ようこそボンゴレⅩ世。実力至上主義の教室へ   作:コーラを愛する弁当屋さん

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今回で体育祭編は終了です!


原作5巻編 その13 体育祭のその後②

 

 ——ガララっ。

 

「! あ、綾小路君」

「……目が覚めたか、沢田」

 

 保健室のドアが開き、綾小路君が入ってくる。どうやら無事に、龍園君とのゴタゴタは片づいたらしい。

 

「大丈夫だった?」

「ああ。一之瀬にもらった証拠音声を聴かせたら、龍園はあっさり諦めたぞ」

「そっか。さっきまで一之瀬さんがいてくれたんだけど、お礼はちゃんとしたよ。これで問題は片付いたね」

「……」

 

 問題は片付いた、という俺の発言に、綾小路君の表情が曇った……気がする。

 

「……綾小路君? どうかした?」

「……いや、なんでもない」

「そう?」

 

 本当は詳しく聞きたかったのだが、彼の顔が聞くなと言っている気がしてやめておく。

 

「……沢田、起きたばかりですまないが、動けるか?」

「え? うん、走ったりとかじゃなければ大丈夫だと思う」

「そうか。なら一緒に来て欲しいところがある。俺とお前に呼び出しが入ったんだ」

「呼び出し!?」

 

 呼び出しとは穏やかじゃないな。体育祭で学校側に何か目をつけられることはしていないと思うけれど。

 

「……学校から?」

「いや、Aクラスの神室真澄という女子だ」

(……神室真澄?)

 

 特に会話した覚えのない同級生の名前だ。そんな子がどうして俺と綾小路君を?

 

「君の知り合い?」

「いや、全く接点はない。お前は?」

「俺もないよ」

「……」

「……」

 

 どちらの知り合いでもないらしく、保健室になんとも言い難い沈黙が訪れる。

 

「……でもまぁ、行かないとダメだよね」

「だな。呼び出されてるのに行かないのも、気持ち悪いしな」

「よしっ、じゃあ行こうか」

 

 俺はまだ重い体をベットから起こし、綾小路君と共に保健室を出て行った。

 

 

 

 —— 特別棟入口 ——

 

 

 制服を着てから特別棟に行くと、入口のところで女子が俺達を待っていた。この人が神室真澄さんか。

 

「おい、沢田も連れて来たぞ」

「ど、どうも」

「……ついてきて」

「え、ついてって、どこに?」

「……ここの3階よ。あんた達を呼び出したい奴が待っているわ」

(え、神室さんが呼び出したんじゃないのか)

 

 神室さんはすぐに上階へと向かい始めたので、俺達もすぐに後を追った。

 

「あれ、誰もいないけど……」

 

 特別棟3階へとたどり着いたけれど、 そこには誰もいないようだった。

 

 この階は校内でも数少ない監視カメラの設置されていない場所だ。

 

「あの——」

 

 声をかけようとすると、神室さんは俺達に待つよう言い、1人歩き出した。そして一人廊下の角に差し掛かると、一言小さくこう呟く。

 

「もう帰ってもいい?」

「はい。ご苦労さまでした真澄さん。またよろしくお願いしますね」

「……ああ」

 

 静かに頷き、神室さんは去って行く。

 そして、その声の主が、ゆっくりと姿を見せた。

 

 その人物は片手に杖をつきながら、冷たい笑顔でこちらを見ていたようだ。

 

 ——1年Aクラス、坂柳有栖さんだ。

 

「あんたが俺達を?」  

「はい、私が及しました」

 

 坂柳さんが、杖を突きながらゆっくりと俺達に向かって進み始める。

 

「最後のリレーは大注目を浴びていましたね。沢田綱吉君?」

「え? あ、はい。どうも?」

「それに引き換え、あなたは全く活躍してませんでしたね、綾小路清隆君」

「……当然だ。自慢じゃないが、俺の運動神経はそこまでよくはない」

「……全く。どの口がそんなことを言うのか」

「どの口って……俺のことをよく知っているみたいな口ぶりだな」

「ええ、知っていますよ。あなたが紛い者だということも」

「……は?」

 

