迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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お待たせ!ワンキルしかないけどいいかな?

しかも今回もボリューミーです()


偶には人の心を投げ捨てたい(結)

 その光景を目撃した十一人のデュエリストは後に語る。

 

 『デュエリストを名乗りたいならば到達してはいけない領域を、本当に恐ろしいものを見た』と。

 

「私は手札から【アラメシアの儀】を発動します」

 

【アラメシアの儀】

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、自分は特殊召喚されたモンスター以外のフィールドのモンスターの効果を発動できない。

(1):自分フィールドに「勇者トークン」が存在しない場合に発動できる。

自分フィールドに「勇者トークン」(天使族・地・星4・攻/守2000)1体を特殊召喚する。

自分フィールドに「運命の旅路」が存在しない場合、

さらにデッキから「運命の旅路」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。

 

「チェーン確認です。

 発動するカードはありますか?」

「無い」

「ではフィールドに『勇者トークン』を守備表示で生成します。

 さらにデッキから【運命の旅路】を表側でセット」

 

【運命の旅路】

永続魔法

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「勇者トークン」のトークン名が記されたモンスター1体を手札に加え、

その後手札を1枚選んで墓地へ送る。

(2):モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。

デッキから「勇者トークン」のトークン名が記された装備魔法カード1枚を選び、

手札に加えるか、自分フィールドの「勇者トークン」1体に装備する。

(3):1ターンに1度だけ、装備カードを装備している自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

「一枚で攻守二千のトークンを召喚し永続魔法を配置するカードか」

「攻守二千は弱くないけど召喚時効果が使えなくなるのは難しいかな?」

「いや。通常召喚時の効果のみだから召喚するモンスターを通常モンスターか墓地効果や手札効果のモンスターに絞ればノーリスクと見ていいだろう」

 

 執事のフィールドに現れるたのは人形を象る数多の水。

 使われた未知のカードにどの様な展開をするのかと意見が飛び交う中、執事は宣言する。

 

「【運命の旅路】の効果によりにデッキから【流離いのグリフォンライダー】をサーチします。

 チェーン確認です」

「一々聞くな!!

 貴様がターンエンドするまで好きにやれ!!」

 

 丁寧にチェーン処理を行う執事に苛立たしげに吐き捨てるロジェ。

 その瞬間、ロジェは己の発言に後悔した。

 

「……成程。手札誘発は無いと」

 

 執事の目がヤギのように平たく歪み、頰が吊り上がり人ではなく悪魔の笑みを浮かべたからだ。

 

「宜しい。ならばグリフォンライダーを手札に加え一枚を墓地に贈ります。

 その後グリフォンライダーの効果で自身を守備表示で特殊召喚します」

 

【流離のグリフォンライダー】

効果モンスター(禁止カード)※MDでは制限カード

星7/風属性/鳥獣族/攻2000/守2800

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに、モンスターが存在しない場合、または「勇者トークン」が存在する場合、

自分・相手のメインフェイズに発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):自分フィールドに「勇者トークン」が存在し、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。

このカードを持ち主のデッキに戻し、その発動を無効にし破壊する。

 

 人型に傅くように鞍を装着したグリフォンが四肢を畳み座り込む。

 

「高レベルモンスターをノーリスクで呼び出すのか!?」

「だけじゃないね。あのモンスター、【フルール・ド・バロネス】と同じ【神の宣告】内蔵モンスターだね。

 これで妨害が一枚立ったね」

 

 先程執事が口にした『デュエルをしないデッキ』という言葉を思い出したユーリは此処から更に何枚の妨害を立てるのかと恐れながらも期待していた。

 

「手札から【炎舞-「天璣」】を発動します」

 

【炎舞-「天璣」】

永続魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、

デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター1体を手札に加える事ができる。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は100アップする。

 

「【炎舞-「天璣」】の発動時効果によりデッキから【月光虎】をサーチします」

 

【月光虎】

ペンデュラム・効果モンスター

星3/光属性/獣戦士族/攻1200/守 800

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。

【モンスター効果】

「月光虎」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、

自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

「【月光】!!??」

 

 自分が扱うテーマを口にされ驚愕するセレナ。

 その横でユーリはあれ?と首を傾げる。

 

「でもオジサンエクストラデッキに融合モンスター入れていないって言ってたはず…?」

 

「手札から【月光香】を発動。

 先ほど墓地に贈った【月光彩雛】を蘇生します」

 

【月光香】

通常魔法

(1):自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):墓地のこのカードを除外し、手札を1枚捨てて発動できる。

