自分を使ってもらいたいレイちゃんと閃刀姫が扱えない決闘者 作:鉄血
サブテラー。
メタビートデッキ 導師ビートとして有名な海外テーマであり、現代の遊戯王ではまあ珍しい(ミミグル?エニアクラフト?あれは特殊過ぎ)上級リバース主体のデッキだ。
地属性で統一され、種族もバラバラ。センサー万別といった永続トラップにめっぽう強く、灰流うららのような手札誘発以外にも強いという特徴を持っている。
しかし、そんなサブテラーは導師と妖魔以外にモンスターカードは使われなかった。
サブテラーと呼ばれたデッキの約96%以上は導師ビート。ならばサブテラーマリスという本来のサブテラーとして使われる事を想定したカードがデッキに入らなかったのか?
それはサブテラーマリス自体が使いづらいからだ。
サブテラーマリス自身、自力で特殊召喚する効果はある。だが、その条件が厳しいのだ。
自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。
モンスターをセットしただけでは発動しない。表側表示のモンスターが裏守備表示にならないと、このカード達は出てこない。
そういった使いづらい制約のせいで採用される事は極稀であり、それもリグリアードといった除去効果メインのカードだけが採用される。
ではサブテラーやサブテラーマリスは弱いのか?
弱いかと言われれば、それはNO。
何故なら、
◇◇◇◇◇
「マスター。私とデュエルしてほしい」
今日は珍しくロゼが俺にデュエルを申し込んできた。
「構わんが・・・珍しいな。ロゼからデュエルを申し込んでくるなんて」
「いつもレイに譲ってるだけ。それにマスターはいつも忙しそうにしてるから無理に出来ない」
そう言う彼女に彼は店長を見て言った。
「なあ前から思ってたんだけどこの子、アイツと違って良い子過ぎない?」
アイツというのはレイの事である。
「良い子なのは認めるが、あの子はあの子で真面目だぞ」
「まあ、そうだけど」
なんだかんだ彼女も家事とか手伝ったり、いつの間にかやってたりするし。
多少、口うるさいところはあるが。
「だから今日は私の番」
そう言ってフンスッとするロゼに彼は頷いた。
「OK。なら俺もあのデッキを使うか。多少改造してからは一度も回してないしな」
そう言って彼は座った。
「デュエル」
「デュエル」
「私が先行。・・・私は速攻魔法 閃刀機ーホーネットビットを発動。説明、いる?」
「いや、いい」
「・・・そう。なら続ける。自分フィールドに閃刀姫トークンを一体、守備表示で特殊召喚。そしてリンク召喚。『閃刀姫-シズク』」
ロゼの前にシズクとしてのレイが現れる。
そして───
「・・・あれ?私、さっきまで小夜丸さんと一緒に買い物してたはずなのにどうしてここに・・・」
首を傾げるシズクに彼は察した。
「・・・おい」
ロゼは目を逸らす。
どうやら普段から彼女達はお互いにリンクしているようで、デュエル中に彼女の媒体を召喚したことでこのデュエルに引っ張られたようだ。
「続ける。手札から成金ゴブリンを発動。マスターのライフを1000回復し、一枚ドロー。カードを二枚伏せてターンエンド。そしてシズクの効果。特殊召喚したターンのエンドフェイズに同名カードが自分の墓地に存在しない『閃刀』魔法カード一枚をデッキから手札に加える。私は『閃刀起動ーエンゲージ』を手札に加える」
マスター LP9000
ロゼ 手札 2
どうやら引きはあまり良くなかったらしい。
大きな事をすることなく、ターンを渡してきた。
そしてそんな俺達の間で、レイ・・・いや、閃刀姫ーシズクが手を挙げた。
「あの・・・これは一体どういう・・・」
そう言う彼女にマスターである彼とロゼは───
「俺のターン。ドロー」
「ん」
無視した。
「無視!?無視ですか!?マスター!ロゼ!?」
「俺は閃刀姫ーシズクをコストに手札から粘糸壊獣クモグスをロゼの場に特殊召喚」
