ようこそボンゴレⅩ世。実力至上主義の教室へ   作:コーラを愛する弁当屋さん

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お久しぶりです!
新年度でバタバタしてて、投稿遅くなっちゃいました泣
ここからペース戻します!


原作5巻編 その⑩ 体育祭後半戦 side綾小路清隆

 

 

 —— グラウンド 午後の部 ——

 

 

 〜 side綾小路 〜

 

「……ということなんだが、頼めるか?」

「うんっ! まかせてよ」

「お前達とは協力関係があるからな。それぐらいならお安いご用だ」

 

  昼休みの終盤、俺は休憩所の方にいたBクラスの一之瀬と神崎を捕まえて、とある頼み事をしていた。

 

  その頼みとは、沢田から言われたものだ。

 

 

 

 〜数分前〜

 

「あ、綾小路君!」

 

 トイレに行こうと校舎に向かった時、沢田とばったり出くわした。

 

「沢田か。どうしたんだ? 須藤の説得は上手くいったのか?」

「それは堀北さんに任せた。俺は俺でやることがあるんだけど……君にも頼みがあるんだ」

「頼み?」

「うん、午後の部が始まっちゃうと白組と接触できなくなるから、昼休み中になんとかしてほしい」

「……時間があまりないな。わかった、何をすればいい」

「Bクラスの一之瀬さんと神崎君。この2人に、龍園君の会話をこっそり聞いて、怪しげな会話があれば学生証端末で録音してほしいって頼んでくれないか」

「……わかった」

 

 なぜそんなことを頼むかは、あえて聞かない。なんとなくはわかるし、沢田が面と向かって頼んできたってことは間違いなく大事なことだからな。

 

 

 〜 現在 〜

 

 

「助かる。じゃあ頼んだぞ」

「はーい」

「体育祭が終わったあと、報告に行く」

「ああ」

 

 一之瀬達と別れると、俺はDクラスのテントへと戻った。

 

 

 —— Dクラステント ——

 

 

「皆、すまんかった!」

「……須藤君」

(! 戻ってきたのか)

 

 テントに着くと、そこにはクラスメイト達に頭を下げる須藤と、その後ろに控える堀北の姿があった。

 

 どうやら、堀北は見事に須藤を説得してみせたようだ。心なしか堀北もスッキリしたような表情になっている。

 

「勝手に逃げ出して本当にすまん! お詫びになるかはわからねぇが、午後の部でも全力で勝ちに行くことを誓う! だから後少し、俺に力を貸してくれねぇか!」

「うん、僕達にはリーダーの須藤君が必要だよ。午後も頼りにしてる」

 

 クラスを代表して、平田が須藤を受け入れる。

 平田が言うなら誰も文句は言わないだろう。

 

「平田……おお!」

 

 2人は硬い握手を交わし合った。平田の手を離す間も無く、須藤は周囲をキョロキョロし始める。

 

「……そういえば、ツナはいねぇのか?」

「あ、うん。沢田君はまだ戻っていないんだ」

「そ、そうか」

「——そんな顔をしてはダメ」

「あたっ!」

 

 須藤が悲しげな表情を浮かべると、後ろにいた堀北に背中を叩かれる。

 

「いてぇよ堀北」

「痛みで冷静になるでしょう? そうしたら、あとは信じて待つだけよ」

「……そうだな、そうだった!」

 

 堀北の言葉に、須藤が元気を取り戻す。

 どうやら2人の関係は良好になっているようだ。

 

「あ、綾小路君戻ってきたのね」

「軽井沢か、ああ。用事は済んだ」

 

 少し離れた所から様子を伺っていると、軽井沢に声をかけられる。

 

「ねぇ、なんかあの2人仲良くなってない?」

「そうだな。何かあったんじゃないか」

 

 軽井沢は何とも言えない表情で須藤と堀北を見回す。そして、なぜか俺の後ろをチラッと見てから不安そうに口を開く。

 