デッキから「ムーンライト」モンスター1体を手札に加える。

 

【月光彩雛】

効果モンスター

星4/闇属性/獣戦士族/攻1400/守 800

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、デッキ・EXデッキから

「ムーンライト」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。

このターン、このカードを融合素材とする場合、

墓地へ送ったそのモンスターの同名カードとして融合素材にできる。

(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、

自分の墓地の「融合」1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

(3):このカードが除外された場合に発動できる。

このターン、相手はバトルフェイズ中に効果を発動できない。

 

 月の香に誘われ雛のような帽子をかぶるモンスターがフィールドに降り立つ。

 

「【月光彩雛】の効果発動。

 【月光黄鼬】を墓地に送ります」

 

【月光黄鼬】

効果モンスター

星4/闇属性/獣戦士族/攻 800/守2000

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、

「月光黄鼬」以外の自分フィールドの「ムーンライト」カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを持ち主の手札に戻し、このカードを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「ムーンライト」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

 

「【月光虎】をペンデュラムゾーンにセットし効果を発動。

 【月光黄鼬】を蘇生します」

 

 月の光を宿す鼬の獣人が場に現れる。

 

「これで四体。

 これで通常召喚を行っていないなんて冗談だろ?」

「でもここから何を…」

 

「【月光彩雛】と【月光黄鼬】の二体でオーバーレイ・ネットワークを構築!」

「本当に【月光】でエクシーズ召喚するのか!?」

 

 以前エクシーズ使いが【月光】を使うと執事に言われたセレナは目の前で本当にエクシーズ素材として使われる光景に驚愕から瞠目する。

  

「冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実を暴き鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!

 エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!【RR-フォース・ストリクス】!」

 

【RR-フォース・ストリクス】

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

レベル4モンスター×2

(1):このカードの攻撃力・守備力は、自分フィールドの他の鳥獣族モンスターの数×500アップする。

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える。

 

 光の渦より飛び出した梟は身を守る形で翼を前に翳しながら執事の肩に止まる。

 

「【RR】だと!!??」

 

 全く関係ないテーマから自分の使うテーマが現れ隼が驚愕に叫ぶ。

 

「フォース・ストリクスの効果発動。

 エクシーズ素材を取り除きデッキからレイダーズ・ウィングを手札に加えます」

「遊矢、今何が起きているの?」

「分からない。

 何がどうしたら手札を増やしながらこんなにフィールドが埋まるのか俺には全くわからない!?」

 

 異次元のデッキ理論と展開光景に遊矢が混乱する中執事は全く止まらない。

 

「墓地の【月光香】の効果発動。

 手札を捨てデッキから【月光紫蝶】を手札に加えます。

 その後手札から捨てた【レイダーズ・ウィング】の効果を発動します。

 フォース・ストリクスからエクシーズ素材を取り除き自身を特殊召喚」

 

【レイダーズ・ウィング】

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻 0/守2000

このカード名はルール上「幻影騎士団」カード、「RR」カードとしても扱う。

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、

自分フィールドの闇属性XモンスターのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

(2):このカードを素材として持っている、元々の属性が闇属性のXモンスターは以下の効果を得る。

●このカードは相手の効果の対象にならない。

 

「サーキット展開!

 リンクマーカーにフォース・ストリクスとレイダーズ・ウィングをセット!

 召喚条件は鳥獣族・闇属性モンスター2体!

 未来回路を駆け抜け電子の海より現われろ!叡智の梟よ!雌伏の時を超え反逆の時を告げる先触れとなれ!

 リンク召喚!リンク2【RR-ワイズ・ストリクス】!」

 

【RR-ワイズ・ストリクス】

リンク・効果モンスター

リンク2/闇属性/鳥獣族/攻1400

【リンクマーカー:左下/右下】

鳥獣族・闇属性モンスター2体

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがL召喚した場合に発動できる。

デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはL素材にできず、効果は無効化される。

(2):自分の「RR」Xモンスターの効果が発動した場合に発動する。

デッキから「RUM」魔法カード1枚を自分フィールドにセットする。

速攻魔法カードをセットした場合、そのカードはセットしたターンでも発動できる。

 

「これがリンク召喚…」

「召喚条件さえ揃っていればどんなモンスターもが召喚素材に使える拡張性は正に未来回路の言葉の通りか」

 

 初めて見るリンク召喚に驚きの声が漏れる中、その本質をいち早く察し始めた零児はどうやってでもリンクモンスターを手に入れようと誓う。

 

