迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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今回も原作効果のカードが登場します。


背水の陣だがそう簡単に崩されはしない!

 【強欲な壺】の効果で新たに手札へと加わった二枚のカードは【憑依覚醒】と【EMスカイ・マジシャン・ガール】の二枚。

 

(良い引きだ)

 

 【憑依覚醒】の追加ドローは得られないが、より強い展開に繋がる重要なタイミングでの登板に俺は笑みを深くする。

 

「手札から【憑依覚醒】を発動し、その後フィールドに永続魔法が存在する為手札からこのモンスターを特殊召喚する!!来い!受け継がれしエンタメデュエルの後継者!【EMスカイ・マジシャン・ガール】!」

 

【憑依覚醒】

永続魔法

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドのモンスターの攻撃力は、自分フィールドのモンスターの属性の種類×300アップする。

(2):自分フィールドの「霊使い」モンスター及び「憑依装着」モンスターは効果では破壊されない。

(3):自分フィールドに元々の攻撃力が1850の魔法使い族モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。

自分は1枚ドローする。

 

【EMスカイ・マジシャン・ガール】

効果モンスター

星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1500

このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに永続魔法カードが存在する場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードが手札から特殊召喚した場合に発動できる。

デッキからレベル4以下の魔法使い族・光属性モンスター1体を墓地へ送る。

(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、

フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 上空から巨大なプレゼントボックスが落ちて地面に着地すると、ひとりでに包装が解かれ中から翼のようなデザインのマントを羽織る少女がシルクハットを回しながら頭に乗せるパフォーマンスを魅せながらフィールドに降り立つ。

 【憑依覚醒】のドロー効果は使えなくとも【憑依解放】やエダにも対応しているので何気で霊使いでもシナジーが合ったりするんだよ。

 代わりに手札以外から召喚する場合は墓地肥やしが使えなくなるから一長一短ではあるが、出しやすい高レベルモンスターとして重宝している。

 

「スカイ・マジシャン・ガールの効果発動。

 手札からの特殊召喚に成功した時デッキから光属性の魔法使い族を墓地に送る。

 俺はデッキから【妖精伝記シラユキ】を墓地へ送る」

『…っ!?』

 

 コストは軽くないが墓地にいる時にこそ最大効果を発揮する妨害性能に優れたシラユキを墓地に送り込むと流石にマリクも気配に揺らぎが生じる。

 

「バトルフェイズに移行。

 スカイ・マジシャン・ガールでトークンを攻撃!

 『ショット・ザ・フープ』!」

 

 攻撃命令を受けたスカイ・マジシャン・ガールが釣り糸も無く浮いていたエアリアル・フープから降りて杖を向けるとスカイ・マジシャン・ガールの誘導に従いフープが高速回転しながら水晶の塊へと飛翔し叩き砕く。

 

「メイン2にやることは無いからこのままターンエンド」

『……へぇ。手札ゼロからここまで盤面を広げるなんて中々やるじゃないか。

 やっぱり他の奴らに任せていたら力不足は間違いなかったみたいだね』

 

 フィールドは寒いがボード・アドバンテージは十分な稼ぎを得た。

 現代遊戯王なら話にならないだろうが、バトルシティのレギュレーションでの展開としては十二分な状況だろう。

 ターンが切り替わり、マリクはリバイバルスライムを守備表示で出してターンを終える。

 

『ターンエンド』

 

 状況でのベターを選んだマリクに内心ほくそ笑みたかったのだが、確認したリバイバルスライムの効果にそんな感情も吹き飛んだ。

 

【リバイバルスライム】※オリジナル効果

効果モンスター

星4/水属性/水族/攻1500/守 500

リバイバルスライムがフィールドで戦闘・効果でフィールドから離れる時に効果を発動する。

このモンスターは墓地に送られず墓地からの特殊召喚扱いでコントローラーのフィールドに置かれる。

この効果が発動したターン、リバイバルスライムは攻撃出来ない。

 

 なぁにこれ?

 

 リリースか手札破壊か除外ならば排除可能ではあるみたいだが、墓地に行かないから破壊して【墓穴の指名者】で除外するという手段も取れないしテキスト外効果で裏側破壊も対応している様に読めなくもないから抜け穴として通用するか怪しい書き方されてるんだが?

 更に言うなら原作再現のためか強制効果だからマジで除去手段が限られているとかふざけんなって話だ。

 しかも一応みたいに追加されてるデメリットが全く仕事してないのがマジで馬鹿にしてるとしか思えない。

 

 コレを排除するならこのデッキでは姫様に頼るしか無いだろう。

 

俺はターンを開始する。

 

「私のターン。ドローフェイズ。ドロー」

 

 引いたのは二枚目のエダ。

 シラユキのコストが増やせると割り切り、リバイバルスライムを簒奪するためにエリアを仕込みつつ今はライフ差を縮めることを優先すべきだろうか?

