Fate/kaleid liner knight 作:シャチ猫
第6話です
すでに表紙にも書いてある通り設定を追加しました。
それを見た方が今後読みやすいと思います
それではどうぞ!
大和side
時刻は午前0時1分前。
俺とイリヤは凜さんからの手紙の内容にあった公園に集合した。
イリヤと美遊はすでに転身しており、俺はいつでも鎧を召喚できるよう魔戒剣を鞘から抜いている。
「油断しないようにねイリヤ、大和。敵はもちろんだけど……ルヴィアたちがドサクサに紛れて何してくるか分からないわ」
「(なんでこんなギスギスしてるのかなあ……)」
『お二人のケンカに巻き込まないでほしいものですねー』
『どんだけ仲が悪いんだこいつら』
「ルヴィアさんも似たようなこと言ってるだろうな」
凛さんはもうルヴィアさんのことを任務を妨げるものと認定してるみたいだ。
「速攻ですわ。開始と同時に距離を詰め一撃で仕留めなさい」
「はい」
「あと可能ならドサクサ紛れて遠坂凜も葬ってあげなさい」
「……それはちょっと」
『殺人の指示はおやめください』
本当にこの2人は……全く。
戦いの場なのに牽制し合ってどうするんだ。
「いくわ3、2、1…」
『『限定次元反射炉形成!境界回廊一部反転!』』
「
俺以外みんなボロボロの状態になって帰還した。
『いやーものの見事に完敗でしたね。歴史的大敗です』
ルビーもダメージを負ったのかへろへろな状態になっていた。
「な、何だったのよあの敵は・・・」
「ちょっとどういうことですの!?カレイドの魔法少女は無敵なのではなくて!?」
『私に当たるのはおやめくださいルヴィア様』
ルヴィアさんは敗けて悔しいのかサファイアを思い切り横に引っ張って八つ当たりをしていた。
『ルビーサミング!!』
「メガッ!?」
そんなルヴィアさんにルビーはステッキの持ち手の先端部分で目潰しをした。
ルヴィアさんはあ“あ”あ“あ”と目を抑えながら悶絶し転げまわる。
「レ、レディの眼球になんてことを……!」
『サファイヤちゃんをいじめる人は許しませんよー!』
普段おちゃらけているルビーでも妹が大事みたいだな。
『それに魔法少女が無敵だなんて慢心もいいところです!』
「ごめん、私も無敵だとちょっと思ってた………」
ルビーの指摘にイリヤは苦笑い気味に言った。
『まあ大抵の相手なら圧倒できるだけの性能はありますが、それでも相性というものがあります』
「で、その相性最悪なのがさっきの
凛さんが言ったアレ。
それは5分前のこと________
鏡面界に飛んでまず目にはいった光景。
それは空を覆いつくすほどの魔法陣の数々とその中にいる黒いローブを纏った女の人が空で待ち構えていた。
「何アレ・・・?すごい数・・・」
「ねぇルビーこれって・・・」
『そのようですね。どうやら向こうは・・・』
ルビーが言い切る前に空からレーザーポインターのような点が降り注いできた。
『戦闘準備万端だったようです』
ルビーが言った瞬間空から物凄い数の魔力砲が放たれてきた。
放たれた瞬間俺は空中に円を描き鎧を召喚し、振ってくる魔力砲を弐式と参式で斬り裂きながら対抗した。
イリヤと美遊もルビー、サファイヤそれぞれが障壁を展開した。
「うおおおおおおッ!!!」
「きゃあッ!?」
『魔術障壁の展開規模を最大まで拡大!離れたら死にますよ凛さん』
「じょっ、冗談じゃないわ!」
多数の魔力砲を撃ち続けていたが、こちらの状態を知りたいのか撃つのをやめた。
「いっ・・・痛い!そして熱いよ!なにコレ!?」
「何でランクAの魔術障壁が突破されてるのよ!?」
『あらー?おかしいですねー』
イリヤたちは防御していたがダメージを負っていた。
美遊も同じ状態になっていた。
俺は何とか捌き切った。
空にいる黒ローブ女はこちらの状態を観察している様子だった。
攻撃をやめているなら、仕掛けるなら今だ!
