迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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という訳で『スタンダード次元』へお出かけします。

因みに姫様は城に縛られてお留守番です。

当然ぶんむくれてキレ散らかしましたが、執事に二人だけ行かせて自分と三人目をと迫られいっぱいいっぱいになり三人を追い出して逃げました。


俺は死ぬまで貴様を許さない。

 赤馬零児に話を聞くために『スタンダード次元』へと赴いた俺だが、来たからにはどうしてもやっておきたい事をやっていた。

 

「お久し振りですね『赤馬零王』」

 

 レオ・コーポレーションの地下にある封鎖区画の更にその下に設営された特別収監所。

 『赤馬零王』を筆頭に次元戦争に加担した危険人物達を飼い殺すためのその場所に俺は来ていた。

 

「何の用だ?」

 

 強化アクリル越しに対面した赤馬零王は訝しげに俺を見る。

 

「今日は少しばかり伺いたい事がありましてね」

 

 今俺は悪魔らしい笑顔を浮かべているだろうなと思いつつ見たくもない顔を前に俺は尋ねる。

 

 

「世界を4つも犠牲にして取り戻そうとした自分の娘の魂を宿す四人が、貴方が悪魔と唾棄した男の魂を宿す四人に全員嫁として連れ去られた今の心境をぜひ聞かせて欲しいなと」

「喧嘩を売りに来たのか貴様!!!!」

 

 アクリル越しに暴れるのを警備員に取り押さえられる姿に愉悦を抱きつつ「まさか」と嘯く。

 

「私は心から彼らの新たな門出を祝っておりますが、貴方はどうなのかなぁとそう思っただけですよ」

 

 嘘は言ってない。

 お前をそれを知っても何も出来ず臍を噛んで転げ回っていたら最高だと思っているだけだ。

 

「その顔の何処に説得力がある!!??

 というよりユーリとセレナの何処にそんな感情があったんだ!!??」

「あれは私も驚きましたよ」

 

 実際結婚した理由が一番ぶっ飛んでたまであるからなあの二人。

 なんせ、独り身だと言い寄ってくるやつが鬱陶しいという理由で同居して、まだくっついてないならと脇をつこうとする奴らが目障りだからで結婚したからな。

 一応お互いに籍を入れても良いと思い合う程度に好意は互いに抱いているので、二人の関係は日本的な夫婦というよりアメリカ的なパートナーの関係と見るべきだろう。

 

「ともあれ、その様子から大体察したので私の用事は終わりました。

 せいぜい向こう岸で幸せになる彼等をこれからも眺め続けてください」

「やっぱり喧嘩売ってるだろ貴様!!」

 

 ぎゃあぎゃあ喚くハゲに気分を良くしつつ面会室を出ると微妙な顔で待っていた零児君に感謝を告げる。

 

「お待たせしました零児君。

 それでは行きましょうか」

 

 そう言い地上へ唯一繋がるエレベーターへと向かう俺に続き歩き出した零児君は俺に問い掛ける。

 

「父に話と言っていたが、本当に用件は()()だけだったのか?」

「一応他にもありましたが、よくよく考えてみたら今日までこの地下施設に幽閉されている赤馬零王が知る由もない内容だったので聴く必要はないなと打ち切らせてもらいました」

 

 そう言うと納得しがたい様子ながらも此方は答えないだろうと思ったらしく黙る零児君と共にエレベーターに乗り込み地上へと向かう。

 そして地上に戻った俺は待たせていた子供達のデュエルの決着を目にした。

 

「オーホホホ!!

 さあ私の手ずから育てた可愛いお花達の肥やしとなるがいいわ!

 行きなさい!【シトリスの蟲惑魔】でダイレクトアタックよ!!」

 

【シトリスの蟲惑魔】

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/植物族/攻2500/守 300

レベル4モンスター×2

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):X素材を持っているこのカードは、

このカードがX素材としているモンスターと同じ種族のモンスター(このカードを除く)が発動した効果及び罠カードの効果を受けない。

(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

デッキから「蟲惑魔」モンスター1体を手札に加える。

(3):元々の持ち主が相手となるモンスターが効果で、

墓地へ送られた場合または表側で除外された場合に発動できる。

その内の1体をこのカードのX素材とする。

 

「や、やめ、キャアアアアア!!??」800→−1700

 

 抵抗虚しく俺の娘が操る可愛らしさと不気味さを兼ね備えた白い少女の手によりライフポイントを削り尽くされるLDSのデュエリスト。

 

「それではバトルフェイズに移行して【氷水啼エジル・ギュミル】でダイレクトアタックします。

 攻撃宣言にチェーンが無ければ僕の勝ちになりますがチェーンはありますか?」

「……ありません」

「それでは僕の勝ちですね。

 対戦ありがとうございました」

 

【氷水啼エジル・ギュミル】

シンクロ・効果モンスター

星10/水属性/水族/攻3000/守1500

水属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分・相手ターンに発動できる。

このターン中、自分フィールドの表側表示モンスターは相手の効果では破壊されず、

相手の効果では除外できない。

相手の効果の発動にチェーンしてこの効果を発動し、

その同名カードが相手のフィールド・墓地に存在する場合、

さらにその同名カードを全て除外できる。

(2):このカードが墓地に存在し、相手の効果でカードが除外された場合に発動できる。

このカードを特殊召喚する。

 

 息子の方もコスモクロアの力を受け継ぎ新たな姿を得たエギルの攻撃で勝利を収める。

 あまりにも丁寧過ぎるプレイングが一周回って煽りに見えてしまうのは可哀想だ。

 

「お二人共素晴らしい才能ですね。

 彼等が相手をしていたのはLDSの最優秀デュエリストの候補に挙がっていたのですがまるで歯が立っていない」

「二人共自慢の子供達というのもありますが、【蟲惑魔】も【氷水】もカードパワーが高いからですよ」

 

 二人を『スタンダード次元』に連れてくる際に一番の問題となったのは其々が愛用するメインデッキが【M∀LICE】と【アルトメギア】という【ラビュリンス】でさえ後塵を拝するレベルのテーマであった事だった。

 その為『スタンダード次元』の最強のデュエリストとして挙げられる『榊遊矢』と『赤馬零児』の使う【EMオッドアイズ】と【DD】を参考に幾つかのデッキを用意し好きな物を選ばせて持たせることにした。

 因みに今回の俺は相変わらず【霊使い】でサブに純構成【ラビュリンス】と【メメント】である。

 

「良ければ二人共ジュニアユースクラスに参加させてはどうですか?」

「宜しいのですか?」

 

 二人には良い経験になるだろうが、しかしタクティクスは既に俺や姫様に伯仲する二人では蹂躙した挙句兄弟対決になる未来しか見えないのだが?

 

「確かにタクティクスはユースクラスでも問題ないでしょうが年齢的な問題からそちらにしか出場資格を出せないので」

 

 悪魔族ゆえに成長が早く見た目は十代半ばに見えるが、二人共実年齢は十を数えてさえいない。

 折角の機会だと二人に出場の意思があるか尋ね、そして二人はジュニアユースクラスでの出場を了承したのだった。

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