迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせしました。

なんだかんだで初投稿から一年経ちました。
多くの誤字脱字のご指摘にプレイングミスのご指摘と本当に感謝に尽きないと改めてお礼申し上げます。
これからも生暖かい目でお付き合いいただけると有り難いです。

それはそれとして、うちのダルクくんが今回のレジェンドフェスでエクゾディア寝取りまくって大活躍でした。

最近は天庭ラビュリンスからデモン・スミスラビュリンスに乗り換えたんですけど安定感半端ないですね。


戦いはどれだけ準備したかで勝敗が決まる。

 世界を飲み込まんとする大蛇に対し時代を世界を超えて手を組み並び立って立ち向かうその姿は、まるで神話から抜き出したかのような光景だった。

 

 人の悪意に翻弄された覇王に付き従う紫毒の竜が触れる物を悉くを腐らせ溶かす死の吐息を吐きつけ蛇を焼く。

 

 世界の果てのその終にて佇み世界を睥睨する破壊者がその権能を異能を奮い蛇に因果の報いを痛みとして知らしめる。

 

 未来にて人の手により生み出された機龍がその翼で強く風を叩き飛翔しながら蛇が生み出した破壊を喰らい逆に力へと変えて突き返す。

 

 光と闇の混ざり合った混沌の地平にて生まれた無貌の悪魔が虚無を手繰り寄せ蛇の身を削ぎ虚無の一部へと変えていく。

 

 電子の海で吹き荒ぶ嵐の騎士が幾重にも繋がる絆を糧として破壊の力へと変えて蛇を穿つ。

 

 厄災を齎す星の使者と厄災を祓う鋼の機神が宿命に背き己が意志を以て互いを仲間と信じ相手を屠る刃を蛇へと叩き付ける。

 

 究極の破壊を齎す白き龍がその3つの首をもたげ触れる者に等しく破壊を齎さんと極光を放ち蛇を薙ぐ。

 

 燃える闘志を赤き眼に秘めた竜の鎧を纏う忠義の魔術師が剣を振るい理に背く蛇へと刃を突き立てる。

 

 そのどれを一つとっても世界から隔離せねば奮えなかった強力な力は今、その枷を外されなお見苦しく足掻く滅びの意志へと放たれ続け蛇の身体は少しづつ死へと歩まされていた。

 

『おのれぇっ!!??

 精霊如きが『心の闇』に何故抗える!!??』

 

 執事は戦況をジリ貧であると判断していたが、ダーツもまた時間が自身の味方があると考えてはいなかった。

 その理由はリヴァイアサンと共に浮上させた『アトランティス』をニビルにより消滅させられたからだ。

 アトランティスはダーツにとって重要な場所だ。

 それは己の信念の根幹であるのみならず、リヴァイアサンを維持しその力を発揮する為の星の内側に蓄積した『心の闇』をリヴァイアサンへと供給するパイプでもあったからだ。

 一応アトランティスが消えようと他の手段で星から力を供給する手段はあったのだが、執事により迷宮城へと引きずり込まれたことでそれらも機能しなくなっており、故にリヴァイアサンは原典の時のように無限の力を持たず神以外の攻撃が全く通用しない程の絶対的な性能を発揮出来ないでいた。

 加えて執事が喚び出したのは未来に於いて最前線を逝くデュエリスト達が選択肢に選ぶ一線級のモンスター達であったために巨体によるフィジカルも覆すには足りずリヴァイアサンは徐々に追い詰められていた。

 しかしそれでもなお、それだけであるなら『無もなきファラオ』達が加勢に加わってもリヴァイアサンは精霊達を束で相手にしても勝てる()()()()()

 

「七時方向から魔力弾三発!アーゼウス迎撃しろ!

 サイコエンド!カバーをしつつティ・フォンの射線確保!

 インフィニティは射撃後四時方向へ離脱してスターヴヴェノムとスイッチ!」

 

 本来ならば互いを知ることさえ在るかもわからない精霊達は執事から絶え間なく降される命令によりまるで一つの群れ、いや、まるで一体の生き物のように緻密な連携を発揮しリヴァイアサンへの絶え間無い猛攻を繰り返していた。

 

「っ!? 範囲攻撃来るぞ!散開!!」

 

 業を煮やしリヴァイアサンが全方位へと破壊を伴う魔力を無作為に撒き散らすも、執事の言葉と同時に一斉に攻撃を中断しリヴァイアサンから距離を取って無傷で回避する。

 

(まただ!?

