ようこそボンゴレⅩ世。実力至上主義の教室へ 作:コーラを愛する弁当屋さん
バックアップを取っていないので、前アカウントでの最新話までのストーリーについてを、作者の記憶の範囲でダイジェストのようにしてお送りします!
本格的なストーリーは原作9巻からになります!
愛する人の愛したものを守る為に。強く、そして仇なそうとも思われないほど恐ろしい、最強のボンゴレを作ろうとしたD・スペード。
全ては弱き者達の為に。彼にとって大切な街の住民達を守る為、幸せにする為、常に弱者の味方になろうと、自警団を作ったジョット。
偉大なる2人の意思を継ぎ、自分に関わる全ての者達を守り、そして幸せに導く〝最高〟のボンゴレを目指す。
ボンゴレⅩ世——沢田綱吉がそう決意したのは、彼がもうすぐで中学3年生になろうという時期だった。
これは最高のボンゴレを目指す少年、ボンゴレⅩ世が、立派なボスになるべく、新たな仲間達と共に奮闘する物語である。
—— 1年後、春。
並盛中を卒業したツナは、リボーンの勧めもあり、「高度育成高等学校」へ進学した。
そこは日本政府が作り上げた、未来を支えていく若者を育成する、それを目的とした学校らしい。
なぜこの学校に自分を入らせたのか。ツナはリボーンにそう問いかけるが、リボーンは「後で話す。寮に帰るまで、周囲をよく観察しておけ」とだけ言い残し、先にツナの住まう寮に行ってしまった。
不安を感じながらも、言われた通りに周囲の観察をしながら、ツナは入学式の行われる講堂へと向かう。
受付をしている上級生の女子に名前を告げると、上級生は笑顔で名簿を調べ始める。
最初はにこやかに対応してくれたのだが、ツナがDクラスに配属されたことが分かると、急に顔から笑みが消える。
そして、その上級生は心底面倒そうに、入り口に「D」と書かれた看板が掲示された場所に、ツナを案内した。
案内された場所にはすでに40人程度の生徒が集まっており、2列に並んでいた。このメンバーがクラスメイト達なのだろうか。
ツナが片側の列の最後尾に並ぶと、隣の列の最後尾に並んでいた女の子に話しかけられる。
「あ、君もDクラス?」
女の子の名前は櫛田桔梗と言うらしい。
いきなりの可愛い女の子の出会いに、もしかしたら最高の高校生活が送れるのではないかと、上機嫌になるツナ。
しかし、そんないい気分は入学式が始まるとすぐに消え去った。
長い黒髪を後ろで結ったスーツ姿の女性に案内され、並んでいた列のまま講堂に入ると、講堂に並んでいる上級生達から不気味な視線を浴びせられるツナ達Dクラス。
(何だこの視線……怒り? いや、哀れみか?)
不気味に感じはしたが、その後は、上級生達の冷ややかな視線以外には特に異常はなかった。
入学式後は各クラスへと移動。それぞれが談笑する中、クラスメイトの男子である、平田洋介の提案で、1人1人が自己紹介をしていくことになった。
内藤ロンシャン風の自己紹介が功を奏したのか、クラスメイト達は笑って「よろしく」と、ツナに挨拶してくれた。
自己紹介が終わると、再び談笑へと戻るDクラスの面々。
クラス内の雰囲気が暖かくなったその時、ガララと音を立てて教室のドアが開かれる。
開かれたドアの向こうから、入学式でツナ達を先導した女性教師が入ってきた。
「ホームルームを始めるぞ」
そう言って生徒達を自分の席に座らせると、女性は自分がDクラスの担任、茶柱佐枝だと名乗った。
名乗り終えた茶柱は、次のこの学校のルールについて説明し始める。
まず全員に学生証端末が配布され、PP(プライベートポイント)についての説明を受けるDクラス生徒達。
10万PPという、高校生の小遣いにしては多すぎる支給額に、クラスの大半は色めき立つが、ツナは「それはおかしい」と考えていた。
いくら国営といえど、3学年の生徒全員に10万円も支給するわけはないだろう……というのがツナの考えだった。
実際、茶柱は「毎月10万も貰えるんですか?」と質問した女子生徒に、「ああ、お前達に今は10万PPを渡す価値があるということだな」と返していたのだ。
ホームルームが終わり、クラスメイト達が娯楽施設やカフェへと繰り出す中、ツナは職員室に向かっていた。
職員室に入るなり、茶柱の席に向かうツナ。
