Fate/stay night Persona Memory 作:鏡蓮
それぞれの視点が多くある為、水平線が多くあります。
忘れろ。それが、辛い選択だろうと。
13日(火)、何かが変わった日常。その理由は俺ですら分かってる。
「悠理は、最近どうしてるの?」
「…その、行方不明になっていて。」
「…どういうこと?」
「今日からなんだ。アイツ、夜の外出もあるから、帰ってくると油断して…。」
藤ねえにそう伝える。聖杯戦争の事は伝えれない。けれど、藤ねえしか言えない。
転入先で最初に出会ったキッカケは…藤ねえしかいないと感じてたからだ。
「…士郎、私はね…怒りたくないの。でも、私を変えてくれたあの子を…無くしたのが辛いの。」
「…うん。」
「だからね、士郎…。一先ず、捜索願は出すけど、悠理を見つけたら、すぐ私に伝えて。いい?」
「…うん。」
俺は藤ねえに何も反論しない。何時もの調子でいれば、悪化する。そう思っていたから、言えずにいた。
「君の名前は、フェートだ。」
私は彼にそう伝える。何故そうつけたのか、私すら分からない。だが、一つだけわかる。
彼には
「俺は…。」
「僕だ。フェート。」
「僕は、フェート。」
そう洗脳に似た呪いを掛ける。彼の記憶は消えている。だから、改変しても何も変わらない。
ただ、私とキャスターを親と見做しておく。そのリスクはあるが。
「フェート、冬木市は危険だ。ここの周りは歩いていいからな。」
「うん、父さん。」
生徒を子供にするのは私の倫理に反する。だが、これは聖杯戦争の為…。そうに決まってる。
「アサシン、彼を頼む。」
「お安い御用だ。だが…あまり、アイツに堕ちるなよ?」
「…分かってる。」
私はアサシンの微笑みに苛つきながらも、学校に向かう。今は昼休みだから時間はある。
だが、早く戻らないと、授業に間に合わない。
「怪しい動きをすれば、死ぬと思え。」
「ああ。承知してる。」
その言葉に安心し、フェートを…悠理を置いていく。セイバーと衛宮士郎が来る可能性がある。
即戦力にするには、洗脳を強くするべきだろう。
「悠理をどうして、見放したんだ?」
「…それは。」
「どうしてって言ってる。」
私は士郎の顔を見る。その表情はいつものような優しさはない。その表情は怒りの様で、悲しさを映していた。
その表情は、私でも恐れて、食べる事すらできない。
「…あの人は信用出来ません。自身の願いが確立できず、他人の願いに縋る。その姿を見て…私は。」
「…それは俺もそうだ。爺さんの夢を叶える為に縋っていた。…その願いは誰に向けてなんだ?」
「士郎…。貴方の願いを叶える為にです。」
「━━え?」
その顔は困惑。親友が他人の願いの為に闘ってると知った。いや、自分の願いの為だと知った。驚きと戸惑いが同時に起こっていた。
私の記憶は、そう認識してる。だが、一つ分かるのは…、私は彼を裏切った。
「…悠理を探せるか?」
「…場所は認知できません。姿を現すまで…。」
「いいか、これは俺の命令だ。…俺は彼奴の友人だから、殴る権利がある。…いや、違うか。俺は彼奴の願いを思い出させる。絶対に。」
その目は今までの士郎じゃない。…忘れる筈もないあの男の目に似ていた。
14日、フェートは俺との雑談を楽しんでいた。
俺は何故か知っている。コイツとの記憶を。…それを告げたい。そう思っても、俺の喉は閉ざされたまま。
「フェートは、親離れをする気はあるか?」
「…ないかな。恩人なんだ、裏切ることなんて…できない。」
そう、お前はお人好しにも程があった。嘘の親。それを知ってる筈なのに、離れない。
あの衛宮士郎すら変えた自己犠牲の人間が、俺の隣で談義をしていた。
「フェート、一つだけ教える。いつだって、覚悟は決めろ。」
「…小次郎?」
そう伝えて、俺は主人の方に歩く。逃げるのは今なのに、ついて行く子供に…、呆れている自分がいた。
「私といて楽しいか?」
「うん!葛木さん、いい人だしさ。」
「いい人か…。」
教室にいた彼の記憶は今の彼に塗り替えられた。子供の様でいて、高校生の知識を持ったそんな運命となった彼は…かつての私に見えた。
「私を良い人に見えるのなら、一つ教える。私はお前を死なせる。それだけは覚えておけ。」
「…え?」
そう告げて、私は遠ざける。2日目なのに、何故私は彼に…息子という愛を向けている?
「キャスター、何故…私は彼を気にかける。」
「…さぁ?」
そう不敵に笑う彼女に少々苛つきを示すが、答えは私が探せ。という事なのだろう…。
「アーチャー、晴宮くんは?」
「…索敵が反応しない。…どこへ行った。」
アーチャーが焦ってる?…そこまで重要なの?彼は…。
「ねぇ、晴宮くんの近くにいる衛宮くんと関わるのは?」
「それは、君が決めろ。だが、見つけれるかどうか…。」
そう躊躇する彼、だけど、このまま動かないよりマシよ。
「明日…衛宮くんに会いに行くわ。」
「…了解した。」
そう伝え、私は衛宮くんとセイバーを引き込ませる材料を整理しに行く。
15日、私は、宗一郎さんの代わりに、彼の世話をする。
「ねぇ、フェート。この世界で幸せなのはなんだと思う?」
「…家族。」
「そう、家族よ。でも、私にはそれはなかった。」
「どうして?」
「…私の周りにそういう人がいなかったからよ。」
そう投げ出す。でも、私の手を掴んでくれた人がいた。そう、宗一郎さんがいたから…私は。
「それは…。」
「大丈夫、今の生活の方が幸せよ。…だから、貴方もここにいなさい。」
そう彼の顔に触れる。嘘の様に中性的な彼。でも、横から見ると、大人の様に見える彼。
…私は宗一郎さんの気持ちが分かる。彼は、私たちを照らす光だと。
「メディアさんは、服飾ばっかり作ってるけど、どう作るの?」
「ええ、これをね━━。」
私は彼に手紙を渡した。唯の興味本位で、不思議な魔力があったからだ。
でも、彼は…儚い命に見える。彼の人生は分からない。でも、彼の身体は溶けそうに感じた。
だから、少しでも…幸せを与える為に、冷たさを与える。
「遠坂、来たのか、」
「失礼するわ、衛宮くん。いえ…七人目のマスターさん?」
そう言うと、後ろから風に包まれた剣が私の目の前に現れる。
…セイバーね、私も狙ってたけど…現れなかった。
代わりに現れたのは…アーチャー。
「一つ言っておくわ。私は晴宮悠理を助ける為に来た。だから、同盟を組まない?彼を助けるまでの間…はね。」
「…分かった。」
その手を握る衛宮くん。…これで、変わる筈。…私が聖杯を壊す為の材料が。
月5:葛木宗一郎
星2:メディア
アサシンは記憶の継続があります。理由はまぁ…コミュMAXの影響も加味してます。
久しぶりに投稿したけど、文章力低下はそのままって…、ダメすぎるだろ。
次回はダイジェストです。