迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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特別中身の無い日常回です。

時系列的には『アカデミア』でのデュエル前を想定しとります。


デュエルだけが娯楽じゃないぜ。

 精霊界でゲームと言えば十中八九デュエルでこそあるが、然しながらデュエル以外のゲームが無いわけでもない。

 

「あ、それチー」

 

 下家のブルーノが俺が切った三筒を鳴いて手牌の一筒と二筒を倒して晒す。

 これで二副露。先に鳴いたのは八筒で七八九。 

 鳴きの状態から狙いは一気通貫に見えるが河には序盤に切った五筒があって索子と萬子の么九牌周辺は切れてないからチャンタや三色の可能性も十分あり得るし、そちらが複合するなら満貫どころか跳満倍満まで伸びかねない。

 トップではないオーラスの親というタイミングもあり、高く飛ぶかそれさえブラフの連荘狙いのどちらか中々読み難いなと注視するブルーノの切った牌はオタ風の西。

 手出しで安牌を落としたところから聴牌を張ったと見るべきだろうと対面のダルクがツモった牌を手配の上においてブルーノの安牌である五筒をノータイムで切る。

 

「ロン。メンピンドラ一。ザンクだ」

 

 と、そこをトップを走るギルスが和了を宣言する。

 

「くっ!? 意を抜かれた…」

「やられたなぁ。

 決めれたら捲れたんだけど」

「やっぱり年季が違うな」

「そうでもない」

 

 銘銘に特に中身の無い事を口にしつつ牌を崩して山を雀卓の下に流し込む。

 なんで麻雀かと問われたら、特に理由は無い。

 偶にはデュエル以外のゲームでもという流れで何となく三人以上で遊べるゲームでトランプか麻雀のどっちかとなり麻雀になっただけなのだ。

 

「もう半荘行くかい?」

「俺はどちらでも構わない」

「そうだな…」

 

 全員が翌日に響くというほど時間が押しているわけじゃないからやるのは問題ないしもう少しやりたいとは思う。

 

「じゃあ行こうか。

 だが少しばかり気合を入れるために一局ごとにちょっとした罰ゲームを追加しようか」

「カードでも賭けるのか?」

「それじゃあ笑えなくなる。

 振り込んだ者は上がった者からの質問に嘘偽り無く応えるって言うのはどうだ?」

「それは罰ゲームになるのか?」

 

 そう疑問を投げ掛けるダルクに俺はニヤニヤと笑う。

 

「じゃあ俺がダルクから上がったらダルクに『他の霊使いの一人と結婚するなら誰?』って聞こうか」

「マスター…」

 

 冗談では済まないぞと視線が細くなるダルクに「流石に冗談だ」と嘯く。

 対岸の修羅場は見る分には愉快だが、エリア達がギスる光景は流石に笑えない。

 

「面白い。

 俺もブルーノには聞いておきたいことがあったから丁度いい」

「別に聞いてくれれば答えるんだけど?」

「なら、貴様には『ディアベルスターとの挙式はいつにするんだ?』と聞こうか」

 

 ダゴンッ!!と廊下で派手に転んだような音が聞こえた気がしたが、俺以外気付いた様子が無いので気のせいなのだろう。

 

「ちょっと言っている意味が分からないんだけど…?」

「そういう所だ」

「えぇ…?」

 

 困惑するブルーノが何かを口にするより先にギルスがサイコロを回す。

 

「因みにツモ和了りはどうなるんだ?」

「全員に一つづつで良いんじゃないか?

 どうせだからトビ無しで行こうか」

 

 チョンボして逃げるなんて許さんと暗に釘を差しつつ自分の手牌を手元に引き込んでいく。

 そうして始まった半荘だったが…。

 

「ロン! タンヤオ!」

 

 三巡目にダルクがギルスから上がってみせた。

 

「三副露のタンヤオは必死過ぎないか?」

「手が悪すぎただけだ」

 

 不貞腐れたようにそう言うダルクだが、手牌と河を見れば育てればメンタンピンは軽く行けたからその台詞には流石に無理がある。

 

「まあいい。何が聞きたい」

 

 敢えてその事には触れずギルスが質問を促すと、ダルクは少し迷ってから当たり障りなさそうな質問を投げた。

 

「甥を初めて見た感想は?」

「胸が満たされたように感じたな。

 アウラムとイヴの二人の幸福は確かにここにあるんだと噛み締めさせてくれた」

 

