Fate/kaleid liner knight   作:シャチ猫

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お待たせしました
第11話です。

今回で原作第2巻終了です。

それでは、どうぞ!


第11話 真/girls true identity

大和side

突然のアイリさんの登場にみんな固まってしまった。

かく言う、俺もだ。

 

「あらー・・・あらまあ、イリヤちゃんったらいつの間に双子になっちゃったのかしら」

 

随分可愛いカッコウね―とアイリさんが笑顔で言った。

いや、リアクションおかしいでしょ!?

 

その時、クロが動き出し、アイリさんに斬り掛かった。

 

「ッ!!」

 

俺は咄嗟にアイリさんの前に立ち、クロの短刀を剣で防いだ。

クロは数m後ろに飛んで、距離を取った。

 

「なっ、・・・何考えているの!?ママだよ!?私の・・・私たちの!!」

 

イリヤはクロの突然の攻撃に声を荒げた。

 

「逢いたかったわ、ママ」

 

クロはイリヤの言葉を無視してアイリさんに話しかけた。

 

「10年前・・・私を《なかったこと》にした素敵なママ!!」

 

10年前?

どういうことだ?

それにさっきと同じようなことを言っているが・・・。

 

思案していると、クロは持っている両手の短刀を投擲してきた。

俺はすぐさま剣で弾いた。

クロを見ると、弓と矢を出現させ、放とうとしていた。

 

『大和!あれは生身じゃ無理だぞ!』

 

「分かってる!」

 

アイリさんがいるけど、しょうがない!

俺は剣で頭上に円を描き、鎧を召喚した。

 

「あら、大和君。すごい格好になったわね」

 

アイリさんが頬に手を当てて、感心していた。

呑気なアイリさんにツッコミたいけど、そんな余裕は今はない!

 

クロから矢が放たれ、俺は壱式を口に咥え、矢を一か八か鬼斬りで防ごうとした。

だが、それよりもさきにイリヤが俺の前に出た。

 

錐形(ピュラミーデ)!!

 

イリヤが前に五角錐の障壁を出した。

それによって矢は方向がそれ、空に消えていった。

 

「今のは・・・!?」

 

『物理保護の前方展開・・・そんな方法が・・・!』

 

イリヤがやった事に美遊とサファイアは驚いた。

 

「どうして・・・どうしてママを攻撃するの!?攻撃してどうなるっていうの!?こんなのめちゃくちゃだよ・・・・・」

 

「自分が何しているか分かってるの!?」

 

イリヤはクロのアイリさんへの攻撃の数々に理解ができなくて叫んだ。

 

「ーーーーーんない」

 

クロが顔を俯いて何かを言っていた。

 

「分かんないよ・・・自分の感情(きもち)が・・・分からない」

 

顔を上げたクロの表情がさっきとは違い、困惑しているような表情をしていた。

どうした?

急に様子が変になったぞ。

 

「私には分かるわ。あなたが哀しんでいることが」

 

すると、アイリさんが俺やイリヤの前に出てクロに向かって歩いて行った。

 

「ママ!危ない!」

 

「アイリさん、駄目です!」

 

イリヤと俺の声を無視して、前に歩き続けるアイリさん。

 

「・・・・・ッ!!」

 

クロは両手に短刀を出現させ、アイリさんに向かって駆け出した。

 

「どうしてイリヤちゃんが2人に増えているのかは分からないけど・・・抱きしめて上げる」

 

「おいで、イリヤちゃん」

 

アイリさんが両手を広げて、笑顔で言った。

クロは構わず突撃してきている。

 

「くっ!」

 

俺はクロとアイリさんの間に入ろうとした。

 

 

 

だが、その時。

 

「でも、その前に」

 

アイリさんの手から青白く光る針金みたいなものが現れ、それはクロの頭上に巨大な握りこぶしを形成した。

 

「躾は必要よね」

 

 

 

 

ゴォンッ

 

 

 

 

 

握りこぶしは、まっすぐクロに垂直落下した。

クロは頭にたんこぶができ、目を回して気絶していた。

 

突然のアイリさんの行動に俺はもちろん、イリヤも美遊も唖然とした。

 

「ケンカはめっ!凶器(どうぐ)を振りまわしてのケンカなんて言語道断よ?」

 

アイリさんがのびているクロを抱き起こして、クロの頬に指で突きながら言った。

 

「マ・・・ッママ!いいい今の何・・・・!?」

 

イリヤがひどく動揺しながらアイリさんに質問した。

 

「あ〜そうそう。こういう時は両成敗よね」

 

