迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
「トドメだ!!やれ!!【
【
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3000
レベル9モンスター×3
(1):このカードが「サイファー」カードをX素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を3つまで取り除いて発動できる。
取り除いた数だけ相手フィールドの表側表示モンスターを選び、
そのコントロールをエンドフェイズまで得る。
この効果でコントロールを得たモンスターの効果は無効化され、
攻撃力は4500になり、カード名を「超銀河眼の光波龍」として扱う。
この効果の発動後、ターン終了時までこのカード以外の自分のモンスターは直接攻撃できない。
「ギャァァァ!!??」300→−4200
カイトと対峙した三人の『アカデミア』の最後の一人が三色の輝く鎧を纏う光の竜の放つ閃光に呑まれ姿を消した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
勝利こそ収めたカイトだが、『アカデミア』のバーン戦術に大きくライフポイントを削られ激しい痛みが身を苛んでいた。
しかしカイトはその痛みを怒りを燃やすことで捻じ伏せ復讐の燃料として立ち上がる。
「奴は……」
そして自分のデュエルに集中していたため目をくれる隙もなかった謎の男のデュエルはどうなったのかと少し離れた場所でデュエルをしている筈の方向に顔を向け、そして絶句した。
「さて、私のターンですがどうしましょう?」
謎の男、『白銀ユウタ』と紹介された男は自身が召喚したらしい大樹に足を組んで悠然と腰を掛けながら潤沢な手札を吟味していた。
「なんだこのモンスターは!?」
瑞々しい果実を幾つもの生やす大樹には女性の顔らしき物が見受けられ、アレがこの世ならざる存在である事は容易に察せられた。
「終わったようですねカイト君。
しかし随分怪我が酷い。
ドリュアノーム。デュエル中に申し訳ありませんが果実を一つ彼に差し与えて頂けますか?」
執事が腰を降ろす樹にそう話しかけると、カイトの頭上の果実が独りでに外れ光を纏いながらゆっくりとカイトの前に降ってきた。
「その実には回復効果がありますのでどうぞ食べて傷を癒して下さい」
「あ、ああ…」
あまりに自然にそう言われカイトは現実味を感じられず言われるまま降ってきた果実を受け取り口に含む。
いや、いくらリアルソリッドビジョンだからってフレーバー効果が実際に起きるはずがない。
そう言おうとしたのだが、言われるまま食んだ果実から口の中に今まで食べた事のない優しい甘みが染みるように味覚から全身に広がり身体の不調が一気に軽くなる。
「身体の痛みが消えた!?」
怪我だけでなく疲労や睡眠不足から来る体の重さまでが嘘のように無くなり驚愕するカイトに執事は満足そうに頷くと「あ、言い忘れていました。全てのフェイズを放棄してエンドフェイズにムニンの効果で1000ポイント回復してからターンエンドです」と嘯いた。
その言葉に彼のデュエルはまだ続いていると知ったカイトはデュエルディスクを起動して『アカデミア』の兵士に狙いを定めたのだが…
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!!
もうデュエルなんかやりたくない!!??」
「お願いします!!サレンダーを認めてください!!
もう俺たちは反省しました!!
罪を贖います!!何でもするからもう止めさせて下さい!!」
「やめてやめてやめておねがいだからぼくのもんすたーをじょがいしないで!」
そこには蔦のような植物に下半身を拘束された姿で泣き喚きながらデュエルの終了を願う彼らが居た。
「奴等は一体…?」
「少しばかり
やれやれと頭振る執事の姿にカイトは盤面を改めて確認する。
執事
ライフポイント28400
手札6
フィールド魔法
【
エクストラゾーン
【
モンスターゾーン
【
【
【セリオンズ“キング”レギュラス】
【原石竜アナザー・ベリル】
魔法・罠ゾーン
【セリオンズ“リリー”ボレア】(レギュラスに装備)
【シンクロ・ゾーン】
伏せカード:二枚
現代遊戯王なら突破は不可能ではないかなり強めの、こちらの世界からしたら圧倒的という言葉では生ぬるい盤面がそこにあった。
対し、
『アカデミア①』
ライフポイント4000
手札3
フィールド:無し
『アカデミア②』
ライフポイント4000
手札5
フィールド:無し
『アカデミア③』
ライフポイント4000
手札1
フィールド:無し
ライフポイントこそ変動していないが勝負が決まったと言って差支えない戦況がそこにあった。
だからこそカイトには理解出来なかった。
「先に伝えておきますが彼等を拘束している理由はデュエルの途中で逃げ出そうとしたからです」
「何故とどめを刺さない?」
「私の此度使用しているデッキのメインテーマ【
「随分癖が強いテーマだな?
