迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせ。事件しか無いけど良いかな?


別次元も面倒事は尽きないようだ
出来たから作った。反省も後悔もしていない


 店舗のストレージ送りにする使い途のないカードを選り分け、そこから更にデッキとして使える程の纏まりをなしているカードをピックアップし、更にデッキとして組み立てた結果…

 

「念願の新たな【ドリアード】デッキを手に入れたぞ!」

「おめでとう執事君」

 

 パチパチと拍手するブルーノの祝辞を背に俺は( ・´ー・`)どやという気持ちでデッキに視線を落とす。

 

 と言っても、完成度は6割前後。

 

 エースカードのドリアードも最初から手にしていた【精霊神后ドリアード】ではなくパックから出てきた古い時代の儀式モンスター【精霊術師ドリアード】であるので全くの別物である。

 コンセプトはドリアードの効果を活かし【ダーク・ドリアード】のペンデュラム効果と【憑依覚醒】の2枚バフを併用した超火力脳筋ロマン砲である。

 2枚のバフに適当な闇属性モンスターを並べた状態でドリアードを召喚した際の攻撃力は脅威の4200!

 そこで更に【風林火山】を叩き込めればさぞ痛快な気分が味わえるだろう。

 儀式デッキならそこは素直に【宣告者】か【ドラグマ】握れという意見はカードが足りない事もあり却下する。

 しかしながら【精霊術師ドリアード】は古いだけあってかなり勿体ないカードだと思う。

 

【精霊術師ドリアード】

 儀式・効果モンスター

星3/光属性/魔法使い族/攻1200/守1400

「ドリアードの祈り」により降臨。

このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」としても扱う。

 

 文面だけなら凄まじく悪用可能な効果なのだが、残念な事にカード外効果で手札と墓地ではその属性は光属性単体になってしまうのだ。

 もしも手札でもとはいわずとも墓地でだけでも単独で5属性を賄えたのなら【精霊神后ドリアード】の召喚にも貢献していただろうし、他の多くのデッキでもサポート要因として猛威を振るい制限や禁止カードに名を連ねたであろうと考えると残念でならない。 

 因みにジェネクス・コントローラーが見つけてくれた天底は【ドラグマ】が足りないのでこっちに回した。

 展開の肝である【マンジュ・ゴッド】【儀式の下準備】【宣告者の神巫】【虹光の宣告者】をピン差しでなく3積みできていればもっと安定するのだが、仕方なく手元にある【センジュ・ゴッド】と【儀式の準備】や汎用カード等で穴埋めしている。

 他にも安定感を増すために【ドライトロン】を入れるとか試してみたいのだが、いやはや引きが弱くて全く来ない。

 

「折角だしちょっと回してみるか。

 ブルーノ、一戦やらないか?」

「もちろん構わないよ。

 僕も今のデッキがどれくらい回るか確かめてみたいからね」

 

 ウキウキとデッキをプレイマットを敷いたテーブルに乗せるブルーノの対面に座り俺もプレイマットを敷いてデッキを置く。

 楽しそうだが甘く見るなよブルーノ。

 このデッキはMD実装により復帰した引退勢の半数を絶望の淵に追い込み再引退させた【ドライトロン宣告者】を参考ベースにしているんだ。

 カードの内訳的にデッキの強度と完成度からして先ず勝てはしないだろうが、その分妨害札も多く仕込んでいるからそう安々と思い通りに回せるとは思うなよ?

 

「どちらが先攻を取る?」

「コイントスで行こう。

 表がブルーノ、俺が裏で」

 

 そう言ってMDでもお馴染みのブルーアイズが彫り込まれたコインを取り出す。

 

「トスは任せていいか?」

「いいよ」

 

 コインを受け取り一応両面を確かめてからブルーノは握った手にコインを乗せそれをピンッと良い音を奏でさせて真っ直ぐ真上に弾く。

 

「旦那様」

 

 ブルーノが手の甲で受け止め反対の手で蓋をしいざ開こうとしたタイミングで、席を外していたハスキーさんが声を掛けてきた。

 

「どうしましたハスキーさん?」

「例の女性が目を覚ましました。

 今のところ暴れたり逃げ出したりする素振りは見せていませんが如何なさいますか?」

 

 ハスキーさんの言葉に俺とブルーノは先程までの楽しい時間が終わったことを察した。

 

「すぐにいく。

 ブルーノ。コンを見ておいてくれ」

 

 テーブルの上で行儀よく座るジェネクス・コントローラーをブルーノに預け席を立つ。

 

