迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

155 / 255
色々展開考えたんですが、迫水のタクティクスでは制圧突破出来なかったんでナレ死で本命逝きます。

そして無関係な話なんですが、他のデッキだとコイントスの勝率体感4割は有るのに姫様握ると2割切るんですよね…


地獄で踊るなら死ぬ覚悟をしてもらう(5)

「ターンエンドだ」

 

 そう宣うギルスに対し、迫水はただ呆然とするしか無かった。

 現代遊戯王の地獄絵図と言えば何を想像するかは人それぞれだろう。

 そしてこの光景を見た者達は皆こう思うだろう。

 

 なんでそこまでやろうと思った。

 

手札:一枚

フィールド魔法:【オルフェゴール・バベル】

エクストラゾーン:【召命の神弓-アポロウーサ】

モンスターゾーン:【I:Pマスカレーナ】【オルフェゴール・ガラテア】【ホルスの祝福-ドゥアムテフ】

魔法罠ゾーン:【王の棺】セットカード二枚

 

 フィールドだけでもこれだけの盤面が展開されている上に墓地には【オルフェゴール】各種と【宵星の機神(シーオルフェゴール)ディンギルス】まで控えているのだ。

 

 この盤面を前に心が折れない方がどうかしている。

 

「どうした? 貴様のターンだぞ?

 世界を救うというなら()()()()()()()で足踏みしていないで乗り越えて来い」

「ッ!? 僕のターン!!ドロー!!」

 

 自分は主人公だからきっと乗り越えられると奇跡を起こす1枚を手元に呼び込もうと叫ぶ迫水に終幕を告げる香りが鼻を擽った。

 

「スタンバイフェイズにセットカード発動。

 永続罠【魔封じの芳香】を発動する」

 

【魔封じの芳香】

永続罠

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、

セットしたプレイヤーから見て次の自分ターンが来るまで発動できない。

 

「なんで…どう…して……?」

 

 たった一つの可能性さえ許さないと言わんばかりの盤面を前に迫水が絶望に染まった顔で生気を無くし膝を着く。

 

「……シニョール迫水の戦意喪失とみなしギルスの勝利とするノーネ!」

 

 彼自身を好ましくは思えないが、しかしどんなに性格に難があろうとこの状況を前に立ち向かえと言うのは死ねと告げるより無体であるとクロノス先生はデュエルとは名ばかりの十三階段から迫水を降ろすべくギルスの勝利を告げた。

 

「付け入る隙は残っていたのだが、奴は気づく事は出来なかったようだな」

 

 感慨もなく事実をただ口にしながら一礼して戻って来るギルスに俺は苦笑を零す。

 

「滅茶苦茶派手にやりやがって。

 先攻制圧をやってみた感想はどうだった?」

「貴様が本気でデッキを強化しない気持ちがよく理解出来た。

 相手を生かすつもりがないか同じ価値感を共有する事が出来る相手との戯れにならまだしも、精霊界のデュエルであんな盤面を作ろうなどと考えるべきでは無いな」

 

 やっていいのはやられる覚悟があり()()()()()()()()()()()とその理不尽を受け入れられる同類同士でしか現代遊戯王は成り立たたないと言い切るギルスに俺は「そうだな」と頷いた。

 

「理不尽を理不尽で殴り潰す現代遊戯王(死亡遊戯)は同意無しにやっちゃダメだ」

 

 お互いがそれをやられる事を覚悟しているから()()()と言えるのだ。

 そうでなければ待ち受けるのは販売終了という名のコンテンツの死。

 

「だから、ちょっと殺ってくる」

 

 相手は【幻想キマイラ】との話だが、デッキが変わっていないという保証は無くどんな酷いカードが来てもおかしくない。

 だが、負ければ俺は姫様を手放さねばならずそれが嫌なら死んでも勝つしかない。

 クロノス先生の呼び掛けに俺は「逝きましょう姫様」とデュエルディスクを一撫でして舞台へと向かう。

 

 

「双方礼なノーネ!」

「対戦よろしくお願いします」

「……よろしく」

 

 ぼそぼそと一応ちゃんと挨拶を返す複野の目は俺ではなく俺のデッキに視線が向いていた。

 挨拶を交わし互いの初手五枚を手札に加えると俺のデュエルディスクに後攻の文字が点る。

 

「デュエル開始なノーネ!!」

「「デュエル!」」

 

 手札は【マルチャミー・フワロス】【増殖するG】【白銀の城の執事(ラビュリンス・バトラー) アリアス】【白銀の城の狂時計(ラビュリンス・クックロック)】【ビッグウェルカム・ラビュリンス】。

