迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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余談ですが迷宮城の森は元々平原だったところを姫様が「世界一美味しいフルーツが食べたい」と我儘を言った結果、アリアスが頑張ってサンアバロンから接ぎ木が出来る枝を貰い受け未登場の庭師中姉さまと二人で根付かせた結果大森林と化しました。

その後、果実を狙う不届き者を餌としようと【蟲惑魔】を始めとしたヤベー昆虫族や植物族が流入し、現在は入ったら最後の死の森と化してます。

勿論姫様に手を出したら滅ぼすぞとアリアスに釘を差されているため【ラビュリンス】はフリーパスです。

なお、最近になりアーゼウスなんかの最強格の喧嘩の余波で定期的に焼き払われたりしているために森の拡大が止まっている模様。

今回は切るべきポイントの問題で短めです。


神は死んでも悪魔は嗤う(4)

「さあまだまだ行きますよ!

 ネクロフェイスとアナザー・ベリルでオーバーレイ・ネットワークを構築!

 エクシーズ召喚!ランク4!【神羊樹バロメット】!」

 

【神羊樹バロメット】

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/植物族/攻1900/守2000

レベル4モンスター×2体以上

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の通常罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードをデッキの一番下に戻す。

その後、自分は1枚ドローする。

(2):通常罠カードが発動した場合に発動できる。

自分フィールドのX素材を1つ取り除き、手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

 

 黄金の銀河に誘われ頭にコウモリの翼を持ち身体から瑞々しい植物が伸びる羊がフィールドに降りたった。

 

「エクシーズ召喚!?」

 

 カイトが驚くがこれはまだ始まりに過ぎないですよ?

 

「セットカード発動!罠カード【貪欲な瓶】!」

 

【貪欲な瓶】

通常罠

「貪欲な瓶」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):「貪欲な瓶」以外の自分の墓地のカード5枚を対象として発動できる。

そのカード5枚をデッキに加えてシャッフルする。

その後、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「墓地から【ネクロフェイス】二枚と【灰流うらら】【大欲の壺】【聖蔓の播種(サンヴァイン・ソウイング)】の五枚をデッキに戻し一枚ドロー!

 そして罠カードが発動したためバロメットの効果を発動!

 エクシーズ素材を一枚取り除き手札からレベル4モンスター【剣神官ムドラ】を特殊召喚!

 そしてバロメットのもう一つの効果を発動!

 エクシーズ素材を一枚取り除き発動した【貪欲な瓶】をデッキの一番下に戻してから一枚ドロー!

 そしてサーキット展開!

 バロメットとドリュアノームをリンクマーカーにセット!

 アローヘッド確認!召喚条件は植物族モンスター二体以上!

 ドリュアノームのリンクマーカー二つを追加装填しドリュアノームを三体分のモンスターとして扱いリンク召喚を実行!

 来なさい!我が身を喰らい咲き誇る終わりなき命の巡りの象徴!

 リンク召喚!リンク4!【廻生のベンガランゼス】!」

 

【廻生のベンガランゼス】

リンク・効果モンスター

リンク4/光属性/植物族/攻2500

【リンクマーカー:上/左/右/下】

植物族モンスター2体以上

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):お互いのメインフェイズに、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

自分はそのモンスターの攻撃力分のダメージを受け、そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

リンクマーカーの合計が4になるように自分の墓地からリンクモンスターを2体以上除外して発動できる。

このカードを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 腰掛けていた大樹が伸びてきた大量の蔓状の植物に包まれ消滅し、大樹が光の粒子となってバロメットと共に未来回路へと吸い込まれると残された蔦更に成長して人型を結び樹木の巨人へと変貌した。

 

「これが…貴様の…」

「そしてダフネの効果を発動!

 フィールドのムドラをリリースして墓地からドリュアスとドリュアノームをデッキに戻す。

 その後手札から【ワン・フォー・ワン】を発動!

 手札の【増殖するG】を墓地に送りデッキからレベル1モンスター【聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)】を特殊召喚!

