ようこそボンゴレⅩ世。実力至上主義の教室へ   作:コーラを愛する弁当屋さん

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原作2巻編 その②一之瀬帆波

 

 ——朝。

 

 今日も今日とて、リボーンに叩き起こされてしまった。

 

「行ってきま~す」

 

 部屋を出て、エレベータに乗り込む。1階まで降り、玄関ホールに向かうと、桔梗ちゃんと堀北さんが、マンションの前で立っているのが見えた。

 

(誰かを待っているのかな?)

 

 自動ドアを潜ると、俺を見つけた途端に、桔梗ちゃんが話しかけてきた。

 

「あ、おはようツナ君!」

「……おはよう、沢田君」

「? うん、おはよう」

 

 機嫌がいい桔梗ちゃんと、機嫌が悪い堀北さん。対照的な2人に挨拶を返すと、桔梗ちゃんが笑顔で近づいてきた。

 

「一緒に登校しようと思って、待ってたんだぁ~。せっかくだから堀北さんも誘ったよ♪」

「何がせっかくなのかしら? 玄関の前でスタンバイまでして」

「え~? 友達を迎えに行くのは普通でしょう?」

「……もういいわ。早く学校に行きましょう」

「う、うん」

「お~っ♪」

 

 なるほど。堀北さんの機嫌が悪いのは、朝から桔梗ちゃんに捕まったかららしい。

 

(さすがは桔梗ちゃん。強引にでも仲良くなろうとしているんだな)

 

 それから、俺達はたわいもない世間話をしながら登校した。

 ほとんど桔梗ちゃんの「最近あった楽しい出来事」についての話だったけども。

 

 学校内に入り込んだ途端、堀北さんが俺達より一歩前に出て、こちらに振り返った。

 

 

「学校についたわね。もういいでしょう? ここからは、1人で行かせてもらうわ」

 

 そう言うなり、堀北さんはスタスタと、歩いて行ってしまった。

 

「あっ……あ~残念。教室まで一緒に行こうと思ってたのにな~」

 

 残念そうに首を傾げる桔梗ちゃん。

 そんな彼女に、俺は気になっていた事を聞いてみる事にした。

 

「——ねぇ、桔梗ちゃん」

「ん? なあに?」

「俺の事、試してたでしょ?」

 

 この質問に、桔梗ちゃんは満面の笑みで答えた。

 

「あはっ♪ ばれてたかあ~」

「昨日の今日で、この3人で登校するのは変だもん。……昨日のアレじゃ、信用できなかったかな?」

「ううん! もちろん信じたけど~、最終チェックって奴だよ。私は必ず、2回確認する主義なんだ♪」

「そ、そうなんだ……で? どうだった?」

 

 桔梗ちゃんは指で丸を作り、俺の目の前に突き出す。

 

「ツナ君はクリアです! これからも仲良くやっていけそうだねっ!」

「それはよかった」

 

 気を取り直して、2人で靴箱へと向かう。

 そして靴箱に入った途端、誰かが桔梗ちゃんに声をかけてきた。

 

「あっ、櫛田さんだ! おはよ〜♪」

「あ、一之瀬さん! おはよう♪」

 

 桔梗ちゃんに声をかけたのは、ストロベリーブロンドで、綺麗なロングウェーブヘアの女子だった。

 

 一之瀬さんと呼ばれた女子は、俺に視線を向けると、ニヤニヤしながら桔梗ちゃんに詰め寄る。

 

「あれ? その人は? 櫛田さんの彼氏とか?」

 

 そう聞かれた桔梗ちゃんは、ちらりと俺を見てから、くすくすと笑った。

 

「ふふふ、違うよ~。ただのお友達だよ~」

「な~んだ! そっか。あ、私はBクラスの一之瀬帆波。君は?」

 

 残念そうな顔は一瞬で消え去り、楽しそうな表情になった一之瀬帆波さんが、今度は俺に話しかけてきた。

 

「あ、俺はDクラスの沢田綱吉です。よろしく」

「沢田君ね! こちらこそよろしく~♪」

 

 一之瀬さんは豊かな体の一部を揺らしながら、俺に近づいて握手を交わしてきた。

 

