迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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今度こそ、今度こそプレミは無いはず…※駄目でした(切腹)


格上に挑む時こそがエンジョイ勢の一番楽しい時間である(3)

 さて、状況を整理しよう。

 俺のフィールドには【憑依覚醒】一枚のみ。

 手札には【解放のアリアドネ】と【憑依装着−ダルク】と【幽鬼うさぎ】の3枚。

 ズァークの場にはペンデュラムスケールに五虹、伏せ1枚、トリフィオヴェルトゥムが居る。

 手札は無いのでうらら他のドロー妨害はほぼ無いが、伏せカード次第でどうにもならなくなるだろう。

 ここでダルク召喚後に引かなきゃならないのは手札増強系。

 ないし特殊召喚を行う系列のカード。

 ただし、トリフィオにはターン1の【神の警告】が内蔵されているから特殊召喚するだけじゃ墓地に叩き込まれて終わるのでやはり駄目。

 一応トリフィオが効果を使えばうさぎでぶち殺す事が出来るから状況の傾きを少しだけ戻せるが、その場合は五虹の効果を超えられず破壊耐性がある壁が一枚残るだけでライフ差を縮められずやはりジリ貧。

 最悪は伏せカードが特殊召喚を妨害するカードで、自分が五虹ロックを食らうのも構わず使われる事だろう。

 ぐだぐだ考えたが、今の俺に天運がある事を信じる他は無い。

 

「メインフェイズ。

 手札から【憑依装着−ダルク】を通常召喚する」

 

 ローブを靡かせた少年が覚悟を決めた顔で杖を構える。

 

「【憑依連携】の効果により、1枚ドロー」 

 

 分水嶺となる1枚。それは…

 

「俺は今引いた【影依融合】を発動する!」

「引いてきたか!!

 チェーンは無い!」 

「【影依融合】の追加効果により俺はデッキから【シャドール・ビースト】と【超電磁タートル】を墓地に送り融合する!

 神の手繰りし繰糸に囚われし輝石よ、その糸を束ねて神の座へと登り詰めよ!

 融合召喚!【エルシャドール・ネフィリム】!!」

 

【エルシャドール・ネフィリム】

融合・効果モンスター

星8/光属性/天使族/攻2800/守2500

「シャドール」モンスター+光属性モンスター

このカードは融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。

(2):このカードが特殊召喚されたモンスターと

戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。

そのモンスターを破壊する。

(3):このカードが墓地へ送られた場合、

自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

「召喚時効果は五虹により封じられている。

 召喚後にビーストの効果で1枚ドロー」

 

 シャドール・ビーストにより引いてきたのは【稲荷火】であった

 

「【稲荷火】を特殊召喚する。

 チェーンは?」

「……使わない」

「ならばネフィリムとダルクの2体をリンクマーカーにセット!

 召喚条件は闇属性を含むモンスター二体!

 現われろ【暗影の霊使いダルク】!!」

 

 装いを新たにしたダルクがサーキットから現れ俺の前に降り立つ。

 

「トリフィオの効果は?」

「止めたいけど今止めても別口から動かれそうだから通しで」

「分かった。ネフィリムが墓地に送られたことで墓地から【影依融合】を回収する」

「クソっ!?

 止め時が難しいなぁ!」

 

 判断の是非に思い馳せるズァーク。

 しかしその顔には確かに喜悦が見えていた。

 だが、厳しいのはこちらも同じ。

 ここは…マスカレーナ、すまん。

 

「カードを1枚セットしてからダルクの効果を発動!

 ズァークの墓地からオフリスを特殊召喚する!」

「チェーンはしない」

 

 ダルクの杖の先端から魔力の光で描いた魔法陣が描かれ、その中心からサソリ型植物が這い出てくる。

 

「サーキット展開!

 オフリスと稲荷火をリンクマーカーにセット。

 召喚条件は効果モンスター2体。

 現れろ!電子の海を走り抜ける運び屋!

 リンク召喚【I:Pマスカレーナ】!!」

 

 バイクを駆ってフィールドに現れるマスカレーナ。

 

「ソイツは危険そうだから止める!!

 トリフィオの効果発動!!

 マスカレーナの召喚を無効にして破壊する!」

「チェーンして手札から【幽鬼うさぎ】を墓地に送り効果発動!!トリフィオを破壊する!!」

 

 3つ首が甲高く嘶きその声が波動となってマスカレーナを襲う。

 同時に半透明に透ける幽鬼うさぎがトリフィオに潜り込むとトリフィオは一際甲高い鳴き声をあげながら砂になった。

 そしてマスカレーナも波動に耐えられずバイクが爆発して粉塵の中に姿を消した。

 

「手札を警戒してたんだけど、やっぱり対抗策を仕込んでいたんだな」

「これでフィールドは空になったな。メインフェイズを終えバトルフェイズに移行する」

「それ以上は好きにはさせない!!メインフェイズ終了前に伏せカードオープン!永続罠【デモンズ・チェーン】発動!!」

 

【デモンズ・チェーン】

永続罠

フィールドの効果モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

対象の表側表示モンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

対象のモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 攻撃するため杖の先端に魔力の光を集わせるも、ズァークの展開したカードから伸びた鎖に囚われ無理矢理膝を着かされる。

 一部の人間が喜びそうな構図だが、やられた方は堪ったものではない。

 

「くっそ、ロック回避用のブラフであって欲しかったんだがな」

「オジサンを好きにさせると碌でもないことになるのはユーリの中から散々見せてもらったからな」

「さもありなんってか?