俺は壱式を口に咥え、空にいる黒ローブ女に向けて剛烈剣を振るった。
美遊もほぼ同じタイミングで魔力弾を放った。
「最大出力………!
「はあっっ!!」
百八煩悩鳳!!!
美遊の魔力弾と俺の螺旋状の3本の斬撃は敵に向かっていった。
「美遊さん!大和君!」
『すかさず反撃ですかやりますね』
「遠距離戦なら望むところですわ!撃墜なさい!」
だが美遊と俺の攻撃は黒ローブ女の張った障壁で弾いてしまった。
「何だと!?」
『弾きやがったぞ、あの女!!』
「あれは・・・魔力指向制御平面!?まさかこれほどの規模で・・・!」
すると黒ローブ女は何かぶつぶつ呟くと、俺たちの周りを覆うように巨大な竜巻が発生した。
「たっ・・・竜巻!?」
「まずっ・・・閉じ込められた!」
『お前ら上を見ろ!』
ゾルバの言った言葉で上を見るとさっきの魔力砲の魔法陣とは比べられないほどの大きな魔法陣が生成されていた。
「あいつまさか!?」
『ああ、俺たちを確実に仕留めるつもりだ!』
「こっ、これはもしかしなくてもDieピンチ?」
『完全に詰みですねーこれは』
「悠長に話してる場合かー!」
「ててて撤退ですわ撤退-ッ!!」
みんなが慌ててる間にも魔力砲を放とうとしていた。
あの魔法陣の大きさからしてさっきのとは桁違いの魔力砲だろう。
どうるする!?どこまで防ぎきれるか分からないが、阿修羅を使うか!?
『反射路形成!境界回廊一部反転!』
「「早く早く——ッ!!」」
サファイアの声がした。見ると足元に魔法陣が展開されていた。
ようやく撤退準備ができたか!!
それと同時に空がカッと光ったかと思ったら、特大の魔力砲が降ってきた。
そして僅かの差で俺たちは元の世界に戻ってきた。
そして現在。
「まるで要塞でしたわ・・・あんなの反則ですわよ!」
ルヴィアさんが顔の汚れを拭きながら悪態をついていた。
『もう魔術の域を超えてましたね。そりゃ障壁で相殺しきれないわけです』
「イリヤ、美遊大丈夫か?」
「う、うん、何とか。でも痛かったよ・・・」
「私も大丈夫……」
イリヤも美遊も大事ないみたいだな。
『あれは現在のどの系統にも属さない呪文と魔法陣でした。恐らく失われた神話の時代の魔術と思われます』
サファイアがさっきの黒ローブ女の攻撃方法を分析していた。
神話の時代の魔術……。魔術に関しては素人だが神話の魔術ってあんなにすごいものなのか。
「あの魔力反射平面も問題だわ。あれがある限りこっちの攻撃が届かない」
『攻撃陣も反射平面も座標固定型のようですので魔法陣の上まで飛んでいければ戦えると思いますが・・・』
「と言ってもねぇ練習もなしにいきなり飛ぶなんて………」
「あ、そっか。飛んじゃえば良かったんだね」
そう言ってイリヤはふわりと飛んだ。
魔法少女って言っているだけあって、やっぱり飛べるんだな。
「「なっ!?」」
だが、凜さんとルヴィアさんがかなり驚愕していた。
空飛ぶことがそんなに驚くことか?魔術が使えるなら簡単だと思うが。
「ちょっと!!なんでいきなり飛べるのよ!?」
『すごいですよイリヤさん!高度な飛行をこんなにサラッと!』
「そ、そんなにすごいことなのコレ?」
「私やルヴィアでもまる一日訓練してようやく飛べるようになったのよ!?」
『強固で具体的なイメージがないと浮くことすら難しいのに一体どうして・・・?』
サファイアも驚きながらイリヤに質問をした。
「どうしてって言われても・・・魔法少女って飛ぶものでしょ?」
なっ、なんて頼もしい思い込み・・・ッ!!