(桔梗ちゃんみたいな子だな。明るくて社交的。そして、自分の容姿がどれほどいいか理解してなさそうだ。いや、昨日の様子を見るに、桔梗ちゃんは理解してるかもしれないけど……)

 

「途中まで一緒に行こうよ!」

「うん! いいよ♪」

「う、うん(あ、綾小路君にも最終チェックの事教えてあげないとな)」

 

 そうして、俺は美少女2人と一緒に教室に向かうのであった。

 

 

 —— その日の放課後 ——

 

 いつも通りに1日を過ごし、放課後がやってきた。

 

 さっさとマンションに帰り、運動着に着替えてから、再び外に出かける。

 

「今日はずいぶん早いな、ツナ」

「うん、早くから始めた方が、睡眠時間が長く取れるだろ?」

「ほう、馬鹿なりに考えてるようだな」

「寝坊して、お前に蹴り起こされんのは、もう沢山だからな!」

 

 部屋を出る際にリボーンにからかわれたが、そんな事は気にせずに今日もトレーニングに励もう。

 

 

~ロードワーク中~

 

「はっ、はっ……」

 

 スーパーモードでの肉体強化トレーニングを始めてから、もう2ヶ月。

 

 さすがに1ヶ月とはいかなかったが、確実にフィジカルアップしているらしく、一度も立ち止まらずに、敷地内を一周走りきる事が出来るようになってきた。

 

(リボーンの言う通り、確実に体力ついてきてるな……ん?)

 

「ああっ!? 上等だ!かかってこいよ!」

 

 体育館近くを走っていると、須藤の怒鳴り声が聞こえてきた。

 声のする方を見てみると、須藤とヤンキーっぽい3人が対峙している。

 

(......危険な雰囲気だな)

 

 嫌な予感がするので、須酸のいる所に走って行く。

 

「お前、いつの時代のヤンキーだよ?」

「だっせえ~w」

「おいサル、お前の拳じゃ、かすり傷もつかねぇよ」

「ああっ!?  なめてんじゃねえぞ!」

 

 相手の3人は、須藤の神経を逆撫するような発言ばかりしている。そして、須藤も見事に憤慨させられているようだ。

 

「お前みたいな雑魚じゃ、蚊に刺された程度だろ?」

「ほれほれ、そんなに強いってんなら、やってみろやw」

「……ふっざけんなぁ!」

 

 我慢ができなくなった須藤が拳を振り上げる。が、俺はなんとか、拳が振り下ろされる前に、須藤の腕を掴む事に成功した。

 

(……トレーニングしてなかったら確実に間に合わなかったな)

「! ツナ!」

『!』

 

 腕を掴まれたことで我に帰ったのか、須藤は少し大人しくなった。

 

「須藤! こんな見え見えな煽りに乗っかっちゃダメだ。明らかに君に手を出させようとしているぞ!」

「えっ! そ、そうだったか?」

 

 分からなかったのか、須藤は頭をポリポリと困り顔で掻いている。

 

「そうだ! それに、喧嘩して腕や足に怪我したらどうするんだ! ついにレギュラーになったんだろ? 今朝、嬉しそうにそう言ってたじゃないか!」

「お、おう。そうだな」

「だろう?  だからつまらない喧嘩で怪我なんかして、試合に出れなくなったら勿体ないぞ!それに、須藤のその鍛え上げられた体は、喧嘩の為にあるんじゃない。バスケの為にあるんだろ

う?」

「! おう!その通りだぜ!」

「よし。ならばこんなとこで喧嘩してないで、部活に行って来い!」

「——おい、何2人だけで話を進めてやがる?」

 

 須藤を説得し終えたと思ったら、ヤンキーの1人である、セミロングの男子が割り込んできた。

 

「……おいサル。こいつはお前のパシリか?」

「ああ? ツナはパシリじゃねぇよ! ダチだ!」

「.……パシリに助けてもらうとか、情けない野郎だな」

「あ!? なんだとコラあ!」

「須藤! だから乗ってはダメだ!」

 