「ツっ君は一緒じゃないの?」

「ツっ君? ……ああ、沢田のことか。あいつもあいつで何かしてるんだろう」

「ふ〜ん、何をしてるのかな」

「……さぁな。ま、勝つ為に必要なことだろうさ」

「——綾小路君、沢田君を見ていない?」

「!」

 

軽井沢と会話をしていると、いつのまにか目の前にいた堀北に話しかけられる。

後ろには須藤と平田も付いてきていた。

 

「一度会ったが、やることがあると言っていたぞ」

「……そう、なら私と別れてすぐね。もうすぐ昼休みは終わってしまうけれど、間に合うかしら」

 

 堀北の視線の先にはグラウンドの奥にある大きい電光掲示板がある。

 そこに表示された時間は12時55分。あと5分で午後の競技が始まってしまうな。

 

「堀北さん、君は沢田君が何をするのか聞いていないのかい?」

「聞くには聞いたけど……その、精神統一とか、肉体の調整とか言っていたわ」

「ん〜、よく分かんねぇな」

「それ、今更意味あるの?」

 

 軽井沢の言う通り、精神統一や肉体調整を今からやって何か意味があるのだろうか。

 ……相変わらずあいつの考える事は謎だ。

 

「でも、赤組やDクラスが勝つ為には、須藤君と最高のコンディションになった自分が絶対必要だって言っていたわ」

「最高のコンディションになった自分……か」

 

 その言葉を聞いて、俺の頭の中にいつぞやの沢田の姿は思い浮かぶ。

 そう、あれは堀北兄と俺達が取っ組み合いになった時だ。

 

 チラッと堀北に視線を向けると、堀北も俺を見ていた。

 

「……」

「……」

 

 なぜかは分からないが、お互いに考えていることは同じだと確信してしまう。

 

「……堀北、多分だが最高の状態の沢田って」

「……そうね。あの時の、私達を呼び捨てで呼んでた時の彼だと思うわ」

「え、呼び捨て?」

「沢田君がかい?」

 

 平田と軽井沢は、信じられないと言いたげに目を見開く。

 沢田は誰にでも敬称を付けて名前を呼んでいるからな。

 

「あ〜、俺も分かるわ。確かにあの時のツナはいつもと違ったなぁ。クールっつうかなんつーか」 

 

 須藤は俺達の言いたいことが分かったらしい。平田と軽井沢は分からないからか、興味津々といった様子で食いついてくる。

 

「え〜、私は見たことないわ。どんな感じなの? 呼び捨てってことは、ちょっと不良みたいな?」

「いや、性格とか内面は全く同じだと思うんだが、明らかに雰囲気が違うんだよな」

「そうね。雰囲気が別人みたいに変わっているわ」

「へぇ、僕もみたことないな」

「で、でもさ。この予想が当たっているなら、これから雰囲気の違うツっ君を見れるってことよね!」

 

 軽井沢が目を輝かせている中、こちらに向かって足音が近づいていることに気づく。

 

 俺が音のする方へ顔を向けると、周りの皆もつられて顔を動かした。

 

「——沢田君、よかった」

「……間に合ったみたいだな」

 

 安堵のため息を吐く堀北。その視線の先には、堀北が待ちわびたパートナー。そして俺の相棒がいた。

 

 あっという間にテントに到着した沢田は、俺達のいる所までまっすぐ近寄ってくる。

 そして俺達を見回すと、まず堀北に向かって微笑みかけた。

 

「……ありがとう、堀北」

「! え、ええ」

 

 次に、沢田は須藤と向き合う。

 

「ツナ……す、すまなかった」

「謝らなくていい。須藤、戻ってきてくれてありがとう」

「お、おう……」

「午後も頼むぞ、リーダー」

 

 そう言って須藤の胸を軽く小突く沢田。そのおかげか須藤もさらに気合が入った様子だ。

 

 須藤から目を離した沢田は俺に目を向けてくる。俺は口を開かずに肯くことで答えを返す。沢田の返事もただ肯くだけだった。だよね、知ってた、とでも言いたげに。

 

「よし、じゃあ……」

「——沢田綱吉君は、いるかな?」

「!」

 

 沢田が次の行動に移ろうとしたその瞬間、テントの外から声をかけられる。

 