ツナが来たことに少し驚いた様子の茶柱だが、そんな彼女にツナは「あの、毎月10万ポイント支給、なんてされませんよね」と、直球で質問した。
その質問に対し、茶柱は笑みを浮かべながら「答えられない」、とだけ答える。
そう簡単に、学校のシステムについては教えてくれないか……と、ツナは想定内だと言いたげに言葉を飲み込むが、茶柱の次の言葉には驚驚きを隠せなかった。
「教師にも生徒に言える事と言えない事があるのさ。——いくらお前がボンゴレⅩ世だとしてもな」
ボンゴレⅩ世。……茶柱は確かにそう言ったのだ。
なぜそのことを知っているのかと問うと、どうやら1年の担当教師は全員、ツナの正体を理事長に聞かされているらしい。
しかし、それで特別扱いされることはないようだ。学校としての評価は普通の生徒と完全に同じにするそうで、教師も事情を知ってた方がいいだろう、という理事長の考えで周知されただけらしい。
聞きたいことを答えてもらえないようなので、仕方なくツナは、今日から住むことになる寮へと向かった。
この学校の寮はマンションになっているらしい。
なんと、ツナの部屋は最上階にあるようだ。
最上階で入学式で挨拶をしていた3年生とすれ違ったりしたが、ツナは自分の部屋である最上階の角部屋へと入った。
部屋の中に入ってみると、リビングの壁の中に、リボーン用の居抜きスペースまで作られている。
リボーン曰く、この学校の理事長とボンゴレ9代目は友人のようで、そのおかげで、学校内に並盛中にあったような秘密の通路をいくつか設けてもらったらしい。高校でもリボーンに監視されるのかと、ツナは少しがっくりした。
荷物を置いてベッドに腰かけると、リボーンは「今日1日、周囲を観察して気になったことはないか」と、ツナに聞いてきた。
ツナは入学式での視線や受付の態度、そしてPPについてをリボーンに話した。
全てを聞いたリボーンは「70点だな」と、ツナに告げる。
残りの30点の気にすべきだった事は何なのか、とツナが問い返すと、「学校の敷地内の至る所にある監視カメラ」「PPの使い方」「この学校は実力至上主義である」の3つを挙げた。
まずPPの使い方だが、茶柱が「この学校にポイントで買えないものはない」と言っていたことに対してだ。
買えないものがないのなら、色々な使い道があるはずだとリボーンは言った。
次に監視カメラだが、あれほどの量の監視カメラを設置する理由はただ1つ、生徒の行動をくまなく調べる為だろうとのこと。
そして、監視カメラで敷地内の行動を監視するということは、生徒の行動で生徒の評価をしている可能性が高い。そうなると、茶柱が「お前達には今は10万PPを渡す価値がある」と言った理由も推測できる。つまり、生徒の評価により毎月支給されるPPに変化が出るのではないか? ——という推測が立つのだ、と。
この推測により、学校に実力不足と判断された場合の末路が、退学である可能性にツナが気付く。
中学最後の1年間で、学力も身体能力もかなり向上しているが、それでもツナは不安だと弱気になってしまう。
弱気になるなと、中学の総復習ができるドリルを、1週間の期限付きでリボーンに渡されたツナ。
ツナはなんとか1週間で、そのドリルを終わらせることに成功した。櫛田桔梗からのお茶の誘いを断ってまで、頑張ったかいがあるというものだ。
ドリルを終わらせた次の日の昼休み。ツナが昼休みに机で突っ伏していると、後ろの席の男子、綾小路清隆に「お疲れだな」と声をかけられる。
綾小路とツナは席が近いこともあり、わりと話すようになっていた。
「この1週間、睡眠時間を削って、中学の総復習をしてたんだ」
「へぇ、沢田は真面目なんだな」
などと他愛もない会話をしていると、ツナの斜め後ろで、綾小路の隣の席である女子、堀北鈴音が会話に入ってくる。
「綾小路君も沢田君を見習ったらどう? 小テストも50点だったようだけど」
「うわー、傷ついたわー」
「絶対に嘘だよね」
などと、3人は抑揚のない会話を、昼休みが終わるまで繰り広げたのだった。
——数日後。5月に入って最初の日、ポイントの支給日。
Dクラスでは、ポイントが振り込まれていない、という話題で持ちきりだった。
担任の茶柱がホームルームにやってくると、クラスメイトの池や山内がポイントが入ってないことに対して抗議を始める。