アイリさんはイリヤの質問に答えることなく、また針金でできた握りこぶしを出した。

 

「へ!?いや、話を・・・ちょっ____」

 

イリヤにも握りこぶしが降ろされ、イリヤも気絶した。

 

「ア、アイリさん、あなたは一体・・・」

 

俺もイリヤと同じように動揺しながらアイリさんに声を掛けた。

 

「う〜ん。大和君はうちの子じゃないからお仕置きはできないけど・・・取り敢えず、それ仕舞ってもらえるかしら?そこのあなたも」

 

アイリさんはにっこりしながら俺に言った。

笑ってはいるが、得体のしれない怖さを感じた。

 

「「はい・・・」」

 

俺は鎧を返還し、美遊も転身を解除した。

 

「よし、じゃあ2人とも運ぶの手伝って」

 

アイリさんに頼まれ俺と美遊はイリヤとクロを車に運ばせて、そのまま出発した。

 

 

 

 

 

イリヤside

ママはいつもそうだった。

優しくていつも楽しそうに笑って、何があっても動じない人だけど。

基本いい加減で、大雑把で、ノリだけで動いてて、突然現われてはその場の空気をぶち壊す・・・!

 

今回だって一番ややこしい時に現れて!

いつもいつもママは・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

その時、誰かの話し声が聞こえてきた。

よく見ると、ママとお父さんだった。

 

____を捨てることになる。どういう意味かは君が一番・・・

 

分かっています。その上で天秤を傾けたの。もう・・・決めたことだから

 

ここどこ?

うちじゃないし、何だからすごく豪華な部屋・・・

 

私に選択肢を与えてくれたのは貴方。なら・・・イリヤにそれをあげるのは、きっと私の役目だわ

 

・・・八ヶ月の生命が千年の悲願に勝るとは

 

って、うわっ、ちっちゃい手!

こ、これって・・・私の手?

 

おかしいかしら?

 

どうかな・・・けど、きっと間違いじゃ・・・ない

 

何これ・・・?

こんな記憶・・・私にはない。

 

「さぁイリヤ、おねむの時間よ」

 

ママがこっちに近づいてきた。

これって、私の赤ちゃんの時の記憶?

 

・・・・いや、違う。

もしかして・・・・

 

次に目覚めた時は、あなたは生まれ変わっているわ・・・

 

 

 

 

クロ(あいつ)の_______

 

 

 

 

その時、私の意識が戻ってきた。

うっすらと目を上げると、ゆらゆらと揺らいでいた。

まるで、水の中にいるような・・・・・。

 

 

 

・・・・・ん?水の中?

 

 

 

そう思った時、息が全く出来なかった。

ほ、本当に水の中!!?

ま、まずいっ、死んじゃう!!!

 

「「んばーーーーーっ」」

 

必死にもがき、水の中から出た。

 

「「・・・・・・・・・」」

 

呼吸を整えようと大きく息を吐いていた。

隣を見ると、同じようにクロ(あいつ)もいた。

 

「ここって・・・大浴場?」

 

落ち着いてきて周りを見ると、ルヴィアさんの家の大浴場にいた。

な、何でここに?

 

「おはよう、2人のイリヤちゃん。お湯だけど頭は冷えたかなー?」

 

その時、ママがバスタオルを巻いた姿で現れた。

 

「あのう・・・何故お風呂に?」

 

「裸の付き合いってやつよ」

 

ママの隣には美遊もいて同じようにバスタオルを巻いた姿だった。

 

「ママ・・・・あなたって人は、またこういうとっぴょうーしもないことを・・・」

 

ママの行動には相変わらず頭を抱えちゃう・・・・。

 

「何だかママがいない間に随分とへんなことになってたみたいね。大体のことは美遊ちゃんと大和君とこのステッキちゃんに聞いたわよー」

 

『ゲロっちゃいました』

 

見るとママの手にはルビーがいた。

 

「ごめん、イリヤ・・・」

 

『仕方ありません』

 

はーもう・・・友バレに続き親バレとか・・・・

まああの状況で誤魔化すのは無理だと私も思うけど・・・

私は思わず柱に頭をつけて、うなだれた。

 

「あのぅ・・・アイリさん・・・やっぱり俺いない方が・・・」

 

・・・・・・え?

男の人の声が聞こえてきて、思わず頭を上げて、振り向いた。

 

そこにいたのは、腰にタオルを巻いて目隠しをしている大和君がいた!

 

「や、大和君!!?」

 

私は両腕で身体を隠して、お湯の中に入った。

 

な、何で!!?

