Fate/kaleid liner knight 作:シャチ猫
第13話です。
バゼット戦を前に、少し日常回を書きました。
前半アニメ、後半オリジナルの話です。
それでは、どうぞ!
大和side
「はああぁっ!!!」
ザンッ!!!
「グギャァァァァッーーー!!?」
俺が斬り裂くと白い羽根が辺り一面に舞い散った。
「ふぅー」
鎧を返還し、深く息を吐いた。
『とうとうリングまで倒せるまでになったな』
内なる魔界で戦った相手は、ホラーと人間の共存を掲げたホラー《リング》。
ラスボスホラーの一体だ。
「ああ、強かった」
ラスボスだけあって、尊士より強かった。
何度も挑み、何度も負けた。
だが、今日ようやく勝てた。
「俺、強くなれたんだな」
手に持っている魔戒剣を見た。
『だからって慢心するなよ』
「分かってるよ」
ゾルバの言う通り、リングを倒せたが俺の実力はまだまだだし他にも強いやつはいる。
俺は強くなるためにも、これからも精進しなきゃいけないんだ。
『今日はここまでだ、そろそろ戻ってこい』
ゾルバに言われ、俺は内なる魔界から出た。
現実に戻り、時計を見るとそろそろ家を出る時間だった。
今日はギリギリまで修行していたみたいだ。
ランドセルを背負って、家を出た。
通学路を歩いていると、イリヤとクロを合流した。
「おはよう、2人とも」
「おはよう、大和君」
「大和、おはよー!」
クロはあいさつをするやいなや俺の腕に抱きついてきた。
「ん〜〜♪やっぱり大和の腕は落ち着くわ♪」
「あっ!クロ!それやめてって言ってるでしょ!」
イリヤはクロに指を指して怒った。
「やーよー。それに何でやめないといけないのかしら?」
「人の目とかあるでしょ!」
「私はそんなの気にしないわ。さっ行きましょ大和♪」
クロはそう言って俺の腕を引っ張って歩き始めた。
「クロ!話はまだ終わってないよ!」
イリヤも怒りながら俺たちと歩いていった。
学校に着き、いつも通りに授業が始まった。
体育の時間が終わり、図工の時間。
粘土で創作するという内容だ。
みんな、集中して粘土をこねていた。
かくいう俺もこねて形を作っていた。
・・・・だが、妙に集中できないでいた。
その原因は外にあった。
『(おい、大和。外に誰かいるぞ)』
「(ああ。そうだな)」
俺はちらっと窓の外を見ると、校舎から少し離れた木の茂みにアイリさんが顔を出していた。
アイリさんの自由奔放さは今に始まったことではないが、学校に忍び込んでまで何やってんだ?
『(まあ見てるだけだから気にすることないんじゃないか?)』
「(そうするか)」
見たところこっちを見てるだけのようだしな。
俺は再び粘土細工に取り掛かった。
『(大和、それって)』
「(ああ。狼だ)」
粘土で何を作ろうかと思った時、魔戒騎士の鎧を象っている黄金の狼を思い浮かべた。
前世で設定画を一度見ただけだが、その記憶を頼りに牙や爪を再現した。
「へぇー大和君。うまいわね!」
「あ、どうも」
生徒たちを見回っていたタイガーが俺の粘土を見て褒めた。
「うんうん!もっと創作していきなさ〜い!」
「はあ」
タイガーの言葉に俺は取り敢えず返事をした。
「それで美遊ちゃん、そのオブジェは何かな〜?」
「はい。人間という存在の矮小性を観念論的に表現してみました」
「また評価のしずらい物をぉぉ・・・!」
美遊の作ったものに対してタイガーが頭を抱えた。
後ろを向き美遊の粘土作品を見たが、何を表しているか全く分からなかった。
図工の授業が終わり、別の教室に移動している。
いつものメンバーと他愛もない話をしながら隣の校舎へと続く外の廊下を歩いていると、また視線を感じた。
見たら、ごそごそと茂みが揺れた。
「(今のって)」
『(凛とルヴィアのお嬢ちゃんだったな)』
あの2人もいるのかよ。
ていうか、今高等部でも授業だよな。
抜け出して何やってんだよ。
「どうした大和?立ち止まって」
「何かいたの?」
雀花、イリヤが俺に聞いてきた。
「クロちゃんもどうかしたの?」
「何か教室に忘れ物でもしたのか?」
