Fate/kaleid liner knight   作:シャチ猫

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新年あけましておめでとうございます!
2025年スタートしました!

前話の後書きに書かせてもらいましたが、2025年も≪Fate/kaleid liner knight≫何とぞよろしくお願いします!

それでは、第3話です!

どうぞ!


第3話 凶/dangerous day

大和side

大空洞での任務から一夜明けての次の朝。

俺はいつも通りに朝の準備をしていた。

だが、頭の中は別のことを考えていた。

 

『大和、昨日のこと考えているのか?』

 

「まあな」

 

ゾルバの言う通り、考えていたのは昨日の突如現れた女の子のことだ。

姿は肌が褐色ということを除けばイリヤとそっくりだった。

それ以上に俺が気になっていたのは着ていた服。

あれはイリヤがアーチャーのクラスカードを夢幻召喚(インストール)した時の衣装と同じものだった。

凜さんによると持っていたアーチャーのカードがなくなっていたそうだ。

となると、アーチャーのカードはあの褐色イリヤが持っていることになるのか・・・。

 

「現状分からないことだらけだな」

 

『一難去ってまた一難か』

 

ゾルバとそんな会話をしながら身支度をして、玄関を出た。

 

 

学校へ着くと、リムジンから美遊が出てきてお辞儀しているところだった。

俺は近づいて美遊に話かけた。

 

「よっ、美遊」

 

「おはよう、大和。イリヤと一緒じゃなかったんだ」

 

「ああ、今日は朝会わなかったんだ」

 

美遊と話をしていたらイリヤの声が聞こえてきた。

 

み・・・美遊・・・や、大和君・・・

 

だが、いつもの元気な声じゃなくて今にも消えそうな小さな声だった。

俺と美遊が声のする方を見ると。

 

「い、イリヤ!?何があったの!?」

 

「何でそんなボロボロなんだ・・・!?」

 

イリヤは木の棒で支えながら歩いてきた。

そんなイリヤの姿は、ずぶ濡れていたり火傷のあとだったりと全身ボロボロだった。

あと、なぜかスカートに犬がぶら下がっていた。

 

お・・・おはよう・・・そして・・・ぐっばい・・・

 

そう言ってイリヤは倒れ込んだ。

 

「イリヤ——!?」

 

「おい、イリヤ!」

 

俺と美遊はイリヤの元に駆け寄った。

見た所擦り傷だけで重症な状態ではなかった。

 

「とりあえず、保健室に運ぶぞ」

 

「うん・・・!」

 

俺と美遊でイリヤの両腕を持とうとした時。

 

「ッ!?」

 

背後に気配を感じて後ろを振り返った。

だが、そこには誰もいなかった。

今、確かにこちらに視線を感じたが・・・。

気のせいか?

 

「大和、早く!」

 

「あ、ああ」

 

美遊の言葉で俺は意識を切り替え急いでイリヤを保健室に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

「危ない危ない。見つかるとこだった」

 

大和がこっちに振り向いてきたから、慌てて屋根の影に隠れた。

さすが、大和ね。私に気付くなんて。

 

「さて、次はっと・・・」

 

次の行動をとるために、その場から立ち去った。

 

「もうちょっと待っててね、私の騎士(ナイト)様♡」

 

 

 

 

 

 

大和side

「たいした怪我はないわ。擦り傷程度」

 

イリヤを保健室に運んで、私立穂群原学園小等部の養護教諭である銀髪の女性_____カレン・オルテンシア先生に診てもらった。

 

「つまらないわね・・・次来る時は半死半生の怪我をしてきなさい」

 

「は、はあ・・・」

 

怪我人であるイリヤにビシッと指を指しながら、不謹慎極まりないことを言うカレン先生。

この人、本当に保険の先生か?

