迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせ。
今回からデュエルやるよ!

後、使おうと思ったけど時代に合わないから効果を改変したカードがあります。
改変してもこの時代なら十分強いからいいかなって


これでもまだハンデは足りないな。

 バトルシティの会場へと変貌し多くのデュエリストがソリッドビジョンによってモンスターの姿身を現世に顕せて相争う童実野町。

 その路地裏の片隅、人の気配が存在しないその薄暗闇の中でローブを頭から被った二人の人物が会話を交わしていた。

 

「リシド。奴の足取りは掴めたか?」

 

 背の低い方からの問いかけに対し、背の高い男は「はい」と答えを返した。

 

「一旦は見失った『迷宮の案内人』を自称するデュエリストはその後、女子学生を伴い三度ほどデュエルを行っております」

「フフフ…。

 僕達を挑発しておきながら逃げ回るわけでもないと、随分自信があるようだね?」

 

 そう笑いを零す声だが、その笑いが愉快さではなく憤慨からなのを幼き日から見守り続けるリシドにはよく理解出来た。

 故にリシドは先じて始末しようと提案する。

 

「マリク様。幹部の動員の許可を願います。

 私自ら奴を始末してマリク様の御前に引き立てて参ります」

「……いや」

 

 無私の献身の言葉を口にするリシドだが、マリクはそれを退けさせる。

 

「奴のデッキには伝説の【ラビュリンス】が組み込まれている。

 あのカードを相手にするには罠カードを要とするリシドでは勝ち目は低いだろう」

 

 【ラビュリンス】についての情報は多く無い。

 グールズでさえ実物はおろか手に入れられたのは罠カードを軸に全ての行動が行われるという情報のみであり、実際に相対した構成員から得た対戦経験が最大の情報という有り様なのだ。

 そして実際に相対した構成員の記録を閲覧したマリクは、【ラビュリンス】はリシドはおろか名もなきファラオや海馬瀬人でさえ食い散らしてしまえるポテンシャルを有していると判断した。

 

「奴はラビュリンスを手にして随分驕っているみたいだ。

 その驕りを誅し不確定要素は確実に排する必要がある」

「まさか、マリク様自らの手で奴を討たれると?」

 

 リシドが一番望まぬ答えをマリクは口にする。

 

「ああ。奴は【神のカード】を賭けろと口にした。

 天に唾吐く愚か者には、その言葉が如何程に愚昧であったのか身を以て理解させてあげるよ」

 

 そう言うとマリクは携えていた【千年ロッド】を手に持ち替えリシドに命じる。

 

「リシド。お前は名もなきファラオを『迷宮の案内人』の近くに誘導しろ。

 奴を誅した後、そのまま名もなきファラオにも神の裁きを降してしまう」

「…御身の御意のままに」

 

 自由を求め絶望した彼に寄り添うと決めた誓いに従い、リシドは静かにそう頭を下げた。

 

 

 

─────────────────────

 

 

「終わりです。【憑依覚醒-デーモン・リーパー】でダイレクトアタック!」

「チクショウ!!」750→0

 

 どうも、執事見習いこと【迷宮の案内人】です。

 現在レギュレーションに馴染むためにグールズとは無関係っぽい一般参加デュエリストと手加減しながら遊んでます。

 

「お疲れ様でした。

 いいデュエルでしたよ」

 

 実際悪くなかった。

【隼の剣士】と【メテオ・ストライク】を軸として貫通ダメージで削り切る【装備ビート】だったのだが、そのデッキコンセプトは基礎ステータスが低い【霊使い】だと地味にきついし、【憑依解放】貼ってたからサンドバッグを提供する羽目になったからアウスが間に合わなかったら姫様出陣の必要さえ感じてしまった。

 

「チッ! 持っていけ!」

 

 アンティしたパズルカードと【月鏡の盾】を渡して離れていく相手を見送っていると、後ろで監視していたレイン恵が質問を投げかけてきた。

 

