迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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今回はいつもより執拗に確認したから大丈夫だと…思いたい。


格上に挑む時こそがエンジョイ勢の一番楽しい時間である(5)

「メインフェイズ!!

 俺は手札から【マジック・プランター】を発動!」

 

【マジック・プランター】

通常魔法

(1):自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

自分は2枚ドローする。

 

 あ、すっごいデジャヴ。

 より詳細に言うと十代が強欲なバブルマンさんを召喚した時とおんなじ流れを感じる。

 

「フィールドの【デモンズ・チェーン】を墓地に送り2枚ドロー!!」

「チェーンは…しない!」

 

 【憑依連携】でデモチェを破壊しても効果が止められるかはっきり覚えていないせいで無駄打ちのリスクが高過ぎる!

 

「2枚ドロー!!

 そして手札から【揺れる眼差し】を発動!!」

 

【揺れる眼差し】

速攻魔法

(1):お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。

その後、この効果で破壊したカードの数によって以下の効果を適用する。

●1枚以上:相手に500ダメージを与える。

●2枚以上:デッキからPモンスター1体を手札に加える事ができる。

●3枚以上:フィールドのカード1枚を選んで除外できる。

●4枚:デッキから「揺れる眼差し」1枚を手札に加える事ができる。

 

「フィールドのペンデュラムスケールは合計3枚!

 よって俺は3つの効果を適用する!!」

 

 マズイマズイマズイ!!

 

 今アリアドネの効果無しに神宣系を使うにはリスクが高すぎる!

 しかも対象を取らない除外だからどれを消されるかもわかりゃしない。

 考えろ!

 奴が一番やりたい事とやられたくない事は何だ?

 フィールドには実質伏せ2枚とアクセスに【憑依覚醒】。

 そして、ヤツの多用するエースは…。

 

「チェーンして【憑依連携】を発動!!

 墓地から【憑依装着−エリア】を特殊召喚!!」

「チェーンは無しだ!」

「ならば逆順処理によりエリアを特殊召喚し、その際に【憑依連携】の効果でアクセスコード・トーカーを破壊する!!」

 

 黒と青の混ざり合ったエネルギー弾がアクセスコード・トーカーに着弾し爆炎が発生した。

 

「その後【揺れる眼差し】の効果が適用されるが対象は?」

「【憑依覚醒】を除外するよ。

 同時に【アストログラフ・マジシャン】を手札に加えてオジサンに500ダメージを与える」

 

 今まで戦線を支えていた精霊の力が消え顔を歪めるエリア。

 そしてペンデュラムスケールを破壊したエネルギーの余波が俺を焼く。

 

「ぐぅっ!?」3000→2500

 

 軽くはない余波に膝が笑いかけるが意地だけで押さえつけ俺は喜悦に笑う。

 

「くっそぉ…よっくも切り札自爆させてくれたな?」

「正直びっくりしたよ。

 あれだけ出すのに苦労した切り札を簡単に手放せるなんて」 

「【超融合】で食われるより自爆させる方がなんぼかマシだからな」

 

 ユーリのデッキには【超融合】が入っている事を鑑みれば、このタイミングで手札に無いなんてことはないだろう。

 オマケに互いを縛り上げていた五虹ロックがついに解かれてしまったのだ。

 それを考えれば手札3枚のズァーク相手に闇属性のアクセスを残すリスクはあまりにも高かった。

 

「俺がアクセスコード・トーカーを除外すると思わなかったのか?」

「そんな安いプレイングするような奴が次元最強の座に立てるかよ」

 

 流れは確実にズァークの勝利へと向かっている。

 故にその流れにどう一石投げ入れるか全力を講じねば負ける未来は変えられない。

 

 ああ、本当に楽しいなぁ。

 

 相手は不完全体とはいえ次元最強のデュエリスト。

 おまけに運命さえもが味方についた最強状態。

 運命なんて巨大な舞台装置に立つ強敵を倒せるか否か。

 そんな荒唐無稽な大勝負に滾らない男はいないんだよ。

 

「ああ。アリアドネの破壊時効果を発動するがチェーンは?」

「無いよ」

「分かった。

 公開するのは【神の宣告】【レッド・リブート】【龍皇の波動】の3枚だ」

「また悪辣なラインナップを…。

 【レッド・リブート】を選ぶよ」

 

 つまり今使う罠カードは無いと言うことだな。

 或いは対策が出来る状態かライフアドを優先してなのかもしれない。

 

「手札から【虹彩の魔術師】をペンデュラムスケールにセットする」

 

【虹彩の魔術師】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。

このターン中、以下の効果を適用する。

その後、このカードを破壊する。

●対象のモンスターが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

【モンスター効果】

このカードはルール上「ペンデュラム・ドラゴン」カードとしても扱う。

(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

デッキから「ペンデュラムグラフ」カード1枚を手札に加える。

 

「更に手札から【慧眼の魔術師】をペンデュラムスケールにセットし効果を発動!

 自身を破壊しデッキから【紫毒の魔術師】をペンデュラムスケールにセット!」

 

【慧眼の魔術師】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500

【Pスケール:青5/赤5】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カードか「EM」カードが存在する場合に発動できる。

このカードを破壊し、デッキから「慧眼の魔術師」以外の「魔術師」Pモンスター1体を自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

(1):このカードを手札から捨て、自分のPゾーンの、

Pスケールが元々の数値と異なるカード1枚を対象として発動できる。

そのカードのPスケールをターン終了時まで元々の数値にする。

 

【紫毒の魔術師】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2100

【Pスケール:青1/赤1】

(1):1ターンに1度、自分の魔法使い族・闇属性モンスターが戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。

そのモンスターの攻撃力はそのダメージステップ終了時まで1200アップする。

その後、このカードを破壊する。

【モンスター効果】

このカードはルール上「フュージョン・ドラゴン」カードとしても扱う。

(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、

フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 今の俺にズァークを止める術はない。

 

「揺れろ、魂のペンデュラム!

