迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
大分期間が空いてしまいましたが、まだエタりませんよ
今回はデッキ強化です。
因みに執事のカード知識はMDオンリーかつロールバック実装直後で停止しています。
なのでカードのアリアスの強さも精霊界で知りました。
「うぁぁぁ…」
悪魔族より先にアンデット族に変化したんじゃないかってぐらい感情が形にならないまま、俺はひたすらにカードパックの山に手を突っ込んでは剥いてを繰り返していた。
いやね。振られる確信はあったんだよ?
髪の生え際がまだ後退の兆しを見せていないのが唯一の自慢としか言えないギリフツメンの冴えないブラック社畜のオッサンが、使命に殉じる覚悟で生きているバリキャリのアリアスに靡いて貰えるような要素が無いのは分かっていたから振られたのは納得出来ているんだよ。
たださ、『無理』は本当に勘弁してくださりやがりませんかねぇ?
「何処がどう『駄目』と言われるのなら耐えられるけど、指摘もなく『無理』は本当に辛いんだよ…」
「なんと言っていいのか…」
「重症ですね。これは」
ブルーノとハスキーさんが何か言っているのだがいかんせん思考がどうにも意思と繋がらない。
そうして自棄酒ならぬ自棄カード開封が百を超えた辺りで漸く頭が動き出してきた。
「この先どんな顔してアリアスと会えばいいんだよ…」
俺だけが気まずいならともかく、ギクシャクしている様を姫様から指摘されたらなんて答えれば良いんやら。
「そ、そうだ執事君!
せっかく沢山カードが手に入ったんだから新しいデッキを作ろう!」
「デッキ?」
「うん。例えばほら、このカードなんて君なら面白い組み合わせ方を知っているんじゃないかい?」
そういい見せてきたカードは…
【ふわんだりぃずと未知の風】
永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分がモンスター2体のリリースを必要とするアドバンス召喚をする場合、
モンスター2体をリリースせずに自分フィールドのモンスター1体と
相手フィールドのカード1枚を墓地へ送ってアドバンス召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
手札の鳥獣族モンスターを2体まで相手に見せ、好きな順番でデッキの一番下に戻す。
その後、自分は戻した数だけデッキからドローする。
「げふぅ…」
「ああっ!? 執事君が穴という穴から血を吹き出して倒れた!?」
「それは旦那様のトラウマカードですよ!?」
「ごめんよ執事君!!??」
閑話休題
「本当にあのカードだけは許しちゃいけないと思うんだよ」
なんとか持ち直し無駄に開けたパックの中身を二人して仕分けていく。
「確かに強いとは思うけどそんなにかな?」
「相手の場のリリース効果に対象指定がないのにも関わらずターン1制限ついていないんだか?」
「……確かに少し不穏だけどそこまでは」
「【ふわんだりぃず】はカテゴリーの全モンスターに通常召喚権を増やす効果とサーチかサルベージ効果があって、最上級モンスターの【ふわんだりぃず☓すのーる】は召喚権を3回追加するぞ」
「……」
俺には奴等が可愛い小鳥などではなく、新世紀な福音の名を関したアニメの旧劇場版でヒロインの一人の機体を生きたまま貪り食った量産機に見えている。
自分のターンに奴等に展開されたらその映画の主人公の最後のシーンの絶叫を自身で再現するよ。
「加えて俺の次元では【ふわんだりぃず】に【帝】と【シムルグ】組ませるのがほぼデフォルトなんだが…ブルーノ、そのカードは本当に存在していいと思うか?」
「禁止かナーフしなきゃ駄目だと思うよ」
「だよな」
二人して目から生気を失いつつ山となったカードを選り分けていく。
しかしながらやはりバニラモンスターの多いこと多いこと。
その上で攻撃力が1000を超えないカードがその内の半数以上とか地獄だと思う。
懐かしのルイーズや砦を守る翼竜がバニラモンスターの当たり枠に入るという世界は現代遊戯王の環境に慣れてしまうと物足りないと思ってしまう。
「お、また出た」
砂金探しの感覚になりつつカードを選り分けていると【エクソシスター】のカードが何枚か目に付く。
エクシーズと【マルファ】はまだ見つかっていないが、既に【エリス】【イレーヌ】【ソフィア】【ステラ】の4枚が集まっている。
……やっぱり襲ってきたマルファ似の女と関係あるんだろうなぁ。
「執事君、かなり面白いカードを見つけたよ」
「どれどれ?」
差し出されたカードを見て、俺は確信する。
【黒魔女ディアベルスター】
効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは自分の手札・フィールドのカード1枚を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「罪宝」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(3):このカードが相手ターンに手札・フィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
自分の手札・フィールドからカード1枚を墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
「これヤバいカードだ」
高水準に纏められたステータスに墓地肥やしを兼ねた手札墓地を問わない緩い特殊召喚。
そしてテーマカードのサーチ能力とくれば
その上レベル7とくればクシャトリラのエクシーズ素材にもバロネス他の汎用シンクロ素材にも選択肢は数多。
「【罪宝】は知らないテーマだけどグッドスタッフとして出張能力も相当高そうだな」
「【罪宝】魔法なら2枚見つけたよ」
そう言い更にカードを見せるブルーノ。
【罪宝狩りの悪魔】
速攻魔法(制限カード)
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のデッキ・墓地から「ディアベルスター」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、