「南雲先輩?」

「お、平田じゃないか。沢田綱吉君はいるか?」

 

 平田が南雲先輩と呼ぶその人は、俺達のことを値踏みするようにジロジロと見回す。

 

「あ、はい。彼が沢田君です」

「ほう……」

 

 平田が沢田に手を向けると、南雲は微笑みを浮かべて近寄っていく。

 

「君が沢田君か。俺は南雲雅。生徒会副会長だよ」

「どうも。沢田綱吉です」

 

 南雲雅、確かこいつも最優秀生徒の候補だったな。

 

「いや、しかし驚いたよ。今年も最優秀生徒争いは俺と堀北先輩だけだと思っていたのに。まさかダークホースが現れるとはねぇ」

「恐縮です」

「ははは、堅いなぁ沢田君。もっとリラックスしないと、午後の部で早々最優秀生徒争いから脱落してしまうぞ」

 

 沢田の肩をポンポンと叩きながら、南雲はそう言って笑う。

 

「じゃ、俺は戻るよ。沢田君、赤組の勝利に貢献を頼むぜ」

「もちろんです」

 

 手を振りながら2年用のテントに戻っていく南雲。その背中を見届けていると、アナウンスが流れはじめた。

 

『あと5分で、午後の部がスタートします。推薦競技に参加される方は、所定の位置に集合してください』

『……』

「……よし、行こう」

 

 沢田の号令で、Dクラスの推薦競技参加組はスタート位置へと移動した。

 

 

 

 —— 午後の部スタート ——

 

 

 

「……なぁ、今何が起きた?」

「……全力で引っ張ったら、何の抵抗も感じずに縄が引けた」

「だよな。俺達、そんなに筋力上がってたのかよ」

「いや、筋力差だけじゃ説明つかねぇだろ」

 

 推薦競技第1種目、四方綱引きを終えた後、テントに戻りながら池と須藤がこんな会話をしていた。

 

 なぜこんなことを言っているのかといえば、Dクラスが四方綱引きで完勝したからだ。

 

 1年の勝負が始まる前、沢田から俺を含めた参加メンバーに出された指示はたった1つ。

 

「俺が合図したら、全力で縄を引いてくれ」——これだけだ。

 

 大半が他クラスの体力が削られたタイミングで合図がかかると思っていただろうが、沢田はスターターピストルがなった瞬間に「今だ!」と合図を出した。その結果、まるで抵抗を感じることなく縄はDクラスの陣地に引き摺り込まれたのだ。

 

 須藤や池はなんらかの仕掛けがあったのではないかと感じているようだが、それは違うだろう。

 

 おそらく縄がすんなり引けたのは、各クラスが様子を見ようとある程度の力でしか縄を持っていなかったからだろう。龍園達が何か仕掛けてくるかもしれない、そんな疑念を沢田は逆手に取ったわけだ。

 

 ——だが、いくら相手の不意をついたとはいえ、あそこまで抵抗がないのはおかしい。だからきっと、1番の勝因は列の先頭で縄をもっていた沢田の力だ。他のメンバーに全く抵抗をさせないほど、沢田が他クラス全ての引く力を1人で押さえ込んでいたのだろう。

 

 ……沢田、お前って本当にわけがわからない奴だ。

 出会って以降、驚かされてばかりだよ、俺の相棒には。

 

 

 

 —— 推薦競技第3種目 ——

 

 

 

 第2種目の借り物競走も、沢田が1位を取って終わった。これは借り物として選ばれた軽井沢と佐倉が顔を真っ赤にした以外に特に問題はなかった。

 

 続いて行われるのは、男女混合の二人三脚だ。Dクラスからは沢田・堀北ペアと、俺・櫛田ペアが出場する。

 1組目の沢田・堀北ペアが出走し、2組目の俺達も準備に入る。

 

「うふふ♪ がんばろうね、綾小路君!」

「ああ」

 

 ——櫛田桔梗。Dクラスのアイドルにして、船上試験とこの体育祭でDクラスの情報をCクラスに流した裏切り者。

 