 セミロングの男子の発言に、再び須藤の怒りが湧き上がったので、もう一度腕を掴んで止める。

 

「あ……悪りい、ツナ」

「とにかく落ち着け、須藤」

「.......おい、お前」

 

 セミロングの男子が俺の胸ぐらを掴む。

「! てめ……」

 

 またも怒ってしまいそうになる、須藤を手で制した。

 

 その様子を見て、セミロングの男は額に青筋を浮かべる。

 

「お前·、須藤のパシリだろ? パシリが一丁前に割り込んでんじゃねぇ。お前もひどい目に合わせるぞ」

「……」

 

 俺を睨みつけるセミロングの男子を見て、考える。

 

(強そうではあるが……そこまでじゃなさそうだ。生徒会長の方が戦闘力は高そうだな。.....だが、何か普通のヤンキーって感じはしない。なんというか——XANXUSに似た、人を引きつける魅力みたいなモノを感じる)

 

「……なんか言えよ」

「——須藤にちょっかいをかけるのは、やめてくれ」

「......テメェ」

 

 この俺の態度が気に食わなかったのか、男子はどこかに俺を連れて行こうとした——その時。

 

「はいっ !両者そこまでっ!」

「!」

「……一之瀬か」

 

 今朝知り合った、一之瀬がストップをかけてくれた。

 

「一之瀬。これは喧嘩じゃない、俺達が被害者だ」

「そう? 私はそこの沢田君が言ってた通り、龍園君達が煽ってるように見えたけど?」

 

 龍園、と呼ばれた男子は自分達が被害者だと言いのける。ありがたいことに、一之瀬は俺の味方になってくれたようだが。

 

「……一之瀬」

「これ以上何かするようなら、先生達に報告するよ?」

「……ちっ!」

 

 舌打ちした龍園は、乱暴に俺の胸ぐらから手を離した。そして、反対方向に歩いて行きながら、何かを呟き始めた。

 

「おいサル。お前はいいおもちゃになりそうだ。そしてそのパシリ、テメエとはまた今度遊んでやるよ」

 

 その後、龍園達はどこかに消えて行った。

 3人がいなくなると、須藤が申し訳なさそうに俺に頭を下げてくれた。

 

「悪りい、ツナ。おかげで助かったぜ」

「いいさ。怪我してなくてよかった。——ほら、そんな顔してないで、さっさと練習に行ってこい!」

 

 そう言って、悲しい顔をしている須藤の背中を叩く。

 

「ツナ……」

「せっかくレギュラーになったんだ、試合でも活躍できる様に頑張れよ。今度、試合の応援にも行くからな!」

「! おう! 行って来るぜ。サンキューな、ツナ!」

 

 笑顔になった須藤は、手を上に掲げながら体育館に走って行った。

 

「……」

「……ふふっ。沢田くんって、友達思いなんだねっ!」

 

 須藤を見送っていると、一之瀬がそう言ってきた。

 

「ははっ、そうかな」

「うんっ! 私、沢田君の事見直したよ!」

 

 まだ会うのは2回目なのに、見直したと言われるとは。

 第一印象が悪かったのか?

 

「そうか? ありがとう」

「うんっ! 沢田君とは仲良くなれそうだなぁ♪......あ、そうだ!」

 

 一之瀬は、ブレザーのポケットから学生証端末を取り出した。

 

「せっかくだし、連絡先交換しようよ!」

「ああ。よろこんで」

 

 俺の学生証端末に、3人目の女子の連絡先が登録された。思わず、小さくガッツポーズをしてしまったのは内緒だ。

 

「じゃあ、私は行くね! またね沢田君!」

「ああ。またな一之瀬」

 

 一之瀬と別れた後、俺は再びトレーニングに戻った。

 

 今日は調子がよく、かなり早い時間に終わらせる事ができた。おかげでその日はぐっすりと眠る事ができ、翌朝もバチっと起きる事ができた。

 

 

 —— 次の日、昼休み ——

 

「もぐもぐ……ん?」

 

 食堂で綾小路君とご飯を食べていると、学生証端末に一件のメールが入った。

 

 送信者は……一之瀬さんだ!