イリヤも反応に困っているじゃないか。

 

「まあ気分が悪いようならしばらく横になるといいわ」

 

カレン先生はそう言ってカーテンを閉めて行ってしまった。

 

「イリヤ・・・身体は大丈夫なの?」

 

「平気だよ。傷はどってことない」

 

「にしても災難だったな」

 

イリヤがカレン先生に診てもらっている間、先生に見つからないようにルビーを呼んでことの顛末を聞いた。

何でもイリヤが学校へ行く道中、空から植木鉢が降ってきたり、無人のダンプに突っ込まれそうになったり、その他にも猛犬やら感電やらと何かと巻き込まれたそうだ。

それを聞いたゾルバはもはや祟りだなと言った。

俺もそう思う。

 

「それもそうだけど・・・昨日から体調に変化はない?」

 

「あー・・・・なんだったのかねぇ・・・アレ」

 

どうやら美遊も昨日の褐色イリヤのことを考えていたらしい。

 

「幻覚とかじゃないよね?」

 

『いや、それはない』

 

イリヤの言葉にゾルバが否定した。

 

「どうしてそう言い切れるの、ゾルバ?」

 

美遊がゾルバに質問をした。

 

『あの娘はすぐにダッシュで逃げたから一瞬のことだったが、間違いなく気配を感じた』

 

ゾルバの言うように、あの褐色イリヤは俺たちが呆然としている間に褐色イリヤは出口へと走って行ってしまった。

だが、ゾルバはこういうことに関しては的確だから幻覚じゃないことはまず間違いない。

 

「となると、あの女の子はどこから現れたんだ?」

 

「それも現時点ではちょっと判断できない・・・イリヤ、何か心当たりはない?あの黒いイリヤの・・・」

 

「ないない。あるわけないよー」

 

美遊の質問にイリヤが手を横に振りながら答えた。

まあ当然と言えば当然か。

 

『まー何せよ早くなんとかすべきですねー。正体がどうあれイリヤさんとまったく同じ顔のコスプレ少女が野に解き放たれたわけですから』

 

「ほんとだよ!誰かに見られたら絶対誤解されるー!」

 

ルビーの言葉にイリヤが横になりながら頭を抱え悶えた。

どうしたもんかな。

これからのことを考え始めようとしたその時。

 

 

 

 

ヒュッ!

 

 

 

 

こちらに向かって何かが向かってきた。

それはイリヤに向かって来ていた。

 

 

 

 

バシッ!!

 

 

 

 

イリヤに当たる数十cmの所で俺はキャッチした。

 

「なんだ?」

 

キャッチしたものを見るとサッカーボールだった。

しかもかなり回転している状態だった。

 

「や、大和君・・・それ・・・」

 

イリヤは引いた状態でサッカーボールを見た。

美遊も呆然としていた。

どこから来たんだ?

俺は窓に近づいて外を見ようと椅子から立ち上がろうとした瞬間。

 

 

 

 

 

パァン!!

 

 

 

 

 

 

ボールが弾けて皮がイリヤの顔全体にへばりついた。

 

「イ、 イリヤ・・・」

 

「・・・すまん、イリヤ」

 

美遊と俺はそれぞれイリヤが声を掛けたが、無言のままだった。

しばらくして。

 

「モブバボーボンバーイエ!」

 

『何言ってるか分からんぞ、嬢ちゃん』

 

 

 

 

 

 

 

 

「何も2人まで早退することないのに」

 

イリヤは学校に着いてすぐに早退した。

そして、俺と美遊もイリヤと一緒に早退することにした。

 

「ううん、やっぱり何か心配だから・・・それに普通教育の義務なんかより友達の方が大事」

 

「う、うん・・・たまに美遊の気持ちが重いよ」

 

美遊はすごく真剣な顔でイリヤに言った。

やっぱり美遊の中の友達の定義はちょっと変な方向に傾いているな。

 

「俺もちょっと気になることがあってな」

 

「気になること?」

 

そう、気になること。

俺と美遊が学校に着いた時、こっちに視線を感じた。

あの時は気のせいだと思っていたが、俺たちが学校へ出た時からずっとこっちに視線を向けている気配がある。

これはもう気のせいじゃない。

俺は立ち止まった。

 

