迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
……どないしよ。
いや、出来ることは一つしかないからやるしかないんだが、こんな事あるんだ…。
「スタンバイフェイズ。メインフェイズ。
私は手札から魔法カード【フュージョン・ディステニー】を発動します」
【フュージョン・デステニー】
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・デッキのモンスターを融合素材とし、
「D-HERO」モンスターを融合素材とする融合モンスター1体を融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は闇属性の「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
ネオスじゃなくて【ミラクル・フュージョン】だったら融合魔法のロイヤルストレートフラッシュだったなと現実逃避しつつ現状唯一使えるカードを発動する。
「そのカード!!??
貴様融合使いか!!??」
「融合『も』使うだけですよ。
発動にチェーンが無ければ効果処理に入りますがチェーンありますか?」
「くっ!? ボクに使うエフェクトは無い!」
良かった。
伏せたカードが召喚妨害系だったら【超融合】伏せてエンドするしか無かった。
「ではデッキから【
来たれ。来たれ。来たれ。
燃え盛る闘志を炎と燃やす不滅のヒーロー!
融合召喚!レベル8!【
【
融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
(2):自分・相手ターンに発動できる。
自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
フィールドに炎の火柱が燃え上がり、それが人の姿へと形を変え猛禽の翼と竜の尾を持つ燃え盛る炎の意匠の鎧を纏う戦士が降り立った。
「なんだ…これは…ボクの知らない【D-HERO】だと…?」
あまりの衝撃にエド・フェニックスは困惑に思わず足を引いた。
…らしくない。
俺が知るエドなら困惑こそすれすぐに切り替えて目の前のデュエルを終えるまで冷静さを保っていただろう。
いや、プロデュエリストとしての経験値が無いからこその未熟さと見れば彼もまた一人の人間なのだと納得も出来る。
それをデッキのカード達が赦すかは別だが。
「召喚後、デストロイフェニックスガイの効果を適用。
そちらのフィールドのモンスターの攻撃力は私の墓地の【HERO】の数掛ける200ポイントの数値分の攻撃力を下げる。
現在の墓地の枚数は二枚。
よって400ポイントダウン」
デスフェニから放たれた熱波を浴びてディストピアガイが苦しそうに呻く。
「っ!? その瞬間ディストピアガイのエフェクト発動!!
このカードの攻撃力が変動した時、相手フィールドのカードを対象にしてそのカードを破壊する!
デストロイフェニックスガイを選択して破壊だ!!」
敷いた秩序を変えるものは許さないと言わんばかりにデスフェニへ制裁を降すディストピアガイ。
「その効果にチェーンしてデストロイフェニックスガイの効果を発動!
自分のフィールドのカード一枚と自分か相手のフィールドのカードを選択してそれぞれを破壊する!」
次ターンを考えればディストピアガイの方が確実だが、ディストピアガイを残せば次ターンに自身の蘇生効果でデスフェニを復活させれば再び今のやり取りを繰り返すのでディストピアガイはその際に処理しつつ次ターン以降のエドのリソースを奪う方が安定すると判断しこのまま通るならバックを破壊する。
「選択のタイミングは効果処理時!?
仕方ない…その効果にチェーンしてセットカード発動!速攻魔法【融合解除】!
ディストピアガイを選択してデッキに戻し融合素材とした墓地のモンスターを特殊召喚する!」
こちらの破壊対象を縛りに来たか。
ディストピアガイは素材に墓地からの特殊召喚時に二枚ドローさせるディスクガイを使っている。
デュエル中に一回とはいえ【強欲な壺】を使わせるのはかなり致命的になるからこちらも止めざる得ない。
…そう、普通は考える。
だが、俺の手札の【超融合】でデスフェニとディストピアガイを素材に十代のヤベーネオス融合体対策に入れておいた闇属性の【
「その発動に私は『待て』」
手札に手を掛けた俺に炎へと身を変えつつあるデストロイフェニックスガイから強烈な感情が放たれた。
「何を…?」
デストロイフェニックスガイは何も言わずただじっと隠された目で俺に訴え掛ける。
その目が求める要求は、命が掛かったデュエル中に受け入れるにはあまりにも無謀が過ぎる利敵行為だった。
だけど、
「……ふぅ。分かったよ。
ただし、この対価は安くないからな?」
その意思を理解し俺は息を吐く。
これからの行動はどう考えても自滅を誘う愚行。
命懸けのデュエルでしかも手札事故を起こしている今はカードの意思に応えている余裕はないと冷徹な思考は訴えるが、『精霊使い』としての俺は冷徹な思考を棄却しデスフェニの意思を尊重した。
「何をしている?
