Fate/kaleid liner knight   作:シャチ猫

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お待たせいたしました。
第11話です。

今回も主人公の戦闘シーンはなく、イリヤの戦闘メインです。

また、遅くなってしまいましたが、通算UA10,000突破いたしました!
これもひとえに皆様のおかげでです!

それでは、どうぞ!


第11話 覚醒/少女の謎

イリヤside

冷たい水滴が体中に当たっている感覚で私は目を覚ました。

起き上がって辺りを見渡すと、大和君が立っていた。

 

「大和君?」

 

声をかけたけど、大和君は何も反応せずにずっと前を見ていた。

私も大和君と同じ方向を見ると、言葉を失った。

 

目の前の光景は災害があったかのような状態だった。

 

道がなくなっていて、橋の鉄骨も曲がっていた。

一番ひどいのは川だった。

凛さんとルヴィアさんの時よりも陥没していて、まるで前にテレビで見たナイアガラの滝のようになっていた。

 

「な、何………?」

 

あまりの光景に私は怖くて両腕を掴んだ。

美遊さんは起き上がって、私の所に来た。

 

「こいつは………」

 

『あの黒騎士、とんでもない隠し玉をもっていやがったな』

 

いつも冷静な大和君も顔に冷や汗をかいていて、かなり動揺していた。

 

「凛さんとルヴィアさんは?」

 

もう一度周りを見渡すけど、2人の姿が見えなかった。

 

「あの2人を探すぞ。イリヤ、立てるか?」

 

大和君は私の手を取って立ち上がらせてくれて、3人で凛さんとルヴィアさんを探した。

 

「凛さん!ルヴィアさん!ルビー!サファイア!どこー!?返事して—!」

 

私は声を上げたけど、返事が全く返ってこなかった。

 

「ゾルバ、凛さんとルヴィアさん、ルビーでもサファイアでもいい。気配は感じるか?」

 

『・・・・いや、何も感じない』

 

ゾルバさんの言葉に私は息をのんでしまった。

美遊さんも私と同じように息をのんでいた。

そんな・・・まさか・・・あの攻撃で・・・!?

 

「どこかに身を潜めて隠れているかもしなれないから、まだ諦めるな!」

 

大和君がそう言って再び探し始めた。私と美遊さんも大和君についていき、凜さんたちを探した。

でも、どれだけ探しても姿が全く見えなかった。

 

私は膝から崩れ落ちた。

もう意味が分からないよ・・・。

こんなの・・・嘘だよ・・・いや、いや・・・!

 

 

 

 

「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

大和side

「もうやだ・・・家に・・・帰りたいよ・・・」

 

イリヤは膝を抱えたまま蹲ってしまった。

こんな惨劇を目の当たりにして、しかも凛さんとルヴィアさんが行方不明の状態。

一度にこんな体験をしたら心も折れるだろう。

美遊も、悲痛な顔をしていた。

仕方ない。凛さんとルヴィアさんたちは俺が探して、イリヤのことは美遊に今は任せよう。

俺は美遊にイリヤのことを頼もうとした。

 

だが、その時、瓦礫を吹き飛ばす音が聞こえた。

音の方向を見ると、黒騎士が佇んでいた。

 

「2人とも、隠れるぞ!」

 

俺と美遊は壊れていなかった壁に向かおうとしたが、イリヤは蹲ったままだった。

 

「美遊、イリヤを!」

 

美遊はイリヤを立ち上がらせ、壁の後ろに隠れた。

俺は隠れながら壁の向こうにいる黒騎士の様子を伺った。

 

黒騎士は俺たちを探しているのか辺りを見渡しながら歩いていた。

すると、突然立ち止まり、剣を無造作に振るい、黒い斬撃を飛ばした。

飛ばして斬撃の余波が大きく、壁の裏にいる俺たちに強風が来た。

美遊は蹲っているイリヤを庇うようにしていた。

 

黒騎士は、またキョロキョロと辺りを見渡し、剣を大きく振るった。

だが、今度はさっきのよりも大きな斬撃を飛ばしてきた。

俺は咄嗟にイリヤと美遊を地面に伏せさせ、2人の頭を抱え込むようにして覆いかぶさった。

前を見ると壁がなくなっており、黒騎士がこちらをじっと見ていた。

 

辺りを見るが、もう隠れる場所がない。

………なら、取るべき行動は一つ。

俺は立ち上がり数歩前に出て、魔戒剣を抜いた。

 

「美遊、イリヤを頼む」

 

「だ、ダメ、大和!戦ったら大和は・・・!」

 

止めようとする美遊に顔だけ振り返り、俺はフッと笑った。

 

「言っただろ?イリヤと美遊を守るって」

 

俺は顔を黒騎士に戻し、魔戒剣を構えた。

 

「ゾルバ、すまない」

 

『何謝っていやがる。俺はお前の相棒だぞ?最後まで付き合うぜ』

 

ゾルバの言葉に俺は思わず胸が熱くなってしまった。

ゾルバ………お前は最高の相棒だ。

俺は一旦目を閉じて、そして目を開け、黒騎士を睨んだ。

 

「行くぞ、黒騎士!」

 

俺は剣を掲げ、鎧を召喚しようとした。

 

 

 

その時______

 

 

 

 

 

ブワァ!!!