 

 

 

 

 

大和side

「な、何で大和君ここにいるの!!?」

 

イリヤが絶叫に近い声を上げた。

それは俺が聞きたいよ・・・・。

 

イリヤとクロをルヴィアさんの家まで運んで、凛さんとルヴィアさんに事情を説明して・・・ていうか、やや強引に入り、凛さんの案内で大浴場に案内された。

 

俺は女湯には入れないから、後からイリヤと美遊に説明してもらうことにして凛さんとルヴィアさんの所に戻ろうとしたが、アイリさんが俺の腕を掴み、女湯に連れて行こうとした。

俺は必死に抵抗し、美遊も強く止めた。

だが、その抵抗も虚しく、結局一緒に入ることになった。

 

「だって、一度に説明した方が、手っ取り早いでしょ?」

 

イリヤの言葉にアイリさんはあっけらかんとした感じで答えた。

 

「俺はいやだって言ったんだけど」

 

「イリヤ、私も止めたんだけど・・・」

 

ここでアイリさんの強引な性格が出てしまっていた。

 

「もう、目隠ししてるからいいでしょ、大和君」

 

「いや、そういう問題じゃ・・・」

 

やっぱり倫理的にダメなんじゃないか?

 

「ほら、冷えるでしょ。早くお湯に入って。ブレスレットちゃん、誘導してあげて」

 

『だ、そうだぞ。湯船まで先導してやるから、とっとと入れ。あと、俺様にちゃんはつけるな』

 

はぁ・・・もう、しょうがい。

ここまで来たら腹をくくるか。

俺はゾルバに先導してもらって湯船に入った。

 

「という訳で、《おしえて!アイリママ》のコーナー!子供たちからの質問に何でも気分次第で答えるわよー!」

 

ハイテンションで謎の言葉を言うアイリさん。

 

「・・・・・・なら聞くわ、ママ」

 

落ち着きを取り戻したイリヤが言った。

 

「前みたいに誤魔化さないで、ちゃんと教えて。知りたいの・・・私は・・・何?」

 

イリヤはアイリさんに質問した。

 

そして、アイリさんの口から語られる事は、衝撃の事実だった。

まず、アインツベルン家はドイツの古い貴族だが、それは表向きのこと。

その実態は、千年の歴史ある魔術一族だった。

つまり、アイリさんも凛さんとルヴィアさんと同じ魔術師だった。

 

そして、イリヤがもっとも知りたかったことが一番の衝撃だった。

それは____

 

「聖杯戦争・・・名前の通り聖杯を巡って行わる争いよ」

 

「聖杯戦争?」

 

「その聖杯というのは?」

 

俺はアイリさんの言った聖杯という言葉について質問した。

 

「あらゆる願いを叶える願望機のことよ。そして、イリヤ・・・あなたはその聖杯となるべくして生まれたの」

 

何・・・ッ!?

 

「イリヤにはある程度の範囲で《望んだことを叶える》力があるわ。いくつか覚えがあるんじゃない?それは願望機としての機能の一作用よ」

 

望んだこと・・・まさか、英霊との戦いの時の力のことか?

 

「それは正確じゃないわね、ママ」

 

その時クロが会話に入ってきた。

 

「聖杯となるべく生まれたのはこの私。生まれる前から調整され続け、生後数カ月で言葉を解しあらゆる知識を埋めつけられたわ」

 

ていうことは・・・クロは本当のイリヤということか?

 

「なのに、あなたはそれを封じた。機能を封じ、知識を封じ、記憶を封じた」

 

クロの言葉には怒気が混じっていた。

 

「ねぇママ・・・あなたは全てを封じてどうしようと思ったの?私を普通の女の子として生きさせようとしたの?それならそれでもいいわ・・・でも」

 

「どうしてそれがイリヤなの?」

 

「どうして私のままじゃ・・・元の記憶のままじゃいけなかったの?」

 

「ママにしてみれば、ただ記憶を封じただけのつもりかもしれない」

 

「でも、封じられた記憶には私という存在がいたのよ!」

 

「なかったことにされ、家族も、家も、友達も、当たり前のことさえ与えられなかった」

 

「私という存在が・・・・ッ!」

 

クロの言葉にアイリさんは何も言わなかった。

 

「・・・・いいわ、イリヤには普通の生を歩ませるなら、それでもいい。けど、それならせめて・・・」

 

「私には魔術師としての生をちょうだい!」

 

「私のいるべき場所に・・・・」

 

アインツベルンに帰して!!