「ワイズ・ストリクスの効果発動。

 デッキから【BF-精鋭のゼピュロス】を特殊召喚します」

 

【BF-精鋭のゼピュロス】

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1600/守1000

このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドの表側表示カード1枚を手札に戻して発動できる。

このカードを特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける。

 

 鋼の梟が翼を広げ影を大きく広げるとその影を道として黒い翼の鳥人がフィールドに飛び出してきた。

 

「【BF】まで入っているの?」

「いや。ゼピュロスは展開用のピン刺しモンスターだな」

 

 どれだけのテーマが混ぜ込まれているのかと困惑するリンにデュエル勘に特化したユーゴは本能で正鵠を射た。

 

「墓地の【月光黄鼬】の効果発動。

 フィールドの【月光虎】を手札に戻し自身を特殊召喚。

 そしてゼピュロスと月光黄鼬でオーバーレイ・ネットワークを構築します。

 来なさい【レイダーズ・ナイト】!」

 

 獣人と鳥人の二体が生み出した金色の銀河を渡り機械馬に跨る重装騎士が現れた。

 

「レイダーズ・ナイトの効果発動!!

 エクシーズ素材を1枚墓地に送りエクストラデッキのランク3かランク5の【RR】【幻影騎士団】【エクシーズ・ドラゴン】の何れかのエクシーズ・モンスターをエクシーズ召喚する!」

「まさかとは思っていたが、【レイダーズ】は【幻影騎士団】と【RR】両方をサポートするテーマだったみたいだな」

「ああ。加えてレイダーズ・ナイトには俺のエースモンスター【エクシーズ・ドラゴン】へのランクアップも出来る…」

 

 自身が使うテーマのその更なる可能性を示唆するカテゴリーを見せる執事に羨望の念を抱く隼とユート。

 

「オーバーレイ・ネットワークの向こうより我が前に顕れよ!

 反逆の翼羽ばたかせし不屈の機龍!!

 エクシーズ召喚!ランク5【アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】!!」 

 

【アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

レベル5モンスター×3

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):X召喚したこのカードは効果では破壊されない。

(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力は、このカード以外のフィールドのモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。

このカードが闇属性XモンスターをX素材としている場合、

さらにこのカード以外のフィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分はこのカードでしか攻撃宣言できない

 

 機械馬が首元のマフラーから大量の炎を吹き出し大渦となって自身を包む。

 そして内側から爆発するように炎を爆ぜさせながら現れた紫を基調とした鋼の巨龍が凄まじい咆哮を轟かせた。

 

「来た!! オジサンの切り札其の一!!」

 

 真逆の初手アークリベリオンにユーリが興奮した様子で燥ぐが、他の者たちは目の前の光景に絶句していた。

 

「これが、本当に私達と同じDMなの?」

 

 フィールドには永続魔法二枚、攻守二千のトークンに生贄必須の筈の強力な効果を持った高レベルモンスターに加えて2体以上のモンスターを要求するエクストラデッキから呼び出されたモンスターが二体。

 それを召喚権を使わず更に手札消費は四枚で、にも関わらず執事の手札はまだ四枚も残っている。

 異次元という言葉すら生温い光景に畏敬を通り越した恐ろしささえ感じていた。

 

「お見事。まさにそう言うしかない光景ですな」

 

 ワイズ・ストリクスの効果を発動しようとした執事にそう拍手を送るロジェ。

 

「しかしながら少々待たせ過ぎでは?

 デュエルとは貴方一人で完結するものではないでしょう?」

 

 これ以上やらせてはならない。

 そう理解したロジェがターンエンドをするよう口にするが、しかし執事はくつくつと嗤い声を零した。

 

「何をおっしゃいますか?

 私のターンが始まってまだ2分と経ってはいないでしょう?

 私の『おもてなし』はまだ途中。

 最期まで楽しんで戴きたい」

「アレでまだ終わらないのですか…?」

 

 既にモンスターゾーンの残りは二枠。

 此処から更に何をしようというのか。

 

「それでは続きを。レイダーズ・ナイトが効果を発動したためワイズ・ストリクスの効果を発動。

 デッキより【RUM-ソウル・シェイブ・フォース】をセットします」

 

【RUM-ソウル・シェイブ・フォース】

通常魔法

(1):LPを半分払い、自分の墓地の「RR」Xモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターよりランクが2つ高いXモンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。

 

「くっ!?」

 