 

 

 

 

 

後ろから強風が襲ってきた。

俺は後ろに振り返った。

 

見ると、イリヤが自分の両腕を掴みながら蹲り、背中から何が噴出していた。

 

「何だアレは・・・!?」

 

『おそらく魔術師が使う魔力だろう。だが、お嬢ちゃんは魔術とは無縁だったはずだ』

 

そうだ。

イリヤは普通の小学生の女の子のはず。

なのに、なぜイリヤが魔力なんて持っている?

 

「な、何・・・?何が起きているの・・・!?」

 

美遊もイリヤの状態に困惑していた。

 

(タオ)・・・さなきゃ・・・」

 

蹲ったままイリヤが呟き始めた。

 

(タオ)さなきゃ・・・(タオ)さなきゃ・・・(タオ)さなきゃ・・・」

 

 

 

 

 

(タオ)さなきゃ」

 

 

 

 

イリヤは顔を上げて前を向いた。

その目はいつものイリヤの目ではなく、完全に別人の目になっていた。

そしてその視線の先は、しっかりと黒騎士に向かれていた。

 

イリヤは立ち上がり、ポケットからArcherのクラスカードを取り出し、地面に当てた。

カードを中心にイリヤの足元に魔法陣が展開された。

 

 

 

 

夢幻召喚(インストール)

 

 

 

魔法陣から魔力が噴出し、イリヤを飲み込んだ。

イリヤの服装が変わっていき、私服から腹の部分が露出した服装になった。

そして左手には特訓で試しに出した弓矢が握られていた。

 

イリヤは大きく跳躍し、右手に3本の矢を出現させ、黒騎士に向かって放った。

黒騎士は2本はバックステップで交わし、1本は剣で防御した。

空中いるイリヤは弓を消して、両手に中国の武器の青龍刀みたいな剣を出現させ、落下する勢いのまま黒騎士に2本の剣で袈裟斬りをした。

 

 

 

ザンッ!!

 

 

 

黒騎士は防御が遅れて、左肩から血を流した。

 

「ッ!!」

 

一瞬よろけたが、すぐに持ちなおして剣で横に一閃した。

イリヤは大きくバク転で交わし、また両手に剣を出現させた。

そして、イリヤと黒騎士は同時に駆け出し、剣を交えた。

 

 

 

ガキンッ!!

 

 

イリヤの両刀と黒騎士の剣が火花が散った。

黒騎士の剣をイリヤが両刀で防ぎ、それをはじき返してその隙に剣で斬り付けた。

黒騎士は身を引いて交わし、またイリヤに剣で一閃した。

イリヤは今度はジャンプして交わし、両刀で袈裟斬りをしたが、黒騎士は剣で防いだ。

お互い、剣で斬り付け、剣で防ぐ攻防が続いた。

 

そんな2人の戦いに俺は驚きを隠せなかった。

あの黒騎士に互角に戦えるイリヤもそうだが、なによりあのイリヤの戦闘能力。

イリヤは戦闘のせの字も知らない女の子のはずだ。

 

俺は美遊に近づいた。

 

「なあ、美遊、アレもクラスカードの力なのか?」

 

「多分、そう」

 

「じゃあ、あのイリヤの姿や戦闘能力も英霊の力ということか?」

 

「いや、むしろアレは英霊の力というより・・・」

 

「何だ?」

 

 

 

 

「イリヤスフィール自身が英霊と化している」

 

 

 

 

美遊の言葉に俺は再びイリヤの方を見た。

イリヤは左手にまた弓を出現させ、右手には刀剣がドリル状に剣を出現させた。

そして、剣を弓に添えて、黒騎士に向けて射った。

黒騎士は横にずれて交わしたが、仮面をかすり、右目が露わになった。

 

イリヤ・・・お前は、一体・・・?

