迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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というわけでエピローグです。

ですが、内容が多すぎるためダイジェスト風です。


未来からの忠告の意味がようやくわかった。

 その後の話というか、後日談。

 

 赤馬零王は殺してもいい気がしてやまなかった。

 

 やはりというかあの野郎融合次元の政府にまでその手を広げており、次元統一後の政権の実権を握らせる口約束を交わしてアカデミアの所業を黙認させていたのだ。

 お陰で対処しなきゃならない相手は新世界の覇権を夢見るクソ政治家まで拡大し、当然政治的判断やら解決やらなどの知識などは無い俺だけでは対処しようがなく政治的手腕が期待できる知り合いに総当たりで土下座行脚する羽目になった。

 因みに件のも含め政治家共は我先にと赤馬零王を悪逆非道の悪人とまくし立て自分達も被害者であり解決のために協力すると口にしていたが、自分達に罪が及び責任を取りたくないという醜さと生き汚さが全く隠しきれていなかった。

 こんなクソ汚いものをアカデミアの子供達に見せたくないから我慢するが、やはり赤馬零王は許してはならないだろう。

 しかし人手不足はまだまだ酷いためにやりたくは無かったが猫の手どころか蚤の手でさえ欲しいので、マスターヴェールを仲介に【魔導】と【エンディミオン】にまで協力要請を出す羽目にもなった。

 

 両者は協力の対価として次元航行及びカード化の技術提供をする事を要求してきた。

 

 まあ、そうなるよな。

 兵士をカードにすれば輸送や兵站等のドクトリンが革新を起こすのは軍事に詳しくない俺にだって分かるし、それだけでなく食料問題の解決にも役立つだろうし、重傷の者や重い病気の人をカード化して延命処置に転用出来るなら医療関係にだって革命が起こる。

 カードにされた事による不幸や悲劇等負の面ばかり目立つが、人の命を救う技術としての可能性は確かにあるのだから軍事以外の視点からも欲しがるのは当然だろう。

 これについては次元航行は却下するが物質のカード化はカード化を解く手段の確立を持ってからの提供という条件を付けそれを双方が了承した為に自由都市も含めた政治的調停を目的とした合同使節団の設立により政治的な対処の目処はついた。

 

 ついでにやりたくはないが父親のやらかした事態解決に協力してもらえないかとスタンダード次元に赴き、息子の赤馬零児にも菓子折り片手に訪問して要請した。

 赤馬零児は赤馬零王…もうハゲでいいか。ハゲのやらかした事態の規模とその本当の目的に目が死んだ。

 奥さんは泡を吹いて寝込んだ。

 養子の息子は二次被害者なのに最前線で一番忙しくしている俺を哀れみの目で慰めてきた。

 そんな状況なのに赤馬零児は事態解決に全力で協力すると言ってくれて、こんな若人に悲痛な決意を抱かせたハゲに更に殺意が湧いた。

 赤馬零王の身柄については研究者諸共赤馬零児が引き取り、会社の地下に監禁する事になった。

 ハゲとその仲間は生かしても殺しても影響が大き過ぎるため、カード化された者を解放する技術を確立させた後は一生飼い殺しにするそうだ。

 

 これは余談だが、その際にズァークの分割体の一人である【オッドアイズ・ドラゴン】の所持者の現状を知った。

 

 はっきり言おう。どうやらこの世界の大人はクソしかいないらしい。

 

 言い方は悪いが彼の境遇は不遇でこそあるが周りには信頼出来る味方がちゃんといるから、介入等せずとも主人公らしく逆境を跳ね除けて成長し成り上がれるだろう。

 なので、赤馬零児に事情を説明してズァークの二の舞いにならぬよう彼を気にかけて欲しいとだけ頼み介入は最小限に留めておいた。

 よしんばヘルカイザーみたいな悪堕ちもどきと成り果てズァークを復活させようとしたら、俺が責任を取って最近集まりがいいので組めそうな【深淵入りティアラメンツ&クシャトリラ】で盤面完全破壊して人格が崩壊するレベルの絶望を知らしめて矯正しよう。

 

 ハゲの被害者であるアカデミアについては帰ってきた十代に協力を頼んだ。

 ハゲの所業に十代も一瞬覇王十代になるぐらい怒りを抱いたらしく、アカデミアの改善に本人からも協力を名乗り出てくれた。

 更に十代は此方側のアカデミアにも協力を頼み、その結果GXアカデミアと融合次元アカデミアの教師がデュエルでぶつかり合う抗争が開始されたのは俺の責任だろうか?

