迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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今回も徒然回です。

ちな、今回のイベントも姫様出禁だったので今回は【原石デモンスミス】作って遊んでます。
通常は何を使ったか?勿論【ドリアード】です。
ドリアードとアナザー・ベリルでヴェルズビュートにエクシーズ→全破壊からのデモンスミス展開に移行した後墓地に落とした号砲や鳴動で相手の展開を妨害したりとステータスの低さが逆に強力に作用して気持ちいいです。
難点は全体的に火力不足な事ですが、弱いバニラは弱いからこそ怖いと再確認出来ました。


今日も迷宮城は平和です。

「ねぇアリアス。

 なんで子供が出来てから執事は夜の訪問が無いのかしら?」

 

 ある日の事、いつもの様にだる絡みしてきた姫の問い掛けにアリアスは正直に答えた。

 

「執事君なら城に居る日は毎晩姫様のお部屋に通われてますが?」

「え?で、でも…?」

「姫様は寝付きが宜しいので、ご子息様達が寝入った頃には既に熟睡されてますから知らないのも当然かと」

「ぐぅっ!?」

 

 制作の為なら何日でも徹夜できるが布団に入れば直様寝入ってしまうため子供達を寝かしつけた後に執事が来ても間に合わないのだ。

 

「加えて間に合ったら間に合ったで姫様が執事君に迫られただけで羞恥で気絶し記憶を吹っ飛ばされておいでなのも如何なものかと。

 そのせいで未だに寝室が別々なんですが?」

「へぅぅ…」

 

 自身に全く身に覚えはないが朝起きたらアリアスから偶に残念なものを見る視線を感じていた覚えがあるだけに姫は反論が喉で止まってしまう。

 そんなクソ雑魚姫様なものだからアリアスは御子息懐妊の際などすわ幻覚かと疑い、事実であると理解した後は執事君が【ミラクル・フュージョン】決めた上で【一撃必殺居合ドロー】成功したという感動で秘蔵の一本を空にしてしまったのだ。

 因みにその後に姫様が執事と対面して通信切れ()もせず即サレ()しないで最期まで耐えたことは一度たりともない。

 

「健やかに眠られるか真っ赤な顔で気を失われる姫様を背に毎夜一人部屋を去る執事君の姿は涙を禁じえません」

 

 あまりにも不憫過ぎて一回ぐらいなら姫様の代わりに一晩相手をしてもいいかなとアリアスがとち狂うぐらい執事は憐れに見えた。

 

「無いとは思いたいですが、姫様がそんなですとその内クルヌギアス辺りが隙を突いて執事君に浮気を促しかねないですよ?」

 

 陰キャのナードだがクルヌギアスも絶世の冠を被るに足る紛れもない美女の一人。

 他にも執事と縁のある見目麗しい女性モンスターには事欠かないので、執事とて男なのだから気の迷いが起きないなんてことは絶対では無い。

 

「そんなのダメに決まってるでしょうが!?

 そもそも執事だってもっとこう、ぐいぐい来てくれてもいいじゃない!!

 寝ててもなんていうか、こう、強制リリース的に来ちゃってもよくない!?」

 

 10:0で自分が悪い事を棚に上げ、状況の原因を執事に押し付け始める。

 そんなヤリ◯ンだったらドリアード辺りは悪魔に転生する前にとっくに食い散らかしてると喉まで出掛かるが流石に品がないとその言葉を差し戻す。

 

「しょ!しょうだわ!

 いっその事私が浮気すればしちゅじがなんかこう【地獄の暴走召喚】みたく」

「やめなさい」

 

 とち狂いすぎて目をグルグルにした姫様がとんでもないことを口走り始めた所でアリアスが姫でも見たこと無いほど真剣な顔で止めに入った。

 

「いいですか姫様?

 世の殿方の中には愛する相手が自分以外の者に手込めにされる姿に何より興奮を抱く性癖の持ち主は確かに居りますが、執事君にそれを仕掛けたら逆効果じゃ済みません。

 最悪の場合、浮気相手に殺意を暴走させた執事君の手により迷宮城にニビルが墜ちて大陸が消滅します」

「私の浮気がそこまで大惨事になっちゃうの!!??」

 

 浮気一つで【ラビュリンス】が滅ぶと言われ姫が白目をむいて叫ぶ。

 

「ですから姫様は貞淑に、そして執事君を男性としても満足させてください。

 それが出来ないのなら夜の相手をさせるためにドリアードを妾に囲うぐらいの度量を示しくださいませ」

「それは流石にドリアードに対して失礼が過ぎるしそもそも妾なんて嫌よ!!