 バトルフェイズは放棄してそのままターンエンドだ」

 

 ライフ差は縮められなかったが、手札が無いズァークのフィールドを五虹1枚にまで削れただけ上等と見るべきだな。

 代わりに俺のフィールドもデッキ内の【シャドール】モンスターが全て墓地に落ちたため現状五虹の効果解除のみが役割と化している【影依融合】と案山子と化したダルクと【憑依覚醒】のみだから先ほどよりマシ程度と相変わらず厳しい。

 だからこそ愉しいと思うのはドMを通り越してもはや病気なのだろう。

 

「俺のターン。ドローフェイズ。ドロー。スタンバイフェイズ。メインフェイズ。

 このまま全てのフェイズを放棄してターンエンド」

 

 表情から事故とは思えないから手札誘発か伏せカードを引くまで使うのは待ちたいカードなのだろう。

 

「俺のターン。ドローフェイズ。ドロー。スタンバイフェイズ。」

 

 引いたのは【竜剣士ラスターP】。

 アリアドネが手札で待ち焦がれていた一枚だ。

 

【竜剣士ラスターP】

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター(制限カード)

星4/光属性/ドラゴン族/攻1850/守 0

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。

そのカードを破壊し、そのカードの同名カード1枚をデッキから手札に加える。

【モンスター効果】

このカードを素材として、「竜剣士」モンスター以外の融合・S・Xモンスターを特殊召喚する事はできない。

 

「メインフェイズ。

 俺は【解放のアリアドネ】と【竜剣士ラスターP】をペンデュラムスケールにセット!」

「その2枚の組み合わせは!?」

「アドバンテージを稼がせてもらうぜ。

 その前にチェーン確認だ」

「言いたくはないが手札のカードはオジサンのターン中に効果の発動が出来無いカードだ。

 テンポが悪くなるからこの先ターンエンドまで確認は取らなくていい」

「分かった。

 改めてラスターPのペンデュラム効果発動。

 解放のアリアドネを破壊してデッキから新たなアリアドネをサーチ。

 そしてアリアドネの効果発動。

 デッキから【神の宣告】【神の警告】【神の通告】を公開する」

 

【解放のアリアドネ】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1700/守 800

【Pスケール:青3/赤3】

(1):このカードがPゾーンに存在する限り、以下の効果を適用する。

●自分はカウンター罠カードを発動するために払うLPが必要なくなる。

●自分はカウンター罠カードを発動するために捨てる手札が必要なくなる。

【モンスター効果】

(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

デッキからカウンター罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中から1枚選ぶ。

そのカード1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。

 

「オジサンって実はアラブの大富豪かなんかなのか?

 3枚ともどれを取っても人生3回は遊んで暮らせるお金が有ったって手に入らないカードなんだけど?」

「俺の故郷じゃ3枚セットで買ってもカードパック一袋より安いぐらいの安物なんでな」

「おかしいだろその世界!!??」

 

 その台詞はまるっとブーメランだからな?

 

「さて、俺の故郷は置いておいてどれを選ぶ?」

「【神の通告】以外選べないよ」

「だよな。

 神の通告を手札に加え残りはデッキに戻す」

 

 アリアドネの効果でライフコストが無視出来る以上効果の狭い通告以外はどちらも選べるわけがない。

 

「そしてサーチしたアリアドネを再びペンデュラムスケールにセットし、スケール3のアリアドネとスケール5のラスターPでペンデュラム召喚!

 揺れろ、魂の導きを示す運命の振り子!

 現われろ【解放のアリアドネ】!」

 

 EXゾーンのダルクは効果を失っていてもリンクマーカーは関係ないから破壊されエクストラデッキに移動したアリアドネは後部左右には召喚できる。

 アリアドネとラスターPから光の柱が登りその間をどこからともなく現れたペンデュラムが揺れて極彩色の道を描き、その道から白い砂時計にもみえる機械が現れた。

 

「モンスターが2体!

 来るか!!??」

「当然だ!!

 サーキット展開!!ダルクとアリアドネをリンクマーカーにセット!!

 この時ダルクのリンクマーカー2つをマーカーに追加装填出来る。

 召喚条件は魔法使い族を含んだモンスター2体以上!

