Fate/kaleid liner knight 作:シャチ猫
第5話です。
最近残業続きと用事が重なってしまって、約2か月かかってしまいました。
申し訳ございません。
それと、遅ればせながら通算UA25,000超えました!
こんなにも読んでいただきありがとうございます!
それでは、どうぞ!
大和side
「いやぁ————っ!?なんで———!?」
褐色イリヤの襲撃から翌日。
現在、イリヤは手足を縛られ芋虫の様に木に吊るされていた。
「降ろして————!!」
吊るされながらジタバタと暴れていた。
それを俺たちは近くの茂みで身を潜めて見ていた。
「ふっ・・・完璧ね!」
『そうでしょうか・・・』
凜さんのドヤ顔にサファイアはツッコんだ。
かく言う、俺も同じ気持ちだった。
なぜ、こんなことになったのか。
それは数時間前に遡る。
__数時間前
「というわけで・・・対策会議よ!」
ルヴィアさんの屋敷にある部屋でメイド姿にメガネをかけた凜さんが〈黒イリヤについて〉と書かれたホワイトボードをバンッと叩いて、進行をしようとしていた。
だが・・・
「美遊も紅茶の淹れ方が分かってきたようですわね。今日のは中々ですわ」
「ありがとうございます」
『なんで凜さんがメイド服なのかは原作第二期の1巻の巻末にある番外編をご参照ください』
「何を言ってるの?誰に言ってるの?」
ルヴィアさんは美遊の淹れた紅茶の評価し、それを聞き入る美遊。
ルビーはわけのわからないことを言って、それにツッコむイリヤ。
各々が凜さんの話を全く聞いていなかった。
『誰もお前さんの話を聞いてないぞ』
「ちゃんと聞け—!!」
凜さんが机をバンバン叩きながら怒った。
「悠長に構えてられないわよルヴィア!
ルヴィアさんは紅茶を飲んで一息ついてはいたが、頬に汗が一筋伝わっていた。
どうやら凜さんの話をちゃんと聞いてはいたみたいだ。
「で、さし当たっての問題だけど、黒イリヤの目的はイリヤの命」
凜さんはホワイトボードに書かれたイリヤと褐色イリヤの似顔絵を描き、褐色イリヤからイリヤに矢印を追加し、指示棒で褐色イリヤを指した。
「そんな危機的状況なのに当のイリヤは、何故か弱体化している・・・と」
「う~~~~~・・・」
凜さんの言葉にイリヤは落ち込んでしまった。
「身体的な異常は一切なくて、ただ魔力容量と出力が下がるなんて・・・」
凜さんは顎に手を当てて思案をした。
イリヤの弱体化の原因は、恐らくあの褐色イリヤの出現だろう。
ちらっとイリヤを見ると、自分の手を見ていた。
「大和、イリヤ。これをどうぞ」
すると、美遊が紅茶を俺とイリヤに差し出してくれた。
「ありがとう」
「ありがとう、美遊」
美遊は俺の隣の席に座った。
「ゾルバ、あの褐色イリヤから何か感じたか?」
もらった紅茶を一口飲んでゾルバに聞いた。
『あの娘は人間だ。英霊みたいな人外のような気配はしなかった。ただ・・・』
「ただ?何ですの?」
ルヴィアさんがゾルバに続きを催促した。
『どういう訳か、イリヤのお嬢ちゃんと全く同じ気配がした』
『どういうことでしょうか、ゾルバ様?』
ゾルバの言葉にサファイアは疑問の声を上げた。
『あの娘はお嬢ちゃんと見た目が一緒どころか感じられる気配まで瓜二つだ』
『ということはですよ?ゾルバさん的には今この世にイリヤさんが2人いるということですか?』
『ああ』
ルビーの言葉にゾルバが同意した。
あの褐色イリヤはもう1人のイリヤ・・・。
あの黒騎士の時といい、黒タイツの時といい、イリヤには何かがある。
本人も分かっていない何かが・・・。
紅茶を飲みながらイリヤと褐色イリヤのことで考えていると、さっきの俺を抱きしめてきた時の感触とイリヤの斬撃を受けた時の際どい姿の褐色イリヤを思い出してしまい、思わず自分の顔が赤くなる感覚がした。
「どうしましたの大和?顔を赤くして」
「い、いえ・・・何でもありません・・・」
俺は誤魔化すように紅茶を急いで飲んだ。
「いっ・・・!?」
飲み干した時、両脇腹に痛みが走った。
「・・・・えっち」
「・・・・スケベ」
見ると、イリヤと美遊はジト目で俺の脇腹をつねってきた。
しょうがいないじゃないか。
俺だって男なんだから・・・・。
あと、言い訳みたいになるけど、あれは事故だと思うけどな・・・・。
「とにかく、話を進めるわよ」
「そ、そうですね。ほら2人とも本題に戻るぞ」
「「むぅ・・・」」
『(逃げたな、こいつ)』
ちょうどいいタイミングで凜さんが声をかけた。
イリヤと美遊は不満顔だったが、意識を議題に移した。
「今の状況であれこれ考えても答えは出ないわ」
凜さんが話をまとめるように言った。
「このまま事態の放置・引き延ばしは無意味。イリヤが命を狙われている以上私たちがやることはひとつ・・・」
「黒イリヤを捕獲する!」
凜さんは一呼吸おいて声を大きくして言った。
いや、それは最初から分かっていたけど、むしろそれを前提として話を進めてたんじゃないのか?
