半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!


体調不良で見事に死亡していた作者です。その間、たくさんの方が登録してくれたみたいで本当に嬉しいです!!


それでは本編をお楽しみ下さい!





『平和の象徴と託された者』

 

 

ウォリアセカンドに竜変身した破竜と緑谷が睨み合う。

 

 

 

 

『わからず屋が…その戯言が二度と言えなくなるくらいボロ雑巾にしてやんねぇとわかんねぇみてぇだな?』

 

『やれるもんならやってみろよ…』

 

『そうか。なら、遠慮なく。』

 

 その瞬間、ビュンッ!!と緑谷の横を何かが通過すると同時に後ろの壁がパァァァァン!!と砕けた音が聞こえる。バッと振り向くとコンクリートの壁に恐らく破竜のものであろう拳の跡がめり込んでおり、緑谷の心臓が跳ねた。

 

『い、いまのは…ま、まさか…拳を振るった…風圧だけ…でコンクリートを…く…砕いた…?』

 

 驚愕する緑谷を横目に破竜は自分の拳を見つめた。別に特別な事は何もしていない。ただ、拳を突き出しただけ。それだけだが、想像以上の速さの拳は空気を穿ち、まるで弾丸のように緑谷の横を通過した。

 

『拳圧の飛び道具か…今までの俺にない武器だ。空気を穿つ拳…そうだな、空拳とでも呼ぶか?』

 

そう言いながら再度、拳を勢いよく突き出すとコンクリートがバギィッ!!!と先ほど以上の勢いで砕かれる。

 

『なんて…パワーだ。15%はもちろん…』

 

20%すら軽く越してるんじゃ…

 

『せいぜい逃げてみろよ。託されたものを放棄しようとした無責任大馬鹿野郎。』

 

『な、なんだと…!!』

 

その瞬間、先ほど破竜が空拳と名付けた拳圧の嵐が

緑谷を襲う!

 

 

 

ブォンッ!ブォンッ!ブォンッ!

 

 

 

『うわ…っ…、ッ!!!』

 

『だりゃ!はぁ!!だぁぁぁりゃぁぁ!!!』

 

気合いと共に発生する遠距離攻撃を何とか避けていくが、全てを避け切れるわけがなく…

 

 

『だァァッ!!!!』

 

 

ドゴォン!!!!と嵐のような攻撃の一つが緑谷の脇腹にヒットする。強烈な一撃に緑谷の体が折れ曲がる。

 

『う…ぐっぁ…!!!』

 

『ハッ、捉えたぜ…覚悟しろ!!!』

 

『(この速度で飛んでくる無数の拳撃を避け続けるのは無理だ!だったら、多少ダメージを喰らってもガードに徹するのが一番いい!)』

 

 初めは全てを回避しようと動き続けていた緑谷だが、想像以上の速さと拳撃の嵐にいずれは捕まると判断したのかクロスガードで腕を固め始めた。

 

『あァ?』

 

『っ…!』

 

耐えろ…耐えるんだ…破竜くんの懐にさえ入れれば、絶対に一撃を加えられる!

 

 更に連続して拳を突き出していく破竜の攻撃を緑谷はあえて避けず、渾身のガード戦法で隙を伺う方向性にシフトする!

 

一撃を喰らうたびに一歩、また一歩と…歩みを進めていく緑谷は確実に破竜に近づいていく。

 

『(あと少し……もう少し…ここだっ!)』

 

『セントルイススマッシュ!!!!』

 

先程、破竜をコンクリートに叩きつけた…現時点で緑谷が放てる最大火力の必殺技。

 

『なめやがって…』

 

 

 

ズサァァァァァ!!!

 

 

 

『は…うそ……だろ…!!』

 

『こんなんでどうにかなるとでも思ったか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜は片手で受け止めてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワン・フォー・オールの20%をこんなあっさり…こ、これがウォリアセカンド!ウォリアの時よりも戦闘能力が段違いだ…今の破竜くんの力は僕の想像の遥か上をいってる…!!

 

インファイトによる攻撃も今の破竜相手には全く意味がないと判断し、緑谷はすぐさま攻撃範囲から離脱し、思考する。

 

『(勝てない…今の僕じゃ、どう頑張っても。それどころか、今の破竜くんに一矢報いることすら出来ない…。)』

 

 なまじ分析力に長けた緑谷だからこそ、現時点での実力差を痛感し、自分では破竜相手に勝つ事は不可能だと…諦めの表情に変わる。

その姿を見届けた破竜はチッという舌打ちと共に大きなため息を一つ吐くと…一瞬で緑谷の背後に高速移動した。

 

『何だそのツラは。』

 

『え…いつの間に…うしろ…に……ッ!?』

 

 

ドガガガガガ!!!という無数の打撃を受けたような強い衝撃が緑谷の体に突き刺さり、その場に膝をついてしまう!