 突然冷たい視線になる坂柳さんだが、綾小路君は全く表情を変えない。さすが綾小路君だなと思っていたが、次の彼女の一言で、彼のポーカーフェイスは崩れ去ってしまう。

 

「——ホワイトルーム」

「っ!」

「?」

 

 あの綾小路君が目を見開き、明らかに動揺をしている。

 ホワイトルームという言葉にそんなに驚いたのだろうか。

 

「では、まずは再会のご挨拶と行きましょうか。お久しぶりです綾小路君。8年と243日ぶりですね」

「冗談だろ。俺はお前のことなんて知らないぞ」

「そうでしょうね。私が一方的に知っているだけですから。あ、沢田君とは会ったこともないですが、あなたが何者なのかは知っていますよ」

「知っているって……本当に?」

「はい。この単語を言えば信じてもらえますか? ——ボンゴレファミリー」

「っ! どうして……」

「私の父が、9代目と友人関係にあるから……とだけ言っておきます」

 

 こっちのことを一方的に知られているというのは、気分があまりいいものじゃないな。俺みたいに特殊な事情があると特に。

 

 ……ということは、綾小路君にも何か事情があるのかもしれないな。

 

 

「安心してください。あなた達のことは一先ず、誰にも言うつもりはありませんから」

「……」

「……本当だろうな?」

「邪魔されたくありませんし。偽りの天才を葬むって、この世の支配者のパートナーとなるのはこの私ですから」

「……は?」

 

 若干情けないが、「は?」という言葉しか出てこない。偽りの天才って、誰のことを言っているんだ? この世の支配者って、まさか俺の事を言っているのか?

 

 彼女の父親が9代目と知り合いだというなら、俺がボンゴレⅩ世だと知られているのは間違いない。けど、9代目が深いところまでボンゴレの事を話すとも思えないし、一体どこまで彼女は分かっているのだろうか。

 

「……あの、坂柳さん。この世の支配者ってのは」

「もちろん、あなたのことですよ。ボンゴレⅩ世デーチモさん」

「っ……」

「……Ⅹ世、10世?」

 

 やはり10代目であることは知られていた。しかも、綾小路君にも意味は分からずとも俺の正体を知られてしまった。これからどうするかも考えないといけない。

 

 俺と綾小路君は、お互いに坂柳さんに暴露されたことで聞きたいことでいっぱいになっているが、お互いに聞けも告白もしない状態に陥ってしまう。その様子を見て、坂柳さんがなぜか楽しそうに笑った。

 

「フフフ。お互いに聞きたいことも聞けないのですか? それでよくも相棒とか言えたものですよ」

「……どうしてそれを」

「私には情報収集が得意な配下がいるのです。沢田君にとっての綾小路君と同じように」

「な……変な事を言わないでくれ。綾小路君は友達で相棒なのであって、配下じゃない。俺達に上下関係とかないから!」

 

 思わず強く言い返すと、坂柳さんはハァーとため息を吐き、冷たい視線で俺を見る。

 

「——ハァ。全く、本当に悲しいですよ。生まれながらの支配者であるはずのあなたが、そんなことを言うなんて。これじゃあ宝の持ち腐れです」

「! 宝の持ち腐れ?」

「そうですよ。所有物の価値を持ち主が理解していないなんて、宝の持ち腐れでしかありません」

 

 そう言うと、坂柳さんは俺にずいずいっと詰め寄って来た。

 

「あなたがこの学校に来ると知った時、私は本当に嬉しかった。私と同じで、生まれながらに優れた能力を持つ人が来るんだと分かったから」

「……」

「でもいざ入学してみれば……あなたは全く支配者としての力を使おうとしない。あなたがDクラスをどれくらいで掌握してしまうのかとワクワクして見守っていたのに、あなたときたら支配するどころか、Dクラスを仲良くまとめあげようとする始末。これが本当に世界を統べるほどの力を持った人間なのか、と、何度も疑いました」