 

「スタンバイフェイズ。メインフェイズ。

 私は手札から【太陽の魔術師エダ】を召喚し…」

 

 ぞわり!

 

 普段の癖が抜けずつい攻撃表示でエダを召喚し効果の発動を宣言しようとした刹那、凄まじい悪寒が過ぎり俺は一瞬『死』を錯覚した。

 

「エダの効果で【水霊使いエリア】をデッキから裏守備表示でセット!

 更にエダとスカイ・マジシャン・ガールを墓地に送りデッキから【憑依覚醒─デーモン・リーパー】を守備表示で特殊召喚する!

 俺はこのままターンエンドだ!」

 

 無視したら終わる。

 そんな予感に従い切りたくはなかったが攻撃表示で召喚してしまったエダを除去するため対【ディフェンド・スライム】要員と考えていたスカイ・マジシャン・ガールを使ってまで全力で守りを固めるとマリクから嘲笑う声が向けられる。

 

『どうしたんだい?

 せっかくライフポイントを並べられる好機だったのにまるで亀みたいに身を固めているじゃないか?』

「……っ!」

 

 嫌な予感が止まらない。

 宛ら完成した完全制圧盤面に【冥王結界波】を叩き込まれたかのようなそんな笑うしかない破滅を見せつけられているような悪寒が止まらないのだ。

 そうまでさせる悪寒の正体が掴めないままマリクがターンを開始する。

 

 考えろ。

 

 俺はどんな展開を予感した?

 原作効果【天よりの宝札】からの【交差する魂】でオシリス降臨?

 遊びは捨てたラヴァ・ゴーレム召喚からのバーンキル?

 即座に思い付いた原作マリクがやりそうかつ現実に起こりえそうな即死パターンに対応出来る布陣に切り替えたかったためにエダとスカイ・マジシャン・ガールを切ったが、引いてきたのは欲しかった【憑依連携】ではなく【砂塵の大竜巻】とコストにしたスカイ・マジシャン・ガールの代わりになるカードであった。

 実質裏目を引いた事に歯噛みしつつ悪寒の正体を知るためカードを引いてメインフェイズに入るマリクを注意深く見る。

 

『ボクは手札から【天使の施し】を発動!』

 

 順番を操作した上でこのタイミングでの施しだと!?

 …いや、施しは実質墓地肥やしの手札交換だから手札に残したいリバイバル・スライムを引いてから使いたかったと考えればおかしくない。

 

『ボクは三枚引き…【処刑人マキュラ】と【嗤う黒山羊】を墓地に送る!』

 

【処刑人マキュラ】

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1600/守1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードが墓地へ送られたターン、

このカードの持ち主は手札から罠カードを発動する事ができる。

 

 しかもエラッタ前のぶっ壊れOCG版マキュラかよ!?

 それだけでも十分洒落にならんが、落ちたもう一枚はマキュラよりヤバい!!??

 

【嗤う黒山羊】

通常罠

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。

このターン、お互いに宣言されたモンスターと元々のカード名が同じモンスターを墓地以外から特殊召喚できない。

(2):墓地のこのカードを除外し、モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。

このターン、お互いに宣言されたモンスターと元々のカード名が同じモンスターのフィールドで発動する効果を発動できない。

 

 フィールドでは召喚規制、墓地に落とせばタイミングがややシビアだが実質墓地から無限泡影が飛ばせる現代遊戯王基準の凶悪カード。

 アレは見落とすにはあまりにもでかすぎるぞ『イリアステル』!!??

 ……いや、これ、よく考えたらマリクもあまり余裕ないのか?

 もし魔導書整理で確認したのがリバイバル、施し、マキュラだったとしたら俺ならどうする?

 おそらく並びはマリクと同じリバイバル、施し、マキュラの順に並べてリバイバルスライム立ててライフアドを維持しつつ即座に発動したい罠を加えてから施しでマキュラを落としたいと考えたはず。

 しかし状況がそんな悠長さを許さなくなり、施しで引く二枚に賭けたのだとしたら…あの残された一枚こそが悪寒の正体と見るべきか?

