Fate/kaleid liner knight 作:シャチ猫
第8話です
それでは、どうぞ!!
大和side
「
「2度目の負けは許しませんわ!」
「「了解!」」
凜さん、ルヴィアさんの合図でイリヤ、美遊が一気に駆け出した。
黒ローブ女は昨日同様、魔法陣を展開していた。
ただ一つ違うのは魔法陣の数が増えていることだ。
だが、黒ローブ女は相変わらず上空にとどまっていた。
『昨日と同様、敵は上空・・・攻撃が来る前に飛びますよイリヤさん!』
「うん!」
イリヤは駆け出すと同時に飛行した。
『いけますか美遊様』
「うん、大丈夫」
美遊はグッと足に力を込めて思い切りジャンプして、そのまま空中を蹴り上げて上空へ駆け上がった。
『美遊のお嬢ちゃんは俺たちと同じやり方で空に行ったな』
恐らく魔力で足場を作っているんだろう。
原理は違うが確かに俺たちと同じだな。
上空へ行ったイリヤと美遊は黒ローブ女の攻撃を避けながら魔法陣の上へ飛んで行った。
俺は凜さんとルヴィアさんと橋の下で待機をしている。
その理由は、鏡面界に入る前に遡る。
________数分前
「いい?複雑な作戦立てても混乱するだけだろうから役割を単純化するわ」
凜さんは今回の作戦内容を説明した。
「小回りの効くイリヤは陽動と攪乱担当。突破力のある美遊は本命の攻撃担当ね。上空へ飛んだらとにかく斉射。挟撃の形を保ちつつなるべくイリヤ側の弾幕を厚くして、そうして敵の意識がイリヤに向いたら、美遊が
イリヤ、美遊にそれぞれの顔を見ながら役割を説明した。
「俺はどうすれば?」
「私とルヴィアと一緒に後方で一旦待機よ。本当は2人の援護をしてほしいんだけど、敵がどんな隠し玉を持っているか予測ができないし、なによりあんたの鎧の制限時間があるからね。だから大和は万が一のための切り札にするわ」
「分かりました」
____現在
俺は凜さんの指示通りに橋の下で、イリヤと美遊の様子を見ている。
2人は黒ローブ女の攻撃を躱しながら、魔法陣の上へ飛行していた。
そして、2人が魔法陣の上まで飛行し、黒ローブ女と同じ位置まで来た。
『さあさぁこの空がバトルフィールドですよー!敵勢力を排除して制空権を我が物にするのです!』
「な、なんかテンション高いね!」
ルビーに返事をしつつ、黒ローブ女に接近するイリヤ。
黒ローブ女はイリヤに向けて魔力砲を放つが、イリヤはその攻撃を躱しつつルビーを振りかざした。
『低威力で構いません!距離を保って撃ちまくってください!』
「うん!中くらいの・・・散弾!!」
イリヤが散弾の魔力砲を打ち込んだ。
イリヤの攻撃を黒ローブ女は障壁を張って防御をしているが、その場から動けずにいた。
その隙を狙って、美遊が一気に黒ローブ女に距離を詰めた。
「〈ランサー〉
美遊がランサーのクラスカードをサファイアにかざし宝具を展開しようとしたが、黒ローブ女は突然姿が消えた。
「消え・・・」
突然のことに目を見開き驚愕する美遊。
その瞬間、黒ローブ女は美遊の後ろに現れた
「美遊、後ろだ!」
俺の叫びで美遊は気づいたが、それより早く黒ローブ女は持っている杖で美遊を殴り、地面に叩きつけた。
「美遊さん!?」
『今のは・・・!?』
イリヤは相手の攻撃を受けた美遊に焦りの声を上げ、ルビーは敵の行動に驚愕した。
叩きつけられた美遊は身体を起そうとした。
『申し訳ございません美遊様……!物理保護の強化が間に合わず…』
「大丈夫、大したこと・・・ッ!?」
美遊は立ち上がろうとしていたが、足を負傷してしまい、血が流れていた。
