迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
一部カードの効果を勘違いしたプレイミスがあったため、その辺りを修正しました。
1ユーザーとして恥ずかしい限りです。
「先攻は私ね」
手札に視線を落とす相手を注視しながら俺も手札を確認する。
【白銀の城の執事アリアス】
【ビッグウェルカム・ラビュリンス】
【トランザクション・ロールバック】
【迷宮城の白銀姫】
【白銀の城の竜飾灯】
理想値に近いかなり強い手札が来ているな。
次の引き次第で後攻ワンキルも…
「私は手札から永続魔法【次元の裂け目】を発動するわ」
【次元の裂け目】
永続魔法
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
お互いの墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。
そんな思考は一瞬で消し飛んだ。
たった1枚。
されど
「チェーンして手札から【白銀の城の執事アリアス】を発動!!」
「ではこちらもその発動にチェーンして【増殖するG】を発動」
「チェーン!! 【迷宮城の白銀姫】を守備表示で特殊召喚!!」
「通します」
「更に白銀姫にチェーンして手札を1枚捨てて【白銀の城の竜飾灯】を墓地に!!」
「そちらには【墓穴の指名者】を使います」
糞が!!
初手で裂け目に増Gに墓穴だと!?
精霊界のデュエリストなら手札が悪いと見るだろう。
だが、
たった一手で俺の思考はこのデュエルは【
「では逆順処理により墓穴の指名者により墓地の【白銀の城の竜飾灯】は効果を無効にされ除外」
交換アイテムを貰った対価に地面に落下して中に収められていたアイテムを渡そうとした竜飾灯が、地面から伸びた手に掴まれ中身ごと虚無へと引きずり込まれていく。
「手札から【迷宮城の白銀姫】を守備表示で召喚」
その様子を目にし硬い表情を浮かべた鎧姿の姫様が剣を盾にするように守りの構えを取って場に現れる。
「墓地に送った【増殖するG】の効果適用」
直後、ゾワリと背筋を泡立たせ泡を食ったように周囲を見回し、
「アリアスの効果で自身を墓地に送りながら手札から【ビッグウェルカム・ラビュリンス】をセット」
【
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻1500/守2500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
手札から、「ラビュリンス」モンスター1体を特殊召喚するか、通常罠カード1枚をセットする。
この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。
(2):「白銀の城の執事 アリアス」以外の自分の、
「ラビュリンス」カードか通常罠カードの効果の発動にチェーンして相手が効果を発動した時、
この効果を墓地で発動できる。
このカードを特殊召喚する。
その横で顔を僅かに引き攣らせながらも優雅に一礼をしてからアリアスが罠を敷き、いつもより早足気味にその場を離れていく。
「そして最後に適用された【次元の裂け目】の効果でこの先モンスターは全て除外されるわ」
最後に空間に亀裂が走り死すらも死する虚無のフィールドを展開される。
「中々厳しい状況ですね」
場に姫様と発動可能な罠1枚で手札は無し。
対して相手の手札も2枚とアドバンテージは変わらぬように見えるが、初動札2枚どころか肝要札1枚あれば展開出来るテーマなんて
場には発動可能なビッグと鎧姫が立ったからまだマシだが、対して俺が打てる手は多くて3、いや。増Gが発動しているのだから初動たるビッグ撃つのさえ賭けに等しい。
どうしてそこまで警戒するか?
裂け目貼って問題なく動けるテーマが悉くラビュリンスと相性が悪いからだよ。
俺が知る限りでも【ふわんだりぃず】【ゴーティス】【クシャトリラ】【エクソシスター】【神碑】と強テーマの有力候補がゴロゴロ出てくる。
逆に墓地利用を本懐とするアンデット系列と【ティアラメンツ】は自滅しかねないから選択肢から消えるが、先の5つが候補に上がる時点で気休めにもならない。
特に今は手札が無い。
妨害札が無いと公表しているのと変わらない今の状態で先のテーマが出てきたら、遊びで済むMDなら即サレも視野に入るレベルだ。
警戒する俺を前に女は片方の手札を抜いて俺に見せる。
「私は手札から【幸魂】を公開します」
【幸魂】
スピリット・効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 400/守 900
このカードは特殊召喚できない。
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
手札のスピリットモンスター1体の召喚を行う。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(3):このカードがリリースされた場合、自分の墓地のスピリットモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを手札に加える。
この瞬間【ふわんだりぃず】が確定で消え、残る候補を鑑み打つなら今しかないと俺は宣言する。
「チェーンして【ビッグウェルカム・ラビュリンス】発動!」
【ビッグウェルカム・ラビュリンス】
通常罠(準制限カード)*MDでは無制限
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分の手札・デッキ・墓地から「ラビュリンス」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
その後、自分フィールドのモンスター1体を選んで持ち主の手札に戻す。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの悪魔族モンスター1体を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
自分フィールドにレベル8以上の悪魔族モンスターが存在する場合、
代わりに相手フィールドのカード1枚を対象とする事もできる。
止められたらこれ以上展開は無いと確定。
止まらなくても1枚引かれるだけの価値があるカードを呼び込める。
「チェーンは無いわ」
「ならばチェーンして白銀姫の効果を発動!
デッキより【次元障壁】をセット」
【次元障壁】
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):モンスターの種類(儀式・融合・S・X・P)を1つ宣言して発動できる。
このターン中、以下の効果を適用する。
●お互いに宣言した種類のモンスターを特殊召喚できず、
フィールドの宣言した種類のモンスターの効果は無効化される。
姫様が泣きそうな顔で新しい罠を投げ付けるように地面に置いてこちらに逃げ込んでくるが、構わず俺は宣言する。
「デッキから【白銀の城のラビュリンス】を召喚。
その後【迷宮城の白銀姫】を手札に戻します」
この世の終わりのような顔をしながらも姫様はどこからともなく降ってきたフィッテングカーテンに囲われ、すぐにドレス姿で再び現れる。
が、腰は引けてるし白目向いているためその美貌は台無しであった。
「増殖するGの効果で一枚引くわ。
その後幸魂の効果で自身を召喚」
ザワザワと足音が増え、泡を吹きそうなほど怯える姫様を尻目に俺は宣言する。
「モンスターがフィールドから離れたため【白銀の城のラビュリンス】の効果発動。
私は貴方の手札を1枚破壊します」
目茶苦茶に斧を振り回しすっぽ抜けた斧が相手を掠めて手札を一枚破壊し慌てふためく姫様。
大丈夫です。今のは姫様のポンじゃありませんからね。
「【次元の裂け目】を無視して手札を…それに【次元障壁】。
どうやら私のデッキは見抜かれているみたいね」
「【エクソシスター】ですよね?」
「正解よ」
手札から破壊されたのは【エクソシスター・マルファ】。
これで純スピリットだったら笑い話だったが、どうやら笑えるのはまだ先らしい。
「私はカードを1枚伏せてターンを終えるわ。
エンドフェイズに幸魂は手札に戻るわ」
とりあえず初手ミカエリスからのエクソシスター無双タイムは回避できたが、これで終わる予感が全くしない。
寧ろ、苦しいのはここからという予感さえしていた。
漸く最初の綱渡りを終え、俺はターンの開始を告げる。
「それでは私のターンです」
その時、俺は自分の顔がどんな表情を作っていたか気付いていなかった。
「ドロー」
後でダルクに言われて知った。
その時の俺は口元は吊り上がり、まるで
おや? 執事の様子が…