迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせしますた。

デスマに加えて腰痛を併発し書く余裕が全くありませんでした。

ちな、今回のフェスは【原石デモンスミス】と【霊使い】で遊んでます。

アークリベリオンのスリーブとフェス内の大活躍で割と満足。


求む。無からトラブルが生えてくる場合の回避法。

「漸く一息つけるな…」

 

 充てがわれた宿舎に荷物を置き、中々に濃密だった此処までを振り返る。

 

「君が()()アリアス君の紹介を受けた見習いか…」

 

 受験を受けるため専門学校の門扉を叩いた俺は通された校長室で試験を担当する教員に複雑そうにそう口にされた。

 

「あの、アリアスが何か?」

「彼女は優秀な生徒だったのだがな。

 何と言い表すべきか、こう、エクストリームな娘だったものでな」

 

 エクストリームって…

 

「エキセントリック…ではなくですか?」

「エクストリームで間違いない。

 授業では大変真面目なのだが、誰も損をしなければ何をしてもいいと考えている節が所々見受けられる振る舞いに在学中はよく頭を痛ませてくれたのだよ」

 

 思い出しただけで頭痛が込み上げてくるのか頭に手を添え眉間を寄せる先生。

 

「極めつけはハスキー君との乱闘だね。

 死傷者こそ無かったし巻き込まれた周囲への謝罪やフォローまでしっかりしたから退学にはしなかったが、アレは本当に困らされた…」

「本人は余波で校舎の2割が全損したと口にしてましたが…」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()更に新校舎を二割消し飛ばしてくれたよ。

 あの惨状でよく死人が出なかったものだと当時は処分を如何にするか本当に困らされた」

「……」

 

 よくよく考えてみればアリアスの守備力は2500と昨今の環境では下級は確実に足止め出来るまずまず程度の数値と思わせるが、冷静に考えれば2500は【ブラック・マジシャン】の『黒・魔・導』や【デーモンの召喚】の『魔降雷』を正面から受けても致命傷を負うことなく耐えきれる数値なのだから弱い筈がない。

 姫様の守護者という自認から守りにステータスが偏っているが、トータルステータスは4000と守りを捨て攻撃に全振りすれば神でさえ無視できない火力を発揮出来るのだがらそんなアリアスがガチギレして暴れたのならそうなりかねないだろう。

 

「なんというべきか…うちの上司が申し訳ありませんでした」

「頼むから君は大人しくしていてくれ」

 

 アリアスの二の舞は勘弁だと態度で語る先生に俺は誠心誠意頭を下げるのだった。

 

 その後、事前確認と齟齬が無いか試験内容の確認を交わし間違いがないことを確かめて俺は宿舎へと到着した。

 

「試験は午前にペーパーテスト。

 午後は監察官を相手に実技試験を行い最終確認か」

 

 どちらもアリアスからみっちり叩き込まれているから不安は無い。

 

「とりあえずシャワーを済ませてしまうか」

 

 時刻は夕方。

 宿舎にある食堂の開放までにはもう少し時間があるのでとりあえず身を清めようと着替えを取り出すためにキャリーバッグを開く。

 すると中に入っていた【ジェネクス・コントローラー】と目が合った。

 

「……何でそこに居るのですかコン?」

 

 いやマジでなんで?

 寝る前に確認した時には当然入っていなかったんだが?

 

『……、!!、……!』 

 

 発声器官を持っていないため身ぶり手ぶりで事情を伝えようとしてくれているようだが、残念な事に全く分からない。

 

「まあ、経過はどうあれ今から貴方だけを帰らせるのも難しいですね。

 試験の邪魔はしないよう部屋で大人しくしていてくださいね?」

 

 そう頼むと【ジェネクス・コントローラー】はコクリと頷いた。

 

 そうして思わぬ同行者の存在を知るというアクシデントを交えながら俺はその日を終え、翌日から試験が開始される。

 

「では開始」

 

 試験官の言葉と同時に用意されていたテスト用紙を開く。

 内容は執事業務から法律関係まで幅広いものの、どれも城の業務で携わって来たものばかりなので詰まる所は殆ど無くマークシートを埋めていく。

 然し乍らやはり精霊界クオリティと云うべきか一部おかしな問題が混じっていたりする。

 

 問、以下の中から『対象に取らない』カードを全て挙げよ。

 

【ドラグマ・パニッシュメント】【天龍雪獄】【三戦の才】【撲滅の使徒】【墓穴の道連れ】【地砕き】

 

 なんで執事検定の試験にデュエルの知識が必要なんですかねぇ?

