透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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ワイルドハントの生徒さんの中で、みなさんは誰がお好きでしょうか。わたしはカナエちゃんとツムギちゃんですね。

ツムギちゃんと一緒に『お祓いだァァァァァァァッッ!!!!!』ってやりたい。



あと遅れてしまって本当にすみませんでした。


勇者vsプリン狂信者

 

 

 

 

 

ハァァァァァッ…………(クソデカ溜息)

 ッスゥー……そろそろツッコむとしましょう」

 

「ゴルコンダよ、貴殿らしくないな。溜息は幸せが逃げると言われているだろうに」

 

「その筋肉質な義体をスペアボディとして量産し続けている貴方のせいなんですが?一体何なんですかその数とビジュアル、オーパーツのほうがまだマシです」

 

「そういうこった…」

 

「ほら見てください、デカルコマニーがものすごく呆れているではありませんか」

 

 

 

 キヴォトス某所、ゲマトリアの拠点にて。

 マエストロとゴルコンダ、デカルコマニーの対話の場において、ゴルコンダの額縁を手にしたデカルコマニーはマエストロから相当な距離を取っていた。

 

 明瞭な表情こそ表に出てこない彼らだが、ゴルコンダとデカルコマニーの口ぶりには不快感にも等しい感情が全面的に滲み出し、対するマエストロはこれまで以上の意欲と熱意を伴って、鏨と彫刻刀を握り締めながら木材を削り続けていた。

 

 

「それは違うぞ、この第41号のスペアはムキムキではない。『バキバキ』にするつもりだ」

 

「一体どれほどの差があるというのですか?筋肉の隆起ばかり見せられるこちらの身にもなってください」

 

「所で我々が最後に登場したのはいつの話だ?」

 

前年度の10月が最後だったような気がしますが……この話はもうやめましょう、読者の皆様に関しても、この作品における我々の存在を覚えているかどうか怪しい」

 

「面目丸潰れってこった!!」

 

 

 “悪い大人”にカテゴライズされる三名(もっとも一人は既にただの筋肉狂)の対話が脱線し始める。本来であればこの場にはもう一人、黒服が現れる予定だったのだが───現在は不在だった。

 その理由は勿論、このキヴォトスで最も重要な存在であるシャーレの先生───マッシュ・バーンデッドの現状にあった。

 

 

「黒服の契約、先生は聞き入れると思うか?」

 

「もしも彼があの契約を飲めば、我々と先生は改めて真の敵対者となり、我々の計画は進められる。断られたとしても黒服のことですし、なんとかするでしょう」

 

「そういうこった!!」

 

「ならばいいのだか…………――さてと」

 

 

 

 マエストロのフィンガースナップを合図に、筋骨を張った首無し木人形の数々が軋むような音を立てながらカタカタと震え始めた。ゴルコンダが見守る中、デカルコマニーが杖を握り締めた状態で、三名が振り返る。

 

 

 

「ほう……まさか舞台の上に立つ役者が裏に回ってくるとは。嗅ぎつけた点も含め、流石は先生の生徒と言った所だ」

 

「残念ながら、ここに黒服はいません。ここで戦う必要性はないと思いますが……」

 
「ご足労なこった!!」

 

 

 

 ピンク色のポニーテールを振り乱した彼女が、左の碧眼と琥珀色の右眼を獰猛に光らせてピストルグリップを握り直し、使い古したスニーカーで埃一つない床を踏み締めた。

 
──小鳥遊ホシノ。
 
 左手にバリスティックシールドを握り、防弾ベストの胸面に拳銃を収めたホシノは、殺意を孕んだ眼光で大人たちを睨みつけていた。

 

 

「さっきの会話、どういうこと?黒服は、先生に何をしようとしているの」

 

「それは答えられません。劇の先の展開を告げることは、我々にとって禁忌の一つ。ネタバラシほどつまらないモノはない、というのはご理解いただけますでしょう?」

 

 

 次の瞬間、ホシノが跳ね上がるような動作とともに拳銃を取り出して、デカルコマニーに向けて三連射。だが発射された拳銃弾が彼に届くことはなく、デカルコマニーの手に握られた杖によって一瞬で弾き落とされた。

 

 

「そっちの茶番に付き合う気はない…! 黒服が何をしようとしているのか、今何が起こっているのか、起ころうとしているのか!知っていることを今すぐ話せ…!!」

 

