迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
【席取-六双丸】
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/炎属性/機械族/攻 600/守3000
レベル6モンスター×2
(1):相手バトルフェイズ開始時に発動する。
サイコロを1回振る。
お互いのメインモンスターゾーンをこのカードから見て時計回りに1つ先から1~6とし、
メインモンスターゾーンのこのカードを出た目のゾーンに移動する。
移動先にモンスターが存在する場合、それをこの下に重ねてX素材とする(X素材を持つモンスターの場合にはそれらも全て重ねる)。
このX素材が6つを超えた時、自分はデュエルに勝利する。
移動できない場合、または移動先のモンスターをX素材にできない場合、このカードを墓地へ送る。
フィールドに現れたこれまでの戦闘の流れにはそぐわない可愛らしい玩具の登場にズァークは僅かしら鼻白む。
「なんだそいつは?」
「六双丸は珍しい効果を持ったモンスターでしてね。
その効果を理解するためには少しばかり説明が必要なのですが六双丸の召喚にチェーンを組む予定はありますか?」
「そのエクシーズモンスター召喚時に我のエクストラデッキの【覇王眷竜ダークリベリオン】の召喚条件が満たされているが…いいだろう。
その効果を語り終えるまで待ってやろう」
「畏まりました。
では少しばかり時間をいただきます」
ズァークとしては無視してダークリベリオンを出しても、先程エクストラデッキに戻したビヨンド・ザ・ペンデュラムが出てくれば耐性をすり抜け効果破壊が出来てしまうのでただの出し損に終わるので何が最適か判断する時間になると考えてチェーン処理より効果の把握を優先したようだ。
「【席取-六双丸】の効果は二つ。
一つは相手バトルフェイズに発動します。
その際に私と貴方のメインモンスターゾーンを六双丸の左から数えて一、二と時計回りに数字を割り振ります。
そしてサイコロを一個振り、出た目に対応した数字のフィールドに移動します」
「貴様は六双丸を左端に召喚した。
つまり我のフィールドの右端が一となり貴様の右端が六になるのだな?」
「そうです。
そうして移動した際にモンスターゾーンに既にモンスターが存在する場合、そのモンスターを六双丸のエクシーズ素材として加えます」
「ほう? エクシーズ素材に…待て、エクシーズ素材だと!?」
六双丸採用の理由に気付いたズァークが途端に顔を引き攣らせ確認を求めるズァークにニッコリ笑う。
「
「ぐっ!? た、確かにフィールドから離れる効果ではないから我にも、だ、だが我の効果でエクシーズモンスターの効果を受けない我が下僕のモンスターゾーンに止まった場合はどうなるのだ!?」
「その際は六双丸は効果の発動に失敗し六双丸は墓地へと送られます。
六双丸の移動先がトークン等のエクシーズ素材に加えられないモンスター等の時も同様に六双丸が墓地へと送られます」
「な、成程。
つまり、我がこのまま其奴を残しバトルフェイズに入れば我はその不愉快な座布団の下敷きにされて消される可能性があるのか…」
戦闘効果破壊や除外バウンス等の代表的な排除手段の一切が効かないからエクシーズ素材として埋めてしまう。
自身のデッキの【覇王龍ズァーク】の効果の隙間を突く排除手段として組み込んだ六双丸が可愛らしさとは裏腹な凶悪さが見えたらしくズァークの顔に引き攣りが浮かぶ。
「それと加えて、相手フィールドに残った六双丸の効果は私のバトルフェイズ開始時に発動し同様の処理が行われ、その際に移動先に私のモンスターがいた場合はそのモンスターもエクシーズ素材として取り込まれます」
「それはつまりお互いにモンスターを食われるリスクを背負うと。
中々にギャンブル性が高くないか?」
「面白いでしょう?」
「否定はしないでおこう。
それで、もう一つの効果とは?」
「この効果でエクシーズ素材が七枚を超えた時、効果発動時に六双丸がフィールドに存在していたプレイヤーが勝利します」
「プレイヤーが勝利する?
………効果による【特殊勝利】か!!??」
エグゾディアに代表される『ルール勝利』を内臓しているとの発言にさしものズァークも声を大にする。
「左様!六双丸は両者に等しく特殊勝利の権利を与える唯一無二のモンスター!
こんなドキドキワクワクは他のモンスターには決して真似できるものではありません!」
「自分のモンスターもエクシーズ素材にされる上に相手にも特殊勝利の権利を与える時点で自爆装置だろうが!!??」
「何を仰るか!