「う、うん・・・でもどうやって?」
イリヤも少し困ったような表情をして凜さんに聞いた。
「情報は少ないから採れる選択肢も少ないんだけど・・・」
ふふっとドヤ顔をしながら凜さんは続けた。
「幸いにもヤツの目的ははっきりしている。作戦はあるわ!」
そう言ってホワイトボードに書かれた褐色イリヤの似顔絵に指示棒でビシッと指した。
__現在
『で、作戦ってのがあれか?』
ゾルバが呆れたように言った。
見ると、イリヤは暴れ疲れたのかぐったりとしていた。
「あの・・・本当に効果あるんでしょうか、これ・・・・」
「餌で釣るのは単純かつ効率的なやり方よ」
美遊の疑問の言葉に凜さんが得意げに答えた。
「ヤツの狙いがイリヤなら、たとえ罠と分かってても無視できないはずだわ。あと
保険として豪華な料理も置いておいたし」
イリヤが吊るされている真下には机と椅子があり、美味しそうな料理が置かれていた。
「フ・・・・・・貴女の案に乗るのは癪ですけど完璧な作戦ですわ・・・ふっ・・・」
「フフ・・・」
「「フフフ・・・・」」
凜さんとルヴィアさんは不敵な笑みを浮かべながら笑っていた。
「なぁ、何でこの2人はこんな自信あるんだ?」
「私にも分からない・・・・」
こんな野生動物を捕獲するような罠、意味あるのか?
俺は半ば諦めていたが、一応待機していた。
だが、その時。
パキッ
気配を感じたと同時に、枝が折れる音がした。
見ると、褐色イリヤが立っていた。
嘘だろ・・・!?
マジで来たのか・・・ッ!?
褐色イリヤは吊るされているイリヤをじっと見ながら近づいていく。
「バカ!黙っていたら怪しいでしょ!もっと餌らしく抵抗する素振りを・・・!」
動かないでいるイリヤに凜さんが方向性メガホンで指示を飛ばす。
『お嬢ちゃん、固まってるな』
確かにイリヤは冷や汗を流していた。
どうしたらいいか分からないんだろう。
「んー・・・・・」
イリヤを見ている褐色イリヤが口を開いた。
「なんかあからさまに罠すぎてリアクションとりづらいわー・・・」
「「ちいぃっ、バレたか!!」」
「「当然です!」」
逆にバレてないと思ってたのか!?
「まあいいか。いじらしく台本を考えたんでしょ?乗ってあげるわ!」
クロイリヤは右手に持っていた短剣を構え、イリヤに飛び掛かった。
「
褐色イリヤが飛び掛かった瞬間、凜さんは手に持っていた帯を引っ張った。
すると、イリヤを縛っていた帯が解かれ、逆に褐色イリヤを拘束した。
「ふん・・・」
だが、すぐに短剣で帯は斬り裂かれてしまった。
「
すかさずルヴィアさんが動き、詠唱をした。
褐色イリヤが立っている周辺の地面から6つの光の粒が光った。
そして、そこから光の線が放出されそれぞれを結び、褐色イリヤの足元に魔法陣が浮かび上がった。
褐色イリヤはガクッと膝と手を地面につき、体勢が崩れた。
「重力系の捕縛陣ね・・・でもバーサーカーの時のに比べたら随分と・・・」
褐色イリヤは右手を動かし、手に魔力の球を出現させた。
「
ゴギッ!!