「疑問。

 手札の【ラビュリンス】を切らなかった理由は?」

「彼には失礼な話ですが、必要は無いと判断しましたので温存した次第です」

「しかし貴方の残りライフは1400。

 ラビュリンスを使用していれば損失ライフは1000以下で済んでいました」

 

 情の介さない無機質な事実を口にするレインに俺は否と語る。

 

「ですがそれはデュエルではありません。

 私はこの町でグールズ以外の相手に()()()()()もするつもりはありません。

 デュエルとは、()()()()()()()()からこそデュエルなのです。

 一方的に勝つのなら()()()()()()()()()()()()()

「デュエルを冠する意味…」

 

 何かを考え込むレイン。

 どうやら思考パターンのベースが生前の人間であるブルーノとは違い、彼女は純粋なロボットらしく感情の機微が理解できないらしい。

 

「ついでにラビュリンス(姫様)を秘匿するという意味もあります。

 それなら理解出来ますか?」

「理解可能」

 

 だったら最初から抜け?

 ちょっと何言ってるかわかりませんね?

 

「さて、オシリス対策も揃ってきましたしなんとかなりますかね?」

 

 【月鏡の盾】【ツイン・ツイスター】【砂塵の大竜巻】とデッキスペースの関係から外していたカードが入手出来たのは大きい。

 オシリスにしろラーにしろ出せれば強力だがデッキ構築の問題からそこまで脅威足り得ない。

 デッキとして見るなら最短2ターン目にオベリスクを出せる海馬の方がよっぽどヤバいだろう。

 デッキ調整のため断腸の思いでヒータを抜き【月鏡の盾】と【砂塵の大竜巻】を差し替えておく。

 

(すまんなヒータ。

 バトルシティで炎主体のネームドデュエリストが【炎の剣士】を使う城之内ぐらいだから暫く出番がないんだよ)

 

 覚えている限りでだがバトルシティでマリクは水と闇、遊戯は闇と地プラス風、海馬は光と地プラス闇と、炎属性の使用は無い。

 というか、この頃の炎属性ってかなり不遇だよな。

 現在だと優遇され過ぎて地獄めいた環境を生み出してくれやがるが。

 

「警告。 周りの人間に変化が発生」

「そのようですね」

 

 いつの間にやらローブ姿の集団に囲まれていた。

 ずっと周辺には気を配っていたはずなのに気付けなかったのはシナリオの介入を疑わざるを得ない。

 

「我々に付いてきて貰おう」

 

 代表して一番背の高い、ローブの端から微かに見える肌は黒く図形のような傷が見えることからリシドだろうと思われる男がそう命令をしてくる。

 

「さて、困りましたね。

 私はデュエルのお誘い以外は応じる気は有りませんのですが」

「ならば問題無い。

 貴様の要望に応え、【神のカード】を賭けたデュエルを執り行うための招待だ。

 断るなら…」

 

 と、背後に回り込んでいた一人がレインを拘束する。

 

「分かりました。

 彼女への無体を取りやめて頂ければ大人しく連行されましょう」

 

 抜いたヒータを【召喚】出来るよう手の中に隠し持ちつつそう言うとすんなりとレインは解放された。

 

「こちらに着いてこい」

 

 リシドの先導に抗わず歩き出すとレインが無表情のまま質問を投げかけてきた。

 

「何故私の身柄を優先した?」

「貴方が子供だからですよ」

「稼働年数と外見年齢は一致しない」

「中身の話です。

 私の言った意味が理解できないうちは、貴女は子供ですよ」

「…理解不能」

 

 そんなやり取りをしている内に原作で人形に宿ったマリクと遊戯が対決した河川敷へと引き立てられていく。

 

「漸く来たか。

 君の望み通り神のカードを見せてあげよう」

「……」

 

 そう既に勝ちを確信し餌を前に愉悦を隠しきれないマリクなど意識になく、俺は利用されている『人形』と呼ばれた少年を観察していた。

 