真の公平と仰せ下さいな!」
「…いや待て。
ダイスを振るという事は、この効果に【出たら目】を組み合わせられるのか?」
【出たら目】
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分または相手がサイコロを振った場合、
その内1つの目を以下の目として適用できる。
●1・3・5が出た場合:6として扱う。
●2・4・6が出た場合:1として扱う。
チッ、古いカードなのに気付きやがったか。
「勿論出来ますよ。
今回はデッキの隙間が無いので【出たら目】は採用してませんがパラスマ然りアルカナワールド然り出来るなら勝てるようイカサマを仕込むのは当然ですよ?」
「イカサマが出来るのに何が公平だ!!??」
「今回はイカサマ無しの真剣勝負です!
それに今この場ではズァーク自身以外のモンスターの居るフィールドの目が出れば六双丸は墓地送りになりますし、六の目が出れば攻撃表示の六双丸は【覇王龍ズァーク】が撃つに最高な的となるんですよ?
今のままなら貴方の勝率は二分の一。
【覇王眷竜ダークリベリオン】を喚んでもダークリベリオンは効果を受けないから確率はそれでも三分の一と貴方に有利じゃないですか?」
「……いや!騙されんぞ!!
此処で【覇王眷竜ダークリベリオン】を喚ばねば貴様の【軌跡の魔術師】の効果で我の【覇王眷竜ダークヴルム】を破壊し我の勝利する確率を6分の1に落とすつもりだろうが!!」
「何を当たり前な事を言っているのでしょうか?
六双丸はあくまでズァーク除去のサブプランの一つであり特殊勝利は端から期待していません。
【覇王龍ズァーク】を今なら除去する可能性が生まれたから喚び出したモンスター。
ダークヴルムを殴る用に出す予定のモンスターは別に居りますよ」
「くっ!? 貴様は後幾つ手札を隠している!?」
「さて? それが全て出せるまでお互いまだ立っているかは分かりませんから期待していて下さい。
さて、六双丸の効果説明は以上です。
【覇王眷竜ダークリベリオン】は出されますか?」
「当然だ!
【覇王眷竜ダークリベリオン】を貴様が排除すれば六双丸の効果を弾き我の耐性はほぼ完璧となる!
ダークヴルム二体でオーバーレイ!
【覇王眷竜ダークリベリオン】特殊召喚!!」
【覇王眷竜ダークリベリオン】※アニメ効果
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻 2500/守 2000
闇属性レベル4モンスター×2
①:自分フィールドに「覇王龍ズァーク」が存在し、
相手フィールドにXモンスターがX召喚された場合、このカードはX召喚できる。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカード以外のXモンスターを攻撃対象にできない。
③:このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、
このカードのX素材を1つ取り除き、その相手モンスター1体を対象として発動できる。
このターンのエンドフェイズまで、その相手モンスターの攻撃力を0にし、
その変化した数値分このカードの攻撃力をアップする。
④:このカードをエクストラデッキに戻して発動できる。
自分の墓地から「覇王眷竜」モンスター2体を特殊召喚し、
相手フィールドの全てのXモンスターの攻撃力を0にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
フィールドに現れたダークリベリオンに内心舌を打つ。
効果説明の最中に【復烙印】の効果でエクストラデッキに戻した【軌跡の魔術師】の存在を忘れていてくれれば此方は大分楽になったのだが、まあそれもワンチャン程度だったので別に惜しくはない。
故にここからは予定通り展開していくだけだ。
「私は手札から魔法カード【死者蘇生】を発動!
墓地の【ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム】を特殊召喚します!」
「ペンデュラムデッキに【死者蘇生】だと?
…エクストラデッキのモンスター用と見るならそこまでではないか?」
異物感を感じたらしく独りごちるズァークを前にエレクトラムがフィールドに還ってくる。
「エレクトラムの効果を発動。
フィールドの【星霜のペンデュラムグラフ】を破壊し【アストログラフ・マジシャン】を手札に加えます。
この時破壊したのがペンデュラムスケールのペンデュラムモンスターではないため追加ドローはありません」
「手札に加えた瞬間我の効果が発動できるが、我の効果は優先権の順番により【アストログラフ・マジシャン】の召喚がチェーンされて躱されるか。
成程。自らの効果を弱らせた代わりにペンデュラムモンスターに再誕しただけの強みは確かにあるようだな。
何を見せてくるか見届けてやろう」
似て非なるものとなった【アストログラフ・マジシャン】を評しつつズァークは油断なくこちらを伺う。
「さあ、いきましょうか!
開け未来回路!【アストログラフ・マジシャン】と【ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム】をリンクマーカーにセット!
