迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
俺「マリスマリスマリスライゼオルライゼオルライゼオル…」
俺「もう一々対策考えるのは止めだ!!」
俺「もう全部捨て!やりたい事やる!!」
俺「行くぞ【霊使い】!!」
〜そして〜
俺「負けのほうが多いけど【超古代生物の墓場】と【サモンブレーカー】貼れば【霊使い】でもランク14まで上がれるもんなんだな…」
デッキが応えるというのをマジで体感してます。
『た、ターンエンド?
どういう事でしょう?
圧倒的優位。もはや勝利は揺るぎ無い万全の状態を作りながら白銀選手はバトルフェイズを行わず勝利を先送りにしました…』
執事の理解出来ない行動にアナウンサーが困惑する。
「何のつもりだ?」
「どうした?お前のターンだぞ?」
「何のつもりだと聞いているんだ!!??」
問いに構う素振りさえ見せず進行を促す執事に勝鬨は怒りを剥き出しに吠える。
「貴様はデュエルを何だと思っているんだ!!」
そう怒鳴り叫ばれた言葉に執事は静かに、されど会場すべてにしっかりと聞こえるように応えた。
「ひょっとしてそれはギャグのつもりか?」
「………は?」
「そもそもの話なんだが、顔面を足蹴にした相手に真面目にデュエルをして貰えると本気で思っているのか?」
よく考えずとも当たり前なその問いかけに、その場に居た大体の者が『確かに』と気持ちを一つにした。
「だ、だが、」
「それと、俺がターンエンドしたのはバトルフェイズに入る必要が無いからだ」
そう言うと執事は講義するようにつらつらと盤面を解説していく。
「俺のフィールドにはフィールドのカードを二枚まで選択してターン中の効果を無効にするディエスイレ。
相手の効果にチェーンしてその効果を無効にするインフィニティ。
お互いのスタンバイフェイズに相手デッキトップをエクシーズ素材として徴収するリダン。
そして相手モンスターの攻撃力を600ポイント減少させるラクリモーサの四体と自分フィールドのモンスターの属性の数×300ポイント上昇させる永続魔法【憑依覚醒】が発動している。
ラクリモーサには墓地に落ちた際に相手に1200ポイントのバーンダメージを与える効果があり、【デモンスミス】は効果で光属性悪魔族モンスターをデッキに戻す効果があるから効果を循環させる事で繰り返し使用可能だ。
そしてお前の手札の枚数では俺の敷いた妨害を超えることは出来ないから俺はバトルフェイズを行わずとも二ターン掛ければ残り2300ポイントを削る事が出来る。
だからターンを終えた」
順当に勝てる手段があるからそちらを選んでいると嘯く執事に勝鬨は若干戸惑いながらも執事に言う。
「だったら今すぐ攻撃しても同じだろうが!?」
「なんで暴力を振るってくる相手と同じ土俵に上る必要がある?
俺は
暴力に付き合う義理はない」
「暴力、暴力と…『梁山泊塾』の武は決して暴力等ではない!!」
「素人に手を挙げた時点で正当性なんか無い」
二弁など必要無いと言わんばかりに正論で叩き切る。
「で、デュエリストならいかなる状況にも…」
「デュエルモンスターズは
力の出番など無い」
「アクションデュエルには力も必要だ!」
「それはフィールドを動き回る体力やスタミナなんかの筋力的な話であって腕力で振るう暴力ではない」
正当性を訴えようとする勝鬨を執事は片端からマジレスで切り捨てる。
「なんか、おかしくないか?」
「遊矢もそう思う?」
二人にはインフィニティを召喚してから執事の雰囲気が妙に冷めてしまっているように見えた。
「それはアレですわ。
自分より怒っている人を目の当たりにすると冷静になるっていうそういうのです」
「彼以上に怒っている者?」
「インフィニティですわ。
お父様に喚び出していただいた手前、今はまだ行儀よくなさっておいですがお父様から赦しが出ればその瞬間にもう彼の人は八つ裂きにされるか塵さえ残さず焼き払われているでしょう」
「インフィニティはそんな危険なモンスターなのか!?」
『クルル…』と甘えるように喉を鳴らし翼を畳んで執事に侍るインフィニティからは想像も付かない発言に驚きの声を上げるが迷は否定する。
「インフィニティは父様が使役なされている人の姿を取っていない精霊の中ではニビルに並ぶ程大人しい精霊です。
父様に心から忠誠を誓うアークリベリオンだったら登場の勢い余ってと見せかけ尾で薙ぎ払い彼を半身不随にしていたかもしれません」
「いくらリアルソリッドビジョンだからってそんな…」
「リアルソリッドビジョンは擬似的にカードから精霊を【召喚】しているようなものなので精霊の力が強いカードならより強固な実体を得て人間を殺すぐらい訳ありません。
ですから父様はデュエルで相手を殺したくないので、彼を許す気はありませんが殺す気はないので誤って殺傷に至らないようにという理由も含めてバーンキルを選んだんだと思います。
最も、そういった理由が無くともバーンキルで終わらせていたのは間違いないでしょうが」
ダイレクトアタック=確実な死という現実が足元で手薬煉引いている事に気付きもせず自らの主張を続ける勝鬨が哀れを通り越し滑稽に見えた。
「いい加減にしろ。
弱者に死に方を選ぶ権利はない。
それが嫌なら全力で噛み付いてこい」
「ならばやってやる!俺のターン!ドロー」
もうこれ以上問答に付き合う気は無いと無視を決め込んだ執事に勝鬨はデッキトップを乱暴に引く。
だが、引いたのは【増援】であった。
「ぐっ!? …ターンエンドだ」
妨害が二枚待ち構えている状況で使えるはずもなく勝鬨は悔しげに呻きながらターンエンドを宣言する。
「その前にスタンバイフェイズにリダンの効果が発動する。
デッキトップをリダンのエクシーズ素材に徴収するからスタンバイフェイズまで巻き戻してデッキトップを公開しろ」
「巫山戯るな!!
