迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。 作:サイキライカ
俺「阿呆なギャグ書くぞ〜!!www」
そして気づく。
ユーリ:矯正されエンジョイ中
ユート:レジスタンスに入る必要もなく瑠璃も居て安定
ユーゴ:ロジェ消えてシンクロ次元も過渡期だけどリンも無事で前向き
遊矢:柚子は無事だけどメインシナリオ&成長イベントが大半消失
俺「あれ?遊矢ケアしなきゃ不味くね?」
こんな感じで急遽路線変更だよコンチクショウ。www
【迷宮の案内人】としか呼ばれない事の方が多くなりつつある今日この頃。
デッキ調整候補を組み込んだ【ラビュリンス】を屋敷で一人回していた俺は急な来客の相手をしていた。
「久し振りですね。
今日は一人でどうしました『榊遊矢』君?」
赤の上に緑のツートンカラーという特徴的すぎる髪型故にパッと見『トマト君』等と渾名を付けたくなる少年は落ち込んた様子で俺の前に座っていた。
「……」
遊矢は出された紅茶に手を付けず無言で膝を手についた状態から動かない。
埒が明かないなと思いつつも、しかし無理に聞き出すには表情が悪過ぎると判断して辛抱強く待つことにする。
そうして紅茶が飲み頃を過ぎ、すっかり冷めてしまった所で漸く遊矢は重い口を開いた。
「案内人さん。
俺、どうしたらいいんだろう?」
何がとは聞かない。
何となくは察していたからだ。
それは先日の『フレンドシップ・カップ』に遡る。
俺と遊矢はお互い準決勝で敗退した同士の三位決定戦にて対決した。
その時点でだいぶ危うい感じを見せていた遊矢は何かに押し潰されそうにしながら無茶な展開を行い、切り札の【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】を召喚し手札を一枚残しつつも伏せカードもない状態で無防備を晒した姿でターンを終えた。
対して俺は残り一枚の手札を警戒しつつ【アークロード・パラディオン】を召喚しワンショット・キルを敢行。
しかし懸念をよそに遊矢は何も出来ず、アークロード・パラディオンはオッドアイズごと遊矢のライフを削りきって俺は勝利した。
「父さんが掲げていたエンタメデュエルを受け継げるよう俺なりに考えて頑張ってきたつもりなんだ。
だけど、『フレンドシップ・カップ』で負けてから俺が目指していたエンタメデュエルがなんなのか分からなくなったんだ…」
そう項垂れる遊矢だが、ハッキリ言わせてくれ。
そもそもエンタメデュエルってなんだよ?
エンターテイメント・デュエルの略称なのか?
それって、プロデュエリストと何の違いがあるんだ?
しかしその辺りは突っ込んだら負けなのだろうと疑問を飲み込み、俺は別の疑問を訊ねた。
「遊矢君はデュエルが嫌いになったのですか?」
「それは…わからない…」
どうやらかなり重症らしい。
カウンセリングはブルーノのほうが専門なんだが、生憎と今日はデルタ・イーグルのパーツを買いに別次元に出かけていて不在なのだ。
失敗しないようなるべく言葉を選びながら慎重に質問を続ける。
「遊矢君は今のままではお父上のようなデュエリストにはなれないと不安になっているということでよろしいのですよね?」
「…そうなんだと思う」
やや間が空きつつも自分の感情を整理するように遊矢は首を縦に振った。
「失礼ながら私は貴方のお父上のデュエルを知りませんので上手いことは申せません。
ですので訊ねさせて頂きますが、お父上の掲げるエンタメデュエルとはどのようなデュエルだったのですか?」
捉えようによっては「お前はエンタメデュエルが出来ていない」と受け取られかねないが他に言いようがないため覚悟してそう問い掛けると、案の定遊矢は悔しそうに顔を歪めながらも感情を爆発させたりなどせずに問いに答えてくれた。
「父さんのエンタメデュエルは皆が笑顔になれる楽しいデュエルを目指すものなんだ。
父さんはどんな相手にもいつも笑顔を絶やさずに皆にも笑顔を与えてくれていたけど…」
「……ふむ」
まあ、要するに普通にプロデュエリストの仕事だよな?