 

 

 from穂波

 

 沢田君、放課後に校舎裏に来てくれない?

 聞いて欲しい事があるの……。

 

 fromツナ

 

 わかった。放課後だね。

 

 from穂波

 

 うん! ありがとう!

 

 女子からの放課後の呼び出し。しかも校舎裏。この2点だけで、男がそわそわしてしまうのは、致しかたないと思う。

 

 実際俺は、午後の授業中そわそわしてたからか、斜め後ろの堀北さんに「トイレの我慢は良くないわよ」と、注意されてしまったくらいだ。

 

 

 —— 放課後、校舎裏 ——

 

 放課後になり、校舎裏に向かうと、すでに一之瀬さんが待っていた。

 

「あ! 沢田君!」

 

 午後中そわそわしていた俺だが、俺に気づいた一之瀬さんの表情で、勘違いであった事を悟ってしまう。

 

 なぜかというと、一之瀬さんを取り巻く雰囲気が告白するって感じではないように感じたのだ。

 

 むしろ逆で、誰かに一之瀬さんが告白されるんじゃないかて気がする。

 一之瀬さんは俺に近づくと、顔を赤らめてモジモジし始めた。

 

「あの……あのね?」

「うん」

「わ、私……」

「はい」

「こ、こく……」

「——こく? 」

 

 ……やっぱり、告白されるんじゃないか?

 いや、ないか。

 

「告白されるみたいなの! 今からここでっ!」

「へえ~、そうなんだ。....え? 今からここで?」俺の質問に、一之瀬さんはこくりと頷く。

 

 予想通りだったけど、まさか今からとは。

 

「あの、俺邪魔じゃない?」

「ううん! お願いだから、ここにいて欲しいの!」

「なんで? 今から、告白される相手が来るんでしょ?」

「そうなんだけど……そこで、沢田君にお願いがあるの」

 

 一之瀬さんのお願いは、彼氏のフリをして欲しいというものだった。

 

 なんでも、クラスの女子から告白されるらしいのだが、恋愛がよく分からないらしく、できるだけ傷付けないように、断りたいらしい。

 

 相手が女の子だから、男子と付き合っていることにしたら、納得してくれると思ったそうだ。返事に困っていると、それからすぐに、校舎裏に1人の女子がやってきた。

 

 その女子は、俺と一之瀬さんが一緒にいるのを見て、驚いた表情になった。

 

「一之瀬さん? え、その人は一体……」

「あ、この人はね! 私の彼——」

「ただの友達です」

『!』

 

 友達と断言した俺に、後ろの女子も、一之瀬さんも、目を見開いて驚いている。

 

 まずは、お願いを聞いてから思っていた事を、一之瀬さんに伝える事にしよう。

 

「一之瀬さん、告白するのってすごく勇気がいるんだよ。毎日悶々として、好きな気持ちが溢れて止まらなくなって、告白してみようと決心しても、どうしても最後まで勇気が出ない人だっているんだ。それこそ、死ぬ気にならないと告白なんて出来ない、なんて臆病者だっているんだよ。だからさ、一之瀬さんも、あの子の精一杯の勇気を出した行動に、正面から向き合ってくれないかな?」

「……あの子の勇気に、向き合う?」

「うん。あの子の事を傷つけたくないのなら、ごまかさずに、真正面から受け止めてあげて? それが、最大限の優しさだと思うから」

 

 一之瀬さんは、女の子の事を見てしばらく考え込む。そして、顔を上げた彼女は、始めて会話した時の様に、晴れやかな笑顔に戻っていた。

 

「うん! わかった! ありがとう、沢田君♪」

「ううん、じゃあ俺はこれで」

 

 そう言って校舎裏から離れるが、俺が横を通り過ぎる時、女の子が頭を下げてくれた気がした。

 

 

〜数分後〜

 

「ううっ、ぐすっ……」

(……思いは、伝えられみたいだね)

 

 なんとなく行く末が気になった俺は、校舎裏近くのベンチに掛けていた。

 

「……あっ」

「!」

 

 走り去ると思っていたら、女の子は俺を見て足を止めた。そのまま俺に近づいて来て、頭を下げる。

 