茶柱は鼻をフンと鳴らし、「本当に毎月10万ポイントも貰えると思っていたのか?」と口にした。
そして、Sシステムというこの学校の独自の生徒の評価システムや、CP(クラスポイント)について説明し、Dクラスの面々は生活態度や成績が悪すぎて、CPが0になっている為に、支給ポイントが0になっていることを告げられる。
そんな話聞いてないと激昂する者もいたが、茶柱は「数名の生徒はポイント支給について感づいていたし、沢田に至っては確認までしに来たぞ」と切り捨てる。
すると、今度はツナに怒りの矛先を向けるクラスメイト達。
「沢田! てめぇ気付いてたのかよ!」
「何で言わねぇんだ!」
ツナが困っていると、「沢田はPPについての警告をクラスでしていたはずだが?」と、茶柱が発言したことで、クラスメイト達からの糾弾は収まった。
Dクラスにとっては、ここまででも最悪な1日と言えるだろうが、悲劇はまだ終わらない。
なんと、この学校が人気の理由である、「卒業後は好きな進路に必ず進める」という卒業特典は、卒業時にAクラスに在籍していた者だけが、受けられると言う事実が発覚したのだ。
悲劇の連続に静まり返る教室だが、堀北は1人手を挙げる。
席から立った堀北は、茶柱にCPを上げる方法を問うた。
茶柱の答えは、「CPはクラスごとの評価のため、CPを回復させるには、クラスの評価を上げるか、定期テストで高得点を取るしかない」というものだった。
ホームルームが終わった後のDクラスは、1時限目が始まるまで、誰1人として口を開かなかった。
その日の放課後、ツナはマンションに帰ると、リボーンに今日のことを話して聞かせた。
ツナの話を聞いたリボーンは、なぜか嬉しそうな顔になり、「ここからだ、ここからが高度育成高等学校の本番だぞ」と、ツナに告げる。
そしてリボーンは、ツナが知りたがっていた『ツナをこの学校に入れた理由』について、語り始めた。
「お前をこの学校に入れたのは、ここでしか体験できないことが沢山あるからだ」
リボーン曰く、これからツナは普通の高校生活では起こりえない、様々な困難に直面するとのこと。
マフィアのボスというのは、ファミリーに訪れる全ての出来事に対して、適切な判断や決断を素早くしなきゃならない。
時にはファミリーの生死を左右する決断を、すぐにしなきゃいけない時もある。
そんな時、誰かに相談をしてる様ではボス失格。
ゆえにこれからの3年間で、ツナにはリボーンが手助けせずとも、ツナ自身の考えで、ファミリーを導いていける男になってもらわないといけない。
その為に、明日から高校を卒業するまで、もうリボーンの方から指示や助言はしないことにするようだ。
ツナはアドバイスも貰えないのかと慌てるが、リボーンの助言がどうしても必要な場合、そしてその理由がしっかりと説明できる時に限り、家庭教師として相談は受けてもらえるそうだ。つまり、「ただ教えて欲しい」みたいな理由では、拒否されてしまうということ。
リボーンの真剣な表情に、ツナは受け入れるという選択肢しかないことを悟る。
「わかった。この実力至上主義の学校で、自分自身の考えと実力でAクラスまで上り詰めてみせる」
そう宣言したツナに、リボーンは満足そうに頷き返した。
一呼吸付き、リボーンはツナの目の前に指を2本突き出す。
そしてツナに対して、卒業までの3年間でこなすべき2つの課題について、説明を始める。
課題その1は当然、Aクラスで卒業すること。
そして課題その2だが——ツナがAクラスに上がった後、自クラス以外の全クラス、つまり同級生全員をまとめ上げ、学年のボスとして君臨することだった。
話を聞いたツナは、Aクラス以外は特典を受けれないのに、他クラスが仲間になってくれるわけがないと反論した。しかしリボーンは「仲間にする必要はない。お前と言うボスの元に、学年全員をまとめ上げろって言ってんだ」と一蹴する。
そんなこと出来る気がしないツナだったが、やると決めた以上、そしてリボーンに課題を出された以上は、やり切るしかないと覚悟を決める。
——こうして、ボンゴレⅩ世こと沢田綱吉の、立派なボスになる為の『実力至上主義の教室』での高校生活が始まった。
読んでいただきありがとうございます♪
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