それを態々スタイルとして確立しないといけないって、スタンダード次元はどんだけ面白みのないデュエルが主流なんだろうか…?
ともあれだ、今の話で遊矢が致命的に勘違いしていることに気づけたのは僥倖だろう。
「遊矢君。先に君に言いたいのですが、
「え?」
「例えばサーカスのピエロで考えてみてください。
ステージの中央でピエロがジャグリングを披露しようとしています。
しかし最初は調子が良くても徐々に覚束なくなり最後には失敗して投げたボールが頭にぶつかったとしましょう。
それを見て君はどう思いますか?」
「それは…あと少しだと勿体ないと思うかな?」
「成程。君はそう思うのですね。
ですが、全ての観客はそうは思いません。
ピエロの滑稽さを面白いと笑う者が居るでしょう。
失敗したピエロの無様さに嘲笑する者も居るでしょう。
或いは未熟さに不快感を感じる者もいるでしょう。
そのピエロが芸として態と失敗していたとしても、です」
「……あ」
「舞台裏を見ることは観客には出来ません。
観客に出来るのは目の前の光景に自身の感想を抱く事です。
見るもの全てに同じ感情を抱かせる事など土台不可能なのですよ」
遊矢は
父親の思想に脳を焼かれ、そんな不可能が本当に可能なんだと盲信してしまっているのだ。
「君にも覚えがある筈ですよ。
私がシンクロ次元でカタパルト・タートルによる先攻ワンキルを行った時、君はどう感じました?」
「……ただ怖かった」
「でも、他の子達は違いましたよね?」
「……」
ユーリは滅茶苦茶だと爆笑した。
ユーゴは複雑すぎるギミックに頭を茹だらせた。
ユートは実際に対戦することを想定して考え続けた。
元を一人の人間とするズァークの分割体である四人でさえ恐怖を感じていても同じ感想を抱きはしなかったのだ。
「遊矢君。君のお父上のエンタメデュエルを否定はしません。
ですが、理想と現実は常に乖離しているものなのだと、それをちゃんと理解した上で振る舞わなければ道化にさえなれませんよ」
「現実…道化…」
あ、これ反応的に既にやらかしてるパターンだ。
多分俺の知らない所でエンタメデュエルを全否定されてボロクソに負けてるな。
「だったら俺は…」
「気分転換をしましょう。
遊矢君。付いてきてください」
こうなりゃ荒療治だ。
失敗したら闇堕ちしてズァーク復活の原因になるかもしらんが、そうなったらズァークの心が折れるまでメタクソに叩き潰してやる。
そう覚悟を決め、俺は遊矢と共に元書斎のカード保管室に向かう。
「此処は?」
「私のコレクション兼部下兼商売道具達ですよ」
いくつも並んだカードファイルの奥に鎮座する封印櫃の鍵を開封する。
「遊矢君。私に出来るのは大人として君に見せることです」
そう言いながら俺は封印櫃の中に安置したデッキケースを取り出し封印櫃を閉じる。
「見せるって…?」
「一つはショービジネスを意識したプロデュエリスト【迷宮の案内人】としての対外的なデュエル。
一つは私が本当に属する【ラビュリンス】の一員【迷宮の執事見習い】としての本気のデュエル。
そして」
振り向いた俺の顔に遊矢が恐怖の色を浮かべるのに構わず俺は宣う。
「
貴方がこれらのデュエルから自らの道を見いだせると信じて本気で挑みます。
宜しいですか?」
あの次元で『遊』の字を与えられた
実際エンタメデュエルとショービジネス重視のプロデュエリストってなんか違いがあるのかね?
というわけで遊矢救済というか成長イベントとして執事がラスボス枠としてデュエル三連戦でボッコボコにしてあげます。