使うカードがあるなら早く宣言をしろ」
「失礼。その効果にはチェーンはありませんので逆順処理を実行してください」
「ならばディストピアガイの融合素材となったディスクガイとドリームガイをセメタリーから守備表示で特殊召喚する。
カモン!【
【
効果モンスター
星1/闇属性/戦士族/攻 300/守 300
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
このカードは墓地へ送られたターンには墓地からの特殊召喚はできない。
(1):このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
【
効果モンスター
星1/闇属性/戦士族/攻 0/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、
自分の「D-HERO」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚し、その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
閃光の中で二人に分かたれるエド・フェニックスのヒーロー達。
「その後デストロイフェニックスガイは破壊される!
さあ、ディスクガイと共に消えろ!誤った運命を選んだDの戦士!!」
その言葉に燃え尽きる寸前のデストロイフェニックスガイから微かに悲しみの感情が漏れたのを感じ、俺は宣言する。
「ヒーローは決して
例え灰となろうと、ヒーローは戦い続ける!!」
「なんだと?」
「俺が選択するのは自分のフィールドのデストロイフェニックスガイとドリームガイだ!!」
「バカな!!??」
墓地効果を持つドリームガイの効果を知っていたら間違いなくドリームガイは選択肢から外れる。
普通に考えるなら二枚のドロー効果を持つディスクガイ一択。
仮にリスクを買いドロー効果を持つディスクガイをスルーするなら【サモンブレーカー】を破壊するのが当たり前だ。
プレイングミスと言うことさえ憚られる愚行に困惑するエド・フェニックスに俺は宣言する。
「この瞬間破壊されたデストロイフェニックスガイの効果が発動した!!
戦闘または効果で破壊された次のスタンバイフェイズ時に墓地から【D-HERO】を選択して特殊召喚出来る!!
そしてその対象は自身も選択可能!!」
燃え残った灰が再び燃え上がり炎の繭となってフィールドに残る。
「くっ!? 【融合解除】で選ぶべきはソイツだったか…。
ボクはディスクガイのエフェクトにより二枚ドローする」
効果確認を怠った自身のミスに歯噛みするエド・フェニックスだが、墓地に送ったモンスターを警戒して優先した判断だと考えれば完全なミスとは言い切れまい。
「バトルフェイズに入りそのままメインフェイズ2に移行。
墓地のディアボリックガイを除外してデッキから二枚目のディアボリックガイを特殊召喚する」
【
効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻 800/守 800
(1):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「D-HERO ディアボリックガイ」1体を特殊召喚する。
「チェーンはあるか?」
「口調が変わった…?
ボクの使うエフェクトは無い」
「ならばディアボリックガイがフィールドに居るため墓地のディナイアルガイの効果を発動し自身を特殊召喚する」
【
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1100/守 600
このカード名の、(1)の効果は1ターンに1度しか使用できず、
(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
自分のデッキ・墓地・除外状態の「D-HERO」モンスター1体を選び、デッキの一番上に置く。
(2):このカードが墓地に存在し、自分のフィールドか墓地に
「D-HERO ディナイアルガイ」以外の「D-HERO」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
「ディナイアルガイの召喚時効果を発動し、除外したディアボリックガイをデッキトップに戻してから手札から魔法カード【ダーク・フュージョン】を発動!
