迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
確認を終え使用可能な効果を改めた俺はタイムの終了を告げた。
墓地を参照し、勝ちに至るルートを見つける事が出来た。
後はそのルートを相手に悟らせず最後まで走り抜けられるかだ。
「お待たせしました。
まず私は墓地の【
【
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。
このターン、お互いに宣言されたモンスターと元々のカード名が同じモンスターを墓地以外から特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外し、モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。
このターン、お互いに宣言されたモンスターと元々のカード名が同じモンスターのフィールドで発動する効果を発動できない。
「指定モンスターは【ガーディアン・キマイラ】」
「……チェーンありません」
悔しそうに顔を歪める複野にだよなと思う。
【ガーディアン・キマイラ】は素材に三体のモンスターを必要とするが指定は緩く素材としたフィールドと手札のモンスターの数で効果が変化し、相手ターン中に呼ぶ事が出来れば一体ないし二体破壊の一枚ないし二枚ドローと状況に対応しやすくステータスも高く更に【融合】が墓地にあれば耐性まで獲得と【融合】使いの痒いところに手が届く強力なモンスターだ。
【烙印】使いに【朱の烙印】で散々やられてきたからこそその悪辣さはよく知っている。
速攻魔法の【
惜しむらくは【トランザクション・ロールバック】が落ちなかったために他に落ちた有効な罠が殆んど使えないのだが、それが却って新たな勝ち筋を見出させてくれた。
一番わかり易い詰みポイントを一つ封じ、次の手に移る。
「手札から【
チェーンは?」
「ありません」
「では続いて姫様の効果を発動。
墓地から【ビッグウェルカム・ラビュリンス】をセット」
流石に止める筈と宣言すると案の定複野は「チェーン」と告げた。
「フィールドの【ミラーソードナイト】を除外し効果を無効にする」
「では姫様の効果にチェーンされたため墓地の【
アリアスを守備表示で特殊召喚」
【ミラーソードナイト】の光に驚いた拍子に斧を手落とし派手な音を起てたことに慌てた様子でアリアスが参上する。
これで妨害は後一枚。
そして様子から
「墓地の【魔を刻むデモンスミス】の効果を発動。
墓地から【魔轟神ルリー】をデッキに戻し自身を守備表示で特殊召喚する」
「チェーンありません」
【魔を刻むデモンスミス】
効果モンスター(制限カード)※MDでは準制限
星6/光属性/悪魔族/攻1800/守2400
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「デモンスミス」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドの「デモンスミス」装備カード1枚とフィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのカードを墓地へ送る。
(3):このカードが墓地に存在する場合、
自分の墓地から他の悪魔族・光属性モンスター1体をデッキ・EXデッキに戻して発動できる。
このカードを特殊召喚する。
フィールドに悪魔の顔の意匠が施された禍々しいデザインの棺が現れそれが自ら蓋を開き、中から赤と黄に色分けした派手な髪型の青年が現れその棺を背負う。
「サーキット展開!【魔を刻むデモンスミス】をリリースしてリンクマーカーにセット!
召喚条件は光属性悪魔族モンスター一体!
謳え!悪魔に捧げる鎮魂歌!リンク召喚!リンク1【
【
リンク・効果モンスター
リンク1/光属性/悪魔族/攻 600
【リンクマーカー:下】
悪魔族・光属性モンスター1体
自分は「刻まれし魔の鎮魂棺」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、
その(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから「デモンスミス」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):Lモンスター以外の自分フィールドの悪魔族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。
自分のフィールド・墓地からこのカードを攻撃力600アップの装備魔法カード扱いで自分のモンスターに装備する。
【魔を刻むデモンスミス】が首に提げたドッグタグを引き千切り親指で弾くと、背負った棺桶の口の部分がガパリと開き跳ね上がったタグが弧を描いてその口の中に飲み込まれた。
すると、棺桶から可視化した魔力が湧き出て背中から離れると独りでに浮きながら甲高い叫び声を上げた。
「自身の特殊召喚にチェーンして【
自身をリリースしてデッキまたは手札から【魔を刻むデモンスミス】を特殊召喚する!
デッキより再び現れろ悪魔狩り!!」
ゲタゲタと耳障りな笑い声を上げ続ける棺を悪魔狩りは持ち運ぶために取り付けられた鎖を掴むと、棺が目を回わし黙りこくるまでぶん回し続けてから背中に背負い直す。
「手札から【
【
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守1100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札及び自分フィールドにセットされたカードの中から、
通常罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「白銀の城の召使い アリアーヌ」以外のレベル4以下の悪魔族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
その後、以下の効果を適用できる。
●手札から、悪魔族モンスター1体を特殊召喚するか、魔法・罠カード1枚をセットする。
「次に墓地の【
【魔を刻むデモンスミス】の装備カードとして魔法罠ゾーンに設置する。
その後【魔を刻むデモンスミス】の効果を発動。
装備した【
「…チェーンして【コーンフィールド・コアトル】の効果を発動。
自身を除外してその効果を無効にして破壊する」
来た!
