迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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頑張った!
疲れすぎて寝れないからその時間を無駄にしないでやったるで!!

※修正しました
深夜テンションで突っきると本当にだめだね…


俺は姫様を愛している(3)

「ひぃ…」

 

 焦点の定まらぬ瞳に射抜かれた複野は恐怖に腰を抜かし尻餅をついて後退る。

 

「ひぃ…めざ…まぁ…」

 

 その姿に『執事』は意味を成さない音を漏らしながらゆっくりと複野へと向かい出した。

 

「や、やめ、来るな!!」

 

 『執事』がアンデットになった事を理解した福野は同時に『執事』が自分をどう見ているかも理解できてしまった。

 

「アリアス!!助けてアリアス!!」

 

 必死に叫ぶ複野だが当然応える者は現れない。

 

「ひめ…さぁまぁ…」

 

 ずるりずるりと這って逃げようとする複野を少しづつ確実に追い詰める『執事』。

 

「デュエルだぁ!!」

 

 迫りくる言葉の通じない相手に対し、複野は恐怖に振り切れて左腕のデュエルディスクを突き出した。

 

「…でゅ…え……」

「そうだ!俺とライフポイント8000でデュエルしろ!!」

 

 デュエルの声に『執事』が足を止めたのを見た複野は咄嗟にそう叫ぶ。

 

「デュえ…る……」

 

 脳を超え魂に焼き付いたデュエリストの本能は自我を無くしてなおその言葉に左腕のデュエルディスクを起動しデッキトップを引いた。

 死んでもデュエルに応じる『執事』に何かを思う余裕は複野には無い。

 それでも分かっていることは一つ。

 

 勝たねば死ぬ。殺される!!

 

「僕のターン!!」

 

 デュエルディスクに表示された『先攻』の文字を確認した複野はデッキトップを五枚引いてフェイズ宣言をしながらカードを検めた。

 

「スタンバイ…メイ…ン……」

 

 そして、()()をその目にする。

 

白銀の城の執事(ラビュリンス・バトラー)アリアス】

【トランザクション・ロールバック】

【抹殺の指名者】

白銀の迷宮城(ラビュリンス・ラビリンス)

【レッド・リブート】

 

「なんだよこれ…巫山戯るなよ!

 なんでこんな大事な瞬間に手札事故を起こしているんだよ!!??

 家具とアリアンナと【ラビュリンス】罠カードを合わせたら15枚も入っているんだぞ!?

 なんでどれ一つ手札に来ないんだよ!!

 僕を馬鹿にしてそんなに楽しいのかよ!!」

 

 −−複野は知らない。

 かつて、複野と同じように姫に害をなしてしまった男が死にたくないが為にデュエルを求め、その際に盛大に手札事故を引き起こしていた事を。

 そして彼と違い、男は九死に一生を得るための大事なタイミングで事故を引き起こしたカード達に対し怒りを抱かず言い訳こそすれど己の構築がカードの不興を買ったのだと謝罪した。

 

「デュエ…ル…

 ゔゔぅゔゔぅぅ……」

 

 デッキに対し喚き罵るばかりでプレイングを行わない複野に『執事』が唸り声を漏らし始める。

 

「ヒィッ!!??

 僕はフィールド魔法【白銀の迷宮城(ラビュリンス・ラビリンス)】を発動しカードを三枚伏せてターンエンド!!」

 

 待たせ過ぎたら襲われると恐慌した複野は今できる全てを駆使しターンを終える。

 

「おれの…タ…ン…。

 どろ…すたんばい…メイ…ン…」

 

 たどたどしくも確かにカードを引いた『執事』が引いてきたカードを魔法罠ゾーンに差し込んだ。

 

「まほう…カ…ド…はつ…どう」

 

 表示されたカードに複野は苦い顔になる。

 

「【儀式の下準備】!?