『美遊様、足を・・・!?』
「このくらい・・・
直後、美遊に無数のレーザーポインターが当てられた。
「逃げなさい美遊!そんな集中砲火を受ければ障壁ごと………!」
「あ、バカ!」
美遊の絶対絶命のピンチに思わず駆け出したルヴィアさん。
魔法陣の光が増し魔力砲が放たれる瞬間、俺はルヴィアさんを追い越し鎧を召喚しながら美遊に駆け出した。
魔力砲が着弾するギリギリで、美遊を抱き上げ上空へ退避した。
『タッチの差だったな!』
「ああ、何とか間に合った………!」
俺はそのまま魔法陣の上へ駆け上がった。
「美遊、大丈夫か?」
「うん。ありがとう、大和」
美遊の状態を見ると、特に大きなダメージはなく、足の傷もすでに治っていた。
「離して、もう大丈夫」
「ああ」
言われた通り離すと、美遊は空中に立った。
「美遊さん!大和君!」
イリヤもこっちに合流し、3人で対策を話し合った。
『いやはや参りましたねー。さすが神代の魔女っ子(?)と言いますか、転移魔術まで使えるなんて反則ですよ』
『どうする?もう手の内がバレたから同じ手は通用しないぞ』
だろうな。こっちが攻撃しても転移して躱されるのがオチだ。
一旦退却してもう一度策を練るのも一手だが、魔法陣の上へ行けば近づかれるのを黒ローブ女も知ったから、次に戦うときはさらに対策を施してくるだろう。
今日仕留めなきゃ勝てるチャンスはもうない。
どうするか……。
「・・・いや、まだ手はある」
考えていると美遊が自信の籠った声で言った。
美遊の作戦を聞き、俺たちは第二ラウンドへ突入した。
俺たちは再び黒ローブ女に向かって行った。
イリヤが黒ローブ女に魔力砲を撃つが、黒ローブ女は障壁を張り防御する。
すかさず黒ローブ女の魔法陣から魔力砲が発射されるが、イリヤもまた躱して、また魔力砲を撃った。
しばらく、イリヤと黒ローブ女の攻防が続いた。
「ちょっと、まだ続ける気!?同じ策は通用しないわよ!」
「一時撤退ですわ!戻りなさい!」
地上で見ていた凜さんとルヴィアさんは戦況が不利と判断したのか俺たちに撤退の指示を出した。
2人には申し訳ないが、このまま続けるために指示を無視した。
「いくよルビー!」
『いつでもどうぞー!』
最初の作戦とは違って、今度はイリヤが黒ローブ女に向かって行った。
「イリヤスフィールが前に!?」
「だ———っあのバカ!せめて役割分担くらい守れーッ!ていうか無意味よ!また転移して逃げられるわ!」
イリヤは黒ローブ女に向けてルビーを思い切り振るった。
「極大の・・・散弾!!!」
イリヤの放った散弾の魔力砲は黒ローブ女の張った反射平面に跳ね返り、イリヤ側に全て返ってきた。
イリヤは障壁を張って跳ね返ってきた散弾を防御し、黒ローブ女はすでに転移しておりイリヤの後ろに現れた。
だが、散弾を防御するために障壁を張って動きを止めた。
俺と美遊は黒ローブ女のさらに上空におり、攻撃の構えをとっていた。
「行くぞ、美遊!」
「うん………!」
これが、美遊の立てた作戦だ。
黒ローブ女は転移することができるからピンポイント攻撃を当てるのはまず不可能。
ならば、攻撃を広範囲に広げてどこに転移しても当たるよう弾幕を張る。
大きすぎる散弾だと黒ローブ女に対してダメージは与えられない。
だが、散弾はダメージ目的ではなく、黒ローブ女に確実に当たるように放ったもの。
そうすれば散弾を防御するために一瞬動きが止まる。
その一瞬の時は今!
「弾速最大・・・
「はあぁぁぁっ!!!」
三十六煩悩鳳!!!