 

「いいでしょう!?何もない私にだって、一つくらい居場所をくれたって!!」

 

クロの悲痛の叫びが大浴場に響いた。

 

「アインツベルンは・・・もうないわ」

 

「・・・・・・・・・え?」

 

アイリさんは静かに答えた。

 

「もうないの・・・全てが終わって・・・聖杯戦争は起こらないの」

 

アイリさんの言葉にクロは何も言わなかった。

 

・・・・何、それ・・・・・それじゃ・・・それじゃ・・・

 

クロが小声で何か言っていた。

 

「クロ・・・!?」

 

クロの異変を感じ取った美遊が声を上げた。

 

「私の居場所は・・・どこにあるのよ!!!

 

 

 

ドォンっ!!!

 

 

 

「おわっ!!?」

 

突然の衝撃波に俺は倒れそうになった。

衝撃波の拍子に目隠しが外された。

見ると、クロの周りに魔力がほとばしっていた。

 

私の居場所は全部イリヤに奪われた!!

 

帰るべき場所も全部失った!!

 

「クロ・・・やめて・・・!!」

 

「クロっ落ち着け!!」

 

美遊と俺の言葉にクロには届いていなく、なおも魔力が暴走していた。

 

全部・・・全部失った!!

 

何も・・・何も残っていない!!

 

なんて・・・なんて惨めで無意味なのッ誰からも必要とされないなんて!

 

こんな・・・こんなことなら最初から・・・ッ

 

その時、急にクロの暴走が止まった。

すると、クロの全身から光の粒子が現れ始めた。

 

「そっか・・・魔力・・・使いすぎちゃったか・・・」

 

そして、クロが段々透け始めた。

 

『お嬢ちゃんの気配が消えかかっているぞ』

 

「おいっまさか!」

 

このままじゃ、クロが消滅するってことか!!

 

その時、転身したイリヤがクロにキスをした。

すると、クロの体の消滅が止まった。

 

「魔力・・・補給?どうして・・・」

 

イリヤの行動にクロは呆然とした。

 

「勝手に出てきて、勝手に消えないでよ!」

 

クロは座り込んだ。

 

「正直言うとね・・・ママの話を聞いても私あんまりショック受けてないんだ。おかしいよね・・・自分が魔術の道具として生まれてきたなんて・・・世界観が変わっちゃうくらい大変なことなのに」

 

イリヤが自嘲気味に言いながら、クロと目線を合わせるようにクロの前に座った。

 

「でも、私が冷静でいられるのはきっと・・・」

 

「《クロ》が傷ついているから」

 

「私が負うはずだったものを、クロが代わりに負ってくれていたんだ」

 

「ごめんね・・・・っ!今だけじゃなくて、昔からずっとそうだったんだね」

 

イリヤが目尻に涙を浮かべながら、言った。

 

「イリヤ・・・」

 

だが、クロの体はまた消滅し始めた。

 

「何で!?魔力は供給したのに!?」

 

『供給ではダメなんです。崩壊は止まりません・・・!』

 

くそっ、打つ手無しかよ!

 

「もういいわ・・・消える時に泣いてくれる人がいるなら、意味はあったわ」

 

クロは微笑みながら言った。

いや、まだ何かあるはずだ!

何か・・・。

 

その時、さっきアイリさんの言ったことを思い出した。

 

 

 

〚イリヤにはある程度の範囲で《望んだことを叶える》力があるわ〛

 

 

 

クロが本当のイリヤなら!

 

「クロ!お前の願いは何だ!?」

 

「大和・・・?」

 

「お前が今、本当に望んでいることは!お前の本当の気持ちは!何なんだ!!」

 

「そうだよ!意味とか無意味とか強がらないで、欲しいものがあるんでしょ!?だったら・・・願ってよ!自分の望みを叶えてよ!」

 

「・・・私・・・は・・・」

 

クロは涙を流しながら言った。

 

「家族が欲しい・・・友達が欲しい・・・好きな人と一緒にいたい・・・なんの変哲もない普通の暮らしが欲しい・・・でも、でも・・・何より・・・」

 

 

 

 

消えたくない・・・!ただ、生きていきたい・・・・!!