 

『ボクも引いてきたよ。

 【強欲な壺】を発動!』

 

「此処で強欲を引いてきたか…」

 

 原作効果の【天よりの宝札】じゃないだけまだマシと見るべきか、或いは…

 どちらにしろ、運命力が高い相手にマキュラが落ちた今の状況でドローソースが止められないのはあまりにも危険すぎる。

 

『ボクは手札から罠カード【メタル・リフレクト・スライム】を発動!!』

 

 【メタル・リフレクト・スライム】

永続罠

(1):このカードは発動後、効果モンスター(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、

モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。

このカードは罠カードとしても扱う。

(2):このカードの効果で特殊召喚されたこのカードは攻撃できない。

 

 現れたのは姫様が対応出来ない永続罠カードのモンスター。

 フィールドに現れた鈍色の球体が俺に悪寒の正体を確かにする。

 

『このカードは発動後モンスターゾーンに特殊召喚される。

 そしてメタル・リフレクト・スライムを生贄にボクは融合デッキから神の供物をこの場に召喚する!』

 

 クソッ!スライムデッキだから可能性は考えていたが、まさかマジで入ってたのかよ!?

 

『見るがいい!これが神に捧げられる最上の供物!【神・スライム】!!』

 

【神・スライム】

融合・効果モンスター

星10/水属性/水族/攻3000/守3000

水族モンスター+水属性・レベル10モンスター

このカードは融合召喚及び以下の方法でのみEXデッキから特殊召喚できる。

●自分フィールドの攻撃力0の水族・レベル10モンスター1体を

リリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる。

(1):モンスター3体のリリースを必要とするモンスターをアドバンス召喚する場合、

このカードは3体分のリリースにできる。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、

相手は「神・スライム」以外の自分フィールドのモンスターを、

攻撃対象に選択できず、効果の対象にもできない。

 

『フフフフフ!

 やはり君は優れたデュエリストだ!

 迂闊に攻めていれば君は終わっていたのだからね!

 手札から魔法カード発動!【速攻】!』

 

【速攻】

通常魔法

このターン、攻撃できないモンスターは自分バトルフェイズに攻撃宣言を可能にする。

 

 バトルシティのルールでは召喚直後に動けない筈の融合モンスターがゆっくりと稼働を開始する。

 どうやら悪寒の正体は神・スライムによる圧殺だったようだが、伏せカードの【砂塵の大竜巻】は使えないしシラユキを今切るべきか?

 ……って、攻撃表示のモンスターは全部退かしたから焦る必要なかったか。

 

『バトルフェイズ!

 神・スライムでリバースモンスターを攻撃!

 一瞬だろうとお前に神の似姿を手にする機会は与えない!!

 更に墓地の【嗤う黒山羊】を除外し【水霊使いエリア】を指定!』

 

 プレミったなマリク!!

 エリアのコントロール奪取を阻みたかったんだろうが、俺の墓地に【憑依解放】を貼れる【憑依連携】は墜ちてんだよ!!

 

『砕け散れ!『神・スライム・スマッシュ!!』』

「チェーンして墓地の憑依連携を除外して効果発動。

 墓地の憑依解放を発動状態でセット!」

 

 オベリスクの巨神兵を模した鈍色の巨人が拳を振り下ろし轟音が轟き粉塵が舞い上がった。

 

『ハハハハハ!!

 コレで貴様を守る壁は後一枚だ!』

「それはどうかな?」

 

 粉塵が晴れ、杖を盾に神・スライムの猛打を結界を張り耐えきったエリアが毅然とした眼差しでマリクを睨んでいた。

 

『馬鹿な!?』

「発動宣言は良く聞くべきだったな。

 フィールドに配した【憑依解放】は【霊使い】モンスターへの戦闘破壊耐性を付与するんだよ。

 デーモン・リーパーには破壊耐性を付与出来ないが、【憑依解放】は破壊されたモンスターとは別属性の守備力1500のモンスターをデッキから特殊召喚出来るからどのみち場のモンスターの数は変わらなかったがな」

『クッ!?』

 

 守りに徹した俺の姿に貼られたカードの効果を確認さえしなかったマリクを嘲笑うと悔しげにマリクは唸る。

 

『だが、お前のモンスターの攻撃力では神・スライムを攻略出来ない!

 そして神・スライムは戦闘では破壊されない不死身のモンスター!

 ターンエンドだ』

 

 完全に負け惜しみな台詞と共にターンを渡すマリクに俺は確実に近付く神との対決を覚悟しながらデッキトップに手を乗せた。

 




リバイバルスライムは原作再現のためにとはいえ盛り過ぎたかなと思いつつ、こんな効果じゃないとブレコンで無限ループ出来ないと思うのでこうなりますた。

次回はそろそろ神との直接対決まで行きたいな。
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