美遊の速射砲と俺の斬撃をもろに受けた黒ローブ女は地面に叩きつけられた。
「や、やった?!」
『まだです!ダメージは与えましたが致命傷ではありません!早く詰めの攻撃を!』
黒ローブ女はよろけながらも立ち上がろうとしていた。
イリヤが黒ローブ女の近くにいたから三十六煩悩鳳を放ったが、あそこまで離れているなら百八煩悩鳳で仕留められる!
俺は壱式を取り出そうとしたが、それより先に凜さんとルヴィアさんが動いた。
「
「
凜さんとルヴィアさんは手に持っていた宝石を黒ローブ女に投擲した。
「轟風弾五連!」
「爆炎弾七連!」
「「
凜さんとルヴィアさんの魔術が合わさって巨大な爆炎が黒ローブ女に襲い掛かった。
「中々壮大だな」
『案外やるもんだな、アイツら』
2人の攻撃に驚嘆していると、空にあった魔法陣が消えていた。
「魔法陣が消えた・・・ってことは」
『そうです!我々の勝利ですよー!!』
ルビーが勝利宣言をするとルビーからデフォルメしたイリヤとルビーの花火が上がった。
「な、なにこの恥ずかしい花火?!」
『祝砲ですよ祝砲♪』
やめてー!!と騒ぐイリヤ。
「それより貴女、五連ってなんですの!?勝負ドコロでケチってんじゃねーですわ!!」
「う、うっさい!成金のあんたとは経済事情が違うのよ!」
地上ではさっきの攻撃のことで凜さんとルヴィアさんが喧嘩をしていた。
『お疲れ様です、美遊様。見事な策でした』
「そうでもないよ。もし連続転移が可能だったら通用しなかったし・・・危険な賭けだった」
美遊はふぅと息を吐きながら言った。
「降りてきなさい、美遊!カードを回収して帰りますわよ!」
「大和、あんたも早く降りてきなさい!」
地上からルヴィアさんと凛さんが美遊と俺を呼んでいた。
美遊が降りようとしたが、俺は動かなかった。
「大和?」
『大和様、どうなさいました?』
何だ、この胸騒ぎは?確かに爆心地には黒ローブ女はいない。
だが、まだ終わっていない。
俺の直感がそう告げていた。
その時_______
ゾクッ!!
『大和、後ろだ!!』
俺の感じた悪寒とゾルバの声がほぼ同時だった。
俺は後ろを見ると、黒ローブ女は巨大な魔法陣を展開していた。
あの状態で転移していたのかよ!?
しかもあの魔法陣、素人の俺でも分かる。
あれは____
「この空間ごと焼き払う気よ!!!」
凜さんが焦慮した声で叫んだ。
凜さんの叫びを聞いた瞬間、黒ローブ女に向かって飛び出した。
「大和君!?」
俺は壱式を咥え、黒ローブ女にさらに早く駆け出した。
あの魔法陣の規模からして昨日のより強力だ。
おそらく今の百八煩悩鳳じゃ魔法陣から放つ攻撃を止めるどころか、相殺すらできない。
なら、今の俺の力で対抗できるのは阿修羅しかない!
剛烈剣を構え阿修羅を使おうとしたら、後ろからイリヤと美遊の声がした。
「大和君も乗って!」
「大和!」
見ると美遊が魔力砲に乗ってこっちに一直線に向かって来ていた。
そのさらに後方にはイリヤがいた。
なるほど、そういうことか!
俺は美遊と同じように魔力砲に乗ってそのまま砲撃の速度のまま黒ローブ女に突っ込んだ。
美遊は槍の宝具を展開し、俺は弐式と参式を黒ローブ女に向けた。
黒ローブ女攻撃を放とうとした瞬間_____
「
「はあぁぁぁッ!!!」
牛鬼勇爪!!!