「流石は暁のホルス……気を張っていなければ気絶しそうなほどのオーラだ。だが、この局面で冷静さを欠くのは到底いただけないな」

 

「ふむ………マエストロ、ここは一つ彼女に、ちょっとした助言を告げてはどうでしょうか。彼女の力は素晴らしい物です、きっとこの先の展開を盛り上げてくれるはずです」

 

「いいのか?黒服に断りもなく」

 

「こんな状況では仕方ないでしょう。今の我々であっても彼女には勝てません――それに我々が舞台から降りるのは、まだ早いでしょう」

 

 

 敢えて両手を上げて降伏の意思を示すマエストロ、杖を下ろすデカルコマニー。銃口を向けられてもやけに落ち着いた、異常なまでに冷静で淡々とした大人たちの在り様に、ホシノは警戒心を一層強めて質問を重ねる。

 

 

「さっきの質問に答えて……今何が起こっているの、これから何が起こるの」

 

「一言で言うなれば…そうだな。

『彼が学園都市キヴォトスを守る先生としての選択をするのか』
『マッシュ・バーンデッドという一人の人間としての選択をするのか』
その如何によって、キヴォトスの行く末は大きく変わる」

 

「彼がいつまで善人を貫けるのか…それが鍵となるお話です。暁のホルス、小鳥遊ホシノ……ここで我々を殺害するつもりがないのは分かっています。貴女もまた、自らの手を血で汚すことが先生を悲しませる事実を理解し、行動を弁えられる者――ですので」

 

 

 ゴルコンダは静かに告げた。

 

 

「今回の黒幕、そして……その黒幕の身に何が起きているのか。それをお教えするので…どうか彼の手助けをしてあげてください」

 

「――私はお前達のことが心底分からない……先生は、お前達の敵のはずだろう!なのになんでそこまで味方をしようとする!?そもそもどうやってそれを知った、何をどこまで知ってるんだ!!!」

 

「そこはおいおいわかる。今は黒幕について知るのが先決のはずだ……しっかりと覚えて帰るといい」

 

 

 マエストロは冷静に、ゆっくりと真相を告げた。

 

 

 

「今から話すのは彼女、今回の黒幕・不知火カヤ……………いや――――――()()()の事だ」

 

 

 

 マエストロから告げられた真実。

 
 聞き終え、目を見開き絶句したホシノは即座に端末を取り出した。連絡先は、シャーレ所属の生徒たち。メッセージの一斉送信を確かめたホシノは、鬼気迫る姿でその場から走り出した。

 

 

 

 

「…………所で彼女、何故この場所が分かったのでしょうか」

 

「一睡もせずに駆けずり回ってここを探り当てたのだろう、あの者であればあり得る」

 

「マエストロ、流石にそれは………………無いとは言えないのが彼の生徒なんですよね」

 

「そう言うこった!!!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「こんにちは、可憐なお嬢さん。私の名前はエピデム、ここで会えたのも何かの縁です。お近づきの印にプリンはいかがですか?」

 

「ごめんなさい!!怪しい人からは何も貰ってはいけないと先生から言われているので結構です!あとアリス、プリンよりもシュークリームがいいです!!」

 

「プリンよりも…??プリン以上の食べ物なんて存在しませんよ。プリン以外の菓子など全て泥に等しい、口に入れるなどとんでもないことです」

 

「偏見と偏食が凄まじいですね。アリスはあんな大人になっちゃダメですよ、偏食は高確率で生活習慣病を誘発しますし、メタボリックシンドロームによる肥満の原因にもなります」

 

「アリスの身体に太る機能(スキル)なんてあったんですか?」

 

「………とにかく、あんな大人には絶対にならないように気をつけてください」

 

 

 機械的に、冷徹に詰るだけのケイの酷評がエピデムに刺さる。狂人がこの程度で心に痛みを覚えるわけもないが、圧倒的な強者としての立場を謳歌してきた彼にとっては実に不愉快極まる侮辱にして罵倒。

 しかしプリンを口にすれば、不快な気分も一瞬で元通りに戻る。シュークリームと同じカスタードでも、受け取る人間によっては洗脳じみた薬物のような効果を呈するらしい。

 

 

(あの火力は、今まで相手をしてきた魔法使いとは比べ物にならない程の力を持っていますね、下手をすれば最古の十三杖(マスターケイン)に並ぶような──加えて、あれだけ大質量の代物をあそこまで簡単に軽々と振り回せるとは……怪力なのはドゥウム兄様と例の先生だけで十分だというのに――しかし、私の勝利は変わらない。まだウィルスのストックはありますからね)