 あの男には一体何が見えているというのだ!!??)

 

 ダーツ自身にさえ気付けない攻撃の予兆を正確に読み取り、未来が見えているかのように的確な指示を下し損耗を抑えながら攻撃を続けさせるその戦術眼は敵対しているダーツさえ舌を巻く程だった。

 

「気を抜くな!!

 最初に落ちた奴は『騎士』との再戦から外すぞ!!」

 

 発破を掛けるようにそう告げた言葉に精霊達は異常なほどに戦意を昂らせ、その上で精霊達は思考を微塵も鈍らせないどころか更に研ぎ澄ませていく。

 

『誰だソイツは!!??』

 

 更に苛烈さを増した攻撃にダーツが思わずそう問い質すも、その返答は重爆撃機による絨毯爆撃を彷彿とさせる重厚な攻撃の嵐であった。

 

「凄い…これなら!」

「いや、まだ足りない」

 

 ()()()()()()()へと持ち込むことは出来たが、それでも()()()()()()()がまだ揃いきっていない。

 そう歯噛みする執事に対し、遂に条件を満たす為の必要な一手が届いた。

 

『待たせたね執事君!

 こちらの準備は完了したよ!』

 

 以前姫様が何の祝かは知らんが祝砲にと買い込んだグスタフが此方の迷宮城にも有ると言われ、俺は姫様にリヴァイアサンを撃ち抜けるだけの魔術加工を施した専用弾薬の用意を願い出た。

 その加工は姫様の手を以てしても一朝一夕という訳にはいかなかったが、必死の甲斐もあってようやく完成した。

 

「了解!

 全てを破壊する近代の破城槌!【超弩級砲塔列車(ちょうどきゅうほうとうれっしゃ)グスタフ・マックス】地響きを響かせながら起動しろ!!」

 

 城を囲う湖の一角からレールが飛び出し自動で敷かれると、1台の巨大な砲塔を搭載した列車砲がそのレールの上を駆け抜け登場した。

 

「でっけぇっ!!??」

 

 伸ばした砲身が十メートルを超えるただひたすらに砲としての限界に挑戦したような姿に驚愕の声が響く中、アリアスの説明が流れる。

 

『執事君。最初に説明した通り今から放つ弾頭は君から頂戴した魔力の残り全てと城のリソースの大半を注ぎ込んだ一発限りの特別な弾だ。

 必ず当てて決めてくれよ』

「わかってる!

 来い俺の最強の双翼!!

 星の力を束ね滅びを切り裂け【双穹の騎士(ジャックナイツ・パラディオン)アストラム】!!

 何者にも縛られぬ自由へ飛翔しろ【アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】!!」

 

 決着を着けるため、温存に温存を重ねた最大火力を有する二体のエースモンスターを【召喚】する。

 呼びかけに応え蒼い光輝を纏う剣士と反逆のために我が身を鋼と置き換えた黒き龍が自らに与えられた役割を果たすため逸る気持ちを殺意として研ぎ澄ませていく。

 

(これで残りの魔力は滓みたいな俺自身のものだけ!

 決められないなんて許されないぞ!)

 

 執事が用意した策は2つ。

 一つは迷宮城へと引きずり込んでからニビルを含む地上で使えないアーゼウスを始めとした大火力持ちによる飽和攻撃。

 そしてもう一つがグスタフの砲撃でリヴァイアサンの外皮を撃ち抜き動けなくした所で【CiNo.(カオスイマジナリーナンバーズ)1000 夢幻虚光神(むげんきょこうしん)ヌメロニアス・ヌメロニア】さえ正面から捻じ伏せる二体による同時攻撃による確殺こそが執事が目論んでいた作戦であった。

 出来るなら第一段階の時点で仕留めたかったが、やはりそうとはならず第二段階まで縺れ込んだ。

 ここまでやってなおリヴァイアサンが倒れないとなればそれはもう…

 

(余計な事は考えるな!

 世界の願望なんて関係ない!俺は俺の願うままに突き進むだけだ!)

 

「角度合わせ!