 しかも地味に難易度高いし。

 とはいえ精霊界の執事となれば主人の代わりにデュエルする事もあるだろうと普通に納得して、いややっぱりおかしいからと内心セルフ突っ込みを入れつつマークシートに記載を進めていく。

 

「そこまで。

 マークシートを裏返しにしてから退室して下さい」

 

 余裕を持って記載を終え、名前を含めて再確認をしていると間もなく終了時間を迎え俺は指示に従いマークシートを裏返しにしてから教室を出る。

 手応えは十分。

 変なポンさえして無ければ最低でもボーダーは超えているはず。

 問題は、

 

「午後の実技か…」

 

 内容は担当官を雇用者として執事業務とデュエル。

 だからなんで(ry

 

 しかも公平を期すためとデッキは学校が用意した構築済みデッキを使用しなければならない。

 温情か怪しいがエクストラデッキの召喚法は融合、シンクロ、エクシーズの中から一つを指定出来ると言われたので慣れたエクシーズを指定した。

 いうて試験用だから【LL】や【オノマト】みたいな高速展開テーマは来ないだろうが、紙束ではなくせめて最低限テーマで固めといてくれと願っておく。

 

「懐かしい雰囲気だな」

 

 廊下を抜けて食堂に入ると空いた食器を前に談笑する制服姿を見掛けそんな感想を漏らす。

 というか、女子生徒のスカートがもれなくかなり短いんだが今時はあんなものなのか?

 

「アレをアリアスも着てたのか?」

 

 成人女性然としたアリアスが中高生向けの制服…アリか? いや、キツイか?

 中々に判断に難しく命知らずな事を考えながら日替わり定食を頂いていく。

 当然と言うべきか部外者のオッサンに話し掛けてくる者などいないのでボッチ飯だが、特に気にすることも無く定食を手に適当な席に着く。

 実のところ転生時に容姿を若返らせる事も出来たのだが、正直と若い姿が自分には思えなかったので人生の下り坂に差し掛かった冴えないオッサンな見た目は変わっていない。

 

「ごちそうさまでした」

 

 付け合せやスープまでしっかり頂き気合いを入れなおしてから俺は少し早めに指定されていた教室へと向かう。

 時計を確認すると時間までは後二十分程。

 アリアスから違反では無いと言われているので間取りなんかの確認にはちょうど良かろう。

 一応ノックしてから鍵が空いているのを確認し中に入ると、執務室を模した内装の部屋の中に先客が居た。

 

「誰だお前?」

 

 見た感じいいとこの坊っちゃんといったところか?

 やや小太りで生意気そうだが、もしかしたら監察官が姿を変えているということも有り得るので一応礼儀を払う。

 

「失礼しました。

 私は本日…」

「ああ。お前がか。

 さっさと行くぞ」

「え?」

 

 行くってどこに? 試験は此処のはずだが?

 

「何をしている!さっさと付いてこい!」

 

 身勝手な物言いで急かす声に、もしかしたらもう試験は始まっているのかもと思い、取り敢えず部屋に用意されていた中身の入ったデッキケースを回収して言われるまま付き従う。

 

「失礼しました」

「ふん!パパが新しい下僕を付けるって言うから待ってたのにこんな見窄らしいオッサンかよ。

 付けるならもっと可愛い女の子にしてくれればいいのに」 

 

 開幕ディスるとか何様だこそ糞餓鬼?

 いやまて、これも含めて試験かもしれんし今は様子見だ。

 いくつかの可能性を吟味しつつ注意深く相手を監察しながら前を歩く少年の後に続くのだった。




 彼等が教室を出て行って十分程した後、教室を訪れた教員は閉まっているはずの鍵が空いており、加えて担当受験者に渡すデッキが無くなっていることに気付き急ぎ教室を飛び出すのであった。




次回はデュエル。笑わせに行きます。
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