(落ち窪んだ目。荒れきっている唇。肌色も血色は無し。

 典型的な栄養失調と脱水症状の兆候に加えて隈の濃さから脳に障害が発生している可能性も考えられるな)

 

 ソースは忘れてしまったためあやふやだが、親からの虐待に耐えかねて反抗しようとした結果、その親を自らの手で殺害してしまったために心が死んでしまった少年という設定だった筈。

 初期の遊戯王なら珍しくもない運のない被害者。

 構う必要など無い者ではあるが、しかし無視するのは()()()()()

 

「一応確認しますが、よしんば私が勝ち【神のカード】を手にしたとして、彼等により暴力による奪還を敢行したりなどはしませんよね?」

 

 そう周りを固めるグールズの構成員を指す俺に対してマリクは『ハッ!』と笑い飛ばした。

 

『神を前に実に不遜だな!

 その痩せ我慢に免じて彼等を引き下がらせてあげようじゃないか!』

「それは!?」

『下がれ!

 お前達はコイツが負ける前に残りの用意を完了させてこい』

 

 抗議の声を上げるリシドをマリクはそう切り捨てた。

 

「…畏まりました」

 

 リシドは食い下がらず他の構成員を引き連れ河川敷を去る。

 そうして残ったのは俺と『人形』とレインの三人。

 

『さあ、君の要望通りに整えたんだ。

 今更逃げたりはしないだろうね?

 ああ、今から平伏してデッキと共にグールズに参加すると言うなら許してあげてもいいけれど?』

 

 ……マリク。その台詞は、()()()()()()()()

 

「結構。我が命、我が魂は総て主に捧げた物。

 欲しくばデュエルで組み伏せなさい」

 

 ディスクを展開し、オートシャッフルを起動すると、マリクは不愉快そうに舌を打った。

 

『フフフ、そうまで無知だと逆に哀れみさえ覚えるよ。

 そこまで言うなら君に神の恐怖を刻んでやるよ!』

 

 『人形』の腕に装着されたデュエルディスクを起動し、手で良くカットしてから装填する。

 そして同時に最初の五枚を引き、同時に宣言を交わす。

 

「『デュエル!!』」

 

 手札を確認するが、悪くない。

 

【倶利伽羅天道】

【白銀の城の従者アリアンナ】

【太陽の魔術師エダ】

【憑依連携】

【憑依解放】

 

 【天使の施し】で憑依解放と憑依連携を落とせればエダを自爆特攻させて【霊使いエリア】を仕込むなんて展開も狙えそうだ。

 或いはアリアンナから【ラビュリンス】を展開させ一気に仕留めてもいい。

 

『ボクのターン。ドロー。

 フフフ。君には格別の絶望を味あわせてあげよう!

 ボクは手札から【いたずら好きな双子悪魔】を2枚発動だ!!』4000→2000

 

【いたずら好きな双子悪魔】

通常魔法(禁止カード)

1000ライフポイントを払って発動する。

相手は手札をランダムに1枚捨て、さらにもう1枚選択して捨てる。

 

「……マジかよ」

 

 この時代なら三積みも許されていたとは言え、流石に許されない蛮行だろうが。

 

「…私は手札から憑依連携と憑依解放を墓地に送ります」

『左右二枚を指定する!』

 

 選ばれたのは倶利伽羅天道とアリアンナ。

 対オシリスの一枚がこんな形で潰されるのは予想外過ぎだ!

 墓地リクルート手段として【貪欲な壺】と【貪欲な瓶】は投入しているが、今引いたら事故にしかならん!

 

『更に【押収】を発動する!』2000→1000

 

【押収】

通常魔法(禁止カード)

1000ライフポイントを払って発動する。

相手の手札を確認し、その中からカードを1枚捨てる。

 

 流石に怒っていいよな?