 

『っ、これは・・・!?』

 

その時、ゾルバが声を上げた。

 

「どうした、ゾルバ!?」

 

『サファイアだ。サファイアの気配を感じるぞ!』

 

「本当か!?」

 

「っ!ゾルバ、サファイアは!?サファイアは今どこ!?」

 

美遊はゾルバに詰め寄った。

サファイアが無事ということは、あの2人とルビーも無事のはずだ。

その時、俺たちの後ろの地面が盛り上がり、それが俺たちに向かってきた。

やがて、俺たちの足元に来た時。

 

『ご無事ですか、美遊様――――ッ!!』

 

「キャーーーーっ!?」

 

「うおっ!?」

 

サファイアが地面から勢い良く目の前に飛び出してきた。

美遊は盛大に驚き、尻餅をついた。

俺も驚き思わずのけぞった。

 

「サ、サファイア、良かった・・・」

 

美遊は驚きながらもサファイアが無事であることに安心した様子だった。

 

『大和様もゾルバ様も、ご無事でなによりです』

 

「お互いな、サファイア」

 

『というかお前、何で地面から来たんだ?』

 

『相手の宝具が当たる寸前、地中に潜り緊急回避を行いました。負傷はしましたが、ルヴィア様たちも無事です!』

 

なるほど、どおりで探しても見つからないわけだ。

だけど、凛さんとルヴィアさんが無事だと分かり安心した。

 

『!あれは・・・イリヤ様ですか!?一体・・・』

 

サファイアがイリヤの姿を見て俺たちに質問をしようとした。

だが、その時、黒騎士の剣が魔力を帯び始めた。

あれは、まさか!?

 

「さっきの攻撃か!?」

 

「逃げてイリヤスフィール!いくら英霊化しててもあの聖剣には勝てない!」

 

美遊はイリヤに逃げるよう声を上げるが、イリヤは立ったままだった。

 

「おい、イリヤ!美遊の言う通り一旦逃げ・・・」

 

俺もイリヤに逃げるよう言おうとしたが、イリヤは両手を何か掴むような形をとった。

 

 

 

 

投影(トレース) 開始(オン)

 

 

 

イリヤの両手に黄金の光の粒子が集まり、やがてそれは剣になった。

その剣は黒騎士の持っている剣と瓜二つだった。

イリヤは剣を掲げると剣にまた黄金の粒子が集まってきた。

やがて、それはイリヤを飲み込むほどの量となり黄金に輝く煙となった。

煙が一気に晴れ、刀身が黄金の刃となっていた。

 

 

そして、イリヤと黒騎士は同時に剣を振り下ろした。

 

 

 

 

 

約束された(エクス)勝利の剣(カリバー)!!!

 

 

 

 

 

漆黒と黄金。

相反する2つの色が激突した。

 

「う・・・あああああああっ!!!」

 

拮抗していたが、イリヤが叫ぶと黄金の斬撃がより光を増していった。

同時に黒騎士の斬撃が、かき消されていった。

 

そして、黒騎士をも飲む込み_______

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォン!!!!

 

 

 

 

黒騎士のいた所が大きく爆発した。

爆風も強く、俺と美遊は顔を腕で覆った。

 

爆風が収まり前を見ると、黒騎士の姿はいなかった。

イリヤは手にしていた剣が消えると、突然倒れた。

 

「イリヤ!」

 

「イリヤスフィール!」

 

俺と美遊がイリヤに駆け寄った。

イリヤは私服に戻っており、側にはArcherのクラスカードが落ちていた。

俺はイリヤの首筋と背中をもって、上半身を起こした。

 

「大きなケガはないな」

 

『ああ。どうやら気絶しているだけのようだ』

 

イリヤの様子に安心して、前を見た。

見ると、[Saber]と書かれ西洋の鎧のイラストが描かれたクラスカードが中に浮いていた。

今度こそ黒騎士を倒したんだな。

 

再びイリヤを見た。

英霊と化したイリヤの姿、そして俺以上の戦闘能力・・・。

大きな謎が生まれてしまったが、俺たちは生き残ることができた。

今はそれで良しとしよう。

 

こうして、今夜の戦いは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷっは!し、死ぬかと思ったわ!」

 

「おのれ!この屈辱は百倍にして返して差し上げますわ!」

 

余談だが、戦いが終わった後、凛さんとルヴィアさんがモグラのように地面から出てきた。

 




いかがでしょうか。

書いといてなんですが、主人公の今の強さが私自身でも分からなくなっちゃいました。
何分見切り発車みたな感じで執筆していますので、今後書いている時にこの時のこの描写はおかしいなと訂正するかもしれません。
その時は、何卒ご容赦ください。

あと、前書きでも言いましたが、通算UA10,000突破いたしました!
拙い文章の私の小説を読んでくださり、感無量です!
こんな私ですが、これからも何卒宜しくお願い致します!

それでは、次回!
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