 

 

『みえ…なか…っ……た…。いま…なに……を?』

 

相手の後ろに超高速で移動しつつ、すれ違いざまに無数の攻撃を叩き込む空拳の連続版。破竜のもう一つの必殺技…

 

『竜の閃撃。』

 

立ちあがろうとした緑谷だが、先程のダメージが酷すぎて立ち上がることすら出来ない。スタスタと近づいて、自身を見下ろす破竜を見た時…緑谷は驚愕した。

 

その冷ややかな瞳の中で強く燃える炎を見た。

 

『それが…オールマイトが力を託した人間の顔か?』

 

『え…』

 

『俺には勝てないって諦めたそのツラ…見てるだけで腹が立つ。テメェ…本当にオールマイトに憧れてんのか?その姿を見る限り、到底そうは思えねぇな。』

 

その一言で地面に伏せていた緑谷の顔色が変わる!

自分の人生を…ヒーローを作ってくれた憧れの存在。

その憧れは生半可なものではない。だからこそ、今の発言だけはどうしても許せなかった。

 

『分かったような言い方すんなよ!!憧れてるに決まってる!!破竜くんに僕の何がわかる!?』

 

『だったら、なんで諦めたような顔してんだ。強い敵が現れたら…自分の力が及ばないと分かったら…諦めんのか?俺の知ってるヒーロー達はそんな事絶対にしない。』

 

『そ、それは…』

 

言い淀む緑谷に対し、破竜の脳裏には3人のヒーローが浮かぶ。オール・フォー・ワン相手に力を使い果たすまで戦い抜いた神野のオールマイト、そしてロードに負けるとわかっていながらも自分を守る為に死ぬのを覚悟で全力で立ち向かったレイやリューキュウの姿だった。

 

『そんな覚悟しかない()()()()じゃ、これから先…誰も救えねぇ。』

 

冷た過ぎる宣告を受けた緑谷は地面に伏せたまま、拳を握り締めるが…ふと、さっき言われた言葉の中に引っかかるものがあった。

 

()()()…じゃ?』

 

『そうだ。今までのテメェにはあって今のテメェにはないもの。それが答えだ。そもそも、テメェはなんでヒーローを目指した?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『その心の奥底に眠る…原点(オリジン)を思い出せ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───人は生まれながらに平等じゃない。これは齢四歳にして知った社会の現実』

 

『そして僕の最初の挫折だ』

 

この世界の大部分の人間が先天的な超常能力"個性"を持つ超人社会。そんな中で僕が先天的に何の"個性"も持たない人間である事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深く己を見つめ直し始めていた緑谷はこちらを冷たい目で見つめる破竜の姿を忘れ、自分の過去を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めに思い出したのは、自分の部屋での一幕。

 

『僕もヒーローになれるかな?』とお母さんに尋ねた時、お母さんは目に涙を浮かべながら

「ごめんねぇ…ごめんねぇ、出久!」とただ泣きながら僕を慰めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場面が移り変わり、次に思い出したのは幼馴染から言われた辛辣な一言。

 

『来世は個性が宿ると信じてワンチャンダイブ!』

 

それを見て、笑う周りの友達。多分、今の破竜くんが聞いたら本気でかっちゃんをぶっ殺しに行こうとするくらい危険な発言。

 

それでも…僕はその言葉をなんだかんだで受けいれてしまっていた。個性がない自分では到底届かない夢と憧れ。

 

わかっていた…

わかっていたはず……なのに。

 

『ヒーローノート…爆破されちゃった…な。』

 

自分では夢を叶えることができないと理解していても、それでもヒ一ロ一になりたいという夢も憧れも捨てることなんてできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに場面は移り変わり、どこかのビルの上。

 

僕は中学二年生の冬…何の因果か、憧れでもあったオールマイトとの運命的な出会いを果たした。

 

「"個性"のない人間でも、あなたみたいになれますか!?」

 

"無個性"ではヒーローになれないことをオールマイトに諭されたけど…その後、ヘドロ事件を経て…

オールマイトに認められて…個性を授かった。

 

けれど、継承された個性は余りにも強大だった。

 