「大丈夫なのかい?」

「ステゴロになったらハスキーさんもいるし、いざとなればこいつ等(カード)も居るからブルーノは自分の安全を優先してくれ」

「…分かった。あまり無理はしないでくれよ」

「解っているさ」

 

 ディスクを腕に装着しハスキーさんと共に件の人物のいる部屋に向かう。

 

「入ります」

 

 先にハスキーさんがドアをノックして中に入る。

 

「旦那様、お入りください」

 

 中の安全を確認したハスキーさんの声に追従する形で部屋に入ると寝間着姿の女性がベッドに腰を掛けた姿で出迎えた。

 

「ご機嫌よう、と言うには良い出会い方じゃなかったわね」

「そうだな。

 とりあえず自己紹介と通り魔まがいの真似をした理由について訊かせてもらえるかな?」

「ええ。勿論よ」

 

 そう言うと女性は佇まいを正し自己紹介を口にした。

 

「私はマルファ。『元』エクソシスターのマルファよ」

 

 カードのイラストと瓜二つの容姿からほぼ確実とは思っていたが、故にこそ疑問が上がる。

 

「やはりか。

 最近噂の辻斬りの正体もお前なのか?」

「ええ。悪いとは分かっていたけれど仕方がなかったのよ」

 

 そう述べるマルファ。

 つい先日アリアスに釘を刺されたばかりということもあり、このまま自警団に引き渡して後は宜しくとぶん投げてしまいたいところだが、しかしそうは問屋が卸さないだろう。

 

 何度も言うがこの世界はカードゲームの舞台設定に準じた世界だ。

 

 事件が起きて渦中に巻き込まれた人物が原因を放りだして無事で済むか?

 

 ジャンルがギャグや日常系ならワンチャンあろうが、残念だがこの世界は生き死にさえ掛かるバトル系。

 しかも放置した先が世界の崩壊等無駄にスケールが大きくなりやすいホビーアニメの世界である。

 当然逃げた所で助かるわけがない。

 寧ろ行間に消えた被害者の一人としていつの間にか退場するのが関の山だろう。

 

 加えて俺がリダンを未来に派遣してもうすぐ一月ほどになる。

 

 一月後の未来を見たリダンの先の忠告を加味すれば間違いなく俺は首を突っ込み姫様に叱られる某となるのだろう。

 俺は主人公ではないので間違いなく酷い目に遭うだろうから嫌だなぁと思いつつマルファに話の先を促す。

 

「何故そんな真似をしたんだ?」

「妹達を救う為に強いデュエリストが必要だったの」

「妹達?

 …ああ、スールの誓いを結んだエクソシスターか」

「ええ。妹達は私に取り憑き災の手先としようとした悪魔から開放してくれたわ。

 だけど、その後アカデミアを名乗るカード使い達に襲われてカードに封印されてしまったの」

「アカデミア?

 アカデミアって、『デュエルアカデミア』なのか?」

 

 俺が知っているデュエルアカデミアは遊城十代が主役の【遊戯王GX】の舞台の孤島で幻魔が封印されていたりと前作との摺合せを放棄したかような超設定が乱舞する世界観のインフレの先駆けのような場所だ。

 

 もし今の話が本当なら以前話をした十代との会話が噛み合わなくなる。

 

 十代がデュエルアカデミアを卒業してまだ然程年数は過ぎておらず、アニメ時空なので海馬瀬人もペガサスも社長と会長として現役であることを考えればアカデミアがかのような振る舞いを始めたとして放置して見過ごすか?

 

 そうでなくても割りかし小物だが教員としての誇りと正義感と実力は確かなクロノス教頭ほか良識ある教員も居る訳だし、そんな横暴が罷り通ると思えない。

 

「私はエリス達が命懸けで奪ったデュエルディスクによってこの場所に転移してこれてカードにされずに済んだわ。

 どうかお願い。エリス達を助ける為に力を貸して」

 

 そう頭を下げるマルファ。

 

「……少し考えさせてくれるか?

 正直、理解が及ばない事が多過ぎて混乱しているんだ」

 

 応でも否でもない半端な答えしか出せない自分に僅かに苛立ちを感じつつそう言うとマルファはごめんなさいと謝罪した。

 

「貴方からすれば当然よね」

「すまないな」

 

 そう言い俺は部屋を後にする。

 

「厄ネタなんてレベルじゃねえよなコレ?」

 

 アニメなら1シーズン使うような規模の話に、勘弁してくれよと憂鬱な気持ちにさせられた。




というわけでゼアルスキップしてアークファイブです。

因みにアリアスはドリアードデッキ作る原因になったと姫様にしかられました。
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