 百歩譲っても妾にするならアリアスよ!!」

「いくら敬愛する姫様でも男を共有するのは嫌です」

「びっくりするぐらいに真顔のガチトーンで断られた!!??」

 

 しょうもなく言い合いぎゃいぎゃい騒ぐ姫とアリアス。

 

「どうしようかあの二人」

「執事が居れば業務に障りはないからほっときましょう」

「そだね」

 

 あまりに遅いので様子を窺いにきたアリアンナとアリアーヌはその光景を前にそっと扉を閉じるのだった。

 

 

 

─────────────────────────────

 

 

 

「コイツラどうしよう」

 

 【オレイカルコスの結界】のペナルティにより封印されたリースと大神祇官の魂を納めたカードを前に俺は困っていた。

 

「封印櫃に入れたくないけど、生半可な場所に仕舞っても碌なことにならなそうなんだよな…」

 

 大神祇官の処遇についてフルルドリスに確認したのだが、これまで裏で行っていた所業故に引き取り拒否を食らっていた。

 大神祇官は生かしても殺しても禍根を残すからこのまま行方不明にしておきたいと、大神祇官の使っていた【教導】【デスピア】の譲渡に加えてドラグマでも極一部の者しか所持していない【アルバスの落胤】【黒衣竜アルビオン】【妖眼の相剣士】【白の聖女エクレシア】の四枚まで譲るという条件を提示され大神祇官の処遇は此方で済ますことになった。

 因みにリースに関してはギルスから「煮ても焼いても復活しかねないからこのまま封印する」と答えを貰っておりどうしたもんかと悩まされていた。

 

「宇宙は『破滅の光』関連があるから放逐は無理。

 かといって何処ぞに隠そうと誰かしらが発見して封印を解いて…的な未来が待ってるよな…」

 

 そういった理由から迷宮城も姫様や子供達が狙われかねないから選択肢から外れる。

 

「なんかいい手があればなぁ…」

「何か悩み事かしら?」

 

 うだうだと悩んでいると面白そうな気配を感じたのか【原罪のディアベルゼ】が興味深そうに俺の顔を覗き込んだ。

 

「ディアベルゼか。

 実はな…」

 

 引っ掻き回されそうな気もしないではないが、同時にそれくらい突飛な方が解決策に繋がるかもと俺は事情を語った。

 

「ふんふん。

 要するにこの二人の魂が封印された状態から変わらないようにすればいいのよね?」

「まあ、そうだな」

「だったら簡単ね。

 【罪宝】に加工してしまえばいいわ」

 

 ディアベルゼはあっさりとそう嘯いた。

 

「【罪宝】に加工?」

「あら?ご存知無かったのね?

 【罪宝】は悪魔により抜き取られた罪に塗れた咎人の魂そのもの。

 悪魔により抜き取られた魂は生前の罪を異能として奮う事が出来るようになるわ」

「悪魔とは【アザミナ】の事ですか?」

 

 ブルーノからの又聞きに留まるが、【アザミナ】とはディアベルスター達の因縁を生み出した邪悪なる存在であったらしい。

 

「そうよ。

 あ、でも悪魔といっても便宜上なだけで貴方達悪魔族とは根本的に別の存在だからね?

 私みたいな『成り損ない』にも優しくしてくれる貴方達を邪悪だなんて思ってないからね?」

 

 慌てた様子でそう弁明するディアベルゼを「大丈夫ですよ」と宥める。

 

「それと、あまり自分を卑下しないほうが良い。

 その意図がなくても貴女を助けたブルーノやディアベルスターまで貶めてしまいますからね」

 

 滅多に無いが、ディアベルゼは己の浅はかさが大きな過ちを引き起こした事を未だに悔いているらしく、悪戯好きなトラブルメイカーな普段から今みたいに不意に自罰的な一面を伺わせることがある。

 おそらくはギルスが妹扱いしているのもその辺りを配慮して……だと信じたい。

 

「そうだね…」

「ともあれですが、先程のこの二人の魂を【罪宝】に加工する場合どうなりますか?」

 

 目的を優先にと促すとディアベルゼは思考を切り替えて答える。

 

「どんな効果になるかは完成してみないとわからないけど、どちらも凄く罪に塗れているから凄まじい力を秘めた秘宝になると思うわ」

「その際に自意識等はどうなります?」

「魂だけだから記憶は残らないと思うけど、【罪宝】は災害として恐れられるだけの力が有るから調伏して沈静化させる必要があるわ」

「……ふむ」

 

 つまり、合法的に二人をもう一度ぶちのめせると。

 

「ディアベルゼさん。

 ディアベルスターを呼んできてください」

「分かったわ」

 

 俺の顔を見て楽しそうにディアベルスターを呼びに行くディアベルゼを見送りながら俺は控える精霊達に問いかけた。

 

「これより祭りを始めます。

 参加希望者はダルクの方に参加の意を伝えて下さい」

 

 そう口にしながらふと窓を見ると、ガラスには邪悪に嗤う悪魔の姿を映し出されていた。




因みに姫様は頑張って自爆し、執事はレイドバトルで愉しく戦いました。

次回はダルク絡みかな。
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