自分を使ってもらいたいレイちゃんと閃刀姫が扱えない決闘者 作:鉄血
超雷龍-サンダー・ドラゴン。
そのモンスターは少し前まで制限だった融合モンスターだ。
その効果は三つ。
雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。
②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。
そう。このカードは融合無しで特殊召喚出来るカードでもあり、それと同時にサーチと言った特定のカードをデッキから手札に加える事が出来なくなる効果を持っている。
閃刀姫のドロー手段は基本、エンゲージや成金ゴブリンといったカードに依存している。
特に手札にあるエンゲージはサンダードラゴンがいる限り、発動すら出来ない。
だからこそ、あのモンスターの効果を無効化させるか、退かさなければならないのだ。
でなければ私は詰む。
「地中界シャンバラの2効果を発動。自分の裏守備表示のサブテラーモンスターを表側表示にする。俺はセットしたサブテラーマリス・ジブラタールを表側攻撃表示に変更。ジブラタールのリバース時効果、手札のサブテラーモンスターを一枚捨て、二枚デッキからドローする。俺は手札のサブテラーの戦士を捨て、二枚ドロー」
そしてマスターは私を見る。
「バトルフェイズ。攻撃力4300のジブラタールで攻撃力1900のカガリを攻撃」
巨大なジブラタールの手のひらがゆっくりとカガリを圧し潰そうとする。
「ちょっ!?」
ひらひらと攻撃を躱すレイだったが、それも長くは続かない。
ジブラタールの巨大な手のひらが横へ薙ぐように振られると、それを避けられなかったレイは弾き飛ばされ、そのまま破壊される。
「くっ・・・!」
ロゼ LP 5300
「超雷龍-サンダー・ドラゴンでロゼにダイレクトアタック」
ロゼ LP 2700
「あ・・・っ!」
「カードを一枚伏せてターンエンド」
そしてマスターは私を見る。
「さて・・・ロゼ。お前はどう攻略する?これを突破する手段は幾らでもあるぞ。特にアイツはこの程度なら普通に突破してくる」
そう言うマスターに私は言った。
「・・・今度は私達が勝つ!」
手札はまだある。盤面こそゼロだが、次のドローで逆転する!
「私のターン!ドロー!」
カードを一枚抜いた。
そして私は目を見開ける。
ドローしたカード。それはマスターが良く使う罠カード
「私はこのままバトルフェイズに入る!」
その言葉にマスターは目を見開いた。
「おいおい、まさか・・・」
「私はバトルフェイズ終了時、手札から罠カード拮抗勝負を発動!」
「やっぱりか!トラップ発動、サブテラー決戦!サブテラーの導師を表側表示にする!」
だがそれは苦し紛れのリバース。ロゼが発動した拮抗勝負は止められない。
拮抗勝負。それは後攻で巻き返す為の一枚。
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:自分・相手のバトルフェイズ終了時、相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードより多い場合に発動できる。自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手は自身のフィールドのカードを裏側で除外しなければならない。
「私の場は一枚!よってマスターの場のカードも一枚になるまで除外する!」
「チッ・・・ならサブテラーの導師を残し、それ以外は除外する。そしてサブテラーの導師のリバース効果でサブテラーの妖魔を手札に加える」
「でもこれで盤面は怖くない!私は二枚の閃刀起動ーエンゲージを発動!デッキから閃刀カードを手札に加える!」
「チッ!仕方ないか・・・サブテラーの妖魔を手札から捨て、導師を対象!裏守備にして無効化する」
それを待っていた!
「なら私は閃刀姫ーレイを召喚!」
「!」
「そして私はレイでリンク召喚!来て!カガリ!」
「まかせて!」
ロゼのその言葉に反応するかのようにカガリの姿のレイが剣を振り被り、炎を払う。
「閃刀姫ーカガリの特殊召喚時の効果を発動!墓地から閃刀魔法カードを手札に加える!私は閃刀起動ーエンゲージを手札に加えてそのまま発動!デッキから二枚目の閃刀起動リンケージ加え、墓地に三枚以上魔法カードがあるのでさらに一枚ドロー!」
マスターもこれから自分が何をしようとしているのか分かったのだろう。身構えることなく、私を見た。
マスターは何時もの表情ではなく、少しだけ笑っていた。
「なるほど。俺が詰みか」
「・・・うん。私はカードを一枚伏せてターンエンド」
「俺のターン。ドロー」
頷くロゼにマスターはドローする。
ドローしたのはサブテラーマリス・エルガウスト。
「・・・俺はサブテラーの導師をリバース。リバース時の効果を発動したいが、チェーンは?」
「伏せてあった速攻魔法 閃刀機ーウィドウアンカーを発動。その効果を無効にする」
「やれやれ・・・本当に詰みだな。俺はこれでターンエンド」
「私のターン。ドロー」
「バトル。攻撃力2100の閃刀姫ーカガリでサブテラーの導師を攻撃!!」
「はあああッ!」
カガリが燃える炎剣を導師に目掛けて斬りつける。
今まで苦戦していたサブテラーの導師はカガリの手に持った剣によって切り裂かれ、そのまま炎に焼かれて消えていった。
マスターLP 7000
「そして速攻魔法閃刀起動リンケージを発動!カガリをリリースし、私は閃刀姫=ゼロを特殊召喚!そしてそのままゼロの特殊召喚成功時の効果を発動!墓地から私は閃刀起動リンケージを回収し、攻撃力3000の閃刀姫=ゼロでダイレクトアタック!」
マスター LP4000
「そして再び閃刀起動リンケージを発動!閃刀姫=ゼロをリリースし、閃刀姫ーハヤテを召喚!そしてそのまま二度目のダイレクトアタック!」
放たれるビームが直撃し、マスターも思わず顔を顰める。
マスター LP 2500
だが、猛攻は終わらない
「そして再び閃刀起動リンケージを発動!私をリリースし、EXデッキから合体術式-エンゲージ・ゼロを特殊召喚!」
ロゼはそう言って手を伸ばす。
「エンゲージ!」
その言葉と共にロゼの前に剣が現れ、同時に現れたレイも隣に立つ。
「ロゼ」
「うん」
並んだ二人は剣を構える。
そして二人の契約者に二人は言った。
「私達の勝ち(です)」
「ああ、そうだな。二人の勝ちだ」
この世界に現界して一年と少し。今日この時、二人が始めてマスターである彼にデュエルに勝った日になる。
彼は自身の手札を見る。
速攻のカカシとサブテラーマリス・エルガウスト。
このターンは凌げるが、巻き返す為の爆発力はこのデッキにはない。
「私は攻撃力が2500になった合体術式-エンゲージ・ゼロでマスターを攻撃!」
「よし来い。二人の初黒星だ。受け止めてやる」
「「はああああ!」」
二人がマスターである彼に飛び込んでくる。
マスター LP 0
勝敗は決した。