 再びサーキット展開!

 ソウイングとダフネの二体をリンクマーカーにセット!

 ダフネのリンクマーカー一個を追加装填し二体分のモンスターとして扱いリンク召喚を行う!

 再び【聖天樹の大精霊(サンアバロン・ドリュアノーム)】をリンク召喚!!」

 

 一度は姿を消した大樹が地面を砕きながら再び青々と葉を茂らせ甘い香りの香しい果実を実らせる。

 これで敷ける布陣としてはほぼ完了。

 前のターンに【神碑(ルーン)】魔法を使ってないからバトルフェイズは行えるが、もう少しこの盤面を維持しつつ()が飽きるまでじっくり嬲り続けるとしよう。

 

「さて、私はエンドフェイズに「茶番はそこまでにしておけ」…おや?」

 

 次は誰からデッキを枯らそうかと思案しつつエンドフェイズへの移行を宣言しようとした()にカイトが私にそう告げた。

 

「ソイツらはもうデュエルどころかカードを見ることさえできないぐらいの恐怖を貴様に焼き付けられた。

 これ以上無駄に時間を浪費する意味は無い」

 

 確かに。

 蔦に押さえつけられていなければ立っていることさえ困難な状態で、もう言われたままにカードを引くだけの人形のような有様だ。

 いつまでも遊ぶような余裕が『エクシーズ次元』に無いのも事実だし、カイトの言う事に間違いは無い。

 

 ただ一つを除いて。

 

「お優しいですねカイト君。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「なんだと?」

「いいですかカイト君。

 デュエルとは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そもそもの話、この次元の奴等は()()()前提を履き違えている。

 

「君は私達と彼等ではデュエルに掛ける()()が釣り合っていないとは思わないのですか?

 此方は負けたらカードにされ生殺与奪の権利を奪われるのに対し、彼等は負けても何も失わず強制帰還の温情を受ける。

 この時点で既に対等ではない。

 加えてレギュレーションも狂っている。

 バトルロイヤルルールで2ターン目から攻撃可能?

 手番が最後になったら展開次第では自分のドローフェイズが来る前に負ける可能性があるルールで、どうしてゲームが成り立つと思うのかこれが分からない。

 そんな不利を同意もなく強要し、あまつさえチーミングを行い袋叩きにしようと企む連中と対等な条件のゲーム(デュエル)をしているなんてどうして思えるのですか?」

 

 『精霊界』でデュエルが尊重されているのは何もこの世界観がカードゲームを根幹としているからだけではない。

 数多の種族が混在し、様々な価値観が決して譲れない種族的な本質さえ超越し()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()デュエルは何より重い存在として大事にされているのだ。

 

 だがこの世界は、赤馬零王はその『対等な条件』を破壊した。

 デュエルを戦争の道具に用いた?ディアハで殺し合いをした()がケチを付ける権利はない。

 人をカードにした?ユベルや『ZONE』なんてもっとヤバいことを企み実行しようとしたよ。

 世界を滅ぼそうとした?リースや大神祠官や『破滅の光』やダークネスなんて前例が山程あるから今更だ。

 

 ()が赤馬零王を何より許せないのは、ソイツらでさえデュエルのルールを守るという最低限を超えなかった『絶対に超えちゃいけない一線』を超えた事だ。

 

 だから()も容赦しない。

 封印櫃に眠らせた【天盃】【ライゼオル】【ティアラメンツ】を始めとしたこの世界で奮うべきではない理不尽の領域に踏み込んだカードパワーの存在を解き放ち、奴に絶望すら出来ない地獄絵図を突き付けてやる。

 

「『ルールを守らない奴はルールに守ってもらえない』。

 手前勝手なルールを押し付けるなら相応の対価を支払わねば釣り合いが取れないんですよ」

 

 闇遊戯ことアテムも俺ルールのオリジナルゲームが凄かったが、彼は自分が敷いたルールによって不利が生じればキチンと我が身で受け止めていたしその後の罰ゲームだって自身の手で相手に勝つか相手がルール違反を犯さなければ施行したりはしなかった。

 

「故に聞きましょうカイト君。

 君は何故『アカデミア』に復讐しないのですか?」

「何を言っている?