魔力の球を地面に叩きつけた。
褐色イリヤを捕獲していた魔法陣が消え、魔術が無効化された。
「地面ごと魔法陣を・・・!!」
「イリヤ!」
凜さんが声を上げると、上空にいたイリヤがルビーを構えた。
「とりあえず今全力の・・・散弾!!」
ルビーから魔力砲が褐色イリヤの周りに放たれた。
土煙が褐色イリヤの周りを覆った。
「散弾?ああ煙幕ってわけね。ということは____」
直後、褐色イリヤの背後から美遊の腕が現れた。
美遊の手には刀身が歪な形をした短剣が握られていた。
「当然、不意打ちよね」
が、美遊の腕を難なく捕まえた。
「
美遊はキャスターの
『あの嬢ちゃん、こっちの動きを読みすぎているな』
「ああ、こっちの作戦をことごとく躱されるな」
褐色イリヤの行動には驚嘆の一言だ。
英霊とはまた違った強さだ。
「何なんですの、この対応力は!?」
「ムカつくぐらい完璧に対処されたわね・・・まるで
凜さんとルヴィアさんも驚きを隠せないでいた。
イリヤも神妙な表情をしていた。
そして、イリヤは口を開き。
「すっごくキモい!」
今度は引いた表情をして言った。
「キモいとは何だ——!!」
イリヤの言葉に褐色イリヤはキレて短剣を投げ飛ばしてきた。
俺はすぐさまイリヤの前に出て短剣を魔戒剣で防いだ。
「や、大和君・・・ありがとう」
「ああ」
俺は魔戒剣を構え直した。
「もう・・・何でイリヤを守るのよ」
褐色イリヤは不満顔をしていた。
「凜さんとルヴィアさん、今度は俺にやらせてください」
俺は二人にそう言って褐色イリヤに向かって行った。
「鎧を纏わないで私をどうにかなると思っているのかしら!」
褐色イリヤもこっちに向かってきた。
俺と褐色イリヤの距離が近くなってきた時、俺は褐色イリヤに向かって魔戒剣を投げた。
「大和君!?」
『何で剣を投げるんですか!?』
「何をやってますの!?」
「それじゃ意味ないじゃない!!」
みんなが俺の行動に困惑していた。
「やけになったのかしら、大和!」
褐色イリヤは空いている左手で魔戒剣を掴んだ。
それに、俺はふっと笑った。
「掴んだな?」
「?」
俺の言葉に褐色イリヤは怪訝な顔をした。
そして、次の瞬間_____
ズンッ!!
「おわっ!!?」
魔戒剣を掴んだまま地面に崩れ落ちた。
「な、何でっ!?」
何が起きたか全く理解できていない褐色イリヤ。
まあ、当然だろうな。
俺は褐色イリヤが困惑している隙に、一気に距離を詰めた。
「っ!!」
褐色イリヤは俺の接近に気付き、魔戒剣を離して後ろに距離を取った。
俺は落ちている魔戒剣を拾い、鎧を召喚した。
「大和には使いたくなかったけど・・・ッ!!」
褐色イリヤは持っている短剣を消して、左手に弓を、右手に刀身がドリル状の剣を出現させた。
あれは、イリヤが黒騎士と戦った時に出した剣。
だったら!
俺は鎧に意識を集中させ、阿修羅を発動させようとした。
褐色イリヤが剣を射ろうとした時。
「
上空から美遊が魔力砲を放った。
「っ!?」
褐色イリヤは美遊の魔力砲に気付き、弓を構えたまま後ろに引いた。
魔力砲は地面に落ち、砂煙が舞った。
同時に阿修羅を発動させ、砂煙を剛烈剣で掃いながら突き進んだ。
そして、褐色イリヤに一気に詰め寄り、持っている弓と剣を破壊して、6本の剛烈剣を褐色イリヤにギリギリ当たらない所で寸止めして、俺は止まった。
「まだやるか?」
剣先を向けたまま俺はいつでも動けるようにしながら、褐色イリヤに聞いた。
「・・・・はぁ~、分かった。降参するわ」
褐色イリヤは少し考える素振りを見せた後、両腕を上げた。
「大人しく投降するわ。ほら、大和も剣を仕舞って?」
どうやら本当に降参するようだ。
俺は阿修羅を解除して、鎧を返還した。
4人が俺と褐色イリヤの所に近づいてきた。
凜さんの手にはさっきの帯が握られていた。
「ねぇ大和君、その剣どうなってるの?」
イリヤが魔戒剣のことで聞いてきた。
「この剣はソウルメタルっていう特殊な金属で出来ていてな。男にしか扱えないものなんだ」
「それで急に重たくなったのね」
魔戒剣の説明をしたら、褐色イリヤはうなづいた。
「ともかく、大和、いつでも動けるようにしといて」
「もう大人しく降参するって言ってるでしょ?疑り深いわねー。だったら・・・」
すると、褐色イリヤは俺に近づき腕を絡ませてきた。
「こうすればイリヤに手出しできないでしょ?」
「「なっ!?」」
褐色イリヤの行動にイリヤと美遊は驚いた。
「はぁ・・・まあいいわ。大和、場所を移すからその状態でいなさいね」
それから俺たちはルヴィアさんの屋敷に移動することになった。
その間も褐色イリヤは俺の腕に絡ませたままで、イリヤと美遊の鋭い視線も屋敷まで続いた。
俺は居心地が悪かった・・・・。
いかがでしょうか。
楽しんでいただければ幸いです。
前書きにも書かせてもらいましたが、通算UA25,000本当にありがとうございます!
これからも私のペースですが、邁進してまいります!
インフルの次は、ノロウイルスが流行しております。
みなさんも体調に気を付けてください。
それでは、次回!