迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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【今日の姫様】
姫様「…はっ!? なんか今日は執事からの愛をすっごい感じるわ!?」
アリアス「それはよろしゅうございますが、先ずは湯浴みを済ませて『騎士』に崩された御髪を整えましょう」


地獄で踊るなら死ぬ覚悟をしてもらう(6)

「お前の目的は【ラビュリンス(姫様)】か」

「そうだ! だけどお前と一緒にするな!

 僕はお前みたいに【ラビュリンス】を実戦で使ったりなんかしない!」

「……はぁ?」

 

 何を言っているんだ?

 

「姫様を使わないでどうやって【ラビュリンス】を回すというんだ?」

「わからないのか?やっぱりお前も馬鹿なんだな!

 【ラビュリンス】は実戦で使うのは馬鹿のすることだって言ってるんだよ!

 勝ちたいなら【ライゼオル】か【天盃竜】の二択だろうが!!」

「……」

 

 ああ、こいつダメだ。

 

「つまり、姫様は額に飾って眺めるために欲しいというんだな?」

「他にどう聞こえたと言うんだよ!」

「姫様を愚弄するのも大概にしろ」

 

 怒りが可視化するほどの魔力のうねりとなり俺の周囲を荒れ狂う。

 

「っ!?」

「お前は今、環境Tier最上位に乗らないカードは全て使う価値のない無価値なカードだと否定した。

 それはカードを、DMを、遊戯王というゲームという存在そのものへの侮辱だ!」

 

 俺は【ふわんだりぃずと未知の風】は存在が無かったことにしたいぐらい嫌いだ。

 だが【ふわんだりぃず】そのものを生まれて来なければ良かったなどと否定したりなんかしない。

 確かに【ふわんだりぃず】を使われたらいい気分はしないが、しかし相手が真剣に戦うために選んだカードなのだから対戦する際には勝算が少しでも残る限りどんな盤面になろうと最後まで戦い、それでも捲れなければ相手に「対戦ありがとうございました」と感謝する。

 

 だがコイツは違う。

 

 コイツは『勝利』にしか価値を見出しておらず楽しみさえ求めていない。

 かつての性格が捻じ曲がっていたユーリでさえ勝利に固執していても楽しみを求め真剣にデュエルに取り組んでいたのにだ。

 

「お前達は来る世界を間違えた。

 どれだけデュエルが強かろうと、カードを愛しデュエルを真剣に楽しめない奴にこの世界に居場所はないんだよ」

 

 俺はコイツを憐れだとは思う。

 こいつはカードゲームの前提を忘れている。

 DMは()()()()()なのだ。

 好きなカードを選び、それに適した戦術を練り、それを成すためのカードを組む。

 そうして自分だけのデッキを組んで同じくデッキを組んだ相手とぶつかり合うから()()()()()として遊戯王は成功した。

 どんな経験をしてきたのかは知らないが現代遊戯王の闇の中で勝つ以外の全てを削ぎ落とし、それこそ楽しみさえも切り捨てたのだろう。

 

「そんなに勝ちたいならデュエルなんかやめて一人でババ抜きでもやっていろ」

 

 こんな奴に姫様は渡さないと俺はバッサリと否定する。

 

「巫山戯るな!

 お前みたいな奴こそ【白き森】や【スネークアイ】を回すと『環境ウザイ』だ『テンプレはつまらない』だと僕の努力を否定する癖に偉そうに語るな!!

 手札から【ミラーソードナイト】を召喚して効果を発動!

 自分をリリースしてデッキから【大翼のバフォメット】を特殊召喚する!」

 

【ミラー ソードナイト】

効果モンスター

星4/光属性/幻想魔族/攻1900/守 300

このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分・相手ターンに、このカードをリリースして発動できる。

「ミラー ソードナイト」以外の「合成獣融合」のカード名が記されたモンスター1体をデッキから特殊召喚する。

(2):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。

(3):自分フィールドに「有翼幻獣キマイラ」が存在し、相手フィールドのモンスターが効果を発動した時、

フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。

その効果を無効にする。

 

【大翼のバフォメット】

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。

獣族・レベル4モンスター及び「合成獣融合」をそれぞれ1枚までデッキから手札に加える。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(2):このカードが融合召喚の素材となって墓地へ送られた場合、

自分の墓地の幻想魔族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

「マルチャミーの効果で一枚ドロー」

「特殊召喚した【大翼のバフォメット】の召喚時効果を発動!

 デッキから【幻爪の王ガゼル】と【合成獣融合(キマイラ・フュージョン)】をデッキから手札に加える!」

 

 激昂しながらもその手腕に揺らぎも淀みもない。

 おそらくは【幻獣王キマイラ】の効果でハンデスするから妨害札になるミラーソードナイトの効果と合わせて二枚までは許容範囲と考えているのだろう。

 

「手札から速攻魔法【合成獣融合(キマイラ・フュージョン)】を発動!