イリヤの言ったことに凜さんとルヴィアさんは絶句した。
なるほど。つまりイリヤは魔法少女=飛ぶものというイメージがあるから凛さん達にとって難しい飛行ができるということか。
「ちなみに聞くけど大和はできる?」
「いや、飛ぶことはできません」
「そう・・・「ただ」?」
「空中を蹴り上げて上空に行くことはできます」
これは内なる魔界での修行で空を飛ぶことができるホラー・ステラスが相手だった時のことだ。
あの時はまだ百八煩悩鳳が会得できていなかったからどう対処するか考えている時、斬牙がやっていた空中を蹴り上げることを思い出した。
狼俱にそこまでの能力があるかと疑問に思っていたが一か八かやってみたら、まさしく六式の剃のように空に駆け上げることができた。
駆け上げた直後はまさかできるとは思ってなくて驚いたが、すぐに意識をステラスに切り替えて空にいるステラスにまっすぐ駆け上がりステラスのさらに上に行き、地面に叩き落とした。地面に落としたステラスに向けて虎狩りを放ちステラスを倒した。
そして内なる魔界から戻った時、ゾルバに狼俱には空を駆け上がる能力があったのかと聞いたら、あると、さも当たり前のように言った。
何で言わなかったと聞いたら、それも修行の一環だと答えた。
それを言われたら何も言えないが、この相棒に何とも言えない感情が沸き起こってしまった。
まあともかくこの能力は空を飛ぶ敵に対して非常に有効で戦力の幅が広がってとても助かる。
「なんでもありね、あんた」
凛さんが少し呆れた顔をしながら言った。
なんでもじゃないが、まあ誉め言葉として受け取っておこう。
「もののついでに聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」
「はい、何ですか?」
「前の戦いでもそうだけど、何で最初から鎧を纏わないのよ?」
「あっ、それ私も思った」
『私も思いました。大和さんのことですから出し惜しみをしてる訳じゃないですよね?』
「そうですわ。戦いの場に出るのですから、鏡面界に接続する前に纏った方が早いのではなくて?」
「私もルヴィアさんの意見と同じ。どうして?」
『失礼ながら私もルヴィア様の発言に同意します。何か理由があるのですか?』
凜さんの質問にみんなが同調した。
やっぱりみんなそう思っていたか。
俺は凜さんたちの疑問に答えた。
「制限時間があるからです」
「制限時間?」
「はい。狼俱の鎧を纏える時間には限りがあるから容易に召喚できないんです」
凜さん達の言う通り最初から召喚した方がいいのだが、この制限時間があるから気軽に召喚できないんだよな。
「その制限時間はどれくらいなの?」
「99.9秒だ」
イリヤの質問に答えるとみんなが驚いた表情をした。
「1分半しか使えないの、あの鎧!?」
「はい。だから狼俱の鎧はここぞっていう時にしか使えないんです」
実際に纏って思う。
短い制限時間でホラーを倒す牙狼の世界の魔戒騎士は本当にすごい戦士なんだな。
改めて感服する。
『ま、本来はだがな』
『どういうことですかゾルバさん?』
ゾルバの言葉にルビーが質問をした。
『あの鏡面界だと鎧の制限時間、魔導刻って言うんだがそれが遅く経過するんだ。それでいくらか長く纏えることができるようになった』
そのことに気付いたのはアイマスク女の戦いの後のことだ。
纏った直後は気付かなかったのだが、戦闘の後、魔導刻の進みが遅くなっていることが分かった。
家に帰ってそのことをゾルバに話したらゾルバも気づいていたらしく、鏡面界が異空間だから鎧に影響したのだろうと結論づけた。
「どれくらい長くなりましたの?」
『そうだな。7分っていったところか』
「7分…だいぶ伸びたけどそれでも短いわね」
凛さんが顎に手を当てて呟いた。
確かにいくらか余裕はできたが、戦闘での7分なんてあっという間だ。
この限られた時間でいかに相手に勝つか。これがキモだな
『ちなみに制限時間を超えてしまうとどうなるのですか?』
サファイアが制限時間切れの質問をしてきた。
あんまり時間切れのことは話したくないが………。
だが、話した方がいいのは確かだな。
「時間を超えたまま鎧を纏っていると……鎧に喰われる」
「喰われる?どういうこと?」
俺の言ったことが分からないのかイリヤが質問をしてきた。
「厳密に言えば時間を超えたまま鎧を纏っていると暴走状態になる。それを心滅獣身っていうんだ」
「シンメツジュウシン?」
「ああ。そして心滅獣身のままでいると身体と魂が鎧に喰われて……二度と人に戻れなくなる」
『そうなると俺様も鎧に喰われて消えちまう』
ゾク………ッ!!
