魔法少女リリカルなのは Goddess Was Fallen 作:ルル・ヨザミ
(”不屈の影”よ、”不屈の影”覚えておいてね)
う、うん…ていうか今の状況がわからないんだけど…。私お腹を撃ち抜かれて、意識を失いかけて…そこから、どうしたんだっけ。
(今は私があなたの意識を保っているのよ。このままじゃ私ごと死んじゃうしね)
し、死ぬ!?そんな…。
(だーかーら!私が助けてあげるって言ったでしょ!全く…”隷属”の時も全然声聞いてくれないし…)
”隷属”の時…?も、もしかして私とはやてが話してる時に聞こえた『フェイトちゃん』って声、”不屈の影”が言ってたの?
(そうよ!”影”は”影”の力が無いと倒せないから、私が力を貸そうって言ってたのに!)
で、でも私このままで倒せたよ?”隷属の影”。
(完全には倒せてないわよ。私たち”影”は”影”に倒される以外の倒され方をしたら、憑依者に種を残すの。復活するためのね)
種…。!まさか、なのはの中には!
(まだ、”隷属の影”はいるわよ。着々と復活する時を待ってる)
そんな…あれだけやって倒せてないなんて…。
(だからこそ、私が力を貸してあげるって言ってるの!私は”隷属”や”断罪”、”憤怒”と違って人の身体を乗っ取ったりしないしね)
え、そうなの?てっきり”影”はそういうものだと思ってた。
(そもそも乗っ取る奴等が、私たちを作った親を殺してこの世界に来たの。私が来たのはあいつ等を止めるため。私と”忠誠の影”がね)
”忠誠の影”…二人だけで止めに来たの?そんな無茶な…。
(しょうがないでしょ!六つの”影”で人の心の善意を司っていたのは私たちしかいなかったんだから…)
そっか…じゃあ、とりあえずあの局長…”断罪の影”を捕まえるために、力を貸してもらおうかな…!
(うん…!任せなさい!!現実に戻ったらバルディッシュにモードチェンジって命令するの。そうすれば私の力を使えるわ!)
わかった!…ここ夢の中だったんだね…。
(ああ、うん。そうよ)
「はっ!危ないところだった…!」
「おやぁ?今ので死んでないぃ…。どういう事だいぃ?」
「どうもこうもないですよ!…いこう、バルディッシュ…!」
≪Yes sir≫
「何を…するつもりだいぃ?」
”断罪”は未だ呆けた顔でこちらを見ている。周りの武装局員は私を心配そうに見ている。ここからは…ここから優勢に持っていくのは私の番だ!!
武装局員に逮捕の準備をするように念話し、私はモードチェンジの準備をした。カードリッジロードだ。
武装局員からは大丈夫か聞かれたが、心配ないことを伝えた。
「じゃあ、行きますよ”断罪の影”…。バルディッシュ!モードチェンジ!!」
≪Yes sir MODE RAISING GET SET≫
「モードチェンジだとぉ!?なぜ、なぜ君がそれを使える!?それは”影”が、”影”がいないと使えないはず…!?」
私を白い球体が包み込む。
「私にも憑依していたんですよ。”影”が…。その名も”不屈の影”!」
「”不屈”…!あいつかぁぁぁ!ふざけるなぁ!」
どうやら”不屈”は嫌われているらしい。まぁ、そんなことはどうでもいい。私のバリアジャケットが変化していく。黒いレオタードの部分や手袋は藍色に。マントは表が白、裏が青になった。
「すごい力…。これなら!」
私はバルディッシュをザンバーにして、”断罪”に突っ込んだ。これ以上、好きにはさせない…!
「覚悟!でやあぁぁ!」
ザンバーを”断罪”の部上に向かって振り下ろす。”断罪”の避けるスピードを越えたこの斬撃は確実に”断罪”の脳天に直撃した。
「うぐおあぁぁ!なんだこの速さは!?”不屈”貴様フェイト・テスタロッサにどんな能力を…!」
”断罪”の質問に答えてもらうために、私は”不屈の影”に意識を貸した。
「…サンキュー、フェイト。”断罪”!私がフェイトに渡したのは別に何か特別な能力でも何でもないわ」
「何!?じゃあこれは…」
「そもそも私には特殊能力なんてない。私ができるのは純粋な身体能力の強化と戦闘センスの向上、魔力強化だけよ」
「な、なに!?何が『だけ』だ!そんな、身体能力や戦闘センス向上、魔力教化を一気に行うだと…!?そんなもの、インチキ以外何物でもない!勝てない、我々”影”は貴様に勝てないではないか!!」
「勝てないのは当たり前じゃない。私の役目は”影”の討伐なんだから」
「じゃ、じゃあお前は”影”を倒すために生まれた”影”だとでもいうのか!?奴は我々の反乱を、予期していたとでも…!?」
「私が”影”を倒すために生まれたのは肯定するけど、あんた等の反乱を予期していたかは私にだってわからないわ。ただ、私がいるという事はそうなんじゃない?」
…意識が私に返ってくる。意識を渡していたとはいえ会話は聞いていたんだけどね。…”影”たちの会話で気になったことがいくつかある。一つはなぜ、”不屈”が与える力だけで”影”たちが勝てなくなるのか。そしてもう一つ、”影”たちの製作者は何を目的に”影”を作ったか。
他にも色々あるけどとりあえずこの二つが特に気になる疑問。
「さぁ、お喋りは終わりだ。”断罪”、このまま貴方を逮捕する!」
「逮捕だとぉ…?できるわけないだろう!”影”を持つ君にならともかく、時空管理局の他の局員に私を抑えられるわけがないだろうぅ!」
「だから、ここであなたを無力化するんですよ。」
”不屈”が貸してくれたこの力なら…!できる!