 

「そこの!……えーと……すみませんお名前を聞いていませんでした!!」

 

「エピデムです」

 

「エピパンさん!!」

 

「エピデムです」

 

「どうしてこんな事をするのですか!?チビネル先輩もアスナ先輩も、貴方のことは知らないはずです!!誰も何も、貴方に悪いことはしてません!先生も言ってました、これまで喧嘩したりぶつかり合った相手には必ず理由があったって!貴方が皆にひどいことをする理由って、一体なんですか!!?」

 

 

 パーティーメンバーを傷付けられた義憤とともに問うアリス。対するエピデムは表情を帰ることもなく、躊躇の一つもなくさらりと返した。

 

 

「いえ、別に何もされていませんが……それが何か?」

 

「何か……って……だ、だったらなんでこんな事を!?」

 

「ああ、まずはそこからご説明が必要ですか。私は当初、先程までそこにいらした一之瀬アスナさんの身に宿っている神秘について研究したく、彼女の身柄を頂きに参った次第です」

 

「どうしてですか!生徒を誘拐することはいけないことです!!」

 

「……?…おっしゃっている意味がわかりませんが、気になる事を調べようとするのはいけない事なのでしょうか」

 

「貴方はアスナ先輩に『調べさせてください』って言いましたか!?アスナ先輩は『いいよ』って言いましたか!?」

 

「アリス、この男……いえ、この人間に何を言っても無駄です」

 

 

 ケイの目が赤く光り、その腕がエピデムに向けられる。

 

 

「アリス、この世界には先生のような呆れるほどの善人もいれば……どうしようもない、救われる事もない悪人もいるのです。あの男は命を大事なんて言葉が、1ミクロンもありません…善悪の区別も無い―本物の悪党です」

 

「その通り、私は悪党です。しかし命を大事にしていないという認識は改めて頂きましょう、大切な実験材料はちゃんと保管してありますし、死なないようにもしています」

 

「ッ―……」

 

 

 アリスは顔を引き攣らせ、エピデムを睨む。ゲームの世界で見たフィクション上のヴィランでは見なかった、どのキャラクターとも異なるタイプの悪党。ベアトリーチェのようなタイプでは無く、本当に、人に近い見た目の狂人――それでも。

 

 

「アリスの、大切な仲間を傷つけたことは許せません。なのでアリスは今ここで貴方をKOして、みんなにごめんなさいと言わせます!!」

 

「………⁇⁇ 理解できませんね、それになんの意味が?……いえ、理解や詮索は無駄でしょう。所詮は子供の戯言ですね」

 

「…全く、あの先生の教育のせいでもあるのでしょうが――アリス、サポートしますので、全力でお相手を」

 

「はい!!…えーと、こういう時は…――」

 

 

 

 アリスは光の剣を構え、ビシッと決めポーズを取った後。

 

 

「ショウタイムだ!!!―です!」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 ゲームに置いて、初見殺しはプレイヤーに対する痛烈な精神攻撃となる。

 「死に覚え」によるリトライを強要する要素を行うボスを配置することで、並の人間では防ぐことも回避することも出来ない、幾度繰り返しても単純に突破することの叶わない構成を生み出すことができる。
 アリスとケイにとって、無邪気な淵源の中でトップクラスの危険人物であるエピデムは、まさに初見殺したりうる要素を兼ね備えた上級ボスと呼べる存在だった。圧倒的な強度を持つオリハルコンを変幻自在に操る汎用性の高い術式は、攻防一体となってアリスを追い詰める───はずだった。

 

 

 

(――想定外が過ぎる)

 

「こんな攻撃、ゲームでずっっっっと経験してます!モモイのクソゲーのほうがまだマシでした!!」

 

(此方の魔法のことも、攻撃方法も知らないはずなのにどうしてここまで避けれる…⁇)

 

 

 

 だがそれを彼女は避けていた、初見殺しの攻撃にもかかわらず、空中からの乱打にすら対応してエピデムへと近づいてゆく。エピデムには理解が及ばないが、それでもなお、ここまでは通常通りの力押しが通用する範囲だと割り切った。なおも攻撃の手を緩めることはなく、左右から十字砲火のようにオリハルコンの槍を飛ばす。

 

 

 

「こういうタイプの攻撃は――真っ直ぐ突っ込めば避けられます!!」

 

(ならば此方を)

 

「そして変則的に来るのであれば!逃げ場の無い空よりも、動きやすい地上で避ける!!――やっぱりアーマードソウルは偉大ですね!」

 

(――理解ができない……先程から何について話しているんでしょう…??)