宣言をしなかったお前が悪いんだろうが」
「宣言も何もフェイズ宣言も無しに勝手に他のフェイズに発動する効果を宣言するほうがルール違反だろうが。
お前の前に居るのは壁じゃねえんだよ。
自分をデュエリストだというなら対戦相手がフェイズ毎に動くか否かの是非ぐらい問え」
「だったらさっきの貴様は」
「最初にちゃんと確認したら拒絶したのはそちらだろう?」
「……」
ぐうの音さえ出す権利がない自業自得の積み重ねに悔しげに顔を歪めながらデッキトップを公開する。
「巻き戻し処理が発生しスタンバイフェイズにそちらのデッキトップの【炸裂装甲】をリダンのエクシーズ素材とする」
これによりリダンが妨害効果を会得しフィールドは更に分厚く強固になった。
「今のって私達にも刺さるお説教だったね」
「そうだな…」
執事のスタンスとプレイスタイルを体験しそうする理由を直に聞いた遊矢は懐かしく思いながら隣で父が身につまされたような顔をしていることに気づく。
「どうしたんだ父さん?」
「いや。彼の言葉の一々が『スタンダード次元』のデュエリストのプレイングマナーへの意識の低さをまざまざと見せつけられているような気になってね…」
執事とのデュエルで思いっきりやらかした過去を思い出し苦い感情を抱いていたのを口にするの憚られた遊勝は、実際にそう思ってはいたことを口にして誤魔化した。
「個別塾毎の性質の差もあってフェイズ管理の指導は塾によりまちまちになってしまっているが、デュエル運営委員会でその辺りを徹底出来ないか議題に挙げてみよう」
そう話している間にターンが回ってきた執事は宣言通り再び【デモンスミス】を循環させていた。
「スタンバイフェイズにリダンの効果でデッキトップの【切り込み隊長】をエクシーズ素材に加えてからメインフェイズへ移行。
ディエスイレとラクリモーサをリンクマーカーにセットしてリンク2の【
墓地に送られたラクリモーサの効果でセクエンツィアをデッキに戻し1200ポイントのダメージ。
ナンナをリンクマーカーにセットしレクイエムをリンク召喚。
レクイエムの効果を発動。紅涙ラクリモーサを特殊召喚しデモンスミスを墓地へ。
ラクリモーサをデッキに戻しデモンスミスを特殊召喚。
ラクリモーサとデモンスミスでセクエンツィアをリンク召喚。
セクエンツィアの効果でラクリモーサを特殊召喚。ラクリモーサの効果を発動し墓地のディエスイレを特殊召喚しセクエンツィアの効果でディエスイレの装備カードに。
その後手札から【憑依装着-ダルク】を通常召喚。
【憑依覚醒】の効果で一枚ドロー。
手札から速攻魔法【異次元からの埋葬】を発動し除外したライナとデーモン・イーターを墓地に戻しカードを二枚伏せてターンエンド」
【
リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/悪魔族/攻1200
【リンクマーカー:上/右上】
効果モンスター2体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先の相手の表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、自分が自分フィールドのこのカードをリンク素材としてリンク5モンスターをL召喚する場合、
対象の相手モンスターもL素材にできる。
【異次元からの埋葬】
速攻魔法
(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から
合計3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す。
相手エンドフェイズに自身のフィールドのモンスターを破壊して特殊召喚出来るデーモン・イーターが戻った事で執事のターンを待つことさえ必要が無くなった。
もう唯一出来る事が怯える事だけというところまで追い込まれた勝鬨を前に執事の目はとても冷たかった。
因みにデモンスミスは付き合って日が浅いので勝鬨に対してそんなに怒ってない。
なので現状ラクリモーサのバーンキルが一番リアルダメージが少なく怪我させないで終わらせられるという。
おまけ〜人外系精霊の性格と執事への感情他
ペンテ・スタッグ:なつき度普通。意外と獰猛。昆虫系モンスターには積極的に相撲を仕掛けにケンカ売る。
増G:なつき度やや高い。雑食。食っていいと判断したら生死を無視して群がる。
アークリベリオン:なつき度MAX。言わずもがな。負けん気が強いので喧嘩となったら限界バトル叩き付けてボロクソにする。
スターヴヴェノム:なつき度高い。意外と冷静。実は正史世界を知ってるので執事に感謝し忠誠を誓ってる。
ニビル:なつき度MAX。執事大好き。宿した命を渡したい。
インフィニティ:なつき度MAX。背中に乗せるてお出かけするのが大好き。
サイコエンド:なつき度やや低い。反目してないが自主的に力を貸そうとは思ってない。
ファイアーウォール:なつき度普通。温厚で裏切りはしないけど執事より優作の方が好き。
キトカロス:なつき度最低。レイノハートよりはマシだけどドラパ二のコストとしてしか出番がないのは不満。