ここで悟られたら計画はご破産。
そして見抜かれずとももう一つの綱渡りも待っている。
緊張に
「チェーンして墓地の【ビッグウェルカム・ラビュリンス】を除外して効果を発動。
【魔を刻むデモンスミス】を手札に戻す」
「勝った! チェーンは無い!」
明らかなプレイングミスに思わず勝利を確信した複野が叫び、同時に俺もまた
「逆順処理に移行。
【魔を刻むデモンスミス】を手札に戻す」
「【コーンフィールド・コアトル】の効果は発動場所を指定しないため【魔を刻むデモンスミス】の効果は無効となり破壊される!」
【コーンフィールド・コアトル】の魔力に顔を引き攣らせる【魔を刻むデモンスミス】が、姫様が咄嗟に助けようと非常脱出装置を起動させると足元からバネ仕掛けが作動してデモンスミスが真上に吹っ飛ぶも、仕掛けの威力が高すぎてデモンスミスはそのまま星となってしまった。
「だが罠カードの効果でフィールドからモンスターが離れたため墓地の【
右側の手札を破壊し一枚ドロー」
【
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1500/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、手札を1枚捨てて発動できる。
手札・デッキから「ラビュリンス」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。
このカードを手札に加える。
自分のミスを棚上げして姫様が逆ギレ気味に複野へと斧を投げつけその様子に仕方ないなとため息を吐きながらアリアーヌがアリアスの指示でシャンドラとカードを持って来た。
「っ、破壊されたのは【
これでこのターン中に僕のライフポイントは削り切れないから返しのターンで僕の勝ちは確定した!」
「ほう?
随分自信満々だな。
だけど、まだこちらに出来ることは残っているぞ?」
「無駄なんだよ!
お前がカオスアンヘルを喚び出しても除外出来るのは一体だけ!
キマイラを除外すれば戦闘破壊出来ない【
【
ラビュリンスの効果も【ビッグウェルカム・ラビュリンス】のバウンスも無駄打ちしたからもうお前に勝ち目はない!」
まあ、言いたい気分は分からなくもない。
序に公開情報となった俺の墓地には【心変わり】や【三戦の才】等のコントロール系魔法が落ちたのもそう思う一因なのだろう。
まあ、プレイングに関しては
「なら教えてやるよ。
お前が無駄無意味と馬鹿にした全部にちゃんと勝つための意味があったことをな」
「強がりを…」
「アリアーヌの効果を発動。
手札の【ウェルカム・ラビュリンス】を墓地に送りデッキから【
アリアーヌ。アリアンナを連れてきなさい」
【
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守2100
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「白銀の城の召使い アリアンナ」以外の「ラビュリンス」カード1枚を手札に加える。
(2):自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
その後、以下の効果を適用できる。
●手札から、悪魔族モンスター1体を特殊召喚するか、魔法・罠カード1枚をセットする。
「チェーンは?」
「…使わない」
「ならばアリアンナを特殊召喚する前に【ラビュリンス】モンスターが効果で手札を墓地に送ったため墓地の狂時計を特殊召喚する。
その後アリアンナを特殊召喚して効果を発動。
デッキから【
アリアンナ。姫様の鎧をこちらに」
【
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守2900
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「迷宮城の白銀姫」以外の「ラビュリンス」カードの効果または
通常罠カードが発動した自分・相手ターンに発動できる。
このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。
(2):自分フィールドに裏側表示カードが存在する限り、
このカードは相手の効果では破壊されず、相手はこのカードを効果の対象にできない。
(3):通常罠カードが発動した時に発動できる。
そのカードとはカード名が異なる通常罠カード1枚をデッキから自分フィールドにセットする。
フィールドに現れたアリアンナは俺の名に頷くと姫様の鎧を持ち出してきた。
「そしてアリアーヌとアリアンナでオーバーレイ・ネットワークを構築!」
「ここでエクシーズ召喚?
バクースカで時間稼ぎするつもりか!?」
「言ったはずだ。勝つ算段はついていると。
来い!応報を齎す鋼の騎兵!