クロも俺と同じ方向を見ていたらしく、美々と那奈亀がクロに聞いていた。
「いや、何でもないよ」
「私も何でもないわ」
俺とクロはそう言ってまた移動し始めた。
教室に入り、タイガーが来るまで席に座っていた。
「ねぇ大和。さっき凛とルヴィアいなかった?」
クロが俺の隣に来て小声で聞いてきた。
「クロも気づいたか?」
「うん。それにママもいなかった?」
「ああ。何しにきてんだか」
ずっと見てくるのも居心地悪いし、そろそろこっちから行くか。
俺は椅子から立ち上がった。
「大和、どうするの?」
「あの3人のところに行くよ」
「じゃあ私も行くわ」
俺とクロは3人に会うために日直の人には教室に忘れ物をしたと言って教室を出た。
2人で探していると、校舎裏の倉庫のところにいた。
「3人とも何やってるんですか」
俺が声を掛けると凛さんとルヴィアさんが肩をびくっと揺らして、こっちに慌てて振り向いた。
「あちゃーやっぱバレてたか」
凛さんとルヴィアさんはしまったという顔をしていた。
俺とクロは3人の方に歩いて行った。
「やほー♪」
アイリさんはいつもと変わらずニコニコ笑っていた。
「何やってんのよ、凛、ルヴィア」
クロは呆れた顔で2人に言った。
「イリヤちゃんは?」
「あの子は鈍いから気づいてないと思うわ」
「そもそもアイリさんは何で学校に来てるんですか?」
俺はもっともな疑問をアイリに聞いた。
「イリヤちゃんたちの学校の様子を見たくて、ジュギョウサンカンに来たの♪」
いや、授業参観の意味間違ってますよ・・・。
『で、2人はその付き添いか?何で止めなかったんだ?』
ゾルバが凛さんとルヴィアさんに聞いた。
「そ、それは・・・のっぴきならない事情があったのですわ!」
ルヴィアさんが誤魔化すように早口でいい、腕を組んで顔を明後日の方に向いた。
何の思惑があったんだか。
「それで大和君とクロちゃんは、わざわざ挨拶にしに来てくれたのね。ありがとう♫」
アイリさんが笑顔で言うとクロは少し狼狽した。
「あ、挨拶というか、単純に何のつもりなのか思っただけよ・・・」
クロは頬を赤くして恥ずかしそうに俯いて言った。
すると、アイリさんがクロの頭に手を置いた。
「クロちゃんもイリヤちゃんもしっかりやってようで安心したわ」
アイリさんがクロの頭を撫で、微笑みながら言った。
「な、何よそれ・・・」
クロはさらに顔を赤くしながらも、アイリさんの手を振り払おうとはしずに撫で続けられていた。
「もちろん大和君も♫」
「あっ、俺はいいんで」
俺の頭を撫でようとするアイリさんの手を丁重に払った。
「もうっ大和君のいけずぅー」
アイリさんがむくれた顔で言った。
『おい、そろそろ次の授業が始まるぞ』
その時、ゾルバが声を掛けた。
クロはアイリさんの手をどかした。
「ど、とにかく早く帰ってよ!見つかったら私たちだっておかしな目で見られるんだからっ!行こ、大和!」
クロは走り去って行った。
「じゃあ、俺も行きます」
クロのあとを追って行こうとした。
「大和君」
行こうとした時、アイリさんに呼び止められた。
「約束、守ってくれてるみたいね。ありがとう」
アイリさんが安心したように笑いながら言った。
「当然です」
俺も笑って言った。
「それじゃあ」
俺も小走りで教室に向かった。
倉庫を曲がった時に、クロが立っていた。
「ねぇママと何話してたの・・・?」
「ちょっとな」
クロと並んで教室まで歩いて行った。
『あんな恥ずかしがっているお嬢ちゃん、初めて見たな』
「う、うるさいゾルバ!」
確かにそうかも。
教室に向かうまでの道中、クロはアイリさんに文句を言っていたが、顔は嫌そうには全くしていなかった。
そんなクロを見て、俺は思わず笑ってしまった。
「何よ大和」
「いや、何でもない」
その後、教室につき、授業が始まった。
そうして授業が進み、いつも通りの1日が過ぎていった。
1週間の学校が終わり、休日である土曜日の午後。
さっきまで内なる魔界で修行をしており、今は一休みということでベッドに横になって本を読んでいた。
その時、家のインターホンが鳴った。
「誰だ?」
訪問販売か?