その力はオール・フォー・ワンを倒す為に聖火の如く、何代にも渡って受け継がれ、紡がれてきた希望。

どんな時でも笑顔で人々を救うオールマイトの肩にのしかかっていた途方もない重圧。

 

そして、神野事件で力を使い果たしたオールマイト…

 

 

 

 

 

 

 

『次は君の…いや、君たちの番だ!』

 

 

 

 

 

 

 

そこで緑谷は「あれ…」と気づいた。

 

僕は…あの日、オールマイトから次を託された。それがわかっていたからあの時、人目もはばからずに大号泣した。

 

そして、場面はつい最近のものに移り変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前は未来を捻じ曲げた…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オールマイトだけじゃない…

サーナイトアイからも僕は…託された。オールマイトが死ぬはずだった未来、それを変えられる可能性のある僕に…これからを託してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、さっきの破竜の言葉が反芻する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『その心の奥底に眠る…原点(オリジン)を思い出せ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕がヒーローを志した理由…僕の原点

 

 

 

 

 

 

幼い頃にテレビで見た沢山の人を救う

オールマイトの姿…僕はその姿に憧れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分がヒーローを目指した理由。

周りから次を…これからを託されていた事。

 

 

 

 

そんな大事な事すら…自分が忘れていたことに、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷はようやく気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッとした表情で何かを思い出す緑谷の姿を見て破竜はニヤリと笑みを浮かべた。

 

やっと気づいたか…そうだ。お前は俺と同じ…いや、俺以上にみんなから託されてんだろ?

 

それはNo.1ヒーローの個性:ワン・フォー・オールを受け継いだからじゃない。

 

お前が今まで生きてきたこれまでの人生。その中で助けて、助けられて、救われてきた人間達の心がお前をヒーローたらしめている。

 

お前がその個性を受け取ったのは、偶然じゃない。

その力と責任はそんな軽いものじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前だから…その個性を受け取る資格を得たんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなお前がその力を手放すってことは、その人から託された気持ちも…散り際に託した想いも全て投げ捨てようとしていたことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから…俺はお前が許せなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がそれを手放そうとした事が…。

 

 

 

 

 

 

力が足りないとか、後継者に向いてるだとか、そんなことはどうだって良い。お前に出来ない事を無理してやる必要はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その為に俺が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原点(オリジン)は思い出せたかよ?』

 

すると、緑谷は立ち上がってこちらを見つめる。

そこには、己に託されたものから…己の原点から…

逃げ出そうとした無責任野郎はもういなかった。

 

『うん…思い出した。』

 

『そうか…安心したぜ。なら、今のお前が出来る最高の一撃を俺にぶつけてこい。平和の象徴を…オールマイトの力と心を…お前が受け継ぐつもりなら…今の俺くらいあっさり超えて見せろ!』

 

『今の僕に出来る…最高の一撃を君に!』

 

緑谷は俺に限界突破の一撃を喰らわせる為にありったけの力を引き出す!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『行くぞッ!!破竜くん!!!!!』

 

 

 

 

 

『来いッ!!緑谷ァァァ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が憎まれ役になってでも僕に原点を思い出させてくれた…!!それに…

 

『いっ……ッ!』

 

ズキッと腕を痛めたような仕草を見せた破竜だったが、すぐさま顔を作り直し、いつもみたいな優しい目を緑谷に向けた。

 

最初からそうだった。君は…ずっと僕の事を想ってくれていた。まだ、体だって本調子じゃないはずなのに…

 

ここまで無茶してくれた君の想いに応えたい!!

今だせる最大出力を超えた力を君に…見せたい!!

 

その強い決意は緑谷が現時点で出せる許容量を超えた出力を可能にさせた!

 

『ワン・フォー・オール…フルカウル!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25%!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焚き付けといてなんだが…流石に素の力だけで受け止めるのはやばそうだな。こっちも必殺技で相殺しねぇとマジで怪我する。

 

ウォリアセカンドの力を7割まで引き上げた破竜も全力でその攻撃を受け止めべく、右手を突き出して叫ぶ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『セントルイススマァァァッシュ!!!!』

 

 

 

 

 

 

『オーラ…バリアァァァァァ!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜の目の前に何人も通さない虹色に輝く球状のバリアが形成されるが、緑谷はそのバリアもろともぶっ壊しにかかる!

 

 

 

緑谷のスマッシュと破竜のバリアが触れた瞬間、ビリビリとTDL内のコンクリートが2人のエネルギーのぶつかり合いで震える!

