迷宮姫に仕えているんだが、今日も姫様はポンである。   作:サイキライカ

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 今回は新規実装を知ってからやりたかったネタです。




旅行でトラブルは付き物だけどさ
カードは必要な者の手にあってこそ輝くと思う


「パンドラマジシャンからの手紙?」

 

 相も変わらず後釜の目処もなく自由都市のチャンピオンの座に縛り付けられながらそれ以外の不足もない日々を過ごしていたある日、幾度も世話になったブラック・マジシャン(パンドラ仕様)から手紙がやってきた。

 

「何々…?

 『貴様にも利が有る実験に協力しろ。

 場所はいつもの【魔法族の里】。

 期限は十日以内。

 それと来るまでに人間界準拠のデッキパワーでデッキを一組仕立てておけ。

 当然エクストラデッキは融合だけだ』。

 おいおい…」

 

 来るのは前提という体で微妙に無茶振りを書かれた手紙に何を唐突にと頭を掻く。

 別に協力すること自体は吝かではない。

 本人はデュエルエナジーの浸透経過の観察対象なモルモット扱いのつもりだろうが、融合次元の某でも俺が次元間の移動が問題ないかを確かめてくれたりと主治医的な立場で俺の体調を診察してくれている恩人なのは間違いない。

 だからといって手紙一つで言われるままに従うのも納得いくわけではない。

 

「とはいえどうするか…」

 

 理が有ると書かれているなら従うほうがいいのは間違い無いだろう。

 計算高いパンドラマジシャンが嘘を吐いて不興を買って信頼をなくすリスクを取るほどの実験なのだという可能性も無くはないが、だったら嘘など書かずその旨を書いてくる方が可能性は高いだろう。

 

「にしても、デッキパワーを低く落とせねぇ。

 逆に難しいんだぞ?」

 

 【ラビュリンス】はそもそもエクストラデッキ使わなくても十分戦えるテーマなので組むとすればベースは【霊使い】がいいだろう。

 

「としたら折角だから【エダ軸霊使い】を組んでみるか」

 

 【エダ軸霊使い】とは【太陽の魔術師エダ】という下級魔法使いモンスターを展開軸に据えた【霊使い】デッキのレシピである。

 

「確かこのファイルに入っていた筈…」

 

 早速カード保管部屋に向かいエダを探す。

 

「あったあった」

 

【太陽の魔術師エダ】

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守1500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・リバースした場合に発動できる。

手札・デッキから「太陽の魔術師エダ」以外の

守備力1500の魔法使い族モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

自分フィールドの裏側表示の魔法使い族モンスター1体を選んで表側攻撃表示または表側守備表示にする。

 

守備力1500の多い【ドラグマ】とも噛み合う事からも中々面白い使い方が多いカードだけに、どの様に仕上げるかが腕の見せ所でもある。

 

「折角だし純【霊使い】に寄せていくか」

 

 エースは【獣王アルファ】と【EMスカイマジシャン・ガール】に、どうせだから姫様こと【白銀の城のラビュリンス】も1枚だけ入れて3枚看板にしていこう。

 とはいえ【ウェルカム・ラビュリンス】も無しに姫様ピン刺しは流石に無謀が過ぎるので、加えて城とアリアンナとビッグウェルカムを1枚ずつ計5枚だけ入れておく。

 後は汎用だが、増Gは外してうららとわらしを1枚づつに墓穴とサンボル羽根箒死者蘇生の三種の神器を追加。

 そうして完成したデッキは合計47枚と、【ラビュリンス】の分だけ余計にはみ出した感じのデッキとなった。

 

「これは姫様抜くべきか?

 いや。デッキパワー下げるためにこのまま態とバランス崩したままにしておこう」

 

 逆にこれなら姫様関連だけ抜けばいいのでデッキ調節も楽な部類になる。

 こうして仮組みをひとまず完成したデッキをスリーブに入れていると、入口のドアがノックされた。

 

「旦那様。遊城十代様がいらしておいでですが如何致しますか?」

「居間に通して下さい」

 

 俺の返答に「畏まりました」と返してドアの前から離れていく足音を聞きつつ、妙なタイミングの良さを感じてしまう。

 と言っても、十代の来訪は急な襲撃ではなく俺が渡したいものがあるからと呼び付けたので偶然なのだろう。

 丁度いいので十代にもデッキを見てもらいデッキ調整をしようと思いつつ十代を呼んだ理由であるカードを新品のデッキケースに入れて部屋を出る。

 

「執事さん!久しぶり!」

 

 相変わらず元気そうな姿に肩の力を抜いて俺も挨拶する。

 

「ああ。十代も元気そうで何よりだ」

「へへっ!