 手札の【幻爪の王ガゼル】とフィールドの【大翼のバフォメット】を融合!

 【幻獣王キマイラ】を守備表示で特殊召喚!!」

 

合成獣融合(キマイラ・フュージョン)

速攻魔法

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。

獣族・悪魔族モンスターのいずれかを含む、自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、

融合モンスター1体を融合召喚する。

(2):自分メインフェイズにこのカードが墓地に存在し、

自分のフィールドか墓地に「有翼幻獣キマイラ」が存在する場合、以下から1つを選択して発動できる。

●このカードを手札に加える。

●このカードを除外し、自分のデッキ・墓地から「幻獣王ガゼル」1体と「バフォメット」1体を特殊召喚する。

 

【幻爪の王ガゼル】

効果モンスター

星4/地属性/獣族/攻1500/守1200

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。

デッキから悪魔族・レベル5モンスター1体か「合成獣融合」1枚を手札に加える。

(2):このカードが融合召喚の素材となって墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから幻想魔族モンスター1体を手札に加える。

 

【幻獣王キマイラ】

融合・効果モンスター

星6/風属性/獣族/攻2100/守1800

獣族モンスター+悪魔族モンスター

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「有翼幻獣キマイラ」として扱う。

(2):このカードが融合召喚した場合に発動できる。

このターンのエンドフェイズに相手の手札をランダムに1枚墓地へ送る。

(3):相手ターンに墓地のこのカードを除外し、

自分の墓地の獣族・悪魔族・幻想魔族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 フィールドに俺が以前『武藤遊戯』とのデュエルで使用した強壮な合成獣が俺をぬらぬらと光る眼で睨めつける。

 

「マルチャミーの効果で一枚ドロー」

 

 引いたのはデッキで寝ていたほうが美味しい一枚だった。

 

「【幻獣王キマイラ】の召喚時効果を発動!

 エンドフェイズにお前の手札を一枚墓地に送る!

 チェーンして融合素材になった【大翼のバフォメット】の効果を発動し墓地から【ミラーソードナイト】を守備表示で特殊召喚する!

 更にチェーンして同じく融合素材になった【幻爪の王ガゼル】の効果を発動しデッキから二枚目の【コーンフィールド・コアトル】を手札に加える!

 その後、墓地の【合成獣融合(キマイラ・フュージョン)】の効果を発動!

 このカードを手札に戻す!

 カードをセットしエンドフェイズに移行!

 僕が選ぶのは真ん中のカードだ!」

 

 そう宣言した複野に、運が無いと思いつつ俺は選ばれたカードを公開する。

 

「選ばれた【魔轟神ルリー】を墓地に送る」

 

【魔轟神ルリー】

効果モンスター

星1/光属性/悪魔族/攻 200/守 400

(1):このカードが手札から墓地へ捨てられた場合に発動する。

このカードを特殊召喚する。

 

「ルリー!!??【デモンスミス】が入っているのか!?」

 

 成程。やはりルリーは【デモンスミス】必須カードか。

 同時にルリーから【魔轟神】ではなく【デモンスミス】を連想する複野に憐れみを強くした。

 

「なんでそんな強力なカードをお前ばかり手に入れているんだ!」

「手に入れたのは俺じゃなくてギルスだよ。

 ドローフェイズ。ドロー。

 スタンバイフェイズ。メインフェイズ」

 

 しかし困った。

 相手のフィールドにはキマイラに加えて戦闘破壊不可能なコアトルと見習い魔術師にミラーソードナイトと三体に対しこちらは姫様のみで伏せはなし。

 そもそも二ターン目の開始だから姫様がフィールドに居るほうがおかしいのだが、二ターン目ドローフェイズの時点でフィールドにモンスターが居るのは【ティアラメンツ】でも起きる現象だから誤差というものだろう。

 手札ニ枚の情報は把握済みで妨害札はフィールドのモンスター効果を止めるミラーソードナイトと相手を対象にした時効果を止めるコアトル。

 対して俺の手札三枚は…リセットまでは確実に行けるがリーサルは取り切れないな。

 となると返しでこちらは詰み。

 だいぶ厳しいが、()()()()()()()()

 しかし今引いたカードの()()()()ではそれ以上も狙える。

 不確定要素満載のギャンブルだが、()()()()()()()()()()()()()だろう。

 

「手札から魔法カード【隣の芝刈り】を発動する!」

 

【隣の芝刈り】

通常魔法(制限カード)

(1):自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動できる。

デッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

 

「俺のデッキの残り枚数は51枚だ」

「……30枚」

 

 巫山戯るなと怒鳴りたそうにデッキ枚数を宣言する複野に見えるようデッキを上から21枚引き抜く。

 

「枚数差21枚を墓地に送る。

 申し訳ないが枚数が多いため使用可能な効果の確認の時間を貰いたい」

「……了解だ」

 

 今落ちた21枚。

 それらを如何に使うか。

 それを間違えた時俺は負けると()()()()()カードを確認するのだった。




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