 

「綾小路君、紐結ぶね」

「……頼む」

 

 紐を結ぶ櫛田に対し、俺は思い切ってずっと聞きたかったことを聞いてみることにした。

 

 ……沢田は聞こうとはしなかったことだが、あいつが出来ないことをするのは、俺の仕事だと勝手に思うことにしよう。

 

 

「櫛田、お前だよな。Dクラスの参加表をCクラスにリークした裏切者は」

「……やだな綾小路君。いきなりどうしたの? 冗談にしても酷いよぉ〜」

「見たんだよ。お前が黒板に書いた参加表の一覧を学生証端末で撮影するところを」

「あれは忘れないために記録しただけだよ。自分の順番を忘れたら大変だから」

「手書きで自分の番をメモするだけ。そう取り決めてただろ」

「そうだったっけ、ごめん忘れちゃってたな」  

 

 紐を結び終えた櫛田がゆっくりと立ち上がると、いつもと変わらぬ笑みを向けてくる。

 

「もしかしてそれで私を疑ってるの?」

「悪いな、確信してる。そうでもなければここまで都合よくCクラスにやられたりしない」

 

 こうやって2人きりになれる時は限られている。今が絶好の機会だ。

 

「うーん、でもさ、仮にDクラスの参加表を誰かが漏らしたんだとしても、都合よくCクラスが勝てるとは限らないよね?」

「そうだな」

 

 もちろんCクラスが全ての競技で無双しているわけではないため真実は分かりづらい。Dクラスのオーダーを全て見抜いても、勝てるかどうかはAクラスとBクラスのメンバーにも左右されるからだ。それでもグッと勝率を上げられることも事実。

 

「ねぇ、綾小路君。仮にクラスの情報を漏らした犯人が私だったとして──学生証端末の撮影が決め手だったのなら参加表が漏れることは分かってたんだよね? じゃあどうして後で参加表を変えなかったの? 対策に後で新しい参加表を提出すればよかったんじゃないのかな? そうすれば私の撮影した参加表は古いものになるから、意味がなくなると思わない?」

「それは無意味だろ。裏切者がDクラスの生徒ならどうにでもなる」

「というと?」

「例えば櫛田の言うように期間内に参加表を書き換える。そして黙って新しい参加表を提出したとしても、Dクラスの生徒ならそれをいつでも確認、閲覧することが出来るはずだ。茶柱先生に参加表を見せて欲しいといえばクラスの権利として見られるはずだからな」

 

 いつでもリストの確認くらいは認められているはずだ。つまり裏で工作しても、結局繰り返し参加表を確認すればオーダーがわかる。櫛田……いや、龍園なら必ずそうさせているだろう。

 

「でも本当の参加表をギリギリまで隠してさ、それを提出していれば後からそれを見た人がいても弄りようがないんじゃない? やっぱり未然に防げたと思うな」

「それなら参加表からのリークはないかもな。そこまでは頭が回らなかった」

「あ、でもそんなこと勝手にしたら後で他の人たちが混乱しちゃうかー……ダメだね」

 

 その考えは悪い線じゃない。この参加表を巡るスパイ活動を無効にするには、予め手を打っておく必要があった。確かに櫛田の言うように締め切り直前で参加表を提出すれば、情報を得ても締め切られた後のため効果は得られない。だがそれでは何も知らなかったクラスメイトは混乱をきたす。全員で決めたことを勝手に変えられた反感も買うだろう。

 

 だからこそ、そこまで読みきった上で、例えばリークされる可能性を最初から考慮し、クラスで複数の参加表パターンを作っておくことが理想的だった。そうすることでどれを提出しても戦えるようにしておく。これならば漏洩対策にも繋がるしクラス内からも反発は起きず、かつ相手もランダムに出される参加表では手の打ちようがなく、完全な漏洩つぶしが出来た。 ……でも、沢田はそれをよしとしなかったのだ。まぁ、沢田が櫛田の裏切りに対して対策をしないと決めていたことが理由の大部分ではあるが。

 

