迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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デュエル回です
間違えて別の下書きを透過したため再投稿です。


緩いも激しいも楽しいのは変わらない。

 そうして1時間弱で2つのデッキを組み上げた俺は、何故かソリッドビジョンを搭載したデュエルテーブルでマルファと対峙していた。

 最初はフリースペースでやるはずだったのが、店員から是非そちらでやって欲しいと半ば強制されたためだ。

 まあ、本来のデッキではなくても元チャンピオンと教会のトップデュエリストと自由都市でも名うての二人の対決だからということなのだろう。

 

「少々面倒になったか?」

「仕方ないわよ。

 でも、こうして貴方と二心無く遊べるなら悪くないわよ」

「そうだな」

 

 致し方なかったとはいえ初邂逅がリアル・ソリッドビジョンでの半ば殺し合いという最悪の出会いから、こうして遊びでデュエル出来るような関係になった事は喜ぶべき事だ。

 

「じゃあ、始めよう」

「ええ」

 

 もう余計な言葉は必要無いとお互いシャッフルしたデッキトップを五枚引く。

 

「「デュエル!」」

 

 表示はマルファの先攻。

 

「私のターン。

 私はカードを1枚セットしてモンスターを伏せてターンエンド!」

 

 マルファのスタートはかなり緩い展開で終わる。

 デッキがデッキだけに当然だが、それは此方も変わらない。

 

「俺のターン。ドロー」

 

 引いてきたのは【ドラゴンメイド・ラドリー】。

 

【ドラゴンメイド・ラドリー】

効果モンスター

星2/水属性/ドラゴン族/攻 500/守1600

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。

自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

(2):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。

このカードを手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル7の「ドラゴンメイド」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 【エルドリッチ】他墓地活用が強いテーマなら出張も採用候補に入るカードでこそあるが、このデッキでは上手く嵌まればいいかもぐらいの効果である。

 ならなんでと言われたら貴重なドラゴン族で高めの守備力かつ十枚ぐらい出てきたからである。

 

 そして他のカードは、

 

【キラー・ブロッブ】

【月の使者】

【シーカーメン】

【凡骨の意地】

【戦線復帰の代償】

 

 うん。古代遊戯王だな。

 このデッキは【凡骨ビート】なのでマルファに渡した【獣族】デッキとはあまり相性が良くないが、今回は楽しんだもの勝ちであるのでどちらの意味でも勝ちを狙いに行く。

 

「スタンバイフェイズ。メインフェイズ。

 俺は手札から【ドラゴンメイド・ラドリー】を通常召喚する」

 

 和風メイドといった装いのラドリーがフンスと鼻を鳴らして意気揚々と現れる。

 伏せカードはおそらくはあの辺だろうなと思いながらラドリーの効果を発動する。

 

「ラドリーの効果発動。

 デッキトップを三枚墓地へ送る。

 チェーン確認」

「無いわ」

 

 一瞬伏せカードに目配せしてからそう宣うマルファ。

 それを確認しつつデッキトップを三枚墓地へ。

 落ちたのは【ジェムナイト・クリスタ】【機械の兵隊】【ドール・モンスター ガールちゃん】の三枚。

 

(悪くないな)

 

 攻撃力の高い【ジェムナイト・クリスタ】を【戦線復帰の代償】で蘇生させれば火力は十分確保出来る。

 

「バトルフェイズに移行。

 ラドリーでセットモンスターに攻撃!」

 

 洗濯に使う棒をブンブン振って相手に叩きつけるラドリー。

 

「セットモンスターは【不幸を告げる黒猫】よ。

 破壊時にリバース効果を発動するわ」、

 

【不幸を告げる黒猫】

リバース・効果モンスター

星2/闇属性/獣族/攻 500/守 300

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

デッキから罠カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。

「王家の眠る谷-ネクロバレー」がフィールドに存在する場合、

その罠カードをデッキの一番上に置く代わりに、手札に加える事ができる。

 

 ネクロ・バレーなんて高いレアカードは入ってないからサーチ能力は遅くなるが、確実に欲しいカードをサーチ出来ることに変わり無い。

 

「チェーンは無い」

 

 ラドリーの振り回す棒に驚いた黒猫が尻尾を立てて逃げ出す。

 

「【不幸を呼ぶ黒猫】の効果で【おジャマデュオ】をデッキトップに移すわ」

「不味いカードを置いてきたな」

「貴方が組んだのでしょう?」

「だからだよ。永続魔法【凡骨の意地】を発動してターンエンドだ」

 

