺は悠理の事で思考が埋まっていた。

何故、セイバーがあそこまで逃げたのか。そう疑問が数々浮かんできた。

 

「セイバー…。」

 

空気にむけて、俺はそう言葉をあげる。

教室の隣には居たはずの悠理はもう消えていた。嘘をついて、休みだ。と伝えた。

 

「悠理はいるか?」

「いや…いないけど、どうしたんだ?」

「…ああ、生徒会の掃除でな。」

 

そう伝えると、一成は残念そうにして、帰っていく。彼奴が居なければ、静かになっていた。

そういえば、今日は珍しく、葛木先生がいなかった。

…俺もそうだった。隣にいる彼奴は、俺のかけがえない人物となっていた。


「目を覚ましたか?」

「ん……?」

 

悠理は目を覚ました。その声に聞き覚えがあっても、彼は何もかも朧げになっていた。

 

「…記憶の損傷か。…キャスター、治せるか?」

「やめておきましょう。彼は、利用できる価値があるのだから。」

 

そう答えたフードを深く被った女性。彼女は彼を愛おしく見ていた。洗脳する様に、馴染ませる様に。

 

「ここは?」

「柳洞寺。君が倒れていたから助けてきた。」

「…助けて?」

「ああ。私は君を誘拐していない。だが、約束しよう。…君は死なせない。」

 

そう眼鏡をかけた渋い男性に、彼は目を開く。葛木先生…。そんな言葉はすぐかき消され、悠理は…また眠りに落ちた。


「キャスター。彼の所在をどうする。」

「そうね…。しばらくはここで世話をしましょう。後で、誰かが来たら、ごまかしてくれませんか?」

「分かった。一成にそう伝えよう。」

 

そう寝てる彼を横目に私はキャスターを見る。いつの日だったのだろうか。

彼女が死にそうになった時に、私は助けてしまった。暗殺部隊という名のガッコウで私は生きてきた。

それから10年…。ある災害で私以外の人が死に、生き延びてきた。

 

「聖杯戦争か…。」

 

この柳洞寺に湧き立つ魔力は、聖杯が関係してるのだろうか?

 

そう思いながらも、初めて会った日を思い出した。キャスターを助けたその日に、私たちは契約を交わした。

本来の契約とは違うらしいが、彼女が生き長らえるこの場所を選んだのが正解だった。

 

「…キャスター、お前は何を望んでいる。」

「…言わないのがお約束じゃないかしら。宗一郎さん。」

「そうだったな。」

 

これからどうするべきか、私はそんな事を忘れて、キャスターと会話していた。

…考えるのは、明日の私に譲っておこう。




月4

展開を変える為の覚悟…。主人公を記憶を消す。という…。理由は後々に出します。

違う小説を描きたくなってる作者ですが、我慢してます。
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