「ちょっ!?」
蜘蛛の糸に絡め取られて墓地へ直行したシズクの変わりに蜘蛛の形をした壊獣がロゼの場に現れる。
そしてそれを目にしたロゼが口を開いた。
「マスター、酷い」
「何とでも言え。続けるぞ。俺はフィールド魔法 地中界シャンバラを発動。発動時効果で俺はサブテラーカードをデッキから一枚手札に加える。俺はここでサブテラーの導師を手札に加える」
デッキのメインエンジンを手札に加えた後、彼はカードを一枚セットする。
「そして俺はモンスターを一枚、セット。そして地中界シャンバラの2効果を発動。自分の裏守備表示のサブテラーモンスターを表側表示にする。俺はセットしたサブテラーの導師を守備表示で反転召喚」
反転するサブテラーの導師は手にした剣を空へと掲げた。
「サブテラーの導師の効果。このカードがリバースしたとき、導師以外のサブテラーカードをデッキから手札に加える。この効果で俺はサブテラーの妖魔を手札に加える」
妨害札が揃った。
そして彼は次の行動へと入る。
「永続魔法。地中界の厄災を発動。カードを二枚伏せる。そしてサブテラーの導師2の効果を発動。導師と粘糸壊獣クモグスを裏守備にする」
マスター 手札一枚
ひっくり返るサブテラーの導師とクモグスを見た後、彼はロゼに向けて言った。
「ターンエンド」
「私のターン。ドロー・・・クモグスを反転召喚。私は自分自身を召喚」
「この瞬間、トラップ発動。サブテラー決戦。俺は裏守備のサブテラーの導師を表側守備表示にする。そしてリバースした導師の効果を発動。デッキからサブテラーカード手札に加える。手札から二枚目のサブテラーの妖魔を手札に加えた後、サブテラー決戦は再びセットされる」
サブテラーの導師 守備3300
「続ける。私は自分とクモグスの二体でリンク召喚。閃刀姫ーカメリア。カメリアの効果を発動。一ターンに一度、自分の墓地の魔法カードが三枚以下の場合に発動できる。デッキから閃刀カード1枚を墓地へ送る」
「トラップ発動───無限泡影」
「・・・・・ッ」
「閃刀起動ーエンゲージを発動。私はデッキから閃刀カードを一枚手札に加える。デッキから閃刀起動リンケージを手札に加える」
「そしてカメリアでリンク召喚。閃刀姫ーハヤテ」
その言葉と同時、ロゼはハヤテの武装を身に纏う。
「閃刀姫ーカメリアが墓地へ送られた場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動。サブテラーの導師を対象にした後、カメリアを相手フィールドに特殊召喚し、対象のモンスターを墓地へ送る。そしてカメリアのコントロールはこのターンのエンドフェイズに元々の持ち主に戻る」
「手札からサブテラーの妖魔の効果。サブテラーの導師を裏守備にし、カメリアのその効果を無効にする」
でも本命は通った。そして宣言する
「───バトルフェイズ。
「受ける」
マスター LP 7500
「ハヤテの効果。デッキから閃刀カードを墓地へと送る。私は閃刀機ーウィドウアンカーを墓地に」
「そして私は閃刀起動リンケージを発動!」
閃刀起動リンケージ。
自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。自分フィールドの他のカード1枚を墓地へ送り、EXデッキから「閃刀姫」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚するという速攻魔法。
「私は
閃刀姫=ゼロ。それはレイとロゼの新たな姿。
「マスター!それにロゼも!流石にさっきのあれはもう許しませんよ!」
「閃刀姫=ゼロが特殊召喚した場合の効果を発動!自分の自分のデッキ・墓地から「閃刀」魔法カード1枚を手札に加える!私は墓地の閃刀起動ーエンゲージを回収!そして再び攻撃!行って!」
振り被られる刀剣。
それが裏守備のサブテラーの導師を破壊せんと刃を振り下ろし──
「