【凡骨の意地】

永続魔法

ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、

そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。

 

「私のターン。ドロー。スタンバイ。メイン。

 手札から【レスキューヘッジホッグ】を通常召喚するわ」

 

【レスキューヘッジホッグ】

効果モンスター

星4/地属性/獣族/攻 300/守 100

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドのこのカードを除外して発動できる。

レベル3以下で種族・属性・レベルが同じとなる、

通常モンスターと効果モンスターを1体ずつデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。

 

「デッキに効果への手札誘発は無いからチェーン確認は飛ばしていい」

「どれもすごく高いものね」

 

 一番安い【クリボー】さえ1000円台なのだから笑えない。

 

「【レスキューヘッジホッグ】の効果を発動するわ。自身を除外してデッキから【素早いモモンガ】と【デーモン・ビーバー】を特殊召喚するわ」

 

 ヘルメットを被るハリネズミがフィールドから走り去り小さなモモンガと角と羽が生えたビーバーが羽を羽ばたかせながらフィールドに現れた。

 【レスキュー】はMDだと最高レアだが、精霊界だと手頃な価格(とはいえレアの中ではの話だが)で手に入るカードなので採用している。

 

「【素早いモモンガ】と【デーモン・ビーバー】の二体でオーバーレイ・ネットワークを構築するわ!

 来なさい!メルフィーの森の獣たちを見守るお母さん!

 エクシーズ召喚!ランク2!【メルフィー・マミィ】!」

 

【メルフィー・マミィ】

エクシーズ・効果モンスター

ランク2/地属性/獣族/攻1000/守1000

獣族レベル2モンスター×2体以上

(1):自分・相手ターンに1度、発動できる。

自分の手札・フィールドから獣族モンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。

(2):このカードが持っているX素材の数によって、このカードは以下の効果を得る。

●3つ以上:このカードは戦闘では破壊されない。

●4つ以上:このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

●5つ以上:このカードが攻撃表示モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃表示モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 【メルフィー・マミィ】はマルファに渡したデッキのキーカードだ。

 ピンク色のファンシーな見た目は俺でも可愛らしいと思わせるが、敵として立ち塞がられると中々に厄介だ。

 

「バトルフェイズよ!

 【メルフィー・マミィ】で【ドラゴンメイド・ラドリー】に攻撃!」

 

 腰が引けた姿で迎え討とうとするラドリーに素早く駆け寄ったマミィはお腹のハート型の袋にラドリーを詰め込んだ。

 ラドリーはすぐに逃げ出そうと袋から頭を出すも、よほど心地良いのか暴れる間もなく船を漕ぎだしそのまま眠り込んでしまった。

 

「偶によくあるけど、超過ダメージがこっちに来るとは思えない演出ってどう思う?」4000→3500 

「目を背けたくなる血腥い光景を見せられるよりいいんじゃないかしら?」

「それもそうか」

 

 可愛らしい女の子がグロリョナされるのは見てていい気分じゃないしな。

 

「メイン2に移行するわ。

 【メルフィー・マミィ】の効果発動。

 手札から【バビロン】をマミィのエクシーズ素材として追加するわ」

 

 マルファから貰ったカードをお腹の袋にしまい込むマミィ。

 これでエクシーズ素材が三枚。

 戦闘破壊耐性を得たため排除するならデッキの中の【死者への手向け】か【ソウルテイカー】に頼るしか無い。

 マミィの素材追加効果はフリーチェーンで発動出来るからマルファの手札がモンスターカードである可能性が高い以上ライフアドを稼ぎにもいけないだろうし、なかなか厳しい盤面になってきた。

 

「カードを一枚伏せてターンエンドよ」

「俺のターン。ドロー。

 引いてきたのは【岩窟魔人オーガロック】。追加ドローを行う」

「チェーンはしないわ」

 

 ()()()か。

 

「ドロー。引いたのは【海皇の長槍兵】。

 追加ドロー。【海原の女戦士】。

 追加ドロー。通常モンスターではないので公開しない。

 スタンバイフェイズ。メインフェイズ。

 手札から【融合】を発動」

「っ…何もないわ」

「ならば手札の【キラー・ブロッブ】【シーカーメン】【海原の女戦士】を融合して【黒き人食い鮫】を攻撃表示で融合召喚する」

 

