迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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ついにアリアス来ましたね。

私は貯めた石ブッパの結果…篝火3枚と新規ヒータ引けたけどアリアスは生成しましたちくせう。

今回はたまに名前は出るけど登場させたこと無いモンスターとのお話しです。


どうやら姫様は俺を疑われているようだ

 不本意に思いつつもそれなりの金額をゴブリンに払い、ロボットとバイクを屋敷に運び入れたのだが、今の所直す手段について何も当てがないのが現状であった。

 

「それで私の所に足を運んだという訳ね」

 

 大きなソファーに寝転がった、チェシャー猫を連想するような幼女【ウィッチクラフトマスター・ヴェール】がそう口にする。

 

「技術が技術だけにウィッチクラフトの分野では手に余るだろうが、何らかのヒントぐらいは貰えないかと思ってな」

「確かに。聞く限り私達には難しい事は認めざるを得ないね。

 技術の根幹を魔法とするウィッチクラフトでは、そのゴーレム…じゃないロボットの修理を頼むのは畑違いというものね」

「やっぱりか」

 

 この次元の技術水準は魔法に傾倒していて、主な機械は【アンティーク・ギア】【スクラップ】【マシンナーズ】と、生み出された時代が古すぎて制作資料が無いため動いている原理が理解不能だったり件のロボットと比較して技術が追いついているようには見えないモンスターばかりである。

 

「だから私に出来るのは助言くらいね。

 そもそも貴方、既に解決手段を持っているわよ」

「は?」

 

 そう言われ頭を捻るが、知り合いに直せそうな伝も知り合いもいない。

 ならばデッキのカードかといえば……アーゼウス?

 

「ふふふ。もっと頭を柔らかくしたほうが良いわよ?」

「ぐぅ…」

 

 なんというか、メスガキ臭のする厭らしい笑みに見える笑いを向けるマスターヴェールについ唸ってしまうと、マスターヴェールはそんな様子に気を良くしたのかサラリと正解を口にした。

 

「居るでしょう?

 今に答えがなくても()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が」

「【クロノダイバー】か!?」

 

 確かにそうだ。

 時間を自在に行き来できる【クロノダイバー・リダン】に未来の情報を採集してもらい、そこから答えに辿り着けばいいのだ。

 

「自分から助言しておいてなんだけど、あまり多用はしないようにね。

 時間の流れは私達魔法使いにも未だ掌握不可能な領域。

 悪用すればとんでもないしっぺ返しを食らうわよ」

 

 だろうな。

 古今東西、時間を操作する人物がそれに頼った挙げ句、悲惨な最後を辿る作品の枚挙にはいとまは無い。

 

「気を付けるよ」

 

 忠告を忘れないよう気をつけながら屋敷に戻り、早速俺はリダンを『召喚』する。

 

「無限の奔流を翔け抜ける潜航者をここに!

 【クロノダイバー・リダン】召喚!!」

 

 展開したデュエルディスクにカードをセットすると、俺の体内の魔力ことデュエルエナジーを消費して黒いマントをたなびかせる怪盗然とした偉丈夫のリダンが実体化する。

 

「やあ、ボクを呼ぶなんて珍しいことも有るね」

 

 デュエル中だとバグースカの方が使用率が高い事を皮肉っている様な言い回しに俺はすまんと答える。

 

「今回は少し頼みたいことがあってな。

 そうだな…一月後に、あのバイクとロボットがどうなっているかを確かめてもらえるか?」

「お安い御用さ」

 

 トリックスターという呼び方が似合う大仰な一礼をしてからリダンはフッと姿を消した。

 答えを聞いてこいと頼まなかった理由は、俺が匙加減を分からなかったからだ。

 時間を行き来する作品によくあるタイムパラドクスとバタフライエフェクト。

 それがどう作用するのか無知な俺があれこれ悩むより、時間の行き来に詳しいリダンに委ねたほうがリスクは下がると考えたのだ。

 姿を消して数分も待たず再びリダンが現れる。

 

「戻ったよマスター。

 君の求めていた情報はしっかり持ってきたよ」

「ありがとうリダン。

 それで、どうだった?」

「うん。ロボットは動いていたよ。

 バイクを修理するのに夢中でこちらに気づいていなかったみたいだけどね」

 

 どうやら一月以内に修理は出来るらしい。

 ついでにバイクはロボットが修理するようだからこちらは納屋にしまっておけば良いのも朗報と言えよう。

 

「十分だ。ありがとうリダン」

「ふふっ、お礼なら僕をもっと活躍させてくれれば十分だよ」

「そうか。分かった」

 

 カード本人からの頼みとあらば無下には出来ない。

 暫くエクシーズ召喚はリダンを優先するようにしよう。

 

「それと…いや、あまり未来の知識を伝えるのも良くないか」

「何か問題があったのか?」

 

 気になる言い方につい問いを投げてしまうが、リダンの言う通り我慢するべきだろう。

 

「そうだね…じゃあ、これだけは伝えておくよ。

 姫様をあまり怒らせないようにね?」

 

 一体何が起こるってんだ!?

 

「流石にそれは聞かざるを得ないぞ!!」

「じゃあね」

 

 答えを口にすることなくリダンは現界を解いてしまった。

 

「ああもう!?」

 

 今の様子では再び喚び出しても答えてはくれはしないだろう。

 一体何をしでかすのか別の意味で一抹以上の不安に苛まれつつ、俺が思っているより顔が広いらしいアリアスにも伝が無いか訊いてみることにした。

 

『未来技術で作られた人を精巧に模したロボットの修理か…。

 出来そうな心当たりが無い事もないが、確実に直せる確証は無いよ?』

「それで構わない。

 まだ直す方法を見付ける段階だからとにかく情報を集めたいんだ」

『なら良いんだけどね。

 では先方に連絡を入れておくから返答を貰ったら追って連絡しよう

 ちなみに、そのロボットの性別は女の子かい?』

「? いや、二十代前半頃の男性を模しているが?」

 

 何故にそんな事を気にしているのか疑問に思いつつ嘘を言う理由も無いから正直に答える。

 

『それを聞いて安心したよ。

 君はよくよく美人と関わる機会が多いみたいだから、その度に姫様がやきもきしてしまうのだよ』

 

 ……確かに女性モンスターと関わる機会は少なくないが、一体何にやきもきされていると?

 

「姫様が一体何を心配しているのか判りかねるが、姫様への忠義が揺らぐことは無いから安心して欲しい。

 じゃあ、連絡の方はよろしく頼む」

 

 通信を終え、改めて姫様がやきもきする理由について考えてみる。

 

 鞍替えするかもと不安なのか?

 

 可能性が無いとは思わないが、姫様は俺が何を理由に鞍替えされると?

 

 金? 地位? 名誉?

 

 それらって、姫様より大事なものか? 

 

 もしかして色香に惑うと警戒されてる?

 

 確かに()()()方面について女旱なのは事実だし言い寄られて懇ろになってそのまま…なんて展開を警戒されているなら姫様の懸念も分からなくもない。

 

 だが、それは杞憂というものなんだが、口で言っても納得されないだろうし、かと言って行動で示すなんて真似は考えるだけで不敬も甚だしい。

 

「どうすりゃ良いのかねぇ?」

 

 姫様の『おもてなし』を攻略するより難易度の高い難問に、俺は攻略の糸口が全く見えず只管困り果てるしかなかった。




何気に『召喚』の設定をちゃんと使ったの今回が初なんだよな…。

次回は直すまでいけるといいな…
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