「大和君、どうしたの?」

 

イリヤが俺に聞いてきたが、俺はそれに答えず制服の裏生地から魔戒剣を出した。

 

「大和、こんなところで剣なんか出したら・・・」

 

俺が突然魔戒剣を出したからか美遊が俺に注意をしようとした。

 

 

その時。

 

「「きゃあっ!?」」

 

俺は咄嗟に2人を前の方に突き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

魔戒剣を抜刀しながら振り向き、何かを斬った。

 

「な・・・なになに!?」

 

「大和!?」

 

イリヤと美遊を起き上がり、俺に近づいてきた。

 

「2人ともいきなりごめん。怪我はないか?」

 

イリヤと美遊を突き飛ばしたことを謝罪した。

 

「私は大丈夫だけど」

 

「私も大丈夫・・・でも、どうしたの?」

 

2人は俺の突然の行動に驚いている。

 

「これを見ろ」

 

俺は理由を説明するために地面に落ちている物を見せた。

 

「な、何これ!?」

 

「これって・・・矢?」

 

美遊が言うように、俺が斬ったのは鉄製の矢みたいなものだった。

 

『今俺たちは狙撃されたって訳だ』

 

「狙撃・・・どこからだ?」

 

剣を構え直し、辺りを警戒した。

感じていた気配は今もある。

一体どこにいる?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんと、全然当たってくれないわね」

 

 

 

 

 

 

 

すると、どこからか声が聞こえてきた。

 

『大和、電柱の上だ!』

 

ゾルバの声で上を見ると、電柱の上に誰か立っていた。

そして、ジャンプして俺たちの前に降りてきた。

 

 

 

 

 

 

「イリヤ!」

 

 

 

 

 

 

姿を現したのは、あの時の褐色イリヤだった。

 

「でっ・・・でた————!!

 

『喋りましたよ、この黒いの!』

 

イリヤとルビーはまるで幽霊が現れたようなリアクションをする。

 

「人格がある・・・!?」

 

『はい、黒化英霊とは違うようですが・・・!』

 

美遊とサファイアは切り替えたのか冷静に褐色イリヤの分析をした。

明確な意思があるから英霊とは違うようだ。

まあイリヤと同じ姿をしていたから意思はあるんじゃないかとは思っていたけど。

 

俺は目の前の褐色イリヤのことと、この後どうすべきか考えていたら、褐色イリヤが俺の方に駆け寄ってきて、俺の顔を覗き込んでいた。

その表情は何故か心配しているようだった。

 

「えーと・・・どうした?」

 

俺が尋ねると今度は安堵した表情をした。

 

「・・・うん、大丈夫そうね。ごめんなさい・・・大和を狙ったわけじゃないの。無事で本当によかった・・・」

 

そう言うと褐色イリヤは俺を抱きしめてきた。

 

「は?」

 

「「なっ!?」」

 

突然の行動に俺は呆然とし、イリヤと美遊も驚いていた。

 

「すぅ・・・はぁ~幸せ・・・こうして大和と触れ合うことができるなんて・・・」

 

褐色イリヤは抱きしめたまま俺の胸元に顔をうずめてきた。

 

『おいおい・・・何だこの状況は?』

 

俺だって困惑中だよ、ゾルバ。

矢で狙撃してきたかと思ったら、俺に抱きついてきて・・・展開が二転三転して訳わからないよ。

でも、とりあえず離れてもらわないと。

 

「一旦離れてもらってもいいかな?」

 

「やだ・・・もうちょっと・・・」

 

胸元に顔をうずめたまま、抱きしめる力を強める褐色イリヤ。

いや、本当に離れて欲しいんだ・・・。

この子が着ている服。

見た目通りと言えばいいのか何と言えばいいか分からないが、薄いんだ。

そのせいか制服越しとは言え褐色イリヤの感触が伝わってくる。

特に胸の部分が・・・。

 

 

その時、イリヤと美遊の視線が鋭くなった。

表情もさっきまでは違って怒っている顔をしていた。

 

 

やばい、俺の不純な気持ちが顔に出ていたのか・・・!?