「あの、ありがとう。君の言葉を聞いて、ちゃんと気持ちを伝える事ができたよ。結果は残念だったけど、すごくすっきりできた気がする」

 

 涙を必死に堪えながら、そう言ってくれた女の子。俺はその子に首を振って答える。

 

「ううん、君が勇気を出して告白したからだよ。.....その、前を向くのはさ、思いっきり悲しんでからでも、遅くないと思うよ?」

「……え?」

「無理して我慢する必要はない、ってことだよ。辛い気持ちは全部今日の内に吐き出してさ、明日から前を向けばいいんじゃないかな?」

「——ぐすっ。あ、ありがどう」

 

女の子は顔を歪めながら、もう一度頭を下げる。そして泣きながら、どこかに走り去って行った。

 

「……お疲れ様」

「——あ〜あ。かっこいいトコを見せられちゃったなぁ~」

 

 女の子の背中を見送っていると、校舎裏から一之瀬さんが出てきた。その表情は晴々としているが、どこか辛そうでもある。

 

「ちゃんと向き合ってあげれたんだね、一之瀬さん」

「うん。沢田君のおかげだよ!」

 

 そう言いながら、一之瀬さんは俺の隣に腰掛けた。

 

「……沢田君に借りができちゃったね」

「いいよ、借りとか思わなくて」

「ううん、私は恩を忘れたくないから。この恩は、何かで返すからね」

「.......そっか」

「うん♪ あ、この後カフェでも行かない? 私、もっと沢田君とお話してみたいんだ」

「あ、うん。いいよ?」

「ほんと? よかったあ、じゃあ行こっか! ——あ、これで借りが無くなるわけじゃないから、安心して!」

「あはは、別にそれでもいいよ?」

「ダメだよ! これは友達同士の、普通のお茶会だからねっ♪」

 

 そして、俺は1時間ほど、カフェで一之瀬さんとおしゃべりをしてから別れた。

 

 時刻は7時前。そろそろ部活時間も終了する事だった。

 

(ん~、今日はトレーニングどうしようかなぁ。……今日はもう遅いし、広場で筋トレメニューだけこなして帰るか!)

 

 ——次の日、俺はこの決断を後悔する事になる。

 

 いつも通りのトレーニングメニューを、遅くなってもこなしていれば、あんな問題は起きなかったかもしれないのに、と……。

 

 —— 翌日、7月1日のホームルーム ——

 

「今日は知らせが2つある。まずは1つ目、DクラスのCPが87になったぞ」

『おお!』

 

 CPが上昇した事に沸き立つクラスメイト達。そんな中で平田君が挙手をして、茶柱先生に質問をした。

 

「先生、2つ日は?」

「うむ。2つ目は、トラブルにより今月のポイント支給が遅れている、という知らせだな」

『はあっ!?』

 

 さっきまでと一転、今度は騒ぎ始めるクラスメイト達。

 

「先生! どういうことっすか!」

「俺、CP発表が楽しみで、自分のPP確認してなかったのに……」

「私もなんだけど〜」

 

どうやら、ほとんどのクラスメイトが、PPを確認してなかったようだ。

 

 俺は一応確認していたので、今月もCPは0だと思っていた。

 

(でも、増えていたのは嬉しい誤算だぞ!)

 

 ひっそりと机の下でガッツポーズをしていると、茶柱先生が騒ぐクラスメイト達を手で制した。

 

 全員が静かになると、茶柱先生は再び話始める。

 

「で、そのトラブルというのはな?」

 

 茶柱先生はクラスを見回し、やがて1人の生徒に視線を合わせて止めた。

 その生徒は——須藤君だった。

 

「須藤。お前に対して、Cクラスの3名の生徒から、学校に訴えが出されている」

「……は? 俺に?」

「そうだ。内容は、お前がその3人を呼び出して、暴力を振るった事についてだそうだ」

 

 茶柱先生のその一言に、クラス中が凍りついた。

 

 誰も何も言わない中、俺と須藤君だけはなんとか声を絞り出す事が出来た。

 

 それもたった1音だけだったのだが。

 

『——は?』

 

 




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