 俺は俺から父と弟を奪った奴等を…」

「君なら奴等からデュエルディスクを強奪し『融合次元』に単身乗り込み破壊活動を行うことだって出来るはずなのに、どうして『エクシーズ次元』に留まり続けるのですか?」

 

 ()の知る『エクシーズ次元』の天城カイトはハートランドシティをこれだけの大都市に育て上げた父を持ち、本人も人間に近しい程の自我レベルの高いAIを搭載したロボットを独力で作り上げる才人であった。

 そしてギルスが「お前も真のお兄ちゃんだ」と認めるほど家族愛の強さを持つ人物でもある。

 そんなカイトが()の予想どおりに家族全員を喪ったというなら、自分の命に頓着さえ失った無敵の人になり疾うの昔に『融合次元』に特攻して一人でも多くを道連れにしているはずだ。

 

 だけど彼は未だ『エクシーズ次元』に留まり続けている。

 

 その理由をなんとなしに察して、それでなお()はカイトに囁いた。

 

「奴等を滅ぼすのに今の自分では力不足だから?

 なら私が手を貸しましょう」

「何を…」

「例えば…この様なカードは如何です?」

 

 そう言って以前かなりのお値段を払って買い取った【No.(ナンバーズ)62 銀河眼(ギャラクシーアイズ・)光子竜皇(プライム・フォトン・ドラゴン)】と【CNo.(カオスナンバーズ)62 超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)光子龍皇(プライム・フォトン・ドラゴン)】を提示する。

 

「これは…!!??

 俺の知らない【銀河眼】だと!!??」

「他にも【銀河眼】カテゴリーのカードを何枚か所持していますし、それ以外にも召喚権に一切触れずにレベル8モンスターを最大四体まで特殊召喚出来る【ホルス】というカテゴリーやドラゴン族と相性の良い汎用カード等も提供出来ますよ?

 勿論終わったら返せだなんてケチな事は申しません。

 『融合次元』を燃やし尽くし灰とした後は貴方の物としてお使い下さい」

「…何が目的だ?」

 

 カイトの目に疑惑と困惑、そして期待と恐怖がぐるぐると渦巻きながら()を見つめている。

 

「なあに、利害の一致ですよ。

 君は正当な復讐を成し遂げられる。

 私は赤馬零王の目的を破壊出来る。

 そしてカード達は存分に奮ってくれる使い手の手に渡る。

 三方が誰一人損をしない、正にWin-Winという奴ですよ」

「……」

 

 ちゃんと理由を説明したのだが、しかしカイトは納得しかねると目で告げているため()は更に嘯く。

 

「そんな理由で手放せるのかとお思いですか?

 ええ。勿論手放しますとも。

 確かに手放すには惜しい素晴らしいカードですが、私が本来使うデッキですと活躍の機会はなくはなくとも態々と前置かねば活躍の機会はほぼ無いので、だったら彼等を存分に奮う者の手に委ねる方がカードも幸せというものです。

 『大切にされたカードには魂が宿る』。

 私の言葉ではありませんが、私はそれを私自身の指標の一つとして胸に刻み、持つべき者が前に現れたら喜んで差し上げています」

 

 そう区切り、()は「さあ、受け取ってください」と、カイトに二枚の銀河眼のカードを差し出した。




ZEXALのカイトを見た後だとアークファイブのカイトって何で無敵化からの玉砕特攻に踏み切らなかったのかって疑問が出たので自己解釈しとります。

執事が悪魔の誘惑を仕掛けたのもその辺りの自己解釈が掛かってます。

次回はカイトの決断。

因みにデュエルは『アカデミア』が三人共心神喪失状態なので誰も文句言えません。
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