鎧の危険性がかなり大きいのを知ったのかみんなが恐怖した表情をした。
「そ、そんな危ない物なの?」
イリヤがかなり怯えた顔をしていた。
俺は安心させるように微笑んだ。
「安心しろ。そんなことには絶対ならない。約束する」
「本当……?」
「ああ」
俺は絶対に心滅獣身にならない。
そのためにも俺はもっと修行をしなくちゃいけないんだ。
『念の為心滅獣身になった時の対処法を教えておく。その時は、腰の紋章に思い切り衝撃を与えろ。そうすれば鎧は強制解除されて喰われなくなる』
「そう……分かったわ。でもそれをやらないことを願っているわ」
「そんなことさせませんよ」
そう、そんな危ないこと凜さん達にはさせない。絶対にな。
『言い忘れていたが鎧に直接手で触れるなよ。常に超振動しているから触れただけで皮膚を貫かれるからな』
「……本当に危険なものなのね、あんたの鎧」
凛さんが少しげんなりしたような顔をしていた。
確かにかなり危ない鎧だが、それを覚悟している上で俺は狼俱を使っている。
「話が脱線してしまいましたが、元に戻しましょう。美遊、あなたはイリヤスフィールと同じ魔法少女ですから今飛んでごらんなさい!」
ルヴィアさんが咳払いをして美遊に飛ぶよう指示した。
そういえば飛べるかどうかの話をしていたな。
だが、美遊は少しうつむいているだけだった。
「美遊、どうしたのですか!?」
「ルヴィアさん……」
うつむいていた顔を上げてルヴィアさんに美遊は言った。
「人は………飛べません」
なっ・・・なんて夢のない子………ッ!!
美遊の発言でルヴィアさんがさっきとは別の意味で絶句した。
「そんな考えだから飛べないのですわ!来なさい!明日までに飛べるよう特訓ですわ!」
「あう・・・」
ルヴィアさんは美遊の襟首を掴んでそのままズルズルと美遊を引きずりながら立ち去った。
「やれやれ・・・今日はとりあえずお開きね。明日はちょうど学校休みだし私も色々戦略練ってみるわ」
「また明日かぁ・・・勝てるのかなアレに……」
「勝つのよ!なんとしても!!」
凜さんの言葉で今日は解散となった。
今回の戦いは完全な空中戦なる。あの黒ローブ女とどう対処するか考えなきゃな。
いかがでしょうか。
最初は空中に駆け上がることはできないという設定にしようと思いましたが、今後の展開を考えている中でこれはできた方がいいなと結論を出してこの設定を追加しました。
チートですかね?
さて次回は訓練&キャスター再戦。そしてセイバーとの戦闘です。
キャスターもそうですがセイバーの戦闘もまだ頭の中にふわりと浮かんでいる状態です………。
本当に戦闘描写は難しいです。
それに内なる魔界での修行描写も書いた方がいいですよね。
それでは次回!!