手札の【
【ダーク・フュージョン】
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、
悪魔族の融合モンスター1体を融合召喚する。
このターン、相手はこの効果で特殊召喚したモンスターを効果の対象にできない。
「【ダーク・フュージョン】!?」
「来たれ!闇の誘惑に惑いし覇王、その悲しき過ちがいつか晴れると信じ正しき闇の正義を貫く覇道を行しHERO!!
融合召喚!!レベル10!!【
【
融合・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻2500/守2000
「E・HERO ネオス」(またはそのカード名が記された融合モンスター)+フィールドの効果モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合、
またはこのカードがモンスターゾーンに存在する状態でモンスターが相手の墓地へ送られた場合、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのコントロールを得る。
(2):フィールドのこのカードは戦闘・効果では破壊されない。
闇の力に導かれ、涙を流すような黒い仮面を顔に付けた禍々しい黒い鎧を纏うネオスがフィールドに降り立った。
「【EーHERO】!? それに【E・HERO】…貴様何者だ!?」
異なる三つのヒーローを使う俺にキャパシティが超えたのかエド・フェニックスが詰問を投げ掛ける。
「俺の名は『白銀ユウタ』。またの名を『迷宮の案内人』!!
ただのデュエル好きなエンジョイ勢だ!
ネオス・ロードの召喚時効果を発動!
相手フィールドのモンスターのコントロールを得る!!
因みにこのターン限定だがネオス・ロードは対象耐性持ちだ。チェーン確認!!」
「使うエフェクトは…無い!」
「ならばディスクガイのコントロールは頂く!
『ドミネーション・フォース』!!」
ネオス・ロードの翳した手から闇の波動が放たれ波動を受けたディスクガイがこちらのフィールドに飛び込んできた。
「おのれよくも!!??」
「そして墓地のディアボリックガイの効果を再び発動して特殊召喚する!
ああもう一々面倒だ!チェーンが入るならいつでも巻き戻すから好き割り込め!
それからお前達が望んだんだ。過労死を覚悟しろDの戦士!!
そして開け未来回路!サーキット展開!!」
「未来、回路!!??」
自分の使うテーマから未知の召喚方法が飛び出す衝撃はエド・フェニックスに凄まじい衝撃を齎したらしい。
「ディスクガイとディアボリックガイをリンクマーカーにセット!!
アローヘッド確認!召喚条件は戦士族モンスター二体!!
来い!垣根を越え熱き魂を継ぐ新たなHERO!
リンク召喚!リンク2!【
【
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/戦士族/攻1600
【リンクマーカー:左下/右下】
戦士族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
このカードの効果を発動するターン、自分は「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
(1):このカードがL召喚した場合、
自分の墓地の「D-HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):自分フィールドの「D-HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターとはカード名が異なる「HERO」モンスター1体をデッキから手札に加える。
未来回路より現れたるはD-HEROの意匠を感じさせる鎧に十字の武器を両腕に装備した戦士。
「リンク召喚…X・HERO…」
「クロスガイの召喚時効果発動!
墓地からD-HERO一体を選択して特殊召喚する!
甦れディアボリックガイ!」
クロスガイの呼び掛けにディアボリックガイが現れるが、見るからに疲労が隠せていない。
疲れたか?だがお前にはまだまだ働いてもらうぞ?
「次いでクロスガイの効果を発動!
ディアボリックガイをリリースして【
その後、ディアボリックガイを再び除外して特殊召喚する!」
現代遊戯王版【HERO】デッキ特有の超絶回転力を駆使しデッキを枯らす勢いで展開を繰り返していた俺は、そこで忘我に見舞われているエド・フェニックスに向けて尋ねた。
「なあ、今、楽しいか?」
ドリームガイを破壊したのはデスフェニのエドに悪い夢から目を覚ませというメッセージで、執事はその意図を汲んでプレイングミスしました。
次回はカウンセリングフェイズになるといいな←