1階に降りて扉の取っ手に手をかけた。
「はい。どなたで・・・」
「よおー大和、久しぶりだな!」
「大和、元気だった?」
玄関を開けた時、男の人と女の人の声が聞こえた。
「父さん?母さん?」
そこにいたのは、俺の父___神楽坂和人と母___神楽坂雪穂だった。
「帰ってくるなら連絡してくれればいいのに」
「ハッハッハッ!お前を驚かせたくてな!」
俺の言葉に父さんが笑いながら言った。
「大和、変わりない?」
「ああ。大丈夫だよ」
母さんの言葉に俺は返した。
『2人も元気そうだな』
「おお、ゾルバ!お前もな!」
「ゾルバも元気そうね」
『まあな。小僧のお守りで忙しい毎日だぜ』
「おい」
ゾルバの言葉に俺は思わずツッコんだ。
「そうだ。これから切嗣君の家に挨拶に行きたいが、切嗣君いるかな?」
「切嗣さんはいなけど、アイリさんならいるはず」
「まあ!アイちゃん帰ってきてるの!」
母さんがポンと手を叩いて喜んだ。
母さんはアイリさんをアイちゃんと呼んでいて、アイリさんは母さんを雪ちゃんと呼んでいる。
そうして、家で少し休んでから衛宮邸に向かった。
着いた時、前にあるルヴィアさんの豪邸を見て、父さんと母さんは随分景色が変わったなーとか立派なお家ねーと、あまり驚いてはいなかった。
この2人がアイリさんと仲がいいのが分かった気がした。
俺が衛宮邸のインターホンを押すと、セラさんが出てきた。
「おっセラちゃん!」
「セラちゃん久しぶり!」
「和人さん!雪穂さん!お久しぶりです!帰ってらしたんですか!」
「ついさっきな。それで挨拶に来たんだ」
「そうでしたか。さぁどうぞ!奥様もいらしてますので」
「ありがとうね、セラちゃん」
セラさんの案内で俺たちは家に上がらせてもらった。
「あら、雪ちゃん!」
「アイちゃん、久しぶり!」
リビングにちょうどアイリさんがいて、2人はハイタッチした。
「アイリちゃん、久しぶり!」
「和人君も!」
アイリさんは父さんにも笑顔で言った。
「お〜、久しぶりで〜す」
ソファにくつろいでいたリズさんはいつもと変わらないテンションであいさつをした。
「こら、リズ!お客様の前ですよ!」
「はっはっはっ!変わらないなリズちゃんは!」
セラさんはリズさんに怒ったが、父さんは気にする様子はなく笑っていた。
「ただいま〜」
その時、リビングに士郎さんが入ってきた。
格好を見ると、部活帰りのようだ。
「おう、士郎君!背がでかくなったな!」
「おじさん!おばさんも!」
「士郎君、久しぶり!」
「士郎!お2人に失礼ですよ!」
「はは!いいよ、セラちゃん!」
セラさんは今度は士郎さんに父さんと母さんの呼び方を注意したが、父さんがなだめた。
「あっおじさん!おばさん!」
イリヤが2階から降りてきた。
「あら〜イリヤちゃん!また可愛くなったわね〜」
母さんがイリヤの頭を撫でた。
イリヤは恥ずかしそうにしていた。
「おっ?君たちは?」
父さんが美遊とクロに気付いた。
美遊も来てたんだな。
「初めまして。イリヤと大和のクラスメートの美遊・エーデルフェルトと申します」
「従妹のクロエ・フォン・アインツベルンです」
2人は父さんと母さんにあいさつをした。
「初めまして。大和の父の神楽坂和人だ」
「大和の母の雪穂よ」
父さんと母さんも同じように美遊とクロにあいさつをした。
「も〜大和もすみにおけないわね〜。こんな可愛い子たちと一緒にいるなんて〜」
母さんの言葉に美遊とクロはイリヤと同じように恥ずかしそうにした。
その後の夕食は、セラさんが腕によりをかけると意気込んでいた。
大勢での夕食は本当に楽しかった。
次の日。
父さんと母さんはもう出るということで家の前にタクシーを呼んでいた。
「じゃあな、大和!」
「体調には気をつけてね」
「2人も気をつけて」
2人はタクシーに乗り込み、空港に向かって行った。
『行ったな』
「ああ」
少しさみしい気持ちはあるが、2人がいつでも帰ってこれるように、この家を守っていかなきゃな。
俺はそう思って、家に入っていった。
いかがだったでしょうか。
今回主人公の両親を出しました。
まだ名前だけで具体的な仕事とかは、実はまだ決めておりません・・・・。
今後も出ると思うのですが、今は名前だけでも覚えてくれたら幸いです。
次回、バゼット戦。
みなさまを楽しませれるように頑張りたいと思います!
それと、牙狼新作迫ってきていますね
PV見たのですが、どんな展開になっていきかワクワクです!
鋼の鎧も前作とは違って、またいいですね!
それでは、次回!