迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせしました。
ちょっとモチベが下がっていたため遅くなってしまいました。
理由は、イベントがね…。


タンス貯金ならぬカード貯金も偶には切り崩したい。

 一連のぐだぐだの結末だが、結局レイダーズ・ナイトとマスカレーナは帰還させ後の事は後で考えようと丸投げと言う形でぶん投げる事にした。

 ペンテスタッグはうらら達が飽きるまで放置で構わないだろうと現状維持である。

 

「改めてお礼を言うよありがとう」

「ああ」

 

 頭を下げるアンチノミーこと『ブルーノ』の礼を受け取る。

 ブルーノとはアンチノミーの仮の名であると同時に遊星達との仲間であった頃の大事な名前だそうで、イリアステルとしての役割を放棄した自分はアンチノミーを名乗るべきではないだろうとそう呼んで欲しいと言われた。

 

「それで、ブルーノはデルタイーグルを直して遊星達ともう一度逢う事を目標にするんだよな?」

「うん。ZONEとの結末についても僕は知らなきゃいけないからね。

 でも、その前に君への恩も返すのが先かな」

「そこはさっきの礼で十分なんだがな。

 さておきだブルーノ。デッキの状態はどうなんだ?」

 

 精霊界では身体的な強さよりデュエルの強さが重要である。

 ラスボスの仲間であったブルーノのデュエルタクティクスに不安はないがデッキに関しては話は別だ。

 

「正直言うとかなり厳しいかな。

 元より僕のデッキはライディング・デュエルに特化しているし、未知の召喚方法が普及している中でのスタンディング・デュエルとなると改造は必要だね」

 

 そう言いブルーノはデッキを軽く開いてみせる。

 

「ブルーノは【TG】か」

「知っているのかい?」

「元いた世界だと純構築は殆ど見ないけど、ハイパー・ライブラリアンが出張要因としてやりたい放題していたのはよく覚えているよ」

 

 一番酷い記憶だとハリラドンからライブラリアン喚んでカオス・ルーラー経由からのバロネスまでこんにちわして手札たっぷり完全封殺態勢とか即サレありがとうございました案件だったな。

 

「なんでハイパー・ライブラリアンにターン1制限無いんですかブルーノさん?」

「僕に訊かれても…」

 

 エクストリームセッションもだけどドロー効果にはターン1は必然だろうが…。

 

 引いた様子から俺の目は死んだ目をしているのだろうが、しかし言わずにはいられない。

 

「ライブラリアン入りシンクロは展開の長さがキツすぎるんだよ。

 シンクロする度にドローされてされてされて…

 なんで先攻がライブラリアン立てたら十枚ドローとかしているんだよ!

 頼むからバロネスとカオス・ルーラーはもっと召喚条件厳しくしろや!

 サイコ・エンド・パニッシャーは耐性が狂ってる!!

 そんなにソリティアしたいのかおまいらは!?」

 

 いや、リンクも言わずもがなエクシーズや融合だってソリティアはするし【暗黒界】【未界域】とドローに狂っているテーマだって有るしなんならバニラだって【凡骨の意地】でアホみたいなドロー起こすけどさぁ…。

 

「なんでラビュリンス出禁にしといてビーステッドは通してんだよクソ運営!!

 バグースカが禁止ならバロネスも同罪だろうが!!」

「執事君落ち着いてくれ!!

 何か違う世界の電波受信しているよ!!??」

「はっ!?」

 

 ブルーノの必死の声に混線した知識が元に戻る。

 

「すまん。何処かのラビュ使い達の悲嘆が混ざってたみたいだ」

「…よく解らない方がいいと思うから話を戻そう」

「そうだな。

 兎に角急ぎでデッキは調整したほうがいいな。

 このままだと万が一があると心配だし」

「うん。爆発した際に喪ったらしいカードに加えて幾つかのカードに効果の変化が起きているし、不足分の追加と改良を加えないと以前のようにデュエルは出来無さそうだ」

 

 カードを矯めつ眇めつ確認するブルーノに付いてきてくれとカードを保管している元書斎に向かう。

 

「【TG】は無いがシンクロと相性の良いカードは結構あった筈だから、有るカードで仮組みして足りない部品はカードショップで探そう」

「体の修理にデッキの強化までしてもらっていいのかい?」

「構わないさ。

 使われずに札束の代わりに溜め込まれる方がカードには酷だろう」

 

 強いが使わないのに手放すのに抵抗を感じるようなカードがファイルに保管された本棚からシンクロモンスターのみを収めたファイルを含めて取り出していく。

 

「此方ではエクストラデッキの上限は15枚になっている。

 それと裁定の変更で制限や禁止も変わっているはずだからそっちも確かめておいてくれ」

「分かった」

 

 と、そこで俺は以前手に入れたカードの事を思い出した。

 

「そうだ。ブルーノはこのカードを知っているか?」

「どれの事だい?」

「こいつだ」

 

 ファイルを捲り、【シューティング・クェーサー・ドラゴン】を示す。

 

【シューティング・クェーサー・ドラゴン】

シンクロ・効果モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000

Sモンスターのチューナー+チューナー以外のSモンスター2体以上

このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードは、そのS素材としたモンスターの内、

チューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。

(2):1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた時に発動できる。

EXデッキから「シューティング・スター・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

 

「これは…」

 

 スターダスト・ドラゴンを進化させたような白い龍の姿にブルーノは言葉を失い、暫くすると感動を堪えきれない様子で言葉を絞り出した。

 

「そうか…遊星、君は、君だけのデルタ・アクセルを、新たなアクセル・シンクロの境地に辿り着けたんだね…」

 

 その声には言葉にしても足りない程の歓びが込められていた。

 

「ブルーノ。良ければそのカードを使ってくれないか?」

「何を言うんだ執事君!?」

「俺はシンクロ召喚とあまり相性が良くなくてな。

 それにカードもブルーノのところに行きたがっているようだしな」

 

 これは本当の話だ。

 手放したディンギルスやリペア・ジェネクスも一度だけ組み込んでみたのだが、不思議な事に使えるタイミングが来てもそれらを喚び出すより別のカードを選んだ方がより強い展開に向かえる盤面になってしまい結局使わず終いでデュエルを終えてしまった。

 そういった経験もあり、カードが必要とする者と出会ったら惜しみなく渡すようにしている。

 

「しかし…」

 

 躊躇う様子を見せるブルーノだったが、すぐに意を決した真剣な顔で「分かった」と答えた。

 

「君の好意にとことん甘えさせてもらうよ」

「そいつはなによりだ」

「代わりに君への恩に報いるだけの働きを約束するよ」

「それでブルーノの気が済むなら、その時は遠慮なく頼らせてもらうよ」

 

 誓約を結ぶ様に手を差し出すブルーノの手を俺は握り返した?




次回は最近溜まりつつあるヘイトをとりのぞこうかなと。
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