 まさか【宣告者】なのか!?」

 

【儀式の下準備】

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):デッキから儀式魔法カード1枚を選び、

さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選ぶ。

そのカード2枚を手札に加える。

 

 セットしたカードではどうしょうもないカテゴリーを使われ複野が焦る前で執事は二枚のカードをデッキから引き抜いて見せる。

 

「てふだ…、 どりあ…ど…くわ…える…」

 

精霊術師(エレメンタルマスター )ドリアード】

儀式・効果モンスター

星3/光属性/魔法使い族/攻1200/守1400

「ドリアードの祈り」により降臨。

このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」としても扱う。

 

【ドリアードの祈り】

儀式魔法

「精霊術師 ドリアード」の降臨に必要。

フィールドか手札から、レベルが3以上になるよう

カードを生け贄に捧げなければならない。

 

「ど、ドリアード…?」

 

 複野にとってイラストにしか価値を見出せないカードを手札に加える姿に困惑する複野に構う様子もなく『執事』は引いてきたカードを発動した。

 

「どりあ…どの…いのり…はつど…う。

 てふだ、りり…す…どりあ…ど…しょう…かん」

 

 暗い廊下にエンジェルラダーのような暖かい光が注ぎそこに赤い被り物を被る金色の長い髪の乙女が現れた。

 しかしその透き通るような美貌は悲痛に歪み泣くのを堪えるように俯いていた。

 

「なんだよこれ…。

 ファンデッキって奴なのか?」

 

 およそ実戦に使うようなカードではないカードばかりが使用される光景に複野は理解が追い付かない。

 

「一体何が楽しくてこんなモノを持ち出してきたんだコイツは…?」

 

 ファンデッカーとの対戦経験が無い故に弱いカードを敢えて採用する心理が複野には分からない。

 

「ぺんで…らむ…だーく…どりあーど…せっと」

 

【ダーク・ドリアード】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守1400

【Pスケール:青5/赤5】

(1):自分フィールドの地・水・炎・風属性モンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールドのモンスターの属性の種類×200アップする。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。

デッキから地・水・炎・風属性モンスターを1体ずつ選び、好きな順番でデッキの上に戻す。 

 

「なんなんだよ…お前は一体何がしたいんだよ!!??」

 

 シナジーがあると言えなくもないが、しかし通常召喚した方が余程ダメージを稼げる使い方をする姿に複野は喚くが『執事』は応えずカードを更に発動する。

 そして、困惑の果てに複野は目の前の存在が決して理解し合えない存在だと理解させられた。

 

「てふた…えいぞ…くまほう…ひょうい…かくせい…はつどう」

 

【憑依覚醒】

永続魔法

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドのモンスターの攻撃力は、自分フィールドのモンスターの属性の種類×300アップする。

(2):自分フィールドの「霊使い」モンスター及び「憑依装着」モンスターは効果では破壊されない。

(3):自分フィールドに元々の攻撃力が1850の魔法使い族モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。

自分は1枚ドローする。

 

「え?」

 

 その瞬間、召喚されてからそれまでずっと痛ましげに顔を俯かせていた【精霊術師(エレメンタルマスター )ドリアード】がキッと目を鋭く開き内に秘めたるその魔力を解放させた。

 

「なんだよそれは!!??

 【憑依覚醒】があるなら【ダーク・ドリアード】を召喚すればライフアドバンテージ稼いでいたじゃないか!!??」

 

 ファンデッキへの無理解からくる混乱と死の恐怖におかしくなっていただけなのだろうか、それが自分の死を意味しようと複野は只々浪漫盤面に固執する姿にプレイングミスだと叫ぶ。

 

「てふだ…いんふぇ…るにてぃ…ねくろ…まんさ……しょうかん」

 

【インフェルニティ・ネクロマンサー】

効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻 0/守2000

このカードは召喚に成功した時、守備表示になる。

また、自分の手札が0枚の場合、このカードは以下の効果を得る。

1ターンに1度、自分の墓地から「インフェルニティ・ネクロマンサー」以外の

「インフェルニティ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。

 

 入れたことにシナジーなどの特別な理由は無い。

 ただ、闇属性で召喚後に壁になれるグッドスタッフとして採用した。

 そんなもっと入れるべきカードはあるだろうと叫びたくなるようなモンスターは戦いは遠慮するとばかりに守りの姿勢を取る。

 だけど必要なのはその属性であり、呼び掛けに応じてくれただけで十分だった。

 自らが補えない最後の闇属性が揃った事でドリアードの力は最大に到る。

 

 だけど足りない。

 

 限界まで力を解放し闇に染まった自らの側面さえ利用してなお【精霊術師(エレメンタルマスター )ドリアード】の攻撃力は4200。

 通常召喚権も使用したため『執事』の盤面では複野のライフポイント8000には全く届かない。

 

「だけど、僕は生き残った!