 

 

 

『うぉらぁぁぁぁ!!!!!』

 

 

 

『だぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

 

 

2人の気合の入った咆哮がTDL内に響き渡る!緑谷は破竜のバリアをぶち壊す為に!破竜は緑谷のスマッシュを防ぐ為に全力を注ぐ!

 

 

だが、その均衡は長くは続かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱオメェはすげえよ、緑谷。今できる、お前の全身全霊の一撃。それは…確かに俺に届いたぜ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、緑谷の体に先程喰らった必殺技以上のとてつもない衝撃が突き刺さり、緑谷は意識を手放してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あれ、僕は何を…そうだ!破竜く…』

 

立ちあがろうとした緑谷にズキンッ!!!!という痛みが襲いかかる。鋭く痛み出した右足をとっさに両腕で抱え込んでいると…すぐ側から声が聞こえた。

 

『無茶すんなよ。今使えるワンフォーオールの許容上限以上の力を引き出したせいで体の痛みがひでぇだろ?とりあえずは痛みが落ち着くまで、そこでじっとしてろ。』

 

『そういう君は…ッ!?』

 

痛みを堪えながら破竜に視線を移すと、緑谷の頬に一粒の汗が滴り落ちる。

 

基本的に五体満足の破竜だが、治崎との戦いで負傷した腕から血が再度流れており、包帯を赤く染めながらコンクリートの上にポタポタと滴り落ちていた。本人はさして、気にしていないが…

 

『流石にオーラバリアで完全防御しちまうとお前の足が骨折する可能性があったからな。ある程度、バリアの強度を調整したけど、あんまり上手くいかなかったわ…。俺もまだまだって事で要反省だな。』

 

『ごめん…痛いよね?』

 

『よく言うぜ。俺よりもおまえの方が重症者だっつーの。いちいち気にすんな。俺がやりたくてこうしたんだから…』

 

『うん…』

 

よかった…。といいながら、大の字に寝転ぶ緑谷。

 

『それで…』

 

『うん?』

 

『少しは俺が怒ってる理由、理解できたか?』

 

僕はコクリと頷く。

 

破竜くんが怒っていた理由…今ならわかる。僕はオールマイトから個性を受け継いで…サーナイトアイから最後は託されたんだ。

あの戦い…治崎が僕達を全滅させる未来を変えた僕にオールマイトが死ぬ未来を変えられるんじゃないかっていう一縷の希望を見つけて…。

 

『お前が後悔する気持ちは…理解できる。自分がこうしていたら…ああしていたら…もっと良い未来があったんじゃないかって。通形先輩の個性も…サーナイトアイの命も全部救えた物語のハッピーエンドみたいな結末があったんじゃないかって…』

 

『うん…』

 

『勘違いしないで欲しいけど、俺だって通形先輩の個性を失わせちまった事、サーナイトアイを救えなかった事を全く後悔してないわけじゃないぞ。俺だって、全然力が足りなかった。それでも、あの時、あの場所にいたみんなは今できる自分の全てを投げ打って少しでも良い未来にする為に全力を尽くしてた。』

 

俺、耳郎、切島、麗日、梅雨ちゃん、BIG3、プロヒーロー、お前も含めた全員がな。と付け加えるように言い聞かせる。

 

少しずつ緑谷の目から涙が流れ出す。

 

『…俺がわかるくらいだ。サーナイトアイだってそんな事、わかってたはずだ。だから…最期のあの瞬間、後悔のない表情で逝けたんだと思う。通形先輩が誰よりも立派なヒーローになっていた未来を見た事だけじゃない。あの戦いでお前が未来を捻じ曲げて勝利した事、そんなお前が消滅しちまうなんてクソッタレな未来を俺が変えてみせた事に希望を見出していた。』

 

血が流れる拳をグッと握りしめる。

 

()()は託されたんだ。神野の時にはオールマイトから…この戦いを通してサーナイトアイから…その想いを…願いを…全部無駄にするようなことだけはすんな。そんなの通形先輩もサーナイトアイも誰も望んでいない。』

 

『う"…ん…』

 

ボロボロと涙を流して、俺の言葉をしっかり受け取っていく緑谷に更に言葉を続ける。

 

『……お前に出来ないことは俺がやる。』

 

『………』

 

『だから、お前は俺が出来ない事を…()()()()()()()()()()()()()。力が足りないなら、俺が持つ竜変身の力を貸してやる。心が折れそうになったら、俺がお前の支えになってやる。心無い言葉を言われたら、俺がお前を守る盾になってやる。だから…』

 