【黒き人食い鮫】

融合モンスター

星5/水属性/魚族/攻2100/守1300

「シーカーメン」+「キラー・ブロッブ」+「海原の女戦士」

 

 ぶっちゃけ呼べるから喚んだだけで主力として採用したわけではないが、【凡骨ビート】は通常モンスターが手札にあぶれやすいから調整には丁度いい。

 

「更に手札から【ホワイトシーフ】を通常召喚し、装備魔法【戦線復帰の代償】を発動」

 

【戦線復帰の代償】

装備魔法

自分フィールド上の通常モンスター1体を墓地へ送り、

自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。

このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターを破壊する。

 

「フィールドの【ホワイトシーフ】を墓地に送り墓地から【ジェムナイト・クリスタ】を特殊召喚してこのカードを装備させる」

 

【ジェムナイト・クリスタ】

通常モンスター

星7/地属性/岩石族/攻2450/守1950

クリスタルパワーを最適化し、戦闘力に変えて戦うジェムナイトの上級戦士。

その高い攻撃力で敵を圧倒するぞ。

しかし、その最適化には限界を感じる事も多く、仲間たちとの結束を大切にしている。

 

 ブロックオリパから出てきた中の最大攻撃力を持つモンスターであり、精霊界の一般人が相手ならそれなりに信頼できる数値ではある。

 

「バトルフェイズに移行する」

「……フェイズ終了前に伏せカードを発動するわ。

 速攻魔法【サイクロン】。

 【戦線復帰の代償】を破壊するわ」

 

 強風が吹き荒れボロボロのドッグタグが千切れると【ジェムナイト・クリスタ】が崩れていく。

 

「やっぱり手札にモンスターは無しか。

 【黒き人食い鮫】で【メルフィー・マミィ】に攻撃する」

 

 鮫の体当たりを食らいマミィは吹き飛ぶも、マミィは痛そうにしながらもしっかりと立ち上がる。

 

「エクシーズ素材が三枚あるから【メルフィー・マミィ】は破壊されないわ」4000→2900

「分かってる。ターンエンドだ」

 

 攻撃表示にしたのは手札にモンスターがあると思い込ませるためだったのだろうが、次のターンにエクシーズ素材が4体以上になるのが確定していたのだから無理に攻勢に出ねばパーフェクト負けもあり得た。

 

「エンドフェイズに罠カード【おジャマデュオ】を発動するわ」

 

【おジャマデュオ】

通常罠

(1):相手フィールドに「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)2体を守備表示で特殊召喚する。

このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。

「おジャマトークン」が破壊された時にそのコントローラーは1体につき300ダメージを受ける。

(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキからカード名が異なる「おジャマ」モンスター2体を特殊召喚する。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「そちらのフィールドに【おジャマトークン】を二体特殊召喚させてもらうわよ」

「チェーンは無い」

 

 キモ可愛いとは絶妙に言えないナマモノが二体此方のフィールドに召喚される。

 

「私のターン。ドロー。スタンバイ。メイン。

 私は墓地の【おジャマデュオ】を除外してデッキから【おジャマイエロー】と【おジャマブラック】を守備表示で特殊召喚するわ」

 

 マルファの宣言と共にフィールドにキモいモンスターが二体現れる。

 

『ご指名ありがとうございまぁす!』

『弟共々張り切らせてもらいます!』

 

 精霊付きかよコイツラ!?

 

「えっと、悪いんだけどあなた達の仕事はエクシーズ素材になる事だから」

『『え?』』

「マミィの効果を発動するわ。

 フィールドの【おジャマイエロー】をエクシーズ素材に」

 

 【メルフィー・マミィ】がイエローをお腹の袋に突っ込んだ。

 ラドリーより雑だし若干目が死んでる気がするのは気のせいか。

 

『弟よ〜!?』

『あんちゃん!ここ、すごくいい匂いがしてあったかい!』

 

 袋に押し込まれたイエローが頭を出してそう宣うとマミィがギュッギュッと強引に袋に押し込んで黙らせた。

 

「なんかすまん」

「…優秀なコンボだから仕方ないわ。

 バトルフェイズに移行するわ」

「そうだな」

 

 思いの外しつこい茶番になんとも言えない気分になりつつデュエルを続ける事にした。




補強しますとマルファはブロックオリパ+バラ売りで補強したハイデッキ。
執事は残りを使えるように調整した紙束です。
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