 撃てぇぇえええええ!!」

 

 執事の号令に従いグスタフが反動で人死にが出るだろう衝撃と離れていても鼓膜を破りかねない轟音を轟かせながら必殺の砲弾を放つ。

 

『何を!!?? ぎゃあああああああああ!!??』

 

 突然動きが変わった精霊達に僅かな困惑を起こした刹那、悍ましい程の呪詛と魔力を纏う弾頭がリヴァイアサンに突き刺さりその巨体を貫通した。

 霊的存在とはいえ肉体構造を既存の生物に依存するリヴァイアサンはそのダメージに耐えられずその首を地面に横たえた。

 

「今だ!!

 決めろアストラム!!アークリベリオン!!」

 

 待ち侘びた命を受けアストラムとアークリベリオンがその力を解放し、光と闇の光芒となりてリヴァイアサンへと吶喊。

 

『スター・バースト・パニッシュメント!!』

 

 星の命の息吹を込めた刃がリヴァイアサンの頭へと振り下ろされる。

 

『オール・フォース・カタストロフィ!!』

 

 この場に集う力を束ねた究極の破壊がアークリベリオンよりリヴァイアサンへと放たれる。

 

『うおぉおおおおおおお!!!!』

 

 三幻神の一撃にも匹敵する壮絶なる破壊の力にリヴァイアサンの巨体が引き裂かれ光へと分解されていく。

 

『何故だ!!??

 何故精霊如きが星の怒りに抗える!?

 この星が悠久の時を重ねて積み重ねた『心の闇』に打ち勝てる!!??』

 

 二度に渡る敗北をなおも受けいられないとダーツは虚無へ霧散する中、その視線が今にも倒れそうになりながらも強い輝きを秘めた目の男に向いた。

 

『お前か!!??

 お前が全て仕組んでいたのだな!!??』

 

 消滅しかけながらダーツは残る『心の闇』の魔力を凝縮し、執事へと狙いを定める。

 

『ただではやられない!!せめて貴様だけでも道連れにしてやる!!』

 

 ダーツの最後の悪あがきに気付いた精霊達が主の盾になろうと動き出すも、しかし刹那の差でダーツの魔手が解き放たれる方が早かった。

 

『私と共に闇に堕ちろぉぉぉおおおおおお!!』

 

 凝縮された闇の光が執事へと放たれる。

 精霊達の防衛網の隙間を掻い潜り執事を自らの信奉者へと塗り替えようと迫る闇に対し執事は血錆び臭い息を吐きながら吠える。

 

「読めているんだよ!

 『ヒータ』『エリア』『ウィン』『アウス』『ライナ』『ダルク』!!」

 

 持ち得る最後の魔力を用い、執事が信を預ける少年少女達を喚び出す。

 喚び出された霊使い達は一切の迷いなくそれぞれ手にした杖を掲げ重ね合わせるとその研鑽の集大成をこの場に顕現させた。

 

『『『『『『【大霊術・「一輪」】!!』』』』』』

 

 其々の杖から放たれた六色の魔法陣が重なり合い巨大な一輪の大輪の花となって『心の闇』を受け止める。

 

『精霊如キガ!!尚モ我ヲ阻ムカ!!』

 

 ダーツという器を失い負の思念の塊となった『心の闇』が耳障りな声で怨嗟を叩きつける。

 

「お前にマスターは渡さない!!」

 

 結界を打ち砕こうともがく闇の思念に一同を代表してダルクがそう宣い、霊使い達は残る力全てを【大霊術・一輪】へと注ぎ込む。

 

「「「「「「はああああああああああ!!」」」」」」

 

 更なる魔力を注ぎ込まれた大輪の花が極彩色の輝きを放ち、『心の闇』を跳ね除け霧散させた。

 

『オノレェェェェェェェェェェェェ!!??』

 

 怨嗟の声を上げながら極彩色の輝きに溶けていく『心の闇』。

 

『マダダァァァァア!!』

 

 誰もが勝ったと、そう油断してしまったほんの僅かな隙間をすり抜け霧散し塵のようになった『心の闇』が執事の体内へと潜り込んだ。




コイツしつこいけど、原作でも同じぐらい悪足掻きしてるんだよな…。

まあ、デュエルで負けた上でリアルファイトに持ち込んだのはコイツ以外いないはずだけど。

戦闘はもっと濃くするはずでしたが、冗長かつ投稿期間の間延びが無視できなったので大分端折りました。

もっとドラグーンとアルティメット暴れさせたかった…。

次回は最初期の伏線回収します。
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