 描け天空のアーク!

 ペンデュラム召喚!来たれ我が魂の導き手【アストログラフ・マジシャン】!!」

 

【アストログラフ・マジシャン】

ペンデュラム・効果モンスター(制限カード)

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、手札・デッキから「星読みの魔術師」1体を選び、

自分のPゾーンに置くか特殊召喚する。

【モンスター効果】

(1):自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

その後、このターンに破壊された自分か相手のモンスター1体を選び、

その同名モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。

(2):自分の手札・フィールド・墓地の、「ペンデュラム・ドラゴン」「エクシーズ・ドラゴン」

「シンクロ・ドラゴン」「フュージョン・ドラゴン」モンスター1体ずつと、

フィールドのこのカードを除外して発動できる。

「覇王龍ズァーク」1体を融合召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

 

 ヘビーメタルでいきなりでてくるより遥かにマシだが、しかし趨勢は完全に傾ききってしまった。

 だが、まだ諦めない!

 

「トラップ発動!!【神の通告】」2500→1000

 

【神の通告】

カウンター罠

(1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。

●モンスターの効果が発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。

その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 光の道を抜け現れた宇宙を身に宿す魔術師が大地に降りる前に光にかき消される。

 

「漸く使わせられたな」

「ああ。切らざるを得ないからな」

 

 ペンデュラムスケールの紫毒の魔術師の効果で3700まで上昇したアストログラフの攻撃をエリアで受け止めた際の残りライフは650と通告を使うより少なく、おそらく使う必要はないと使わないだろうしこちらはモンスターが居なくなるので次のターンにアストログラフに始末されるだろう。

 そもそも虹彩の魔術師を使っていればそのまま止めを刺されただろうが【超電磁タートル】があるからまだ使わなかったのは目に見えている。

 まあ、この状況では墓地の【超電磁タートル】も当てにならないんだがな。

 使おうとすればわらしで止められるだろうし、仮に使えても1ターン死を引き伸ばすだけで解決策には届かない。

 

 さて困った。最後の1枚も使ってしまったからもう打つ手が無い。

 

 仮にエリアが残った状態で次のターンにレベル4モンスターを引けて、リダンかバグースカを喚んでアーゼウスに繋げてフィールドを空にしても、返しのターンにモンキーボードあたりを引いてリカバリーされるのが簡単に想像出来てしまう。

 いや、ここまで来たらモンスターを引くまでもなく手札が【超融合】ではなくモンキーボードの可能性だってあるか。

 

「手札から 【EMドクロバット・ジョーカー】を通常召喚!」

 

 【EMドクロバット・ジョーカー】

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100

【Pスケール:青8/赤8】

(1):自分は「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターしかP召喚できない。

この効果は無効化されない。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚した時に発動できる。

「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、

いずれか1体をデッキから手札に加える。

 

 どうやらそんな可能性を考えることすら無意味だったらしい。

 

「ようやく理解した。

 ズァーク。お前のデッキは【EM魔術師】だったんだな」

 

 五虹の時点で【EM魔術師】は想像できた筈だった。

 しかしその身体はユーリのものであり、これまで【捕食植物】メインにペンデュラムモンスターを使わず汎用カードばかりで立ち回っていたからその可能性に思い至れなかった。

 

「ああ。漸く俺のカード達が本気を出してくれたよ」

「マスターが本気でやる気になったからだろうな」

「情けない様子だったのは認めるよ」

 

 クツクツと苦笑するズァーク。

 

「チェーンの確認は必要無いよな?」

「ああ。そうだな」

 

 手札は【レッド・リブート】1枚だけ。

 態々確認を取ってテンポを悪くする必要はない。

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果で2枚目の【紫毒の魔術師】を手札に加えてバトルフェイズに移行する。

 ドクロバット・ジョーカーでエリアに攻撃!

 その時【紫毒の魔術師】のペンデュラム効果発動!!」

「攻撃にチェーンして墓地から【超電磁タートル】を除外してバトルフェイズを終了させる!!」

 

【超電磁タートル】

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻 0/守1800

このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。

そのバトルフェイズを終了する。

 

 紫色のオーラを纏った道化師は墓地より飛来した電磁ネットに阻まれズァークの元へと弾かれていく。

 

「【紫毒の魔術師】のペンデュラム効果により自身を破壊する。

 その際に破壊時効果を発動。

 エリアを破壊する」

 

 ドクロバット・ジョーカーが纏っていたオーラが気を抜いていたエリアを強襲し驚愕するエリアを飲み込む。

 オーラに包まれたエリアは苦悶の表情を浮かべながら倒れ込み、力尽きて倒れ伏した。

 

「【紫毒の魔術師】を再びペンデュラムスケールにセットしてターンを終了する」

 

 壁になるモンスターは無い。

 伏せカードは使えない1枚のみ。

 手札は役に立たないカウンター罠だけ。

 まさに絶体絶命。

 MDなら迷わずサレンダーする状況だろう。

 

 だが、俺は楽しいと思っていた。

 

 出来る限りは尽くした。

 

 だからその上で負けたのなら納得出来る。

 

 だからこのデュエルを最後まで楽しもう。

 

「俺のターン。ドローフェイズ」

 

 ドロー。そう言おうとして、俺は何故か巨大な門が聳える得体のしれない場所に立っていた。

 




ズァークは自分がペンデュラム創始者だと宣ってましたので【EM魔術師】にユーリの【捕食植物】混合デッキとさせてもらいました。

ところで執事君や、お前どこ行ってんだよ?←
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