 ドロー誘発が被った上に狂時計とアリアスのギリギリコンボが可能な微妙な組み合わせだが逆に言えばほぼ確実にビッグウェルカムを通せる盤面と言える手札であった。

 

「スタンバイ。メイン」

「待った。スタンバイフェイズに手札から【マルチャミー・フワロス】を墓地に送り効果を発動します」

「……通ります」

 

 迷った様子からうららか墓穴は1枚以上有ると見て間違いない。

 

「メインフェイズ。

 手札から【コーンフィールド コアトル】を墓地に送り効果を発動」

 

【コーンフィールド コアトル】

効果モンスター

星4/風属性/幻想魔族/攻 500/守1700

このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードを手札から捨てて発動できる。

「コーンフィールド コアトル」以外の「合成獣融合」のカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加える。

(2):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。

(3):自分フィールドに「有翼幻獣キマイラ」が存在し、自分フィールドのカードを対象とする効果を相手が発動した時、

フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。

その効果を無効にし破壊する。

 

「チェーンありますか?」

「通します」

 

 増G…いや、まだ早い。

 

「デッキから【ミラーソード・ナイト】を手札に加えます。

 手札を一枚捨て【幻惑の見習い魔術師(ナイトメア・アプレンティス)】を特殊召喚 」

 

幻惑の見習い魔術師(ナイトメア・アプレンティス)

効果モンスター

星6/闇属性/幻想魔族/攻2000/守1700

このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、

(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードは手札を1枚捨てて、手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。

「幻惑の見習い魔術師」以外の幻想魔族モンスター1体をデッキから手札に加える。

(3):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。

 

 マナことブラック・マジシャン・ガールの色違いと思うほどよく似た幼さとコケティッシュさを同時に醸す少女がフィールドに現れる。

 

「【幻惑の見習い魔術師(ナイトメア・アプレンティス)】の召喚時効果を発動。

 チェーンが無ければ効果にチェーンして【コーンフィールド・コアトル】を指定して墓地に送った【大陰陽師 タオ】の効果を発動。

 チェーンありますか?」

 

【大陰陽師 タオ】

効果モンスター

星3/地属性/幻想魔族/攻1200/守 900

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。

(2):このカードが墓地へ送られた場合、

「大陰陽師 タオ」以外の自分の墓地の幻想魔族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は幻想魔族モンスターしか墓地から特殊召喚できない。

 

「……タオにチェーンして【増殖するG】を手札から墓地に送り発動します」

 

 やはり上手い。

 墓地、手札とマルチャミーの適用範囲外を上手く駆使して手札増加を抑え込む姿に止めてくるよなと思いつつ増Gを切る。

 

「その効果にチェーンして【灰流うらら】を手札から捨てて効果を止めます」

「ありません」

 

 殺虫剤を持ってきたうららが気配の方向に中身をぶち撒けると死んでたまるかと『ヤツラ』がフィールドから逃げ出し殺虫剤の煙を吹き飛ばして緑の翼を生やした蛇がフィールドに現れた。

 

「逆順処理によりうららが増Gを止めた後コアトルを特殊召喚しデッキから、【幻惑の魔術師(ナイトメア・マジシャン)】を手札に加えます」

 

 これで相手の手札の三枚の内未公開情報は一枚。

 召喚権は残ったままだが行くならここしか無い。

 

「処理後、手札から【白銀の城の狂時計(ラビュリンス・クックロック)】を手札から墓地に送り効果を発動!

 チェーンが無ければ更に手札から【白銀の城の執事(ラビュリンス・バトラー)アリアス】を手札から墓地に送り効果を発動する!」

 

白銀の城の狂時計(ラビュリンス・クックロック)

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードを手札から捨てて発動できる。

このターン、自分フィールドに「ラビュリンス」モンスターが存在する場合、

自分は通常罠カード1枚をセットしたターンでも発動できる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

(2):このカードが墓地に存在する状態で、

「白銀の城の狂時計」以外の「ラビュリンス」カードの効果または通常罠カードを自分が発動するために、

手札のカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

このカードを手札に加えるか特殊召喚する。

 

白銀の城の執事(ラビュリンス・バトラー) アリアス】

効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻1500/守2500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分・相手のメインフェイズに、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。

手札から、「ラビュリンス」モンスター1体を特殊召喚するか、通常罠カード1枚をセットする。

この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。

(2):「白銀の城の執事 アリアス」以外の自分の、

「ラビュリンス」カードか通常罠カードの効果の発動にチェーンして相手が効果を発動した時、

この効果を墓地で発動できる。

このカードを特殊召喚する。

 