 

 とまあ、このような感じで融合次元の問題については一先ず解決の糸口は掴めたが、問題はまだ山積みである。

 

 直接的な被害者であるエクシーズ次元だ。

 

 政治的な某は政治家同士で片付くが、家族や友人をカードにされた被害者達の心の傷をどう癒やしていくか。

 その問題にぶつかった時、意外な場所から提案が挙がった。 

 

 マナことブラック・マジシャン・ガールである。

 

 マナから突拍子もない提案を齎されたのだ。

 それは、

 

「私が慰問ライブをやる!」

 

 何を阿呆な事をと師匠に呆れられたが、当時三徹目で頭がおかしくなっていた俺には妙案にしか思えずそれにGOを出してしまった。

 ついでにアイドルカードとして人気の高いウィン達も一緒に加えて慰問団を作りエクシーズ次元に元気を与えさせようと暴走した。

 

 その後ぶっ倒れて正気に戻ったときには後には引けないお祭り騒ぎが始まっていた。

 

 これはかなり先の話だが、頭がおかしくなった俺が霊使いだから仲間外れは良くないと慰問団の中に加えたダルクがお姉様だけでなく新たな性癖を開いた野郎からも人気を博し、ファンクラブ内で非公式に開催された人気投票の最上位に名前が載ってしまいダルクからどうしてくれるんだと詰められる事になるのであった。

 

 唯一一切の被害も関わりもないシンクロ次元に関しては平等な関係を維持するための政治的取引のみで片付いたため割愛する。

 

 そんな感じで睡眠時間が2時間を切るセルフブラック社畜に勤しんでいた俺は、最中に姫様から呼び出されしこたま叱られてしまった。

 

「貴方は私の執事なのになんで私をほっぽっているのよ!!」

 

 姫様の構って欲しいが限界を突破してしまったのだ。

 

 内容の殆どが自分本意な我儘であったが、クソのほうがマシな政治屋や後始末の山で休む間も無い程の仕事に押し潰されていた俺には姫様の声で罵られるのはただのご褒美であった。

 

 本当に姫様は可愛らしいなぁ。

 我儘も可愛らしいものだし、身勝手だが必要以上に人に迷惑を掛けたりしないところもちゃんと周りが見えている証だ。

 

 流石に四徹は無謀が過ぎたらしく、失礼な話だがお説教の最中に反省もせずに上記の内容を考えながら寝落ちしてしまった。

 そして半日ほど気絶した俺は起きた後で顔を真っ赤にしてプルプル震えている姫様から罰を賜ることになった。

 

「貴方の作った新しい【ドリアード】デッキを取り上げます!!」

 

 一度も回さずに手放すのは残念だがそれ以上に未完成品を姫様に献上するのが嫌だったのだが、俺の無様さに顔を赤くし震えるほどの怒りを抑えておられる姫様に逆らうことなど出来るはずもなく俺は粛々とその命に応じた。

 

 ※執事の姫への賞賛は全て口から漏れており、姫様は褒め殺しを食らってリーサル取られています。

 

 そうして姫様にデッキを献上するため一旦屋敷に戻った俺は、そこで見知ったモンスターの姿を見た。

 

「リダン?

 ……ああ、今日がその日なのか」

 

 俺がブルーノの修理が叶うのか知る為にリダンに未来の情報をと送り出して一月が経ったらしい。

 

 ……一月で世界の危機をぶっ壊したとか流石ホビー販促アニメだな。

 

「マスター」

 

 俺に気付いたリダンが近付いてくる。

 

「一応確認するが、一月前から来たんだよな?」

「ああ。君の頼みでね。

 それにしても随分窶れているけど何があったんだい?」

 

 心配そうに眉を顰めるリダンに俺は苦笑を返す。

 

「ちょっと泣いている子供を助けただけだ。

 おまけも付いてきたが、まあ自業自得だからなんとかする」

「そうか」

「ああ。そうだ」

 

 せっかくだから過去の俺に忠告しておこう。

 

「過去の俺に伝言を頼む。勿論俺からというのは内緒でな」

「構わないが未来を改竄するようなのはあまり控えてほしいな」

 

 その心配はない。なにせ、ある意味この言葉が始まりだったんだからな。

 

「『姫様を怒らせるのは程々にしておけ』とだけ頼む」




次回はゴチャついてきた設定周りを整頓したいので少し遅くなります。

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