 

 

 

 

 

その瞬間、クロの体が光輝き、光の柱が立った。

そして、光が収まった時、クロの崩壊が止まった。

 

『願いが叶ったみたいだな』

 

願いが叶う聖杯って聞いて、もしかしたらって思ったが、賭けは成功したな。

 

「良かった、クロ」

 

俺の言葉にクロは微笑んだ。

 

「あら?大和君、目隠しはどこいっちゃったのかしら?」

 

「え?あっ・・・」

 

アイリさんの言葉に俺もようやく気付いた。

さっきのクロの暴走の衝撃波で、どっか飛んでいったんだっけ・・・。

そして、今の現状にも気付いた。

今、俺の目の前にいるのは、全裸の状態のクロ。

 

「「大和(君)、見ちゃダメーーーーー!!!」」

 

「ぐふっ!!?」

 

イリヤといつの間に転身している美遊に魔力砲を放たれてしまい、俺は気絶してしまった。

 

『(締まらないな、お前は)』

 

 

 

 

 

 

 

イリヤside

「という訳で、今日から一緒に暮らすことになったクロエちゃんです」

 

「よ・・・よろしく・・・」

 

ママの紹介で、ちょっと気まずそうに挨拶をするクロ。

セラ、お兄ちゃんは驚愕した顔で、固まっていた。

リズお姉ちゃんは相変わらず、全く表情が変わっていなかったけど。

 

大和君が起きてから、私達は家に帰り、3人に私の従妹としてクロを向かい入れることを伝えた。

 

こうして、クロは私達の家族の一員となった。

終わってみれば簡単なことだった。

難しく考えずに、最初からこうしてれば良かったんだ。

これからも多分、色々苦労するだろうけど、きっと何とかやっていけるよね・・・クロ?

 

 

・・・でも、一つだけ、懸念していることがある。

それは・・・・

 

「(大和君には不必要に近づかないでよね・・・!)」

 

大和君の腕にまた抱きつているクロに私はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

大和side

クロがイリヤの家族になった夜。

俺はアイリさんに呼ばれて、部屋に向かった。

 

「アイリさん、俺です」

 

「入っていいわ」

 

ドアをノックして、アイリさんの部屋に入っていった。

 

「ごめんなさい、夜遅くに呼び出しちゃって」

 

「いえ、大丈夫です」

 

座ってちょうだいとアイリさんに言われ、俺は椅子に座った。

 

「単刀直入に聞くわ。大和君・・・あなたは何者なの?」

 

アイリさんが鋭い眼差しで俺を見た。

今まで見たことがないくらい真剣な顔をしていた。

 

『(大和、これは正直に話した方が良さそうだぜ)』

 

ゾルバもアイリさんの真剣度を感じ取ったみたいだ。

 

「分かりました。俺のこと全部話します」

 

俺は自分のことを全部話した。

俺が別の世界から来たこと、狼倶のこと。

 

「そう・・・だったのね」

 

俺が話し終えると、アイリさんが口を開いた。

 

「この事は、ご両親には?」

 

「ええ、伝えてあります」

 

「そう・・・」

 

「気味が悪いですよね、俺って」

 

もし、アイリさんが望むなら俺はアイリさんたちから姿を消すつもりだ。

 

「大和君」

 

「はい」

 

アイリさんは軽くデコピンをしてきた。

 

「私がそんなことで、あなたを気味悪がると思った?確かにあなたの正体は驚いたわ。でもね、あなたが誠実で優しい子であることには変わりはないわ」

 

アイリさんが微笑みながら言った。

 

「あなたがどんな人だったとしても、私達が信頼している神楽坂大和君よ」

 

「アイリさん・・・」

 

アイリさんも父さんと母さんと同じことを言ってくれている。

俺は目頭が熱くなった。

 

「ありがとうございます、アイリさん」

 

「ええ」

 

『良かったな、大和』

 

その時、ゾルバが話しかけてきた。

 

「ああ、アイリさん、こいつはゾルバ。俺の相棒です」

 

『ゾルバだ。改めてよろしくな』

 

「よろしくね、ゾルバちゃん♪」

 

『だから、ちゃんはよせって言ってるだろ』

 

アイリさんとゾルバのやり取りに思わず笑ってしまった。

すると、アイリさんは再び俺の方を見た。

 

「大和君、これからもイリヤたちを守ってあげてね」

 

「はい、必ず」

 

「頼んだわよ、狼の騎士(ナイト)さん♬」

 

俺は剣と鎧に誓ってこの先イリヤたちを絶対に守り抜く。

そう新たに決意した。

 

 




いかがだったでしょうか。

前書きにある通り、原作第2巻終了です。
さあ、次回から第3巻です。
いよいよ、バゼット戦が近づいてきました。
どうやって戦わせるか、めちゃくちゃ悩んでいます汗

話は変わりますが、来年1月から《牙狼 東ノ界楼》が始まりますね!
しかも莉杏が帰ってきますね!
どんな話になるか、楽しみです!

それでは、次回!


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