ともかく、早く離れてもらわないと・・・!

 

「ねぇ、大和。私と一緒に来てくれない?」

 

俺がそんなことを思っていると、不意に褐色イリヤが顔を上げて話かけてきた。

 

「それはどういうことかな?」

 

「そのままの意味よ。イリヤなんか見捨てて私といつまでも一緒にいよってこと」

 

褐色イリヤは色っぽい笑みをしながら言葉を続けた。

俺たちと変わらない年齢だと思うが、すごい妖艶な雰囲気を出していた。

 

「君がどういう意図で言っているかは分からないし、俺のことを想っていることはうれしいけど・・・その頼みは聞けれないな」

 

幼なじみのイリヤを見捨てることなんて、俺にはできない。

そうすると、褐色イリヤはムッとした表情して俺から離れた。

 

「私がここまで言ってるのに・・・残念ね」

 

まあいいわと褐色イリヤがムッとした表情から真面目な顔になった。

 

「今の目的はあなたじゃないから、とりあえず一旦保留にするわ。あるのは・・・」

 

その瞬間、褐色イリヤが右手に刀身が白い短剣を出現させると同時に投擲した。

 

「ひゃっ!?」

 

短剣の先はイリヤだった。

イリヤは直前のところで、しゃがんで回避した。

短剣は電柱に刺さっており、制帽も一緒に巻き込まれていた。

それを見てイリヤはガクガクと体が震えていた。

 

「むぅ・・・また避けた。やっぱり直感と幸運ランクが無駄に高いわねー。なるべく自然にやっちゃおうと思ったんだけど・・・しょうがいなから_____」

 

すると、褐色イリヤは右手にさっきと同じ白い短剣を左手に黒い刀身の短剣を出現させた。

 

 

 

 

 

直接殺すわね

 

 

 

 

褐色イリヤは俺の視界から消え、イリヤに斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

ギンッ!

 

 

 

 

 

イリヤと褐色イリヤの間に入り、短剣を魔戒剣で受け止めた。

 

「ッ!さすが、大和。速いわね」

 

褐色イリヤは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。

 

「イリヤ!美遊と一緒に森まで逃げろ!」

 

「っ!ルビー!」

 

多元転身(プリズムトランス)!!』

 

イリヤはすばやく転身して空へと逃げた。

美遊も転身してイリヤの後に続いた。

 

「!イリヤ!」

 

褐色イリヤは俺から一旦離れて黒い短刀をイリヤに向けて投擲した。

俺はすぐさまジャンプして短剣を弾いた。

 

「っ大和、邪魔しないで」

 

短剣を新たに出現させ、俺に剣先を向けながら俺を睨みつけた。

 

「悪いが、目の前で友達が殺されそうになっているのを黙って見ている訳にはいかないから、君の邪魔をさせてもらうぞ」

 

俺は褐色イリヤに剣を構えた。

・・・とは言ったけど、イリヤと本当にそっくりの女の子だから、何かやりづらいな。

 

「・・・だったら、力づくで押し通すまでよ!」

 

褐色イリヤは大きく跳躍して俺を飛び越して屋根の上を走りながら、イリヤと美遊の後を追いかけていった。

 

『あの様子、本気でイリヤのお嬢ちゃんをやるみたいだな』

 

「ああ、早く止めないと!」

 

何のためにイリヤを殺すのかは全く分からないが、まずは褐色イリヤをどうにかしないと!

俺も屋根にジャンプして褐色イリヤの後を追いかけた。

 




いかがでしょうか。

本格的にクロを登場させることができました。
次回、戦闘シーンです。

話は変わりますが、今年で≪牙狼≫20周年ですね!
早いですね~
そして、今だ伏せられてる重大発表。
何なのかめちゃくちゃ気になります!

それでは、次回!
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