「……」

「……でも」

 

 なぜかここで、冷たい表情から微笑み顔に戻る坂柳さん。

 

「今日の体育祭を見ていて、考えが変わりました。考え方や行動が支配者としての器にそぐわないのは間違い無いですが、持ち合わせた能力や素質は本物です。やはり、あなたは生まれながらの支配者でした」

「……俺は、支配者になるつもりなんてないよ」

「フフフ、安心してください。私が立派な支配者にしてあげます。あなたと同じように私が生まれ持った、この天才的な頭脳を使ってね」

 

 坂柳さんはそう言うと、チラリと綾小路君に視線を向ける。

 

「……そこの偽りの天才なんかより、私の方がよっぽどいい相棒になれると思います。私なら、あなたの才能を100パーセント引き出してあげられる」

「……」

「——フフフ、さぁ。私の手を取って。一緒に支配者としての覇道を歩みましょう」

 

 スッと差し出される、坂柳さんの右手。俺はその手を数秒見つめると、首を横に振った。

 

「……悪いけど、今の俺の相棒は綾小路君だから」

「あら。それなら、パートナーということでもかまいませんよ?」

「残念。パートナーをすでにいるんだ。それと俺は、この力は大切な人達を守る為にだけ使うって決めてるから。支配者になるつもりはないよ」

「……フフフ、そうですか残念です」

 

 坂柳さんはすっと手を引っ込めると、綾小路君の目の前に杖をつきながら移動した。

 

「やはり、あなたを潰すのが先のようです。沢田君に取り入るのはその後でも遅くはありません」

「……俺を潰すか。お前にできるのか?」

(……綾小路君、なんか怒ってる?)

 

 綾小路君の言葉に、怒気が含まれている気がしたのだが……気のせいか?

 

「当然です。あなたのような偽の天才は沢田君に悪影響です」

「……そうか。やれるものならやってみろ」

「フフッ、言われなくてもそうしますよ。……さて、挨拶も済みましたし、今日はこれで失礼しますね。——沢田君、また今度ゆっくりお話しましょうね」

 

 最後ににこやかに微笑むと、坂柳さんはゆっくりと3階からエレベーターに乗って去っていった……。

 

「……」

「……」

 

 残された俺達は、何を話すでもなくその場に立ち尽くしていた。

 

 どうしよう。ボンゴレファミリーという言葉を知られ、俺がボンゴレⅩ世であることも知られてしまった。マフィアであることは知られてはいないけど、話していた内容的に裏社会の人間であることは悟られているだろう。

 

 ——こうなってしまった以上、もう今までのように一緒に行動するのは難しいだろう。

 

(どう説明しよう……)

「……沢田」

「っ!? な、何? 綾小路君」

 

 どうやって説明するか思案していると、綾小路君の方から声をかけてきた。いやに神妙な面持ちだ。

 

「……お前に、伝えておきたいことがある。さっき坂柳が口にした、ホワイトルームについてだ」

「え、でも話したくないことでしょ?」

「まぁな。だが、お前には聞いて欲しいと思った」

「……わかった。じゃあ俺も、その後に話をするよ」

 

 綾小路君の言葉を聞いていると、自分の中に綾小路君には真実を伝えないとだめだという直感が沸いた。

 

 そして、綾小路君は自らの秘密を告白し始める。

 

「俺は生まれてから14年間、ホワイトルームという施設で育った。その施設は俺の父親が運営していて、俺はそいつの実験体の一体だった」

「……」

 

 綾小路君の話は、いきなり重たいものだった。俺はとりあえず口を挟まずに彼の話に耳を傾ける。

 