そういって俺は隣にいる緑谷の頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もう泣くな。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉でもう緑谷の涙腺は限界だった。ボロボロと大粒の涙を流し、自分と同じく託された人間によりかかって大泣きする。

 

『うっ…ぐすっ…ん…ごめっ、僕…っ、ぐやじがった…、ナイトアイも…通形先輩も…すぐえなぐて…、、ずっど…うっ…ぅ…』

 

『言ったそばから泣くなよな…。俺もまぁ…泣き虫な方かもだけど、そろそろ切り替えていこうぜ。元気とユーモアのない社会に明るい未来はやってこない…だったろ?お前が引きずったままだと、ナイトアイも浮かばれねぇぞ。』

 

『う“ん…うっ…ん“』

 

そう言いながら、俺は目を瞑ってナイトアイを偲ぶ。

 

『(ナイトアイ…アンタから見たら俺も緑谷もいや、あの場にいたヒーロー全員がまだまだなヒヨッコヒーローかもしれない。それでも…)』

 

 

 

 

 

 

 

俺達はこれからも強くなっていく。

アンタが託した未来を…明るい社会を作れるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう呟いた破竜の後ろから

 

 

「あぁ、信じている。」というナイトアイの声がした。

 

 

都合のいい幻聴かもしれない。それでも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かにそう聞こえた気がしたんだ。

 

 

 

 

 

 







あとがきです。


竜変身VSワンフォーオールの戦いはひとまず、ウォリアセカンドという新たな力を得た破竜くんの勝利という形で幕を閉じました。ゲーム本編でもそうだったけど、ウォリアセカンド強すぎだろ…しかも、これでまだ全力じゃないとか結構ふざけた強さしてる。

今回で一番大事な所、破竜くんが怒っていた理由…それは自分が本編を読んでいてずっと緑谷くんに対して思っていた事でした。

オールマイトから託されたその力と責任。それは他の誰かに簡単に譲渡していいようなものじゃない。他にふさわしい誰か…ではなく、何故オールマイトは緑谷に託してくれたのか?何故サーナイトアイは最後に緑谷を認めて希望を見出したのか?そこに込められた想いや願いをちゃんと受け止め切れていなかったことに破竜くんはキレてました。

正直、本作では破竜くんがキレる役割を担ってくれましたが、この時点で歴代継承者と邂逅していたのなら、誰かしら絶対にキレてた…危なかったな緑谷、破竜くん以外からもしばかれる所だったぞ。


ここで新たな必殺技についての説明を置いておきます。



必殺技


・空拳
※使用者:破竜真人

ウォリアセカンドで使用できる必殺技。尋常じゃないほどの力と速度で空気を穿ち、拳圧を飛ばす技。連続使用も可能。元ネタは身勝手の極意の拳圧。

・竜の閃撃
※使用者:破竜真人

ウォリアセカンドで使用できる必殺技2。相手とのすれ違いざまに目に止まらぬ無数の拳圧(空拳)を叩き込む技。元ネタはゴジータのソウルパニッシャーおよびスターダストブレイカーの拳打。

・オーラバリア
※使用者:破竜真人

ウォリアセカンドで使用できる必殺技3。オーラスマッシュのバリア版で突き出した腕を中心に虹色に輝く球状のバリアを発生させる。ワンフォーオール25%スマッシュを容易く遮断する防御力を持っているが本人曰く、細かい制御がまだできない技。





リメイク版の投稿は次の話から順次進めていきます!


皆さんのお気に入りや感想、評価、いつも楽しみにしてます!本作をより楽しんでもらえるように自分も頑張ります!






ではでは…次回もお楽しみに!!!
















次回予告






『本当にすみませんでした』


『なァァにしょぼくれてやがんだあァ!?』


『1年A組、破竜真人くん。職員室に来てください。繰り返します…』



















『君宛に面会依頼が入っている。』






















次回!
半人半竜のヒーローアカデミア




















『地獄への招待状』































『やぁ、久しぶりだね、破竜くん。』























更に向こうへ!Plus ultra!!!
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二人の最強のサイヤ人の融合で誕生した一人の戦士はある願い共に消えた…だが目覚めると新たな世界で新たな命として“転生”した。これは『ゴジータ』改めて『孫龍悟』が絶対無敵のヒーローになるまでの物語。▼ これは俺のヒーローアカデミア超のリメイク版です。▼ 新しい小説も投稿しましたのでそちらもよろしくお願いします。▼


総合評価:3629/評価:6.62/連載:91話/更新日時:2020年12月31日(木) 22:56 小説情報


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