 

「アリス、地中から来ます。手を」

 

「はいっ!!!」

 

 

 ケイの手を掴みアリスは宙を飛ぶ、地中から伸びてくる柱、それに乗りエピデムも空へと上がる。続けてアリスとケイをはたき落とすようにして、オリハルコンを巨大な手を象った金属像に変形させて振り下ろす。

 

 

「光よ!!」

 

 

 アリスは光の剣の光弾をオリハルコンの手に向かって放つ、その勢いでアリスは地上へと戻り再び構える。オリハルコンには微量ながらヒビが入っていた。

 

 

「あの鉱石、とっても硬いです……まるでブロッククラフトのネザライト鉱石みたいです…!」

 

「アレは……オリハルコンのようですね」

 

「オリハルコン――アリス知ってます!勇者の剣の素材に使われたすごい金属ですよね!!✨✨」

 

「キラキラしてる場合じゃありませんよ。アレが本物のオリハルコンならば破壊する手段は先生の拳と…もう一つしかありません」

 

「もう一つ……光の剣で物理攻撃!」

 

「光の剣が粉々になりますよ」

 

「随分と余裕そうですね、破壊する手段があるというのならば…早く見せて欲しい物です」

 

 

 もう一度アリスへ向けて放たれるオリハルコンの拳、すぐさまアリスはオリハルコンへ向けて光弾を発射。着弾しヒビは入れるもののわずか数ミリ、エピデムは心の中で勝利を確信した――しかし。

 

 

「――シールズ」

 

 

 そうケイが呟いた瞬間

 

 

 

 

バリバリバリバリッ――バギッ!!!!

 

 

 

「────は?」  

 

「アリス、思いっきりどうぞ」

 

「はい!…ゲームズの力を自分に、そしてそれを光の剣へ!――光よ!!」

 

 

 オリハルコンは巨大な亀裂を作りながら破壊され、アリスの光弾がエピデムへと直撃。エピデムは黒煙を出しながら地面へと落下した。

 

 

「―――なるほど…そこにいる機械人形がケイ。魔法の正体が分かったのは…良い事でしたね」

 

「……服が無事です!!」

 

「そこは心配する所では無いでしょう!…厄介ですね、魔法界の人間というのは」

 

「理解が追いつかないことだらけで混乱していますが………いい、実にいい。こんなにも真実に興味を持ったのは久しぶりです――お嬢さん、一体何をしたのですか? その身の動きは…一体何処で?」

 

 

 

 アリスの返答は至ってシンプルにして必然の言葉、アリスの人生の一部にして宝、そして己自身を変えた偉大なる存在、その名も。

 

 

「―ゲームです!」

 

「…………はい?」

 

「アリスはさまざまなゲームをプレイして、その知識を全て生かした!それだけです!」

 

「ゲーム……この世界では一般的なコンピューターの―――――まさか貴女、それら二次元キャラの動きをそのままコピーしたというのですか?」

 

「正確に言えば似たような動きです。アリスの固有魔法は『ゲームズ』、あの時のような芸当はまだできていませんが、それの第一段階の言った所でしょう……ああ、貴方は知らないんでしたね」

 

 

 

 

 

 アリスの固有魔法・ゲームズ、それはゲームの世界の物を現実に持ってくるor世界そのものをゲームの世界に変貌させると言った物であったが、アレはアリスの精神世界ゆえに簡単にできたこと、通常の状態ではそれほど芸当はできないとリオやヒマリらの強力のもの判明した。

 

 つまりその二つはセコンズとサモンズに該当するもの……そう、この能力には通常の能力が存在していた。

 

 簡単に言えば、マッシュのゲーミングパワーモードに近い物でありその能力は、『自身がプレイしてきた様々なゲームの知識・動きなどエネルギーに変える』………そう、アリスはただ様々なゲームの知識や動きを莫大なエネルギーに変えているだけ。

 

 

 

 

(あのありえない動きは、彼女自身の単なる身体能力による物……脳内にシュミレーションした動きをそのまま完璧に実行するなど普通はできるはずがない――ゲームなどという、そんなくだらない物にそこまでのエネルギーが……?…まさか、それだけであのC&Cを)