それでどうやって勝つつもりだ?」
「ご安心を。【
「デッキキル…」
見れば奴らのデッキは殆ど残っていない。
溜まったものではない。
自分からバトルフェイズを放棄しているのは強力な効果に対するデメリットではあるが、やられる側からしたら有情よりも正面から相手にするつもりはないとも受け取れるだろう。
加えて、
【
融合・効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻 0/守2000
「神碑」モンスター×2
(1):このカードがEXデッキからの特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「神碑」永続魔法カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドの、「神碑」カードまたはセットされたカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、
フィールドのこのカードを除外して発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動する。
自分は1000LP回復する。
【
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/植物族/攻 0
【リンクマーカー:左/右】
植物族モンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは攻撃対象にされない
(この効果が適用されたモンスターしか自分フィールドに存在しない状態での相手の攻撃は自分への直接攻撃になる)。
(2):自分フィールドのモンスター1体をリリースし、
「聖天樹の月桂精」以外の自分の墓地の植物族リンクモンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターをEXデッキに戻す。
【
リンク・効果モンスター
リンク3/地属性/植物族/攻 0
【リンクマーカー:左下/下/右下】
植物族モンスター2体以上
(1):このカードは攻撃対象にされない
(この効果が適用されたモンスターしか自分フィールドに存在しない状態での相手の攻撃は自分への直接攻撃になる)。
(2):1ターンに3度まで、自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合に発動できる。
その数値分だけ自分のLPを回復し、EXデッキから「サンヴァイン」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、このリンク先のモンスターが攻撃対象になった時に発動できる。
攻撃を無効にし、その自分のモンスターの位置を、他の自分のメインモンスターゾーンに移動する。
【セリオンズ“キング”レギュラス】
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻2800/守1600
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の、「セリオンズ」モンスターか機械族モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを装備魔法カード扱いでこのカードに装備する。
(2):相手が効果を発動した時、自分の手札・フィールド(表側表示)から
「セリオンズ」モンスターカード1枚を墓地へ送って発動できる。
その効果を無効にする。
(3):このカードを装備した「セリオンズ」モンスターは、攻撃力が700アップし、このカード名の(2)の効果を得る。
【原石竜アナザー・ベリル】
効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1600/守 0
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚した場合に発動できる。
デッキから「原石」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(2):このカードをリリースして発動できる。
デッキから通常モンスター1体を墓地へ送る。
(3):自分スタンバイフェイズに、自分フィールドか墓地に通常モンスターが存在する場合に発動できる。
墓地のこのカードを手札に加える。
【シンクロ・ゾーン】
永続罠
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いにSモンスターでしか攻撃宣言できない。
(2):チューナー以外のSモンスターが戦闘以外で自分の墓地へ送られた場合、その内の1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはチューナーとして扱う。
(3):相手メインフェイズに、魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
Sモンスター1体のS召喚を行う。
自分でもここから攻略するなら手札が7枚あって可能性が見えるかどうか。
そんなカイトですら怖気を感じずにはいられない盤面を前にして何も出来ずデッキが消えていくのを眺めさせられていたら心が折れても仕方ないと思う。
だが同時に、疑問が過ぎる。
「貴様、今何ターンめだ?」
「ええと…
「よんっ…!?」
1人1ターンにしても10回はターンが回っている。
執事の膨大なライフポイントを見れば納得のいくターン数だが、しかしデッキキルを勝利指針とするデッキが掛けるターン数ではありえない数字にカイトは驚愕する。
喚くばかりで進行を行わず自動でターンが進み再び自分の手番が回ってきた執事は「そうですね」と愉しそうに嘯いた。
「そろそろデッキも少なくなってきましたから種明かしをしましょう。
ドローフェイズ。ドロー。
スタンバイフェイズ。メインフェイズ」
そう言って執事は手札から1枚のカードをフィールドに呼び出した。
「手札から【ネクロフェイス】を通常召喚します」
【ネクロフェイス】
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1200/守1800
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
除外されているお互いのカードを全て持ち主のデッキに戻す。
このカードの攻撃力は、この効果でデッキに戻った数×100アップする。
(2):このカードが除外された場合に発動する。
お互いのプレイヤーは、それぞれ自身のデッキの上からカードを5枚除外する。
フィールドに現れた気持ち悪いモンスターの姿に『アカデミア』の兵士達は恐怖で泣き叫ぶ。
「止めてくれ!!」
「もう嫌だ!!
殺してくれ!!」
「おねがいしますもうゆるして!!」
「召喚成功時の強制効果発動。
除外されている全てのカードをデッキに戻します」
喚く彼等を愉快そうに嘲笑いながら強制的に戻されるカードを眺め、執事は愉しそうに嘯いた。
「ほら皆さん
私を攻略出来るまで
悍ましいでは済まされないセリフをどこまでも愉しそうに嘯く執事に、カイトは家族を失った瞬間にも負けない程の心の底からの絶望を胸に過ぎらせた。
デッキコンセプト。
【無限地獄】
自分が負けるまで無限に戦わせる地獄のデュエル。
姫様が泣くわけだ。