「“罪宝狩りの悪魔”」以外の自分の墓地・除外状態の「罪宝」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキの一番下に戻す。
その後、自分は1枚ドローする。
【死の罪宝ルシエラ】
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのレベル7以上の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。
以下の効果をそれぞれ適用する。
●対象の表側表示モンスターはこのターン、他のモンスターの効果を受けず、
次のターンのスタンバイフェイズに墓地へ送られる。
●相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は、対象のモンスターの攻撃力分ダウンする。
この効果で攻撃力が0になった場合、さらにそのモンスターを破壊する。
「……なにこれ怖い」
どう見ても環境カードですありがとうございました。
「ブルーノ、使うか?」
「ちょっと遠慮しとこうかな。
他に良いカードがあったからそっちを使おうと思うんだ」
【TG トライデント・ランチャー】
リンク・効果モンスター
リンク3/地属性/機械族/攻2200
【リンクマーカー:左下/下/右下】
「TG」チューナーを含む効果モンスター2体以上
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがL召喚した場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地からそれぞれ1体ずつ、
「TG」モンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「TG」モンスターしか特殊召喚できない。
(2):相手はこのカードのリンク先の「TG」Sモンスターを効果の対象にできない。
「かなりヤバイカードが来たな」
「効果は君から貰ったシューティング・クェーサーとの噛み合わせはイマイチなんだけど、そこはプレイングで補えばいいしこれでかなりの強化が見込めるよ」
不足分は腕で補えると言える辺りがブルーノの強さを雄弁に語っているよな。
「執事君は何か見つけたかい?」
「そうだな…」
選り分けたカードから1枚良さげと思ったカードを取り出す。
「これはどうだろう?」
【レボリューション・シンクロン】
チューナー・効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻 900/守1400
このカード名の、(1)の効果は1ターンに1度しか使用できず、(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):「パワー・ツール」Sモンスターまたはレベル7・8のドラゴン族SモンスターをS召喚する場合、
手札のこのカードもS素材にできる。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにレベル7以上のSモンスターが存在する場合に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードのレベルは1になる。
「ターン1より更に重い使用制限が気になるがかなり強くないか?」
「普通に強すぎるから残当だよ。
執事君、そのカード使ってもいい?」
「構わないぞ」
「ありがとう」と受け取ったブルーノは調整候補らしいカードの束にレボリューション・シンクロンを重ねる。
「…ディアベルはサイドに入れとくか」
姫様は純ラビュを崩すと不満そうになされるが、テーマ外だからと強いカードを必要以上に忌避するのは停滞と言えるだろう。
常に新鮮な
だから美女であっても忌避しないでデッキに入れるの当然なのだ。
と、そこでテーブルに行儀よく座っていたジェネクス・コントローラーがカードの山から1枚を抜いて俺に示す。
【天底の使徒】
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):EXデッキからモンスター1体を墓地へ送る。
その後、墓地へ送ったモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ、
「ドラグマ」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を自分のデッキ・墓地から選んで手札に加える。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
「これは良いカードだ」
現状ヌトスやガルーラを落とすのにドラパニを使うしか無くどうしても一手遅れるのが気になっていたからこのカードはかなり有り難い。
デメリットも今のラビュリンスのエクストラは非常時の備え的な状態なので使えなくても致命的にはならない。
問題は使用条件であるアルバス及び【ドラグマ】のモンスターカードの手持ちが儀式モンスターの【凶導の白騎士】1枚しか無く専用儀式魔法が無い事だろう。
代用可能な汎用儀式魔法の【精霊の祝福】があった筈だから代用は可能だが、無理に運用を考えず天底の使用条件と切り捨て白騎士本体はディアベルスターかシャンドラ辺りの手札コストに使い捨ててしまう方がいいだろう。
「見つけてくれてありがとうな」
感謝を告げつつ頭を撫でてやっていると、何故かブルーノはジェネクス・コントローラーを訝しむように見ていた。
「どうしたブルーノ?」
「……ううん。
その子も可愛いからどうにかメンテナンスさせてもらえないかって考え込んでただけだよ」
問うとブルーノはへらりと相好を崩したような緩い笑いを浮かべる。
「無理強いはしないでくれよ?」
「分かっているさ」
そこで会話は途切れ、どちらともなくカードの選分作業を再開した。