「話の流れは分かったけど私は犯人じゃないよ? でもクラスメイトを疑いたくもないな」

「なら後で茶柱先生に確認してみるか? 参加表を提出した後でわざわざリストを見に来た生徒がいなかったかどうか。もし存在していたのならそれが犯人濃厚だ」

 

 特に、学生証端末で撮影したと自白した櫛田が見に来ていれば、より疑いは色濃くなる。

 

「……」

 

 口を閉じた櫛田から初めて笑顔が消える。即ち確認したと言う暗黙の答え。 だがすぐに深い笑みが湧いてきた。

 

「──ふふっ。ツナ君もだけど、君もやっぱり只者じゃないんだね、綾小路君」

 

  櫛田が笑う。そこには以前見た、俺の知らない彼女の顔があった。

 

「バレちゃったら仕方ないね。そうだよ、私が参加表の情報を漏らしたんだよ」

「認めたか」

「うん。茶柱先生に聞かれたら確かにバレちゃうし。時間の問題だからね。それに綾小路君に真実を話したってバラされないって確信があるもん。だって、ツナ君が許さないでしょう?」

 

 ——そうか。沢田なら自分を告発しない、そんな確信もあったわけか。

 

「確かに俺にはお前が犯人だと突き出すことは出来ない。だがついでに教えてくれ。船上での試験。あれもお前が龍園を通じて全ての生徒に自分が優待者であることを教えたから導き出せた結果だよな? そして流出の見返りを龍園に求めた」

「その見返りって? クラスを裏切ってまで私が何をしようとしたか分かるの?」

「今回の体育祭、ここまで露骨に動けば嫌でも見えてくる。お前が以前沢田にお願いをしようとしていたこともそれと同じなんだろ?」

「あは、なるほどね。ほんとに分かっちゃったみたいだね」

「ああ。お前がどうしてクラスを裏切るのか。その明確な理由が知りたかった」

「私が『堀北鈴音』を『退学』させたがってる。その理由だね」

「執拗に堀北を狙う理由だけは、どうしても分からないからな」

 

 体育祭の前に当人達同士で解決してもらいたかったが、そう都合よくはいかなかった。

 

「悪いけど私は堀北さんを退学にさせる。これは何を言われても変わらない考えだから」

「つまりそのためなら、Dクラスを突き落としてもいいと?」

「そうだね。私はAクラスに上がれなくてもいい、堀北さんを退学させられればそれで満足なんだよ。だけど勘違いしないでね。堀北さんがいなくなったら、その時はツナく……クラスの皆と一丸になってAクラスを目指していくから。それは約束するよ」

「……」

 

 どうやら櫛田を止めることは不可能なようだ。それだけ強い意志を持ってこいつは裏切り行為を行っている。必要とあれば葛城や一之瀬、坂柳といった人物にも近づくだろう。

 

「あ、でも1つだけ考えが変わったことがあるんだ。それもたった今。それは綾小路君も私が退学させたい人リストに入ったってこと。つまり2人を排除してからAクラスを目指すことにするよ」  

 

 いつもの飽くなき笑顔でそう言った。眩しいほどの表情だ。

 

「龍園がお前のことを暴露する可能性は考えないのか?」

「私もバカじゃないから簡単に証拠を残すような真似はしてないよ。龍園君は平気で人を陥れるし嘘もつくから。まぁ裏切られるかどうかは賭けではあるね。それに、私にはピンチになっても助けてくれる王子様がついてるし〜♪」

 

 いくらでも逃げ様はあると言いたげだ。 やはり、櫛田は本気で堀北を潰すつもりなんだな。

 

 この学校の仕組み上、味方に裏切者がいるだけで絶望的な戦いが繰り返されてしまう。参加表の順番も、戦略も、全ての情報は筒抜け。これで勝てというのが無茶なもの。 ……いや、沢田なら勝つだろうが。

 

「体育祭で堀北さんボロボロだね。さすがにもう助けられないんじゃないかな?」

「俺ならそうかもだが、あいつならどうだろうな」

 

 そう短く答え、俺達は敵対しあいながらも二人三脚に挑んだのだった。

 




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