俺と美遊の突きが黒ローブ女に貫通し、黒ローブ女は光の粒子となって消えた。
「今度こそ、終わったな」
俺は地面に降りて鎧を返還し剣を鞘に納刀して一息ついた。
『しかし、転移できるやつとは予想外だったな』
「ああ。それに最後のあの攻撃を放たれていたらどうなっていたか」
あの時は阿修羅を使おうとしたが、正直今の俺の実力での阿修羅で対抗できたかどうか分からなかった。
『ま、これもいい経験値になっただろ。これからも精進するんだな』
「そうだな」
ゾルバの言う通り、まだまだ俺も修行が必要だな。
『それよか、美遊のお嬢ちゃんを起してはやく帰るぞ』
「ああ」
俺は座り込んでいる美遊の所に行った。
美遊side
『クラスカード〈キャスター〉回収完了です』
「今度こそ・・・戦闘終了・・・だね」
私は深く息と吐き、地面に座り込んだ。
少し落ち着いきて、さっきの戦闘を思い返した。
「・・・私はイリヤスフィールのように飛べない。飛行するイメージがどうしてもできなかった。私にできたのは魔力を空中に固めて足場にすることだけ」
屋敷に帰ってからも飛行するイメージを何とかしようとしたけど、結局できなかった。
だから私は大和のやり方を模して、空中に移動する方法をとった。
『魔力の総合運用で考えれば、とても効率的な飛行方法です。イリヤ様とどちらが上ということでもありません』
「でも・・・魔力砲を足場にするなんて発想、私じゃ思いつきもしなかった」
あんな柔軟な発想、私にはできない。
だから、飛行するイメージもできないのかもしれない。
『・・・先日美遊様は仰いました。カードの回収は全部私がやると。私にはあの時の美遊様の真意は分かりません。・・・ですが、この勝利は三人の連携がもたらしたものです。カレイドの魔法少女は二人でひとつ。そして大和様の鎧の力。私はイリヤ様と大和様は信頼するに十分な方だと・・・そう思います』
サファイアの言っていることは分かってる。
今回の敵はイリヤスフィールや大和がいなきゃ絶対に勝てなかった。
残りの英霊もそんなヤツが現れるかもしれない。
でも・・・でも、私は・・・ッ!
「美遊、大丈夫か?」
顔を上げると大和が私に手を差し伸べていた。
大和side
「悪い、話し中だったか?」
「・・・大丈夫。なんでもないから」
美遊はありがとうと言いながら俺の手を掴んだ。
俺は美遊を立ち上がらせると、ちょうどイリヤが来た。
「美遊さん!大和君!大丈夫?」
「ああ、俺は大丈夫だ」
「私も大丈夫」
さっき美遊の空気が重かったような感じだったが、何だったんだろうな。
あんまり踏み込まない方がいいか。
「さて、イリヤも来たことだし鏡面界が崩壊する前に早く帰え・・・」
「大和?」
「どうしたの大和君?」
おかしい。
英霊を倒したら崩壊するはずなのに鏡面界に動きが全くない。
黒ローブ女を倒してもう時間が経っているから、崩壊が始まってもいい。
なのに、崩壊が起きていない。
………まさか!!
ズドォォォォン!!
向こうのほうで、爆発音がした。
音の方向を見ると、俺たちは驚愕した。
そこには_____
「ど・・・どうこうこと、ルビー・・・?」
『・・・最悪の事態です』
血を流して倒れている凜さんとルヴィアさん
「あり得るの?こんなこと………!」
『完全に想定外・・・ですが確実に起こってしまいました』
そして、もう1人_____
「ゾルバ、あいつは………!?」
『ああ、間違いない』
2人目の敵………ッ!!
黒い鎧を身に纏い、同じく黒の剣を持った騎士が佇んでいた。
いかがでしょうか。
今回で無印原作1巻終了です。
次回2巻突入です。
さあ、ここから難しくなってまいります。
イリヤのクラスカード使用シーンや凜、ルヴィアの魔法少女、主人公の鎧での戦闘………
特に鎧の制限時間ですが、鏡面界での時間の配分がまだあやふやの状態ですでので、ご都合主義タグはありますが、できるだけそうならないよう気を付けます。
話は変わりますが、牙狼作品を見返していくと、これ99.9秒超えてね?っていうシーンが多々あるのですが、やっぱりそこは臨機応変に対応していることなんですかね?
それでは、次回!!