 懐かしむように目を閉じ笑みを浮かべるギルス。

 そうして目を開くと好戦的な笑みを浮かべる。

 

「さあ、次に行こうか」

 

 今度は貴様等だと顔に書いてある笑みに気を引き締めたのだが…

 

「自摸。平和二盃口ドラドラ。跳満だ」

「親被り痛え…」

 

 点棒も然ることながら余りにも鮮やか過ぎる打手に本気加減を感じて冷や汗が流れる。

 

「さて、俺からの罰ゲームは…お前達が一番に異性の魅力を感じる部位について語ってもらおうか」

「ぶっこんでくるじゃないか」

「こういう馬鹿なノリにはとことん乗るべきだろう?」

「そりゃまあそうなんだだがよ…」

 

 諫める側と思っていたが、ギルスもこういうノリは嫌いじゃないらしい。

 

「じゃあ、俺から逝くわ。

 ……指かな。手袋で隠してると尚良しと思う」

「中々マニアックだね」

「喧しい。そういうブルーノはどうなんだよ?」

「僕かい?」

 

 そう言うとブルーノは真剣に悩んだ様子を見せてから「…目、かなぁ?」と答えた。

 

「僕はロボットだから性的魅力って部分への感想は難しいから少し違うかもだけど、強い意志の宿る目は綺麗だって思うね」

「成程。俺もこの身体になってからはその分野への理解は欠落しているが、それなら理解出来る」

「商品じゃなくて僕目当てのお客さんとか困るよね」

「分かる」

 

 ロボットあるあるで共感を得ていくブルーノとギルス。

 

「さて、トリはダルクだが逃さないぜ」

「……」

 

 ニヤニヤと吊り上がる口角を抑えきれずにはよ吐けと促すと、ダルクは絞り出すような小さな声でようやく白状した。

 

「…脹脛から踝のライン」

 

 そう言うと顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 

「中々良いセンスだと思うぞ?」

「五月蝿い!!」

 

 顔を真っ赤にしたまま顕現を解いてダルクは逃げ出してしまった。

 

「少し弄りすぎたか?」

「後で謝っとけよ」

 

 他意はなく本気の納得だったのだが、様子から嘲弄と受け取られたみたいだ。

 

「ダルクも戻ったしこれでお開きかな?」

 

 三麻で続けられなくもないが、そういう空気では無いだろう。

 

「おや? 折角だから私も混ぜて貰おうと思ったんだけど遅かったかな?」

 

 卓を片付けようとした所でそう声が投げかけられ、向けた視線の先にはアリアスが立っていた。

 

「どうしたんだ?

 姫様から何か言付けでもあったのか?」

「今日は個人的な買い物ついでに顔を見せに来ただけだよ。

 顔だけ見たら帰るつもりだったけど、何やら楽しそうなことをしているじゃないか」

 

 そう言いながらダルクが座っていた席にアリアスは座る。

 

「これでも結構麻雀は得意でね。

 だけどアリア達は苦手だから中々打つ機会が無かったのだけれど、君達ならば本気で打っても良さそうだ」

 

 そう言いながらアリアスが麻雀漫画でよく見る口元に手を近づけるポーズを取る。

 

「点棒はダルク君のをそのままで構わないから私も混ぜてくれないかい?

 勿論、罰ゲームも継続でね」

 

 そうニタリと嗤うアリアスに背筋に強烈な寒気が過る。

 

「友よ諦めろ。

 逃げれる勝負では無い」

 

 そう視線を鋭く座り直すギルス。

 

「あまり変な事を質問しないで欲しいな」

 

 ブルーノのもまた、アンチノミーの顔を見せ本気の姿勢に移る。

 

「まあ、程々に頼むぞ?」

 

 こうなればアリアスを上がらせないよう徹底するしか無いと俺も【ラビュリンス】を握る際の精神でアリアスに向かい合う。

 

「さあ、愉しく打とうか」

 

 壮絶な死闘を予感させる言葉と共にサイコロが舞い、俺達は文字通り血肉を削るような死闘へと身を投じるのだった。




この後凍牌とか鳴きの竜とかむこうぶちとかそんなレベルの地獄があったかも。

ダルクの足フェチは霊使いは皆が脚出してるのでなんとなくでタイツやストッキングは有り派です。
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