 姑息にも舌戦でプレミを誘おうとしたロジェだが、思惑を外され苦々しく表情を歪める。

 

「墓地のゼピュロスの効果発動。フィールドの【運命の旅路】をバウンスして自身を特殊召喚。その際にライフ400を支払います

 手札から【月光虎】をペンデュラムスケールにセットし効果を発動。

 墓地から【月光彩雛】を蘇生し、デッキから【月光紫蝶】を墓地に贈ります」

 

 再び場に降り立つ雛鳥と鳥人を中心に光の銀河が生まれる。

 

「二体でオーバーレイ・ネットワークを構築。

 現れなさい。因果を手繰り有限と無限の狭間を彷徨う時を超越する魔なる者。

 エクシーズ召喚!【No.(ナンバーズ)60 刻不知のデュガレス】!!」

 

No.(ナンバーズ)60 刻不知のデュガレス】

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/炎属性/悪魔族/攻1200/守1200

レベル4モンスター×2

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードのX素材を2つ取り除き、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分は2枚ドローする。

その後、自分の手札を1枚選んで捨てる。

次の自分ドローフェイズをスキップする。

●自分の墓地からモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

次の自分メインフェイズ1をスキップする。

●自分フィールドのモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで倍にする。

次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

 

 光の渦が青い炎に呑まれ、その中をゆらゆらと歩み出てくる道化服の老人。

 

「その後、セットされた【RUM-ソウル・シェイブ・フォース】を発動。

 墓地よりフォース・ストリクスを蘇生しオーバーレイ・ネットワークを構築。

 来なさい、彼岸の果てにて運命の者を待ち焦がれる乙女!

 エクシーズ召喚!ランク6【永遠の淑女 ベアトリーチェ】!」

 

【永遠の淑女 ベアトリーチェ】

エクシーズ・効果モンスター(制限カード)

ランク6/光属性/天使族/攻2500/守2800

レベル6モンスター×2

このカードは手札の「彼岸」モンスター1体を墓地へ送り、

自分フィールドの「ダンテ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。

この方法で特殊召喚したターン、このカードの(1)の効果は発動できない。

(1):自分・相手ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。

(2):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。

EXデッキから「彼岸」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

 執事の生命を対価に闇の梟は彼岸の終わりに佇む白い髪の淑女を呼び寄せた。

 

「なんて光景だよ…」

 

 執事が場に呼び寄せたるはそのどれもが何ターンも掛けて呼び寄せるべきモンスターばかり。

 しかし執事はたった四枚の手札から喚び集め、しかも彼自身が有する召喚権には一切手を触れていない。

 にも関わらず、フィールドには6体ものモンスターが轡を並べ戦列を形成していた。

 

 最早好奇心は吹き飛び、あるのはただ恐怖だった。

 

「さあ、幕引きを始めましょう。

 アークリベリオンの効果発動。

 エクシーズ素材としてレイダーズ・ナイトを取り除き、自身を除くフィールドの全てのモンスターの攻撃力を自身に加算します」

「それってつまり…攻撃力が9100も上がるの!!??」

「アークリベリオン自身の元の攻撃力が3000だから合計12100…一体何を想定したらそんな数値を必要とするんだよ…」

 

 ダイレクトアタックを決めたら3回倒してなお釣りが出る超絶火力が降臨し、何に驚けばいいのか分からなくなる一同。

 

「そして私は…?」

 

 ライフ4000なので喚び出しはしたが態々デュガレスの効果は使う必要もないかと締めに入ろうとした執事だが、アークリベリオンはまるで全部叩き込めと言うように唸りながら執事を見ていた。

 その目には赫怒が宿り、それがロジェに向けられているのが執事には察せた。

 

「……分かりました。

 貴方がそうしたいと言うならそうしましょう」

「誰と話している貴様は!?」

 

 端からは独り言のように見えたロジェはさっさとターンを渡せと声を荒げるが、執事は慇懃に対応する。

 

「失礼。部下より要望があったのでそれに応えていました。

 それでは再開しましょう。

 デュガレスの効果を発動します。

 エクシーズ素材を二枚取り除きフィールドのモンスター一体の攻撃力を二倍にします。

 私が選ぶのはアークリベリオン。貴方だ」

 

 デュガレスの肩に留まる怪鳥が甲高く鳴き、アークリベリオンの纏うオーラが一気に膨れ上がった。

 

「なんでこのタイミングでそれを使ったんだオジサン!?」

「ユーリ。どういう事だ?」

「デュガレスの効果は3つあって其々にデメリットがあるんだよね。

 ドロー効果を使うと次のターンのドローフェイズをスキップされる。

 蘇生効果を使うと次のメインフェイズをスキップされる。

 そして攻撃力を強化したら次のバトルフェイズをスキップさせるんだよね」

「じゃあ、案内人さんは自分で勝つ手段を捨てたというの!?」

 

 先攻一ターン目にはバトルフェイズは行えない。

 デュエルを始めた者が最初の最初に学ぶ当然の知識を執事が知らないはずも無い。

 あまりに意味不明な効果発動に困惑が広がる中、ロジェの高笑いが響き渡った。

 

「これは傑作だ!!