「ホワイトルームというのは、人工的に天才を生み出す為の教育施設のことだ。天才を生み出す為の厳しいカリキュラムが組まれていて、それに関係ないものは一切合切排除されている。もちろん娯楽なんてなかったし、友達を作るようなこともできない。あるのは壁も床も真っ白の個室と、無機質な机だけ。もちろん外界とも隔離される」

「そ、そんな施設が? 許されないんじゃ」 

「ああ。生徒は非人道的な扱いを受けるから、もちろんバッシングも多い。だから、政府非公認の教育施設として、人目を避けて秘密裏に運営されているんだ」

 

綾小路君がそんな施設で育ってきたとなんて……。でも前から感じていた通り、綾小路君は俺も知らない実力を秘めているということにもなる。

 

「君は……そんなところにずっと?」

「ああ。14歳になるまでずっとな。その後にとある人の手助けを受けて脱出に成功したから、15歳の1年間はひっそりと社会になじむ為に費やした」

「……そうなんだね」

 

 かける言葉が見つからず、俺は同調することしかできなかった。綾小路君は俺とはまた別の、異質な人生を過ごして来たのだ。……いや、俺なんかではとても想像できないような日々を送って来たのだろう。

 

「……無人島で、お前の考えが理解できないと言ったことがあったよな」

「うん。あったね」

「それも、俺がホワイトルームで育ったが故だ」

「どういうこと?」

「ホワイトルームでは、勝つことが全てと徹底的に刷り込まれる。勝利だけが唯一の正解であり、それ以外の選択肢はない。常に自身の勝利にのみ固執し、最終的に自分が勝つことだけを目標とするわけだ。つまり俺という人間は、最終的に自分が勝っていればそれでいい。その過程で周囲がどうなろうが関係ない……それが唯一の正解だ、と考える人間というわけだ」

「……違うね」

「え?」

 

 綾小路君の発言の中で、1つだけどうしても訂正したい箇所がある。

 

「君は、周囲がどうなろうと関係ない、なんて思う人じゃないよ」

「なぜだ? 正直、そう思っていたぞ」

「表面的にはそうかもね。でも心の奥底では、刷り込まれて来たホワイトルームの正解にずっと違和感を持っていたはずだよ。そうじゃなきゃ、俺と勝負して自分の考え方が正しいのかどうか確認なんかしたりしない」

「……」

「だからさ、君はそんな人間じゃないよ。自分を卑下しないでほしい。君はすでにホワイトルームを出たんだ。これからは、君がなりたい人間像を目指せばいいんだよ」

「俺の、なりたい人間像。……そうだな、ありがとう沢田」

 

 綾小路君が頭を下げるが、お礼を言われるようなことじゃないと、すぐに体を起こさせた。

 

 よし。次は俺の番だ。

 直感を信じて、綾小路君には正直に話そう。

 

「……綾小路君の話を聞いたし、今度は俺の話をするよ」

「……ボンゴレファミリーとか言うやつか。聞いた感じ、裏社会の組織って感じだが……」

「うん。全く持ってその通りだよ。ボンゴレファミリーってのは、イタリアンマフィアの名前だから」

「!」

 

 目を見開く綾小路君に、俺は淡々と言葉を続ける。

 

「ボンゴレファミリーとは、1万近い傘下組織を抱える、世界有数の巨大マフィアのことだよ」

「マフィア……じゃあボンゴレⅩ世というのは?」

「ボンゴレデーチモ。ボンゴレファミリー10代目ボスのことだよ」

「! じゃあお前は……」

「うん。俺がボンゴレⅩ世。今は9代目が実権を握ってるけど、この学校を卒業したら俺が正式にボンゴレファミリーのボスになる」

「マフィアのボス……お前が?」

 

 どんな言葉をかけられるだろうか。そうビクビクしながら綾小路君の様子を見ていると、彼の口から一言だけこぼれ落ちた。

 