 

「超えた、なんて考えているのでしょうがそれは違いますよ。自分では気づいていないかもしれませんが……貴方自身かなり疲弊しています。彼女らが貴方をそうなるまで追い詰めた、と言うことです」

 

「ネル先輩達はアリスよりもずっと強くて、賢くて、凄い人達です。先輩達に比べたらアリスなんてまだまだ未熟、半人前です!――でも、そのバトンは受け取れます!」

 

(ミレニアム内で他に戦える生徒はいない…そしてあの莫大な力を放てる兵器、アレをあそこまで使えるのは彼女のみ―――時間稼ぎ、これ程とは)

 

 

 そしてここでエピデムは気づく、先ほどからこっそりとエピデムはウィルスをばら撒いていた。のにも関わらずアリスやケイの身には何も起こっていない事に……それもそのはずだ、アリスはキヴォトス人ではあるがその肉体はオーパーツ。毒なんて効く筈もない。

 

 

「友情パワー!それに勝るものなんてありません!」

 

「………友情…ですか。―――なんとも非効率的な考え方ですね、自分以外の誰かと仲良くなる、自分以外のための事を思う……そんなの時間の無駄ではありませんか、それらをしていては自分の時間が無くなってしまう。友情なんて物は科学者にとってはただの敵です」

 

「貴方にとってはそうでも、アリスにとっては違います。友情はとても素敵な…とても暖かい、最高のエネルギーなんです」

 

「理解できませんね……自分以外無価値だと言うのに」

 

 

 エピデムは再度構え、オリハルコンを大量生産する、アリスとケイも構え臨戦堆積バッチリ。エピデムは感じ取っていた、アリスから…何処か暖かい、何処か憐んでいるようなそんな気配を。

 

 

「プリンと自分自身と研究―それ以外のものなんて、興味もありませんよ」

 

 

 そう言ってエピデムはアリスに向かって攻撃を開始

 

 

 

 

 

 

ピタッ………

 

 

 

 しかし、その本の数秒後、エピデムの動きは止まってしまった。急な動作の停止でアリスやケイも動揺し止まってしまう。

 

 

 

「………ファーミン兄様が退散…⁇…此方に星姫の大天使が――――成程、それは流石にこの状況では避けましょうか………ええ、これだけ暴れれば十分でしょうし」

 

「―アリス!!あの男は逃げる気です!!」

 

「させません!!」

 

 

 

 逃げようとするエピデムを捕まえようと二人は動くが、時すでに遅し。彼の足元に禍々とした次元の扉が開き、そこへ彼は飛び込んだ。

 

 

 

「――さようなら、みなさん。また近いうちに会うでしょう」

 

「ここまできて逃げるのですか!!」

 

「戦略的撤退と言ってください……アスナさんを連れて行けなかったのは本当に残念ですが――貴女方二人のデータも取れた事ですし満足です――しかし覚えておいてください」

 

 

 扉が閉めかけた時、エピデムは大きく口を開き、はっきりと告げた。

 

 

 

 

 

「大好きな先生が築き上げてきた関係に、今回の件でしっかりと亀裂が入りましたよ……頑張ってくださいね」

 

 

 

 扉が完全に閉まり、周りにあったオリハルコンも消え……エピデムはその痕跡をキヴォトスから消し去る形で、アリスとケイの前から姿を消した。

 

 

 

「……アリス、一度ミレニアムに戻りましょう」

 

「はい……ケイ、これは…アリス達の負け…なのでしょうか」

 

「……誰も死ななかった、それだけで十分勝利です。帰ったらシュークリームでも食べて、まったりと休息をとりましょう」

 

 

 

 エピデム、ミレニアムの生徒を狙う最狂の科学者………彼は知らない。

 

 

 

 

(―――とことんにまで追い詰めて、その研究もろとも滅ぼしてあげますよ)

 

 

 

 

 一体誰に、喧嘩を売ってしまったのかを。





ラビットが終わり次第のお話なんですが、とりあえず……ですね、トリニティの文化祭イベント+水着イベントを終わらせてやろうと思っております。

本当に投稿が一週間に一回とか信じられない事になってて申し訳ないです、毎日投稿していたあの頃がもう本当に懐かしく思えます。

これからもどうか、気長によろしくおねがいいたします

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