「…どちらもありません」

「では逆順処理により手札から【ビッグウェルカム・ラビュリンス】をセット。

 その後【ラビュリンス】モンスターが手札を墓地に送ったため墓地の狂時計の効果を発動。

 自身を守備表示で特殊召喚する!」

 

 止めなかった時点で墓穴は無し。

 フィールドに鳩の代わりに蝙蝠が飾られた置き時計をフィールドに配したアリアスがわざと【ビッグウェルカム・ラビュリンス】を見せ付けながら配置する。

 

「罠カード【ビッグウェルカム・ラビュリンス】発動!

 デッキまたは墓地から【ラビュリンス】モンスターを特殊召喚する!」

 

【ビッグウェルカム・ラビュリンス】

通常罠(準制限カード)※MDでは無制限

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):自分の手札・デッキ・墓地から「ラビュリンス」モンスター1体を特殊召喚する。

その後、自分フィールドのモンスター1体を手札に戻す。

(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの悪魔族モンスター1体を対象として発動できる

(自分フィールドにレベル8以上の悪魔族モンスターが存在する場合、

代わりに相手フィールドのカード1枚を対象とする事もできる)。

そのカードを手札に戻す。

 

「……どうぞ」

 

 ギリッと音を起てて歯を噛みながら効果を通すと宣う複野。

 その目には俺に対する憎悪と同時に激しい妬みの感情が燃えていることが俺には見て取れた。

 

「俺は……【白銀の城のラビュリンス】をデッキから特殊召喚し狂時計を手札に戻す!

 お出でませ我が敬愛を捧げし、いと美しくも恐ろしき呪われし迷宮城の主よ!

 我が身命を捧げし主、【白銀の城のラビュリンス】召喚!!」

 

【白銀の城のラビュリンス】

効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2900/守1900

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の通常罠カードの発動に対して、相手はモンスターの効果を発動できない。

(2):自分の墓地の通常罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを自分フィールドにセットする。

この効果でセットしたカードは、自分フィールドに悪魔族モンスターが存在しない場合には発動できない。

(3):自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。

相手の手札・フィールドのカード1枚を破壊する(手札からはランダムに選ぶ)。

 

 天から降って来たいつもより豪勢なフィッティングカーテンが狂時計を囲って視界を遮り、そして一人でにカーテンが開くと中から悪魔でありながら清廉な白が何よりも相応しい美しき我が姫様が降臨された。

 

「姫様の召喚後に効果を発動!

 罠カードの効果によりモンスターがフィールドから離れた時、相手のフィールドか手札の一枚を破壊する!

 俺は手札を選択!『ストライク・ラブリュス』!!」

 

 次ターン以降を考えれば姫様よりアリアーヌ達どちらかを選ぶべきだった。

 アリアーヌなら追加ドロー次第で狂時計の罠発動効果を使用できたかもしれないし、アリアンナなら家具を確定で手札に加え二枚目のビッグウェルカムを手元に呼び込めた。

 だが、俺は例えプレミと罵られようが今呼ぶべきは姫様だと、俺の魂の叫びに従い行動した。

 

「……チェーンは、無い」

「ならば、左端だ!!」

 

 指定前に複野が混ぜた手札の端を選択し、姫様が格好つけながら握った戦斧を投げつける。

 

「っ!?」

 

 真横を通過した戦斧に身体を竦ませる複野の手から溢れ落ちたのは【王宮のお触れ】だった

 

【王宮のお触れ】

永続罠

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

フィールドの他の罠カードの効果は無効化される。

 

 この野郎【ラビュリンス】へのガチメタカード用意してやがった!?

 自らの魂に感謝を述べつつこちらから出来るアクションを使い切った俺は油断無く複野の動向を伺っていると、複野は頭をガリガリと掻き毟りながら激昂しだした。

 

「何で三分の一で一番当たってほしくないカードをピンポイントに当ててくるんだよ!?

 クソクソクソクソクソクソクソ!!

 僕なら絶対アリアンナ喚ぶのになんでアドバンテージ捨ててまでラビュリンスなんだよ!!??

 お前みたいな非効率な真似をする奴がなんで【ラビュリンス】に選ばれているんだよ!!??」

 

 その怒りは嫉妬に塗れた見るに堪えないものであり、同時に俺は確信した。

 

「成程。お前もMD次元(向う側)では【ラビュリンス】使いだったんだな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。