 力に溺れ自分の勝利を見失うとは実に滑稽だ!!

 アハハハハハハ!!」

「それはどうかな?」

「ハハハ…ハァ?」

 

 哄笑するロジェに不敵な笑みを浮かべる執事。

 

「何を馬鹿な事を!!

 確かに今貴様のフィールドは盤石に等しい!

 これを攻略するなら生半可なプレイは許されないだろう!

 しかし貴様がバトルフェイズを行えるのは私が二ターンも行動した後だ!!

 それでどうやって私を倒すというのかね!!??」

「バトルフェイズは必要ない。

 このターンで貴方はおしまいなんですよ」

「巫山戯るな!!

 何をどうすると言うのだ!!??」

「こうします。

 ベアトリーチェの効果発動。

 エクシーズ素材を取り除きデッキからカードを一枚墓地に贈ります。

 私が墓地に贈るのは…」

 

 見せつけるように執事はデッキから選び取ったそのカードを詳らかにした。

 

「【カタパルト・タートル】だ!」

「「「「「「「「「カタパルト・タートル!!??」」」」」」」」」

 

 そのカードを知らぬ者はこの場に居らず、そして執事が何をしようとしているか分からない者もこの場には居なかった。

 

「アッハッハッハッハ!!

 これは確かに『デュエルをしないデッキ』だよね!!

 オジサンってばいつの間に悪魔に転生してたのさ?」

 

 相手にターンさえ渡すことなく終わらせるデッキなのだと理解したユーリはその悪辣さに大爆笑する。

 

「じゃ、じゃあ案内人さんは最初からこの為に展開していたというの…?」

「こんな事が現実に起きているなんて、夢を見ているの私は?」

「本当に【月光】が先攻1ターンキル可能だったなんて…」

「こんなデッキどうやって戦えばいいんだよ!?」

「あれ?おかしいなぁ?デュエルってこう、ワクワクして皆が笑顔になれるもののはずだよな?」

「しっかりして遊矢!!??」

「いや。ある筈だ!デッキに完全も完璧も存在しない!

 絶対に攻略の手段はあるはずなんだ!?」

「後攻を取らせて壁を大量に展開すれば…。

 駄目だ!! 直接攻撃を防げてもカタパルト・タートルには関係ない!?」

 

 敵よりも味方にこそ混乱を撒き散らした執事の行動に何より焦り慌てたのは当然ロジェであった。

 

「ま、待ちなさい!!??

 貴方は自分が何をしようとしているのか分かっているのですか!!??」

「当然でしょう?

 私は言ったはずだ。ディスクを捨てて投降しろと。

 拒否したのならこの結末を受け入れるのは貴方の義務だ」

 

 リアルソリッドビジョンの攻撃には質量がある。

 それは効果ダメージも例外ではない。

 もしも執事がカタパルト・タートルでアークリベリオンを撃ち出せば半減していても一万を超える即死を超えた超火力に晒されるのだ。

 今この場に於いて執事がカタパルト・タートルを呼び出す手段が無いと思う者は誰もいない。

 そして事実、執事には呼び出す準備が整っていた。

 その果てにロジェが生き残る可能性は…。

 

「分かった!!

 降参する!!今すぐサレンダーさせてくれ!!」

「何を言っているんですか。

 サレンダーは自分のターンでないと出来ないでしょうが」

「い、いやだ!!

 私は死にたくない!!私はこんな所で死ぬ器じゃないんだ!!??」

 

 涙と鼻水を流し土下座しながらそう泣き叫ぶロジェに執事は心底呆れ果てた。

 

「改心して自首するならまだ恩情も考えましたが、その必要はないようですね。

 サーキット展開。

 ワイズ・ストリクスとデュガレスをリンクマーカーにセット!

 召喚条件は種族と属性の異なるモンスター二体!

 未来回路を超えて現われろ!