「舐めるなよぉ…この”断罪の影”をぉぉ!!」
真正面から、突っ込んでくる。どうやら、先ほどまであった余裕は私がモードチェンジしたことによって完全に無くなってしまったようだ。
…恐らく”断罪”も誰かを乗っ取っているのだろう。何とも哀れに思える。別に乗っ取られた人に罪はない。だけど自分の意思とは関係なしに情けのない顔を見せてしまっている。”断罪”も、ただ一度の予想外でこうも壊れるとは…哀れ…という他ない。
いつもなら思わないようなことを考えているのは、少なからず私も”影”の影響を受けているからだろう。つまり、”不屈”は今目の前の人物に哀れという感情を抱いているのだ。
まあ、私自身わからない感情ではない。私はむしろ可哀そう…かな?
「プラズマ…スマッシャー!」
「フォトンランサーが当たらなかったくせにぃ、懲りずにまた射撃かぁい!」
「当たりますよ、これは」
プラズマスマッシャーの金色の光は真っすぐと”断罪”を包もうとする。しかし、”断罪”は横に移動し避けた。
「ほらぁ!当たらない!」
しかし、プラズマスマッシャーは、少し進んだところで急転回し、”断罪”を背後から攻撃した。完璧なコントロール、直撃だ。これが…”影”の力…!
「ぐおおおお…!!こんな、こんなことが…あってたまるかぁ…!私が負けるなどぉおぉお!」
どんどん冷静さを欠いていっている。逆に私はどんどん心が落ち着いてくる。今何をすべきか、次にやるべきことは何か、すぐに浮かんでくる。
そういえば今さっき”断罪”が言っていたこと”隷属”も似たようなこと言っていたな。余程自分の能力や力に自信があるんだろう。
「追撃…!ハーケンスラッシュ!」
バルディッシュがザンバーをすぐさまハーケンに変え、放つ一撃。この斬撃は”断罪”の腹部に直撃し、”断罪”は「ぐぇ…」と呟き倒れこんだ。
終わりはあっけのないものだった。”隷属”の時と同じで少々不安が残る。しかし、これも”不屈”が力を貸してくれたからだ。本当にありがたい。
そして、”断罪”にはストラグルバインドをかけた。”不屈”曰く、”影”も一応魔力生物に分類されるようで、効果は十分にあるそうだ。つまり魔法を無効化する拘束の仕方をすればいいわけだ。
六人の武装局員たちが”断罪”のバインドが解けないように、慎重に運んでいく。私も途中までついて行くけれど…やっぱりなのはたちが心配だ。一回報告したきりだったもんね。
リンディ提督曰く、戦闘場所がコロコロと変わっているらしく、一筋縄ではいっていないらしい…。
そして、武装局員をグラナードまで送った後、私はアリサとなのは、シグナムが戦闘を行っている場所へ、急いだ。
「なのは…シグナム…どうか無事でいて…!」
一応、局長戦は、局長室に入って2時間かかっての解決です。短期決戦です。そもそもこの部隊自体が短期決戦を目的にされた部隊という設定(今考えた)なので、何もおかしいところはありません。
2時間の殆どは局長とフェイトちゃんのお喋りですが、モードレイジングになってからは、15分で解決しました。つまり、それくらい”不屈の影”は”影”に対して強いのです。二つの魔法で無力化、そして、武装局員の一人が使えたのでストラグルバインドで捕縛という形になりました。
なぜここでこんなに説明しているかというと、局長をあっさりと負けさせすぎたなと思っているのでとりあえずここで振り返りをしているのです。あんなに時空保安局とか設立を宣言とか言ってたのに…登場からわずか一話で局員全滅、数話で局長が退場…そしてアリサは局長の管理下にないので実質保安局は壊滅しました。
あー、あっさり終わらせすぎてしまった…。ここでの一番の反省点は局員全滅を一回の話の数行で終わらせて、崩壊を早めたことです。その所為でこの程度の敵に管理局は20個の部隊を壊滅させられたのか、となってしまうと思うのです…。ここからは注意しながら展開していかなければ…。