 

「……私の手札は【太陽の魔術師エダ】一枚です。

 エダを墓地に送ります」

 

 エダを公開してから墓地へと落としながら思う。

 マリクの残りライフは1000。

 バーン禁止のバトルシティ故にそう簡単に削れるとは思わないが、しかし手札がまだあろうとここ迄無茶を敢行したのは蛮勇が過ぎる。

 

 ……と、普通ならそう思うんだろう。

 

 しかし俺は、そんな油断を覚えるような状況なんか気にならないぐらいとてつもなく嫌な予感に苛まれていた。

 

『ボクは更に速攻魔法【魔導書整理】を発動する!』

 

【魔導書整理】

速攻魔法

自分のデッキの上から3枚カードをめくり好きな順番でデッキの上に戻す。

相手はそのカードを確認できない。

 

 このタイミングのピーピングって事は、多分手札の中に()()()()()が有るんだろうな…

 

『フフフフフフ!

 今君はこう考えているだろう!

 ライフを1000まで減らした今なら神を呼ばれる前に削り取れるかもしれないとね!!

 だか、そんな甘い考えは通用しない!

 デッキトップを確認後、ボクは手札からこのカードを発動する!

 魔法カード発動!【大逆転クイズ】!』

 

【大逆転クイズ】

通常魔法

自分の手札とフィールド上のカードを全て墓地に送る。

自分のデッキの一番上にあるカードの種類(魔法・罠・モンスター)を当てる。

当てた場合、相手と自分のライフポイントを入れ替える。

 

 やっぱりか。

 

『ボクが選択するのは『モンスター』!!

 そして、デッキトップは【リバイバル・スライム】!!

 正解したからボクと君のライフは入れ替わる!!』1000→4000

「……」4000→1000

 

 まさに絶体絶命。

 手札はなし。ライフは風前の灯。オマケにマリクが墓地に落としたカードもいただけない。

 

【水晶機巧-ローズニクス】※シンクロ召喚に関わる効果を持つため効果を改変しています。

効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1800/守1000

「水晶機巧-ローズニクス」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

墓地のこのカードを除外して発動できる。

自分フィールドに「水晶機巧トークン」(機械族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。

このトークンは生贄召喚に使用できない。

 

 シンクロ召喚関連の効果が削られているかなり弱体化した状態だが、除外してトークンを呼べるだけでもこの状況なら十分だ。

 

『そして墓地に送った【水晶機巧-ローズニクス】の効果を発動!

 このカードを除外して「水晶機巧トークン」をフィールドに守備表示で特殊召喚する!』

 

 まあ、当然使うわな。

 リンク召喚がない現環境だとマジでダイレクトアタックを封じるためだけにしか役に立たない置物がマリクのフィールドに配される。

 

『フフフフフフ!ターンエンドだ!

 君の命は後何ターン持つかな? 

 だけど安心するといい。

 神に歯向かった君を簡単には死なせたりなんかしないからね?』

 

 恐怖を煽るためだろう愉悦を堪えきれない様子で嘯くマリクに対し、俺は特に対応せずターンを進める。

 

「ドローフェイズ。ドロー」

 

 そうして引いてきた一枚に、俺は確信する。

 

「スタンバイフェイズ。メインフェイズ。

 俺に残されているのが何ターンだろうと構わない」

『なんだって?』

 

 顔を上げ、歯を見せる凶悪な笑顔を向けながら俺は嗤う。

 

「部下がブチギレて本気出してんだ。

 全力で回して暴れさせてやるだけだ!」

 

 そして俺は手札をディスクに叩きつけ宣った。

 

「魔法カード発動!【強欲な壺】!」




というわけで精霊ブチギレしとります。

でも簡単には勝てないんだけどね。←

以下は改変する前の本来の効果です。

【水晶機巧-ローズニクス】
効果モンスター
星4/水属性/機械族/攻1800/守1000
「水晶機巧-ローズニクス」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「クリストロン」チューナー1体を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで
自分は機械族Sモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分フィールドに「水晶機巧トークン」(機械族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。
このトークンはリリースできない。
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