その言葉と同時、ゼロの攻撃は弾き返された。
「・・・・なっ!?」
驚愕するロゼとゼロに彼女のマスターは言った。
「永続魔法。地中界の厄災。このカードには三つの効果がある。まず一つ目、自分フィールドの裏側守備表示モンスターは相手の効果の対象にならない。二つ、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、このカードが表側表示で存在する間にリバースした、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は1500アップする。三つ、魔法&罠ゾーンのこのカードが相手の効果で破壊された場合、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する。リバースしたサブテラーの導師は厄災の効果で守備は3300。そしてお前のゼロは片方の光属性がいない状態のただの3000打点だ。今の導師には届かない」
ロゼ LP 7700
そう言って彼は告げた。
「閃刀姫の強みは確かに出ていた。だが、レイと比べてロゼ。お前は迂闊過ぎる。地中界の厄災の効果は最初から発動していたのをお前は見ていた筈だ」
確かにそうだ。サブテラーの導師のステータスが上がっていたのを私は一度見ている。
その辺りは自分のミスだといってもいい。
「・・・メイン2。私は閃刀姫=ゼロ一体でリンク召喚。閃刀姫ーカガリ。特殊召喚成功時、自分の墓地の「閃刀」魔法カード1枚を対象として発動。私は閃刀起動リンケージを手札に加える。そしてゼロで回収した閃刀起動ーエンゲージを発動。閃刀機ーウィドウアンカーを手札に加えて、墓地に魔法カードが三枚以上ある場合、一枚ドローする」
そしてさらに一枚ドロー。
「・・・カードを二枚伏せてターンエンド」
決めきれなかったと内心で悔しがるロゼに対し、彼女のマスターは淡々とデュエルを続ける。
「俺のターン。ドロー」
そして引いたカードを見る。
「メインフェイズ。俺はサブテラーの導師の効果を発動。カガリを対象に対象に取ったモンスターと導師を裏守備にする」
「でもカガリはリンクモンスター。だから裏守備にはならない」
「ああ。だから導師だけが裏守備になる。そして裏守備になった導師を反転召喚。効果を発動。サブテラーカードをデッキから一枚加える」
「させない!手札から灰流うららを捨てて無効にする!」
「それにチェーンしてサブテラー決戦の4の効果。このターン中、サブテラーカードの効果は無効化されない」
「なら、伏せてあった速攻魔法 閃刀機ーウィドウアンカーの効果を発動!サブテラーの導師を対象にしてそのターン中、効果を無効にし、墓地に三枚以上魔法カードがあった場合、相手のエンドフェイズまでコントロールを得る!」
「ならそれにチェーンしてサブテラーの妖魔。サブテラー導師を対象に対象に取ったモンスターを裏守備にしてその効果を無効にする」
「くっ・・・!」
結局通らせてしまった。
悔しそうにする彼女に彼はデッキからカードを一枚加える。
「俺はデッキからサブテラーの戦士を一枚手札に加える。そして導師が裏守備になったことで手札のサブテラーマリス・ジブラタールの効果発動。手札から自身を守備表示で特殊召喚。そしてジブラタールの3の効果。自分のメインフェイズにこのカードは裏守備になる」
それに何の意味があるのか。そう思った次の瞬間、彼は言った。
「ジブラタールが裏守備になったことで場に裏守備のモンスターしか居なくなったことで手札からサブテラーマリス・ボルティニアの効果。このカードを守備表示で特殊召喚する」
マスター 手札 1
「そして俺はサブテラーマリス・ボルティニア一体をリリース」
リリースしたボルティニアから出てきたのはロゼも予想していなかったモンスターだった。
「エクストラデッキから超雷龍-サンダー・ドラゴンを特殊召喚する」
それが詰みになる一手だった。