来いリンク3【神聖魔皇后セレーネ】!!」

 

【神聖魔皇后セレーネ】

リンク・効果モンスター

リンク3/光属性/魔法使い族/攻1850

【リンクマーカー:左下/下/右下】

魔法使い族モンスターを含むモンスター2体以上

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動する。

お互いのフィールド・墓地の魔法カードの数だけこのカードに魔力カウンターを置く。

(2):フィールドに「エンディミオン」カードが存在する限り、

相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。

(3):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに、

自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。

自分の手札・墓地から魔法使い族モンスター1体を選び、

このカードのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。

 

「セレーネは攻撃力1850の魔法使い族のため【憑依覚醒】の効果で1枚ドロー!!」

 

 引いたのは【憑依連携】。

 

「見せてやるよズァーク。俺の切り札をな!

 セレーネの召喚時効果発動!!

 セレーネは召喚時にお互いのフィールドと墓地の魔法カードの数だけカウンターを得る。

 墓地には合計2枚。

 フィールドには魔法カード扱いのペンデュラムモンスターも対象に含むため合計4枚を加えた6個の魔力カウンターを追加する。

 次いでセレーネのモンスター効果発動。

 カウンターを3つ取り除き墓地から魔法使い族を特殊召喚する。

 俺は墓地のエリアを選択し特殊召喚する」

 

 ダルクとどちらにしようか考え、どちらも変わらないので先に来たのでエリアを召喚する。

 

「サーキット展開!

 エリアとセレーネをリンクマーカーにセット!

 セレーネをマーカー3箇所に追加装填する!!」

「合計マーカー4…レベルに換算するなら9か10ぐらいの超大型モンスターか」

「ああ。その通りだ。

 召喚条件は効果モンスター2体以上!

 全ての悪性情報を焼き払う白金の騎士よ、未来回路より現世に現われ立ち塞がる全てを焼き払え!!

 リンク召喚!リンク4【アクセスコード・トーカー】!!」

 

【アクセスコード・トーカー】

リンク・効果モンスター

リンク4/闇属性/サイバース族/攻2300

【リンクマーカー:上/左/右/下】

効果モンスター2体以上

このカードの効果の発動に対して相手は効果を発動できない。

(1):このカードがL召喚した場合、そのL素材としたLモンスター1体を対象として発動できる。

このカードの攻撃力は、そのモンスターのリンクマーカーの数×1000アップする。

(2):自分のフィールド・墓地からLモンスター1体を除外して発動できる。

相手フィールドのカード1枚を破壊する。

このターン、自分は「アクセスコード・トーカー」の効果を発動するために同じ属性のモンスターを除外できない。

 

 黄金に彩られた白銀の鎧を纏い黄金に輝く長槍を携えた騎士が颯爽と大地を踏みしめる。

 

「……凄い」

 

 その威容にズァークは圧倒されながらも感動で目を輝かせた。

 

「凄いよオジサン!!

 オジサンの世界にはこんなにカッコイイモンスターが居るんだね!?」

「ありがとうズァーク。

 だけどスターヴヴェノムだってカッコイイさ」

「当然だよ!!

 今は他の分割された俺と共に居る【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】も【クリアウィング・シンクロ・ドラゴン】も【オッドアイズ・ドラゴン】だってソイツに負けないぐらいカッコイイんだからな!!」

 

 どこか粗雑だった態度は消え、まるで、いや、年相応の少年の輝きに満ちた瞳でそう宣うズァーク。

 そんな彼に俺はやっぱりデュエルってのはこんなふうに楽しめるのが大事だと思った。

 

「ははは。

 さあ、もっとデュエルを愉しもうぜズァーク!!

 お楽しみはまだまだ終わらないぜ!!」

 




おまけ(1)

姫様「納得いかないわ!!」
アリアス「どうしました姫様?」
姫様「あの【解放のアリアドネ】ってモンスターよ!」
姫様「アリアドネはアリアス達のものであってあんなへんちくりんなモンスターに相応しくないわ!!」
姫様「決めたわ!真にアリアドネに相応しい存在を私が生み出してやるわ!!」
アリアス「でしたら執事と2人で作られたら如何ですか?」
姫様「え? それってつまり…私と執事でオーバーレイして新しい命を…」(真っ赤になり沈黙)
アリアス「どちらかというと執事はユニオンモンスターとしてドッキングする方が近いのでは?」
アリアス「っと、流石に品が無さすぎる例えでしたね」

おまけ(2)
※ギャグなので本編とキャライメージは違います

アクセス「ふっ、強も私がフィニッシャーとして輝いてしまったか」
アーク「ぐぬぬ…」
アーゼ「ワンキル必至故にさもありなん」
アリーナ運営「貴様ら、絶対に許さんからな」
アクセス「クソッ!? ラビュリンスに続いて私達も規制する気か!?」
アーク「致し方無いとは言え強すぎるのも罪だというのか…」
セレーネ「大変ですね」←茶を啜りつつ
サモプリ「この世は無常」←同じく
アリーナ「許さんぞセレーネ!サモンプリースト!貴様たちは禁止だ」
セレーネ「」
サモプリ「」

こんな感じなのでアリーナでの執事はあんまり燃えません。
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