 次のターンで【ラビュリンス】カードを引けば僕は…」

「てふた…まほう…か…ど…はつ…どう…」

 

 だからこそ、『執事』の最後の手札の発動に複野はこれまでで最大級の絶望に襲われた。

 

「そっこう…まほう… まじっ…く…か…ど…ししゃ…そ…せい。

 ぼちから…おしり…す…しょう……かん」

 

【マジックカード「死者蘇生」】

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分か相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

このターン、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、その効果は発動できない。

 

【オシリスの天空竜】

効果モンスター

星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?

このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。

(1):このカードの召喚は無効化されない。

(2):このカードの召喚成功時にお互いはカードの効果を発動できない。

(3):このカードの攻撃力・守備力は、自分の手札の数×1000アップする。

(4):相手フィールドにモンスターが攻撃表示で召喚・特殊召喚される度に発動する。

そのモンスターの攻撃力は2000ダウンする。

0になった場合そのモンスターを破壊する。

(5):このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。

このカードを墓地へ送る。

 

 エジプトにおける幸運のシンボルであり『遊☆戯☆王』に於いて最も大事なメッセージを伝えるために使われた古のカード。

 その紋章が極光を放つと、外で鳴り響く雷雲から更に何度も降り注ぎついには城壁に当たり城を破壊する。

 

「うわあああああ!!??」

 

 直ぐ側の壁が落雷により破壊され強烈な雨風に晒された複野は悲鳴を上げながら『ソレ』を目撃した。

 

 雨雲の中をうねり泳ぐ赤く長いその身体。

 命を育むナイルの流れそのものを神格として祀り上げた雷雨の神。

 豪雨を以て大地を押し流し肥沃な大地を与える慈愛と無慈悲なる濁流にて平等な死を齎す無慈悲さを表す二つの口を持つ大いなる天空神。

 

 その名はオシリス。【オシリスの天空竜】!!

 

 兄の奸計により冥府に降った豊穣神と同じ名を持つエジプトの三幻神が一角が、かつて己を下した男の残滓に応えこの場へと降臨を果たした。




漸く最初期に仕込んだネタを解放できた。

というのも、オシリスは3話目で言ってた赤いデッキケースの中に入ってた3枚のカードの1枚で、残りは蘇り天空神と超電導波サンダーフォースでした。

なんで持ってたか?

過去でコイツがオシリスの天空竜を正面撃破したからオシリスが精霊界に来た時にその褒美として分霊寄越したからです。

話数順だと後付けっぽいけどちゃんとプロット通りだからね?
OCG版だからってエジプトと無関係なパンピーが神のカード持ってるわけねえだろの理由付けのためにバトルシティ編やったんじゃないからね?

次回、エピローグ。

以下おまけ。
どうせだから盛りまくったカード化した際の執事。

白銀の城の徘徊者(ラビュリンス・デットウォーカー)
融合・効果モンスター(制限カード)
星5/闇属性/アンデット族/攻0/守0
「ラビュリンス」モンスター+「ラビュリンス」罠カード
このカードは手札・フィールド・墓地の上記のカード二枚をデッキに戻す事でEXデッキから特殊召喚できる。
このカードは「エルドリッチ」モンスターとしても扱う。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ラビュリンス」モンスター1枚を手札に加えるか特殊召喚出来る。
(2):自分・相手ターンにこのカードを裏側除外することで発動出来る。
デッキ・手札・墓地・除外ゾーンから「白銀の城のラビュリンス」を特殊召喚する。
この特殊召喚は無効化されず対象が裏側除外状態でも特殊召喚出来る。
この効果で特殊召喚された「白銀の城のラビュリンス」は以下の効果を得る
次の相手のエンドフェイズまでこのカードの攻撃力は1000ポイントアップし相手の効果を受けない。
(3):バトルフェイズ開始時に表側表示のこのカードが存在する時発動する。
このカードは攻撃表示に変更され、自分のバトルフェイズの場合このカードは攻撃宣言をしなければならない。
このカードは相手モンスターとの戦闘では破壊されない。
(4):このカードが相手モンスターを攻撃または攻撃対象に選ばれた時発動する。
このカードのコントローラーは相手モンスターの攻撃力の二倍のライフポイントを失う。
そのバトルフェイズ解決後お互いのモンスターを裏側除外する。
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