 それで執事さん、今日は何の用事なんだ?」

 

 にっかりと笑い返して尋ねる十代に俺は用件を口にする。

 

「実はな、最近引いたカードなんだが、どう考えても十代が持つべきカードとしか思えないものを手に入れたんだよ」

 

 そう言って俺は持ってきたデッキケースを渡す。

 

「これの中にそのカードが?」

「ああ。それとカードはユベルにも一緒に見てもらいたいんだ」

『ボクもかい?』

 

 名を口にすると十代から抜き出て来たように半透明に透けたユベルが姿を現す。

 

「どちらかと言えばユベルの方が喜ぶかもな」

『へぇ?』

 

 そう話している間に十代がデッキケースを開き中のカードをテーブルに広げる。

 

【ナイトメア・ペイン】

永続魔法

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズに発動できる。

自分の手札・フィールド(表側表示)の闇属性モンスター1体を破壊し、

「ナイトメア・ペイン」を除く、「ユベル」1体またはそのカード名が記されたカード1枚をデッキから手札に加える。

(2):自分フィールドに「ユベル」モンスターが存在する限り、

攻撃可能な相手モンスターは「ユベル」モンスターを攻撃しなければならない。

(3):自分の「ユベル」モンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。

 

【スピリット・オブ・ユベル】

効果モンスター

星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。

デッキから「ユベル」のカード名が記された魔法・罠カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドにセットする。

(3):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(4):このカードが破壊された場合に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地・除外状態の「ユベル」1体を特殊召喚する。

 

【エターナル・フェイバリット】

永続罠

(1):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる

(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。

●自分の墓地・除外状態の「ユベル」モンスター1体を特殊召喚する。

その特殊召喚成功時にお互いは魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

●自分フィールドに「ユベル」が存在する場合、手札を1枚捨て、

魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。

「ユベル」モンスターを含む、自分・相手フィールドのモンスターを融合素材とし、

融合モンスター1体を融合召喚する。

 

【ファントム・オブ・ユベル】

融合・効果モンスター

星9/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

「ユベル」モンスター+攻撃力と守備力が0の悪魔族モンスター

自分の手札・フィールド・墓地の上記のカードをデッキ・EXデッキに戻した場合のみ特殊召喚できる。

このカードは融合素材にできない。

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):相手モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。

その効果は「相手は自身の手札・デッキ・フィールドの「ユベル」モンスター1体を破壊する」となる。

 

【ユベル-Das Ewig Liebe Wachter】

融合・効果モンスター

星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

「ユベル」モンスター+フィールドの効果モンスター1体以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが融合召喚した場合に発動できる。

このカードの融合素材としたモンスターの数×500ダメージを相手に与える。

(2):このカードは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に発動する。

その相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与え、そのモンスターを除外する。

 

「すっげぇ!!??

 全部ユベルの新しいカードだ!!

 執事さん!これ全部貰っていいのか!?」

 

 魂の片割れに関わる新たなカードの数々に十代が満面の笑みを浮かべながら目をキラキラと輝かせる。

 

「勿論だ。

 十代にはアカデミアの件で骨を折ってもらったし、その礼と思ってくれたら俺も嬉しいよ」

「イヤッホー!!」

 

 落ち着き無く燥ぐ十代に、俺も嬉しさを感じる。

 以前戦った際にユベルがOCG仕様のせいでデッキのノイズ化していた感想を抱いたのでこれでユベルも立派な主力として活躍してくれるだろう。

 

『フフフ、ウフフフフフフ…』

 

 ユベルも喜んでくれただろうかと視線を向けようとした俺の耳朶に狂気さえ滲ませる笑い声が滑り込んできた。

 

『なんてことをしてくれたんだい君は!

 こんなにボクを強くしてくれたら十代がボク以外本当に要らなくなっちゃうじゃないか!!

 ああ、なんて素敵なんだ!!ボクだけが活躍してしまう最高のデッキを十代が握っているのを想像するだけでもうボクはおかしくなってしまいそうだよ!!』

 

 愉悦に蕩けきったTHE顔芸と言うしかないすんごい笑顔でユベルが嬌笑する。

 

『どうしてくれるんだい!!

 僕は君が大好きになってしまったよ!!

 ああ、勿論十代はその遥か上にあるから勘違いしないでね?』

 

 急にテンション落とすな。

 

「分かってる分かってる。

 ユベルの愛は全部十代の為にあって、俺に向けるのはなにがあっても友情だって勘違いしないから」

『ウフフフ!!

 ちゃんと理解してくれる。本当に君は素晴らしい友人だよ!!

 そんな君になら爪一欠片ぐらいの友愛を分けてあげるよ』

「そいつは願ったりだよ」

 

 あまり良いように聞こえないが、アニメで十代以外全て敵とまで考えたユベルが心から感謝して格別の待遇で礼を言っているのは分かっているので素直に受け取っておく。

 

 その後、俺はハイテンション大暴走した二人が落ち着くのを待ってデッキの調整に1日費やすのだった。

 




という訳で今回は【姫様出張霊使い】一本で戦っていきます。
こんなに弱くて大丈夫かって?

大丈夫。

エクストラデッキは使わないだけで中身は変えないし、コレでも十分戦える相手ばかりだから。←
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