「……似合わないな」

「うん、そうだよね……え?」

「似合わないだろ。超絶お人好しのお前がマフィアのボス? 精神的にもたないんじゃないか」

 

 お、思ってた反応とは違うけど、かなり的を得た発言だ。俺も全く似合わないとは思ってるし。

 

「まぁそうだね。俺もずっとマフィアのボスになんてなるもんかって思ってた」

「そもそも、なんでお前がボスになるんだ?」

「俺の曽曽曽祖父が、ボンゴレファミリーの初代ボスらしくてさ。血筋ってことで、ボス候補に選ばれて……そのまま当選した、みたいな?」

「……つまり、血縁者だからってことか? よく引き受けたな」

「まぁ、色々思うことがあってね。……でも、俺は今のボンゴレを継ぐ気はないんだ」

「は?」

「俺はボンゴレファミリーを、在るべき形に作り直す」

 

 綾小路君は首を傾げながら俺に質問を投げかける。

 

「その、在るべき形ってなんだよ」

「ボンゴレはね、元はとある小さな街で活動する自警団が始まりだったんだ。でも少しずつ歯車が狂ってしまい、いつしか裏社会でも恐れられるマフィアへと変わってしまったんだ」

「……沢田」

「……俺達の大切な人と、大切な人の大切な人達を守る。俺の力やファミリーの力は、その為にだけに使う」

「……そんなこと、できるのか?」

 

 信じられないと言いたげな綾小路君に、俺ははっきりと断言する。

 

「できるかはわからないけど……死ぬ気でやるって決めたから」

「……そうか」

「うん。これで俺の話もおしまいっ」

 

 ……さて、綾小路君は俺のことをどう思ったのだろう。

 

 何を言われても受け入れようとは思っていたけれど、彼の口から出たのは驚きの言葉だった。

 

「……よし、俺は決めたぞ」

「ん、何を?」

「俺は、本気でお前の相棒をやろうと思う」

「え?」

 

 彼の言っている意味がよく分からなかった。

 本気で相棒をやるとは、どういう意味なんだ?

 

「本気でって、どういうこと?」

「お前の相棒として、恥ずかしくない行動をとっていこうと思う。今までの俺では、お前の相棒を名乗るには役不足だろうからな」

「そんなことないと思うけど……」

「いや、俺がそう思うんだ。さっき考えたんだが、俺が今なりたいと思う人間像は、お前の隣に立って、お前を支えられる人間……つまり相棒だ」

「えぇ、嬉しいんだけど、なんで急にそんな」

 

 これまでの彼との付き合いを考えるに、ここまで積極的なのは非常に珍しい。特に目立つのを嫌う綾小路君にとっては大きな変化だ。

 

 俺の問いに、綾小路君は首に手を当てて宙を見上げながら答えてくれた。

 

「……さっき、坂柳がお前の相棒になるとか、パートナーでもいいって言ってただろ」

「うん」

「その時何というか……すごく嫌な気分になったんだ。多分、お前から相棒だって言ってもらえたことが、俺にとっては凄く特別なことだからだと思う」

「……綾小路君」

「俺はずっと、与えられた課題をこなし続けるだけの日々を過ごして来た。そこに俺の意思はなく、ただ強制されるだけ。評価されても嬉しくもなんともなかった。だから、お前からもらった相棒という称号は、俺にとって自分の意思で選んだ行動から得た、初めての評価なんだ。……その称号を、誰かに譲ってやるつもりはない。そのポジションは、俺が死守してやる。相手が本物の天才だろうと関係ない」

 

 そう言う綾小路君の目には、確かな決意が感じられた。その決意を無碍にするなんて、俺にできるはずも、する気もなかった。

 

「……わかった。これからもよろしく頼むよ、相棒!」

「ああ。まずは上のクラスを上がることからだな。頑張ろうな、ボス」

「あはは、ボスはやめてよ」

 

 ——こうして、俺と綾小路君は、本当の意味で相棒となったのだった。

 




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