エクシーズ召喚!ランク4!【レイダーズ・ナイト】!!」
【レイダーズ・ナイト】
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/戦士族/攻2000/守 0
闇属性レベル4モンスター×2
このカード名はルール上「幻影騎士団」カード、「RR」カードとしても扱う。
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードよりランクが1つ高いか1つ低い、
「幻影騎士団」、「RR」、「エクシーズ・ドラゴン」Xモンスターの内いずれか1体を、
自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは次の相手エンドフェイズに破壊される。
アリアーヌとアリアンナが互いの手を掴み合うと黄金の光の粒子が生まれ二人がその光に溶けた後、けたたましいエンジン音を掻き鳴らしながら鋼の騎馬を駆る騎士が現れた。
「れ、レイダーズ・ナイト!?」
「チェーンが無ければ空いたスペースに【
「くっ!? だけど……まさかお前、最初からそのために【ガーディアン・キマイラ】の効果を封じたのか!?」
どうやら俺が何をしようとしているのかその全容を理解したらしく複野が巫山戯るなと怒鳴り散らす。
「なんでかって?
サーキット展開!アリアスと狂時計をリンクマーカーにセット!
召喚条件は効果モンスター2体!
来い!矛盾を貫く逆鉾!
リンク召喚!リンク2!【ペンテスタッグ】!」
【ペンテスタッグ】
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/サイバース族/攻1600
【リンクマーカー:上/下】
効果モンスター2体
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
リンク状態の自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
使わねば勝てない状況になることの方が少ないため出番こそ多くないが、それ故に出陣は相手の死を確定事項とするとアリーナでは密かに恐れられている。
先に喚んだのはアークリベリオンを召喚後に複野が【
最後の懸念事項も封殺し終え、俺は俺の『最強』をこの場に呼び出す。
「【レイダーズ・ナイト】の効果を発動!!
エクシーズ素材を1枚墓地に送りエクストラデッキのランク3かランク5の【RR】【幻影騎士団】【エクシーズ・ドラゴン】の何れかのエクシーズ・モンスターをエクシーズ召喚する!」
機械馬が首元のマフラーから大量の炎を吹き出し大渦となって自身を包む。
「オーバーレイ・ネットワークの向こうより我が前に顕れよ!
反逆の翼羽ばたかせし不屈の機龍!!
エクシーズ召喚!ランク5!【アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】!!」
【アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
レベル5モンスター×3
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):X召喚したこのカードは効果では破壊されない。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力は、このカード以外のフィールドのモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。
このカードが闇属性XモンスターをX素材としている場合、
さらにこのカード以外のフィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はこのカードでしか攻撃宣言できない
そして内側から爆発するように炎を爆ぜさせながら現れた紫を基調とした鋼の巨龍が凄まじい咆哮を轟かせた。
「馬鹿だろうお前!!??
エクストラデッキの貴重な三枠をそんなロマンコンボに使うぐらいなら、もっとシナジーが強くて強いカードが幾らでもあるじゃないか!!??」
「喧しい!!
何度でも言ってやる!!
俺は!!姫様を!!アークリベリオンを!!使いたいから使うんだ!!
姫様を勝たせる!!アークリベリオンを格好良く暴れさせる!!
どちらもやりたいからやるんだ!!
俺の好きなものに口出ししてんじゃねえ!!
そして何より俺がお前を許せないのは、俺が惚れた女が飾られて満足するような安い女だと見縊った事だ!!
アークリベリオンの効果発動!!
エクシーズ素材のレイダーズ・ナイトを墓地に送りフィールドのモンスターの攻撃力を合計した数値となる!!
『オールパワー・フォース』!!」
宣言を受け、アークリベリオンが一際強く咆哮し、身から漏れるオーラが爆発的に増大する。
その攻撃力は『14600』。
直撃すればリアルソリッドビジョンなら死んで当然となるだろう数値だ。
「バトルフェイズに移行!
辞世の句も読ませねえぞクソガキ!!」
「待つノーネシニョール!!」
姫様を愚弄した罪を死んで贖わせると攻撃宣言を発しようとした俺をクロノス先生が身を挺して止める。
「シニョールの怒りは最もだけど、その攻撃は過剰過ぎるノーネ!
デュエルとは怒りをぶつける道具ではないノーネ!」
「……」
そう訴えるクロノス先生の足はアークリベリオンの放つ凄まじいプレッシャーにぶるぶると奮えていた。
それでも自らの信念にため恐怖に耐える姿に、俺は心からクロノス先生への敬意を改めた。
「姫様。宜しいですか?」
そう尋ねると姫様は唇を尖らせながらももういいと言うように斧を投げ捨てた。
「畏まりました。
サレンダーを認めます」
さて、このまま終わってくれればいいんだけど…