 星の意志を宿せし星遺物に選ばれし少女!

 リンク召喚!リンク2【星杯神楽イヴ】!」

 

【星杯神楽イヴ】

リンク・効果モンスター

リンク2/水属性/魔法使い族/攻1800

【リンクマーカー:左/右】

種族と属性が異なるモンスター2体

(1):リンク状態のこのカードは戦闘・効果では破壊されず、相手の効果の対象にならない。

(2):このカードのリンク先のモンスターが効果で破壊される場合、

代わりにこのカードを墓地へ送る事ができる。

(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。

手札から「星杯」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 梟と悪魔がその身を捧げ開いた未来回路から飛び出した少女は汚物を見るような目でロジェを見下し杖を振る。

 

「行きますよイヴ。

 手札から【聖殿の水遣い】を特殊召喚します」

 

【聖殿の水遣い】

効果モンスター

星3/水属性/魔法使い族/攻1500/守1200

このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):手札・墓地のこのカードを除外して発動できる。

自分のデッキ・墓地から「アラメシアの儀」1枚を選んで手札に加える。

(3):自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合に発動できる。

デッキから「勇者トークン」のトークン名が記されたフィールド魔法カード1枚を選んで自分フィールドゾーンに表側表示で置く。

 

 杖を手にした三角帽子を被る少女がフィールドに降り立つも、余りに錚々たる面子に場違いではないかと頬を引き攣らせる。

 

「サーキット展開。

 イヴと水遣いをリンクマーカーにセット。

 未来回路よ、あらゆる時間を世界を超えて彼の者との回廊を開け!

 召喚条件は水属性のモンスター二体!

 母なる大海に咲けし珊瑚の華よ!命の光を世界に解き放て!

 リンク召喚!リンク2【海晶乙女コーラルアネモネ】!!」

 

【海晶乙女コーラルアネモネ】

リンク・効果モンスター

リンク2/水属性/サイバース族/攻2000

【リンクマーカー:左/下】

水属性モンスター2体

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。

(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、

「海晶乙女コーラルアネモネ」以外の自分の墓地の「マリンセス」カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

 水を得意とする二人の少女が未来回路へと飛び込み直後、大量の海水がサーキットから溢れ押し流されるようにクラゲにも見える黄色と白を基調にしたドレスを纏う少女が現れた。

 

「コーラルアネモネの効果発動。

 墓地からリンクマーカーの先に攻撃力1500以下の水属性モンスターを特殊召喚します。

 私が選ぶのは、当然カタパルト・タートル!!」

 

 墓地から引き出されたカタパルト・タートルを力いっぱいディスクに叩き付けた。

 

「最後に特大の花を咲かせて、貴方の幕を自分で降ろしなさい【カタパルト・タートル】!!」

 

【カタパルト・タートル】

効果モンスター(禁止カード)

星5/水属性/水族/攻1000/守2000

1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

 巨大な砲身にも見える射出機構を背中に搭載した鋼の巨亀がズシンと音を起てて大地を踏みしめる。

 四肢からアンカーを打ち込み地面に身体を固定したカタパルト・タートルに言われるより先に勝手にカタパルトに乗り上げるアークリベリオン。

 一体何が彼をそこまで駆り立てるのか、アークリベリオンの溢れ出る殺意に若干引きつつ指令を口にしようとすると恐怖に限界を迎えたロジェが手札をかなぐり捨て背中を向けて破壊されたハイウェイを走り出した。

 

「ヒィィィッ!!??

 どうか、どうかお助けを!!」

「残念ですが、私が許してもアークリベリオンは許さないそうですので。諦めなさい」

 

 自分で違和感を感じる程の無慈悲さで執事は断頭台の紐を切った。

 

「カタパルト・タートル。やれ」

 

 キュピーンとカタパルト・タートルの目が光り、射出機構が唸りを上げてトルクを生み出し台座に構えたアークリベリオンが生み出されたエネルギーに押し出され射出。

 更に自分の翼からエネルギーを放出する駄目押しまで加えた超加速を身に宿しながらロジェへと突撃した。

 

「    」

 

 悲鳴は聞こえなかった。

 人の肉声など簡単にかき消す大爆発が生じ、世界を光が飲み込んだかのようなエネルギーの奔流が周囲を包みこんだ。




カタパ「スッキリ」ツヤツヤ
アーリべ「本懐達成」サムズアップ
勇者「出番は?」
グリフォ「……」暇なので昼寝中

次回は後始末です。

後、送るを贈るに書き換えてるのは意図的です。
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