アローヘッド確認!召喚条件はペンデュラムモンスターを含むモンスター二体!
再び舞い戻れ!リンク召喚!リンク2!【軌跡の魔術師】!
【軌跡の魔術師】の召喚時効果を発動!
ライフコスト1200ポイントを支払いデッキから【覇王眷竜ダークヴルム】を手札に加えます」4200→3000
「ならばそれはそのまま墓地に送ってもらおう!
我の効果により手札に加えた【覇王眷竜ダークヴルム】を破壊する!」
手札に加えたダークヴルムが吹き飛び墓地へと落ちていく。
「そちらは織り込み済みですよ!
揺れろペンデュラム!
ペンデュラム召喚!再臨しろ【アストログラフ・マジシャン】!そして手札から来い【覇王眷竜ライトヴルム】!」
【覇王眷竜ライトヴルム】
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星4/光属性/ドラゴン族/攻1200/守1800
【Pスケール:青8/赤8】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):モンスターが特殊召喚された場合、
自分フィールドに「覇王龍ズァーク」とPモンスターがそれぞれ存在すれば発動できる。
このカードを特殊召喚する。
その後、自分フィールドのPモンスター1体とこのカードの内、1体の属性・レベルをもう1体と同じにできる。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
自分のEXデッキ(表側)から「覇王眷竜」Pモンスターか「覇王門」Pモンスター1体を手札に加える。
その後、「覇王眷竜」Sモンスター1体のS召喚または「覇王眷竜」Xモンスター1体のX召喚を行う事ができる。
(2):このカードがEXデッキに表側で存在する状態で、
自分フィールドの表側表示のPモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札に加える。
何度もしつこくフィールドとエクストラデッキを往復させられ若干の疲弊を伺わせるアストログラフ・マジシャンの横にダークヴルムと同じ形状の光の龍がフィールドに現れ羽ばたき鳴いた。
「ほう? 知らんモンスターだな?
我の眷属でありながら我の下に参じていない者が居たとはな…」
「こちらのズァークもいつの間にか居たと言ってましたからまだ生まれたばかりなのでしょう」
「ふむ。ならば遅参もやむ無しと見逃してやろう」
「ライトヴルムには特殊召喚成功時に発動する効果があるのですが今回は全て破棄します。
そしてリンクマーカーの先にレベルが違う二体のモンスターがペンデュラム召喚されたため【軌跡の魔術師】の効果が発動。
【覇王門零】と【覇王門無限】を指定し破壊します」
「やってくれる…」
流石にもうリカバリー手段が無いらしくズァークのフィールドから2つの柱が消え去る。
これで仕込みの1つ目が漸く叶ったか。
「私は【アストログラフ・マジシャン】に【覇王眷竜ライトヴルム】をチューニング!」
「ライトヴルムはチューナーモンスターなのか!?」
「終焉の地より終わりを齎しに来たれ!
シンクロ召喚!レベル11!【サイコ・エンド・パニッシャー】!!」
【サイコ・エンド・パニッシャー】
シンクロ・効果モンスター
星11/光属性/サイキック族/攻3500/守3500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分のLPが相手のLP以下の場合、S召喚したこのカードは相手が発動した効果を受けない。
(2):1ターンに1度、1000LPを払い、
自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(3):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。
このカードの攻撃力は、お互いのLPの差の数値分アップする。
捻じくれた角を頭に伸ばし鋼の鱗を持つ竜人がフィールドへと降り立つ。
「バトルフェイズに移行!
バトルフェイズ開始時に【サイコ・エンド・パニッシャー】の効果が発動!
自分と相手のライフポイントを参照し、その差分攻撃力を永続的に上昇させる!
差分は1000ポイント!これで【サイコ・エンド・パニッシャー】の攻撃力は4500となった!」
因果応報を与えるためにサイコ・エンドがパワーを増大させる
「我の攻撃力を超えてきたか!
だが無駄だ!【覇王眷竜ダークリベリオン】がフィールドに居る時貴様はダークリベリオン以外のモンスターを攻撃対象に選ぶ事は出来ない!」
「む? それは少しばかり困りましたね。
致し方ありません、バトルフェイズはこのまま終了します」
目的はサイコ・エンドの攻撃力をズァーク以上にする事なので目的は既に達成した。
「カードを二枚伏せてターンエンド。
因みに六双丸の効果はバトルフェイズを放棄すれば発動しませんので参考にどうぞ」
「熟食えない奴め」
そう吐き捨てるズァークの口許が緩んでいるのを俺は見逃さなかった。
次回はいよいよ覇王対覇王まで届くといいな…←